三浦小太郎に突っ込む(2020年1月7日分)(追記あり)

[トランプ王国2」(岩波新書)は現代政治を考える上でぜひ読むべき名著 | 三浦小太郎BLOG Blue Moon

 人間を理解しようとするとき、その表面の意見の違いを越えて、どこか彼の存在を認め受け止める姿勢がなかったら、絶対に相手は本気でものをしゃべるはずがない。

 良くもまあ左派(例:社民、共産)や「リベラル保守(例:河野洋平*1)」「安倍自民に批判的な保守(例:翁長元沖縄県知事(故人)、デニー沖縄県知事)」などに対して「中国の手先」だの何だのとウヨ仲間と一緒に誹謗三昧のクズ(つくる会理事)がこんな心にもないデマがほざけたもんです。

 この記者を朝日新聞や岩波はもっともっと評価すべきだと思う。

 吹き出しました。金成記者が評価に値するかどうかはともかく「岩波から新書を出せる」というのは十分評価されてるでしょうよ。これ以上、何を朝日や岩波に求める気なのか。

 もしリベラル派が復権するとしたら、このような人たちから始まるはず。

 やれやれですね。日本において安倍政権が長期政権下するほど「日本社会が右傾化してること」は残念ながら事実です。
 この点、リベラル派にも一定の反省の必要はあるでしょうが、それは「日本人多数が戦前について無反省な右派」「日本人多数がアジアを蔑視してる右派」「そうした状況をリベラル派が打破できてない」などと言う話であって三浦のいうような話ではない。
 そもそも「我らウヨの天下だ!」と安倍政権長期化に図に乗る三浦ですが、その安倍政権下に置いてすら、たとえば三浦らウヨが望む「河野談話撤回」「首相靖国参拝」は現時点でできないわけです(今後も出来ないでしょうが)。
 そして安倍を支持する人間は「残念ながら安倍の極右性を容認してる(批判的ではない)」とはいえ、積極支持してる人間は少ない。
 多くの人間は「自民党(あるいは自民党所属のおらが村の議員先生)」を支持してるだけであり「その支持政党自民のトップが安倍だから安倍も支持してる」にすぎません。
 大体「安倍自民は極右」ですが「最大野党立民以下、野党各党」は「事実上、自民の二軍であるインチキ野党・維新」を除けば保守政党(立民、国民民主)もあるとは言え極右ではないし、「安倍以上の極右政党」だった次世代は選挙であえなく消滅したわけです。
 そして「安倍が退陣すれば」ポスト安倍有力候補で安倍ほどの極右は自民党には居ないわけです。石破元幹事長にせよ石原元幹事長にせよ岸田政調会長にせよ「リベラル保守ではない」かもしれないが安倍ほどの極右ではない。
 安倍ほどの極右としては安倍の取り巻き「下村選対委員長」「萩生田文科相」などがいるが彼らは首相有力候補とは言えない存在であり、だからこそ「モリカケ」だろうが「桜を見る会疑惑」だろうが三浦らウヨは恥知らずにも詭弁で安倍を擁護するわけです。正直「下村らが安倍の代わりになるのならば」三浦らウヨもここまで恥知らずに安倍を擁護しないでしょう。
 また「国内的」にはともかく国際的には三浦らのウヨの与太「南京事件否定論」「河野談話否定論」などは相手にもされていません。
 「リベラルの復権」などとほざく三浦ですが、自分たちが「安倍が退陣したら沈没する存在」でありリベラルにどうこう言える代物でないことは自分でも自覚しているでしょう。というか「お為ごかし」とはいえ三浦が「復権」と言うとは意外でした。復権とは「過去にそれなりに意義があった」と評価しないと使わない言葉ですので。まあ、三浦の場合、本心ではなく虚言であることは見え透いていますが。

 トランプの過去の女性蔑視発言なんて、仕事を欲しているひとは意に介さない。労働者にとって最大の重要関心事は雇用。いくらトランプの道徳的な欠点を指摘しても心に響かないのです*2

 前も指摘しましたが、こういう文章を好意的に紹介する三浦が「ウイグルガー」「チベットガー」で中国非難するのは意味不明ですね。
 三浦の引用した文章をまねれば

 中国の少数民族問題なんて、中国ビジネスで金儲けしてる日本企業は意に介さない。日本企業にとって最大の重要関心事は利潤。いくら中国の道徳的な欠点を指摘しても心に響かないのです。

なんですけどね(皮肉でも冗談でもなくこれは事実です)。
 あるいは「対馬が、佐渡が、北海道が危ない、韓国や中国が狙ってる*3」と三浦らウヨが言ったところで「中国、韓国からの観光客が落とすカネ」に期待する対馬佐渡や北海道の人間はそんなもん聞く耳持ちません。
 「トランプ批判者は経済に無関心で、人権の事ばかり言ってる!」「金儲けが大事な人間相手にはトランプを人権面から批判するだけでは心に響かない」と悪口する三浦*4が、中国ビジネスに励む日本企業など相手には「中国ビジネスが、カネがそんなに大事か!。人権無視だ!。中国の人権侵害を容認するのか!」と悪口。
 「日中関係の話」では経済的利益を完全に無視するのだから、三浦もまあデタラメです。
 こちらとしては「あなたトランプ支持者が人権軽視するのは『金儲けも大事だから理解できる』と正当化したじゃないですか。日本企業だって同じ話ですよ」「今、中国市場を無視して日本経済がやっていけるんですか?」と言い返すだけの話です。
 人権面からトランプ批判をするリベラルに嫌みが言いたい程度のレベルが低い話だから三浦はこうなるわけです。

追記あり
キリバス大統領を厚遇、中国・習主席 (写真=ロイター) :日本経済新聞

 キリバスは2019年9月に台湾と断交し、中国と国交を結んだ。

 もちろんキリバスも「経済的利益」から台湾と断交し中国と国交樹立したわけですが、こういうことに「カネに転ぶのか!」と悪口するのが三浦なんでしょうね(苦笑)。トランプ支持者が「カネのため*5」にトランプの暴言を容認するのは支持するくせに。

*1:中曽根科学技術庁長官、宮沢内閣官房長官、村山、小渕、森内閣外相、衆院議長など歴任

*2:もちろんそうした人間を俺は軽蔑しますが、そもそもトランプによって雇用が増加している事実はないわけです。トランプはそのように強弁しますが

*3:そもそも中国、韓国誹謗のデマですが

*4:もちろん金成本(岩波新書)にそうしたトランプ支持者の発言が書いてあるからと言って、金成氏は「トランプ支持」三浦と違い、それを正論として支持してるわけではないでしょうが

*5:ただし既に指摘しましたがトランプ政権によって景気が良くなったとか、雇用が改善したとはいえないと俺は思いますが。