黒坂真に突っ込む(2020年3月30日分)

黒坂真リツイート
 吉岡正史さん。ジェンダーが「社会が構成員に対して押し付ける『女性はこうあるべき、男性はこうあるべき』.などの行動規範や役割分担」であるなら、それは政治権力ではなく、主に社会すなわち長年の慣習や人々の主体的選択により形成されたのです。
◆吉岡正史
志位委員長の代表質問/衆院本会議
 お聞きしたいのは、そもそも総理が、ジェンダー平等という概念をどう理解しているかという問題です。
 ジェンダーとは、社会が構成員に対して押し付ける「女性はこうあるべき、男性はこうあるべき」などの行動規範や役割分担などを指し、一般には、「社会的・文化的につくられた性差」と定義されています。しかし、それは決して自然にできたものでなく、その多くが政治によってつくられてきたものだと考えますが、総理はどのように認識していますか。
 日本におけるジェンダー平等の遅れは、政治が大きな責任を負っているという自覚はありますか。答弁を求めます。

 「黒坂って本当にバカなんだな」ですね。
 吉岡氏が紹介する志位質問において、志位氏はそもそも「ジェンダー(日本社会で一般的な性に対する価値観)とは政治権力の押しつけが全て」などとは一言も言ってない。
 志位氏は

 ジェンダーは社会で形成されてきた『性についての多数派の価値観』で、日本においては『男尊女卑的傾向が強いと思う』が、その多く(小生が今思いついた物だとは『戦前の家長制度』『戦後も続く「女性天皇を否定する皇室制度」』『育児女性の就労を阻害する不十分な育児支援制度』など*1)は法制度によって形成されてきたと思う。だからこそジェンダーを男女平等的な物に変えるため、政治の役割が重要だと思うが安倍首相の考えはどうか?

と主張している。
 ここで「ジェンダーは政治の押しつけオンリーではない」と言い出すのは志位批判にも何にもなってない。
 ここで予想される安倍の応答は「具体的政策においては、志位氏と自民党には色々違いがありますが、一般論としてはジェンダーを男女平等な物に変えていくためには志位氏ご指摘の通り政治の役割も大きいと思います」以外の回答は常識的にあり得ない。
 ここでまさか安倍ですら「現在、我々自民党がとってる男女平等のための施策は必要充分であり、志位氏のお考えとは違い、ジェンダーが現在、女性差別的な物でも、その是正のために政府に出来ることは何もないと思います」なんていうわけがないでしょう。そもそもジェンダーを平等な物にするための法律として「男女共同参画基本法」と言う法律もあるわけです。男女平等の担当大臣として「男女共同参画担当相」という役職もある(現在は橋本聖子男女共同参画担当相)。
 なお、志位氏はジェンダー平等のための施策として、この代表質問では

・政治の責任について、具体的に4点について聞きます。
・第一に、日本の男女の賃金格差は、OECD経済協力開発機構)の調査では、正社員でも男性100に対して女性は75・5。OECD35の国のうち33位です。この是正のためにも、賃金格差の実態を見えるようにすること――すなわち企業が実態を情報公開することは第一歩になります。
 ところが安倍政権は、昨年の女性活躍推進法改正で、男女の賃金格差状況の開示を義務づけることを、経団連の意向を受け入れて見送ってしまいました。これでいいのでしょうか。この態度をあらため、男女の賃金格差状況の開示を義務づけるべきではありませんか。
・第二に、夫婦同姓を法律で強制している国は、世界で日本だけです。民法を改正して、選択的夫婦別姓を実現するべきではありませんか。
・第三に、2017年の刑法改正は、性犯罪を非親告罪にするなど前進がありましたが、なお大きな問題点を抱えています。「同意のない」性交=強制性交であっても、被害者が拒否できないほどの「暴行・脅迫」があった、もしくは酒や薬、精神的支配などにより抵抗できない「抗拒不能」の状態であったことが認められなければ犯罪になりません。
 強制性交等罪の「暴行・脅迫要件」を撤廃し、同意要件を新設すべきではありませんか。
・第四に、総理は、安倍政権のもとで、「(ボーガス注:麻生財務相の)セクハラ罪という罪はない」、「(ボーガス注:杉田・自民党衆院議員の)LGBTは生産性がない」など、ジェンダー平等に逆行する発言が繰り返される原因はどこにあると認識していますか。自民党改憲案が「個人」でなく「家族」を「社会の基礎的単位」とあえて位置づけ直したことに象徴されるように、男尊女卑に貫かれた戦前の「家制度」への逆行の思想が、根底にあるのではありませんか。しっかりとお答えいただきたい。

としています。
 むしろ黒坂がコメントするなら「ジェンダーは政治の押しつけオンリーではない」などというくだらない言いがかりより、「志位氏のした4つの指摘についてそれぞれどう思うのか」、まともなコメントをすべきでしょう。
 なお、女性差別に限らず「社会が構築したものだから政治が何もしなくていい」では「国籍、民族差別」であれ「人種差別(黒人差別など)」であれ、「宗教、思想差別(イスラム差別や反共主義など)」であれ、障害者差別であれ、何であれ、差別なんてもんはなくなりません。
 そもそも「差別や人権侵害」に対して、何もしないというのは「消極的容認」であって「中立」ではないわけです。

*1:まあこの辺り小生も無知なので例をほとんど挙げられませんが