「コロナ危険地」を取材できるか - 高世仁の「諸悪莫作」日記
はじめに23日のブログに訂正。
東京五輪の延期に伴う追加費用につき、延期の追加費用を、国際オリンピック委員会(IOC)が「安倍晋三首相が、現行の契約条件に沿って引き続き日本が負担することに同意した」と明らかにしたとの共同電を紹介し、「安倍首相が『うちが払います』と安請け合いしたという」と書いた。
ところが、菅官房長官や橋本五輪相が21日、「合意の事実はない」と否定。国際オリンピック委員会(IOC)は21日、公式サイトで「安倍首相が、割り当てられた費用を日本が負担することに合意した」という文言を削除、「IOCと、大会組織委員会を含む日本側が共同で、延期によって生じる影響について評価と議論を進めていく」との考えを示した。
IOCがサイトで削除している以上、日本側が了承したわけではないと訂正します。
とはいえ、そもそも「総理と合意に達した」と発表したのはIOCですからね。
「総理の発言だから問題ないだろう(IOC)→IOCが記者発表し、マスコミも報道→菅や橋本が否定→IOCが発表を撤回」とは無茶苦茶の限りです。まさかIOCが虚偽発表したわけでもないでしょう。
1)菅や橋本の了承も得ずに安倍が独断で放言したのか
2)菅や橋本の同意の上で発言したのに「世間の批判」を前に撤回したのかはともかく、本当に無茶苦茶な安倍政権です。
今回の新型コロナ禍の最前線、深部を日本のマスメディアは取材していないではないか、との批判を目にする。海外ではもっと突っ込んだ取材をしているというのだ。
私はテレビ番組制作を廃業した身だが、いろんなところから断片的な情報は入ってくる。
某民放テレビ局の情報番組のディレクターによると、医療機関はもちろん保健所、患者家族など普通ならメインになる取材対象には接触しないよう指示されており、識者インタビューすらお宅を訪問するのではなくスカイプでやっているので、そもそもカメラを持って外に取材に行く機会が非常に少ないという。
「オレはコロナに感染してもかまわない」と思っても、(ボーガス注:福島原発事故取材で危惧された)放射能や(ボーガス注:戦地取材などで危惧される)ケガは他人に移らないけどコロナは移してしまうのだ。
それにしても、もっと深いところをえぐる取材はないものか。何か工夫できるような気がするのだが。
それとも誰か潜行して取材中なのか。おお!と驚くような取材が見たい。
いつもなら「志村けん、岡江久美子の死去」「ホテル療養に方針が変化するきっかけとなった埼玉での二人(白岡市と東松山市)の自宅療養者の急死」で家族など周辺取材に行くところコロナ感染の恐怖で行ってないと言うことですね。
誰かに会って取材したり、チームを組んで撮影したりできないとなって、テレビ業界は七転八倒している。名だたる人気番組((ボーガス注:NHK)サラメシ、(ボーガス注:テレ朝)ポツンと一軒家、(ボーガス注:NHK)鶴瓶の家族に乾杯などなど)はみな通常の制作ができない。再放送でしのいでいる状態だ。
そんななか、テレ東の看板番組の一つ、「家、ついて行ってイイですか?」が、《おうちで「家、ついて行ってイイですか?」ごっこ》ができるマニュアルを公開した。
これは「・・と見せかけて、皆様からVTRを投稿してもらおうという魂胆の企画です」と断っているように、視聴者自身に番組用に撮影してもらおうというのだ。
この先、テレビ番組はどうなっていくのだろうか。考えさせられる。
まあ一つ、コロナ対応として考えられるのは、高世が紹介する「家、ついて行ってイイですか?」方式ですね。
つまり視聴者からの投稿で番組作成するというスタイルですが、ただこれも「それで全て切り替えが出来る」わけもない。
結局、当面の間は
1)「リアルタイムのニュース番組」など、取材しないわけに行かない物については、感染予防をした上で取材するが
2)それ以外についてはかなりの部分、再放送でしのぐという現在のスタイルを続けるしかないんじゃないか。
しかしこうなると「オイルショック時のように深夜(夜12時から翌朝6時など)の放送はしない」と言う対応でいいんじゃないか(さすがに深夜以外の時間帯の放送はしないわけに行かないでしょうが)。