「珍右翼が巣くう会」に突っ込む(2020年11/14日分:荒木和博の巻)

大森勝久氏の新しい論文です: 荒木和博BLOG

 道庁爆破事件自体については明らかに冤罪

1)日弁連アムネスティは明らかに「冤罪説」であること(「再審開始を求める」など、冤罪説の立場の声明を出しています)
2)未だに死刑が執行されないこと(帝銀事件名張毒葡萄酒事件(死刑は執行されず、いずれも被告人は獄中で病死)など冤罪の疑いが指摘される事件では政府が死刑執行したがらないことは言うまでも無いでしょう。大森氏もこのまま獄中死する可能性が勿論あります)
を考えれば確かに「冤罪」ではあるのでしょう。ただし冤罪だからといって日弁連アムネスティは勿論、大森氏の与太を荒木のようには宣伝したりはしません。「冤罪」云々と大森氏の主張がまともかどうかは全く関係が無い。


死に物狂いになって日本の現状を打破し変革していこう | 新・大森勝久評論集
 「学術会議会員の任命不当拒否」など「菅政権の無法批判」なら「死に物狂いになって日本の現状を打破し変革していこう」に何の異論も無いですが、大森氏はそうじゃないですからねえ。

・日本国民は現在の日本の国家安全保障が危機に瀕していることを認識できていない。
・日本は現状打破を早急に図らなければ、近い将来、独裁侵略大国の中国とロシアに侵略され共同して分割支配されるしかない。
・何百万人の日本人が殺され弾圧されることになる。
・政府は「米中対立」などと言っているが、中国・ロシアが侵略する国はアメリカではなく、日本や台湾など中国・ロシアの周辺部の国々である。
・中国・ロシアは共同して日本を侵略し分割支配しようとしている。

 「どこがだよ?」ですよねえ。中国もロシアもそんなことをする能力どころか意思すらないでしょう。日本の自衛隊在日米軍もそんなことを許すほど無能でもない。
 大体、「自国民の弾圧限定」ですら習近平政権もプーチン政権もそんなには殺してないでしょう(スターリン時代の粛清や毛沢東文革などをカウントすれば話は別でしょうが)。
 むしろ「形式的な意味ではいつ死刑を執行されてもおかしくない」大森氏の生命の方が「危機に瀕してる」と思いますが。
 再審請求していたオウム信者が死刑執行されたことで分かるように「再審や恩赦の請求が認められない限り」、現行法上、「再審や恩赦の請求それ自体」には法律上、死刑停止の効果はありません。
 「再審や恩赦の請求を無視して死刑執行した場合」、政治的に批判される恐れがあるという「事実上の抑制効果しか無い」。
 従って国が「今すぐ大森を処刑する」と決意さえすれば明日にでも大森氏は死刑執行です。まあ、そういうことはさすがにしないでしょうが。

 日本共産党立憲民主党などは常に安倍前首相や自民党政府を批判しているが、私はその正反対の地平から安倍氏自民党政府を批判しているのである。

 ええ、日本共産党などが「軍拡路線で周辺諸国中韓北朝鮮、ロシア)との緊張を高め、国家財政赤字を増加させ、福祉、教育予算を不当に縮減している」と安倍批判しているのに対し、大森氏が「もっと軍拡しろ」と無茶苦茶言ってることは良く存じています。

 日本国民(知識人)の異常さは、最高権力者である首相や政府の誤りを批判できないことだ。

 「数の大小」はともかくもちろん安倍批判する「国民」「知識人」はいくらでもいますが、大森氏にとっては「大森氏の主張と合致しない」ために「安倍批判は存在しないこと」にされます。

文明国家たる自由民主主義国家の原則が「法の支配」だ。日本には欠如している。

 ここで

モリカケ桜を見る会、アベノマスクなどの安倍の政治私物化
WTO違反の疑い濃厚な安倍のホワイト国除外
◆学術会議を政府御用機関化しようとする菅の無法

を「『法の支配』に反する」というなら異論はありません。しかし、「現行憲法でも改憲しなくても集団的自衛権が行使できる。そうした『正しい法解釈(芦田均*1が主張したいわゆる芦田修正論*2。ただし歴代政府は吉田茂*3内閣から今に至るまでそう言う立場ではない)』が『法の支配』だ」と言い出すのだからもう「絶句」ですね。当然ながら『安保関連法』で集団的自衛権を容認しても、「現行憲法でも改憲しなくても集団的自衛権が行使できる。自民党は今後芦田修正論を採用する」と安倍が主張しないが故に、大森氏は安倍批判します。
 もちろん「政治的に可能ならば」安倍もそうしたかったでしょう。しかしさすがにそこまで無茶なことは「モリカケの安倍」ですら出来なかっただけの話です。つうか「吉田茂内閣以来の政府公式見解(芦田修正論は採用しない)」を「九条改憲が難しい」からといって、安倍の一存で撤回し、「明日から芦田修正論です、そうすれば九条改憲しなくても集団的自衛権行使が出来ます」のほうがよほど「法の支配に反する」でしょう。
 さすがに「明日から芦田修正論です、そうすれば九条改憲しなくても集団的自衛権行使が出来ます」なんてことは産経や国基研ですら主張はしません。
 もしかしたら大森氏と交遊している荒木和博はそう言う立場なのかもしれませんが。

 菅首相は10月26日の所信表明演説で述べた。
「中国との安定した関係は、両国のみならず、地域及び国際社会のために極めて重要です。ハイレベルの機会を活用し、主張すべき点はしっかり主張しながら共通の諸課題について連携してまいります。北方領土問題を次の世代に先送りせず、終止符を打たねばなりません。ロシアとは、首脳間の率直な意見交換も通じ、平和条約締結を含む日露関係全体の発展を目指します」。

 そりゃ菅だって、大森氏のような「中国、ロシア敵視」なんか演説するわけがないでしょう。
 この発言で問題があるとするならば「ロシアとの間で平和条約締結や島の返還があり得ると本気で思ってるのか」と言うところでしょうね。

 「尖閣諸島は日本固有の領土だ」と言葉で主張したって、そんなものは何の力にもならない。尖閣諸島を守るには自衛隊部隊を常駐させ、領土を守れる軍事力を保有して配備しなければならない。しかし安倍氏や菅氏にはそもそも日本を守る意思がないのだ。

 大森氏のようなウヨは「故意に無視しますが」、尖閣の領有権は中国(中華人民共和国)だけでなく台湾(中華民国)も主張しています。
 尖閣自衛隊など駐留させたら中国は勿論台湾との関係も確実に悪化します。いかに蔡英文が「敵(中国)の敵は味方」で安倍や菅に現在へいこらしているとは言え、尖閣への自衛隊駐留など認める気は無いでしょう。もちろんそうした「日本と中国、台湾の関係悪化」は米国も日本財界も望む所ではありません。


予備役ブルーリボンの会の「レブラ君とあやしい仲間たち」7回目。予備自衛官補制度(特に技能公募)についてお話ししました。: 荒木和博BLOG
 7分30秒程度の動画です。やれやれですね。いくら荒木が「予備役ブルーリボンの会代表」だからといって、これは「予備役ブルーリボンの会」としての「拉致解決を建前にした動画」ではないのか。
 誰が「予備自衛官補制度」に興味なんかあるんだ(呆)と言う話です。


40年前の韓国での話(11月15日のショートメッセージ): 荒木和博BLOG
 8分30秒程度の動画です。「40年前の韓国と拉致問題の解決と何の関係があるのか(呆)」ですね。荒木のアホさにはいつもながら呆れます。
 それにしても

 40年と少し前、学生時代に韓国に行った頃の話です。ときは朴正煕政権の終わり頃でしたが皆明るく、経済も発展していて良い時代でした。

て(苦笑)。
 「経済の発展」「豊かさ」と言う意味でなら今の韓国の方が当然豊かでしょう。 
 そして当時は「軍事独裁」なのに「皆明るく、良い時代」て(苦笑)。さすが「反共&朴正煕万歳」で「金大中盧武鉉文在寅敵視」の極右・荒木だけのことはあります。
 「40年前は反日運動とか無かった。韓国に行ってもそういうことに出会ったことがなかった(要するに『親北朝鮮派のでっち上げた反日だ』とか言い出すわけですが)」。
 それ、単に朴正熙が力で反日運動を押さえ込んでいただけではないのか。あるいは「荒木が幸いにも戦前の植民地統治を美化するようなアホ発言をしなかった」とか「荒木が会うような連中は、荒木がそう言う戦前美化発言をしても何とも思わない親日派連中(反共、反北朝鮮のためなら荒木のような日本ウヨとも野合する連中)ばかり」とか。


陸軍中野学校について(11月14日のショートメッセージ): 荒木和博BLOG
 7分程度の動画です。「陸軍中野学校拉致問題の解決と何の関係があるのか(呆)」ですね。荒木のアホさにはいつもながら呆れます。
 それにしても

 私の勤務している拓殖大学からも中野学校の生徒は何人も出ています。所属している海外事情研究所の元所長・吉原政巳先生は元中野学校の国体学の教官でした。

て(苦笑)。
 拓殖が「異常な右翼大学だ」と言う話ですが、荒木はそうは思ってないんでしょうねえ。

*1:幣原内閣厚生相、日本自由党政調会長民主党幹事長、総裁、片山内閣副総理・外相、首相を歴任(芦田均 - Wikipedia参照)

*2:「芦田修正論」の詳しい説明は小生の無能のため省略します。ここでは1)従来の政府見解を撤回し、芦田修正論を採用すれば現行憲法でも改憲しなくても集団的自衛権が行使できるが、2)安倍ですらそんな無茶な手法は採用しなかったと言うことだけ理解して頂ければ結構です。

*3:戦前、天津総領事、奉天総領事、駐スウェーデン公使、外務次官、駐伊大使、駐英大使など歴任。戦後、東久邇宮、幣原内閣外相を経て首相(参照)