「珍右翼が巣くう会」に突っ込む(2021年5/4分:荒木和博の巻)

分断固定化の話(R3.5.5): 荒木和博BLOG

 令和3年5月5日水曜日のショートメッセージ(Vol.398)。昨日の続きのような話で、朝鮮半島における二つの国家の対峙と、そこからおきる様々なトラブルを解消するにはどうすべきかというお話しです。現実にはできるとは思えないのですが、一方で本当にトラブルを解消したいならこれしかないと思います。

 https://twitter.com/ARAKI_Kazuhiro/status/1389334323216601088の続きです。9分の動画です。いつもは「見る価値などない」と書いていますが、今回は「例外的に」視聴をお薦めしたいと思います。
 荒木が「田中均氏、和田春樹氏などが言いそうな」意外なことを言っていてびっくりです。
 さて「天安撃沈延坪島砲撃事件(2010年)のようなトラブルを解消したいならこれしかないと思います」で荒木が言い出すことが何かと言えば「分断固定化」。
 「分断固定化」とは何かと言えば「統一を目指さない*1」ということではなく、「南北朝鮮の国交樹立→その前提として、朝鮮半島全てを支配しているというフィクションを南北朝鮮が辞める*2」だそうです。「分断固定化」なんて言わずに「南北国交樹立(あるいはその前段階での『朝鮮半島全土支配』フィクションの廃止)」で良いだろと思いますがそれはさておき。
 荒木曰く

◆お互いがお互いを国扱いせず「自国領土に存在する非合法勢力」なんて扱いだから対立が起こる。
◆西ドイツのブラント首相だって、「いわゆる東方外交」で「ハルシュタイン原則*3」を廃棄し、東西ドイツ基本条約(1972年)を締結し東ドイツを国と認め「東西ドイツで国交樹立」したから、関係が宥和された。
 その結果、西ドイツから「人や物、情報の交流」が進み、「ドイツ統一(1990年)」になったと思う。
 南北朝鮮も西ドイツがしたような「国交樹立→関係宥和」で、「人や物、情報の交流」が進み、「ドイツ統一(1990年)」のように統一に近づくのでは無いか。

だそうです。
 まあ、びっくりですね。動画を見るまでは「北朝鮮への軍事侵攻で南北朝鮮統一」と言い出すと思い込んでましたので。
 俺は今回は「それ拉致解決と何一つ関係ねえだろ?」「『現実にはできるとは思えない』どころか、統一策として現実性が一番あるの、それだろ。確かに最大野党『国民の力』のようなウヨ政党はそれに反対するだろうがそれしかないだろ」という問題を置けば「全く異論無い」のですが、そういう人間が何で「太陽政策(韓国版・東方政策)の金大中盧武鉉文在寅」を敵視するのかさっぱり分かりません。
 かつ「南北朝鮮国交樹立」を主張する、その荒木の理屈なら「米朝や日朝の国交樹立」も目指すべきではないのか?。
 その前段階として「平壌に日本の常駐事務所を置くべき」ではないのか。
 荒木の脳みそというのが全く理解できませんね。


◆荒木のツイート

https://twitter.com/RBRA_koho/status/1389540076145700869
荒木和博がリツイート
◆レブラくん(RBRA)予備役ブルーリボンの会
 元陸上自衛官で米軍留学経験のある飯塚泰樹さん。各国軍人とのクラスディスカッションで拉致問題を取り上げた時、クラスの全員から「なぜ自衛隊が助けに行かないのか?」と質問を受けたという。
 海外に出ると日本の事がよく分かる。日本の常識が海外の非常識だったりする。

 14分15秒の動画です。まあ、「自衛官としての米軍留学」はさすがに事実*4だとしても、このディスカッション云々の話は普通に考えてデマですよね。
 そんな質問をするまでも無く「拉致被害者の居場所が分からないから自衛隊で救出なんかしないんだろうなあ(まあ分かってもかなりリスキーだしね、例えばイランアメリカ大使館人質事件 - Wikipediaは居場所が分かったって外交交渉で解決したし)」なんてことは向こうも分かるでしょう。
 そこで

憲法九条の制約ガー」といったら外国の軍人が呆れていた

と「モロバレのデマ」飛ばして、九条改憲を放言するのだから荒木や飯塚と言ったウヨ連中も呆れたクズです。こういう「モロバレの嘘」をやると「拉致の汚い政治利用はやめろ」「お前らそれでも人間か!、このデマ野郎!」と「改憲派への反感」で改憲がかえって難しくなるつう常識もこいつらにはないわけです。
 実際、蓮池氏が荒木ら救う会の批判を始めたのも「救う会は九条改憲の口実に拉致を政治利用してるだけじゃ無いか!」との疑念を抱いたことが理由ですし。

https://twitter.com/ARAKI_Kazuhiro/status/1389334323216601088
 令和3年5月4日火曜日のショートメッセージ(Vol.397)。北朝鮮と韓国の主張する領土はどちらも朝鮮半島全体です。現実には相手側を認めざるをえないのですが、建前はそうなっています。この南北を分ける休戦ラインについてお話ししました。

 7分30秒程度の動画です。馬鹿馬鹿しい。見る価値は全くありません。
 なぜなら、動画説明文で想像が付くように「動画の内容が拉致問題と何一つ関係が無い」からです。
1)金大中金正日会談などを過去にしたものの「南北朝鮮間に国交が無く、建前上は未だにお互いを国扱いしてない*5(しかし、どちらも国連加盟しており国際的には国扱い)」なんてことも
2)南北国境は建前では休戦(停戦)ライン。なお、休戦(停戦)ラインであって終戦ラインでは無く、朝鮮戦争は建前では「休戦(停戦)」であって終戦ではない。在韓米軍も建前では未だに国連軍なんてことも
3)荒木曰く『1960年代までは北朝鮮の正式な首都はソウルであり、平壌は臨時首都にすぎなかった(1970年代以降、平壌が正式な首都になった)なんてこと(平壌 - Wikipediaにもそうしたことが書いてある)も
何一つ拉致解決に関係ない。
 ちなみに話が脱線しますが、台北市 - Wikipediaによれば「蒋介石の台湾統治初期」においては「台湾(中華民国)の正式な首都は南京*6(もちろん『北朝鮮の首都はソウル』同様実態はない)」であり「台北は臨時首都の扱い」だったそうです。
 また、西ドイツの首都ボンも東西ドイツ統一までの臨時首都の扱いであり、そのため、統一後はベルリンが首都になります。
 ボンという「それほど大きくない都市」が首都になったのも

ボン - Wikipedia参照
 アデナウアー*7首相ら主要政治家は、将来東西ドイツが統一された暁にはベルリンが再び首都になるべきだと考えており、フランクフルト・アム・マインハンブルクといった大都市では、首都としての発展がいずれ恒久的な既成事実・既得権益として定着し、ベルリンへの遷都が困難になりかねないという恐れが予見された。そこで小規模な古くからの文教都市で、なおかつ地理的にも西ドイツの中央部に位置していたボンに白羽の矢が立った。

だそうです。
 話を元に戻しますが、それにしても、拉致に全く関係ないことを話しているのだから、もはや荒木も完全に迷走していますね。
 もはや荒木は「拉致問題を解決する振り」をすることも「やる気を失ってる」のでしょう。
 だから「北朝鮮、韓国ネタとは言え、拉致と全く関係ないこと(今回)」やもっと酷いと「北朝鮮、韓国と何一つ関係ない荒木の鉄道趣味」を動画で話し出す。こんな荒木と未だにつきあい続ける拉致被害者家族会の馬鹿さには心底呆れます。

*1:たとえば、楊海英(内モンゴル自治区出身)がどんなに「南北モンゴル統一が我々モンゴル族の希望だ」と放言したところで「遠い将来」はともかく近い将来において「内モンゴル自治区外モンゴルの統一」はないでしょう。そんなもんを明らかに外モンゴルの政府も国民も希望してない。ただし荒木がここで言ってることはそう言う話(近い将来での統一なんか諦めようとか、遠い将来でも統一なんか無いとか)ではありません。

*2:ただしその種のフィクション「一つの中国」原則に基づき、いわゆる「断交ドミノ」を台湾に仕掛ける中国と違い、韓国、北朝鮮は「英国が韓国、北朝鮮双方と国交がある」など「双方と国交がある国の存在」は認めています。

*3:東ドイツと国交を樹立した国とは西ドイツは国交を断絶するという、現在、中国が取っている「一つの中国」原則と似たような方針

*4:ただし「デマ屋」荒木の類友だと「留学自体が嘘」なんてことも「ありえない」とはいえませんが。

*5:「国扱いしてない」では特に有名な物では他には「台湾の扱い(国連加盟もしてない(と言うか中国の国連加盟と同時に国連から追放された))」がありますね。

*6:現在は江蘇省省都

*7:1876~1967年。1949~1963年の長きに亘り首相(1951~1955年は外相兼務)(コンラート・アデナウアー - Wikipedia参照)