「珍右翼が巣くう会」に突っ込む(2022年12/22日分:荒木和博の巻)

◆荒木ツイート

荒木和博 on Twitter: "令和4年12月22日木曜日「荒木和博のショートメッセージ」第882号。アベック・親子・友人など複数の人が一度に拉致されたり失踪する事件は1970年代に集中しています。偶然と考えるのはちょっと無理があります。 https://t.co/72HeYKshDQ @YouTubeより" / Twitter
1970年代に集中する複数での拉致・失踪(R4.12.22) - YouTube

 6分19秒の動画です。馬鹿馬鹿しくて話になりません。
 第一にこの動画は過去のアベックなど複数人の拉致(R3.10.27): 荒木和博BLOGと大同小異の内容です。同じ話を何度すれば気がすむのか。
 第二にこの荒木の理屈なら「失踪」に限らず殺人でも強盗でもどんな犯罪でも根拠無しで「場所と時間が近いから同一犯では無いか」と強弁できるでしょう。
 というか、恐らく「場所と時間が近いから同一犯では無いか」という強弁の一つが、清水潔*1『殺人犯はそこにいる:隠蔽された北関東連続幼女誘拐殺人事件』(2016年、新潮文庫)などが主張する

北関東連続幼女誘拐殺人事件 - Wikipedia
【下記の四件の幼女殺人事件を同一犯の犯行と主張】
◆1979年(昭和54年)の殺人事件
 1979年(昭和54年)8月3日(金曜)、栃木県足利市の5歳女児が自宅近くの八雲神社境内で遊んでいるうちに行方不明となる事件が発生。6日後の8月9日、渡良瀬川近くでリュックサック詰めで全裸のまま遺棄されている女児の遺体が発見された。
1984年(昭和59年)の殺人事件
 1984年(昭和59年)11月17日(土曜)、栃木県足利市の5歳女児がパチンコ店から行方不明となる事件が発生。1986年(昭和61年)3月8日に自宅から1.7km離れた場所で白骨死体として発見される。
◆1987年(昭和62年)の殺人事件(群馬小2女児殺害事件)
 1987年(昭和62年)9月15日(火曜・祝日)、群馬県新田郡尾島町(現:太田市)に住む小学2年生の女児(8歳)が子猫を抱いて自宅近くの尾島公園へ遊びに出かけたまま行方不明に。翌年の11月27日、利根川河川敷で白骨死体の一部が発見された。
◆1990年(平成2年)の殺人事件(足利事件
 1990年(平成2年)5月12日(土曜)、栃木県足利市の4歳女児がパチンコ店から行方不明となる事件が発生。5月13日に渡良瀬川河川敷で全裸のまま遺棄された女児の遺体が発見された。1991年(平成3年)12月2日、DNA型鑑定結果が犯人と同一人物だったことを理由に、同市内に住む当時幼稚園バス運転手だった男性が逮捕され、2000年(平成13年)7月17日に無期懲役の判決が確定する。しかし、当時のDNA型鑑定は精度が低いことが指摘され、2009年(平成21年)5月に再度DNA型鑑定を実施した際、「男性と真犯人は同一人物ではない」という結果が出たため、同年6月に刑の執行を停止し、釈放された。2010年(平成22年)3月26日、再審で男性の無罪が確定した。
※以上の事件は既に時効が成立しているかと思います(当時は殺人には訴追時効があったため)。まあ時効不成立でも僥倖が無い限り犯人逮捕はもはや望み薄ですが。

でしょうが。
 そして失踪はそもそも「犯罪とは限らない」。
 自発的失踪や事故の可能性もあります。勿論「百歩譲って」同一犯による誘拐だとしてもその同一犯を「北朝鮮工作員」と決めつけるまともな根拠はどこにもない。


拉致問題に「解決」はない【調査会NEWS3685】(R4.12.22): 荒木和博BLOG

 帰国を果たした5人でさえ拉致されていた24年間は取り返せません。それをどうやって解決するのでしょう。誰か昭和52年11月15日に遡って横田めぐみさんがバドミントンの練習の後、無事に帰宅して夕食を取れるようにできるのでしょうか。「進展」はあっても「解決」はない。それが拉致問題です。

 「はあ?」ですね。
 この荒木の主張なら例えば「水俣病」「イタイイタイ病」と言った公害病にも、「慰安婦」「徴用工」「原爆投下」「シベリア抑留」といった戦争被害にも、あるいは「日航機墜落事故(1985年)、JR福知山線脱線事故(2005年)」と言った交通事故にも「阪神大震災東日本大震災」といった天災にも「解決はない」でしょう。「失われた生命や健康や時間」は取り戻せないからです。荒木の言う「解決がない」のは何も拉致に限った話ではない。
 というか、荒木の主張ではこの世に「解決できるモノ」はほとんどないのではないか。
 そして荒木はこんな発言をする事で何をどうしたいのか。こんなことを言ったところで拉致被害者が帰国できるわけでもない。荒木のバカさ、クズさには心底呆れます。

*1:著書『桶川ストーカー殺人事件:遺言』(2004年、新潮文庫)、『騙されてたまるか:調査報道の裏側』(2015年、新潮新書)、『「南京事件」を調査せよ』(2016年、文藝春秋)、『鉄路の果てに』(2020年、マガジンハウス)など