今日のロシアニュース(2023年1月14日分)

ウクライナ高官が辞任表明 ミサイル攻撃巡る発言で非難浴びる | 毎日新聞

 ウクライナのアレストビッチ大統領府長官顧問が17日、ネット交流サービス(SNS)で辞任の意向を表明し、大統領府は承認した。ウクライナメディアが報じた。アレストビッチ氏は、東部ドニエプロペトロフスク州の州都ドニプロで14日に起きたロシア軍による集合住宅へのミサイル攻撃を巡り、ウクライナ軍の迎撃によって集合住宅に着弾したと発言し、非難を浴びていた。
 アレストビッチ氏は17日、「辞表を書いた。根本的な過ちをしたため辞任する」などのコメントを、辞表とみられる画像とともに自身のフェイスブックに投稿した。

 勿論、実際どうなのかは分かりません。アレストビッチとゼレンスキーとの間に何らかの意見対立があり、しかしそれを理由に更迭することは「ウクライナは一枚岩」という設定を壊すが故に「お互いに不利益」ということで「アレストビッチの失言」を口実に辞任を迫り「失言辞任の方がまし(何をどうしようとゼレンスキーは私を更迭する気だ)」と判断したアレストビッチがそれを受け入れた可能性もあるでしょう。
 とはいえ「建前上は失言辞任」ですが「何処が失言なの?」でしょう。
 「迎撃が上手くいかず、ロシアミサイルが集合住宅に落下*1してサーセン、次はきちんと迎撃したい」レベルの発言を「ロシア擁護」と見なすのは無茶苦茶です。
 それともこの件について「ロシアが直接、ミサイルで集合住宅を攻撃した*2」とウクライナ軍が嘘で反ロシアを煽り、それが「アレストビッチ発言(迎撃失敗してサーセン)」で結果としてばれた、「アレストビッチは余計なことするな」「戦意、士気が落ちる」と言うウクライナ軍部の逆ギレか。もしそうならいかにロシアが無茶苦茶とは言え、戦意高揚を理由に許される行為ではない。明らかな嘘じゃないですか。仮にアレストビッチ発言をネタにロシアが「住宅攻撃とウクライナが言っていたのは全てアレストビッチが言うような迎撃失敗」で「直接のミサイル攻撃は一つもない(全てウクライナのロシアヘの誹謗)」と嘘をついたとしてもそんなことはアレストビッチ発言が「失言」ということにはならない。
 もはやウクライナは「ロシアとは別の意味」で「愛国発言の強制」がまかり通ってまずい状態ではないか。まあ、ウクライナ美化する面子(毎日新聞もそうか?)はそういう疑問はないのでしょうが。id:kojitaken、常岡、黒井なんかも何の疑問もないのでしょう。


人道回廊設置へ 仲介役トルコがロシアとウクライナ両国と調整 | NHK | ウクライナ情勢

 トルコの首都アンカラで取材に応じたのは、ウクライナ議会の人権保護委員会の委員長、ルビネツ氏です。
 ルビネツ氏は1月12日までアンカラで3回にわたり、ロシア議会で人権問題を担当するモスカリコワ氏と協議してきました。
 ルビネツ氏は、ロシアのプーチン大統領ウクライナのゼレンスキー大統領がトルコの仲介で「人道回廊」の設置に合意した場合、ロシア側と詳細を詰めたうえで、両国が連絡を取り合う事務所をトルコに設置したいという考えを示しました。
 ルビネツ氏は「去年の侵攻開始以来、2万人以上の市民がロシアの人質になっている。家族のもとに帰せるようロシア側と協議したい」と話していました。

 こうしたニュースはもっと注目されていいでしょう。ロシアだけでなくウクライナも苦戦しているわけです。
 ウクライナが順風満帆ならこんな交渉をする必要は無いでしょう。


プーチン氏5期目へ大統領選の準備着手 ロシア紙報道: 日本経済新聞
 プーチンにとって「退任→失脚の引き金」になりかねない今の苦戦状況のママ、退任はできない*3でしょうし、一方、「メドベージェフ国家安全保障会議副議長、統一ロシア党首」などプーチン以外の人間(部下たち)も「火中の栗」をわざわざ拾う動機に欠けるでしょう。
 「プーチンがこの件に片をつけてから禅譲して欲しい」と思ってるでしょう。
 勿論「プーチン退任を望む国民世論」が強くなれば話は別ですが。


ロシアからの侵攻否定できず フィンランド防衛政策局長: 日本経済新聞
 ウクライナで苦戦するロシアが「フィンランドに限らず」ウクライナ以外へ侵攻する余力は当面ありません。
 勿論ウクライナ戦争に何らかの決着がつけば話は別ですが、当面その見込みは乏しい。そして「ウクライナ戦争に決着がついた」として今の状況が「よほどロシア有利に展開しない」限り、「ロシアが当分外国侵攻できる余裕がある」とは思えません。
 こうした「ロシアの脅威」発言は本気と言うよりは「NATO加盟や軍拡を正当化するための強弁」でしょうがあまりにも不誠実すぎる。
 こうしたフィンランド政府の態度はまさに一種のショック・ドクトリン - Wikipedia(惨事便乗型政治)ではないのか。


戦車供与は「ドイツ次第」 フィンランド国防相 - 産経ニュース
フィンランド外相「ウクライナに主力戦車供与の用意」: 日本経済新聞
 以前も書きましたが「フィンランドが供与しなくても」別の国が恐らく供与するわけで「そこまで伝統ある中立主義をチャラにするのか(がっかり)」感がありますね。
 是非はともかく「その方が国益に資する」という認識なのでしょうが。

*1:集合住宅近くを「ミサイルがそれて、住宅にあたっても構わない」とロシアがミサイル攻撃した可能性はありますが、アレストビッチ発言を素直に解釈すれば住宅の被弾それ自体は「迎撃失敗」であり「ロシアの攻撃それ自体」ではなかったわけです。

*2:まあそういうケースもあるでしょうが。

*3:まあウクライナ戦争で大勝した場合に退任したかと言えば「成果を誇示して5選」の可能性があったでしょうが。