ロシア・ウクライナ問題を見る視点|コラム|21世紀の日本と国際社会 浅井基文のページ
「NATOの東方拡大は無神経すぎたのではないか」「マスコミのNATO美化に賛同できない」という点では浅井先生に賛同しますが、とはいえ、さすがにプーチンロシアの「ウクライナ全面侵攻(あるいはそこでの戦争犯罪行為)」は俺は擁護できません。
それは【1】道義的に問題ですし、【2】「(台湾の独立宣言がなくても*1)中国の台湾侵攻も擁護するのか?」という疑念を招きかねません。
なお、「レーニンの民族自決権主張」が「ソ連崩壊を招いた」とプーチンが非難している点を注目している点はさすが浅井先生です。
プーチンは客観的な意味でも「彼の主観」でも共産主義者とはとても言えません(ロシア覇権主義、ロシア大国主義とは言えるでしょうが)。
ロシア、中国やイランなどと「反欧米同盟」 侵攻継続の戦費調達のため貿易関係強化:東京新聞 TOKYO Web
そもそもそんな同盟は存在しないでしょう。「国益判断での是々非々」でのつきあいは同盟とは言えないでしょう。
例えばイランは「欧米の制裁」が外れたときにそれでも果たしてロシアと付き合うかどうか?
ウクライナ侵攻、長期化を覚悟 プーチン氏に近い野党党首が本紙に答える 日本には「相応の対応を取る」:東京新聞 TOKYO Web
こうした「日本の国民民主や維新(自民の補完勢力)に当たるインチキ野党(プーチンの補完勢力)」には反吐が出ますが、一方で「こうしたインチキ野党でのガス抜きを狙う→プーチン体制は決して盤石ではない」とはいえるでしょう。20年に及ぶ長期政権とはいえ「あらゆる手段を駆使して政権を維持してきた」わけです。
◆浅井基文ブログ『ロシア・ウクライナ戦争:ロシアは国際的に孤立している?』
浅井先生の「中国、北朝鮮、韓国、米国認識」「日本政治評価」のかなりの部分に「共感し、学んできた俺」ですが、だからこそ、先生が「プーチンロシアに甘いこと」については「何故なのか?」と失望せざるを得ません。
とはいえ、「プーチンロシアへの甘い評価」を無視すれば*2、浅井先生のご指摘には「日本マスゴミが無視している重要な部分」もあります。
それは「プーチンは追い詰められてるとはいえ、国際社会も一枚岩ではない」「残念ながらプーチンはそう簡単に倒せるか分からない」ということです。
例えば、国連総会ロシア非難決議では「中国、インド、ブラジル(以上、BRICS)」「キューバ、ベトナム(以上、旧ソ連時代からのしがらみ)」は反対はしないものの棄権しました。
米国も「ウクライナ」を武器支援してるとはいえ、米軍精鋭部隊をロシア軍と戦わせるようなことはしないし、提供する武器についてもウクライナ側からは「もっと高性能の武器を沢山よこせ」という反発が出てるようです。
我が日本も「サハリン開発」は当面継続の予定です。
仏独首脳、プーチン氏にゼレンスキー氏との直接対話促す - BBCニュースということで仏独首脳は「バイデンに比べれば」、プーチン相手にイケイケどんどんではなくやや腰が引けてるようです。つまり「停戦で片がつくこと」をどうも望んでるらしい。
◆異例のプーチン批判
ロシア地方議会 野党議員がウクライナからの軍撤退を訴える | NHK | ウクライナ情勢
ロシア極東の中心都市ウラジオストクがある沿海地方の議会で27日、野党・共産党に所属する議員が(中略)「軍事作戦をとめなければさらに孤児が増える」と訴えました。
これに対して議長が即座に発言をやめるよう求めましたが、議員は立ち上がってさらに読み続け「国に大きく貢献できたであろう若者たちが軍事作戦で亡くなったり、負傷したりしている」と述べました。
そのうえで「軍事的な手段での成功は不可能だ」として、ロシア軍の即時撤退を求め、同じ共産党に所属する別の議員1人が拍手しました。
一方、政権与党(ボーガス注:統一ロシア)に所属するコジェミャコ*3知事は「ナチズムと戦っているロシア軍に対する中傷だ。何を考えているのだ」と強く批判し、その後、発言した議員と拍手した議員は議場から退出させられました。
「軍の即時撤退を要求する」 ロシアの地方議員、反戦訴えた結果… [ウクライナ情勢]:朝日新聞デジタル
この議員はレオニード・ワシュケービッチ氏(68)。議会での議案審議中に発言を求め、プーチン大統領に宛てた声明を読み上げた。「軍事作戦をやめなければ、孤児がさらに増える。国に大きく貢献できたはずの若者たちが、軍事作戦(への参加)によって体が不自由になった」と指摘。「軍の即時撤退を要求する」と訴えた。
ワシュケービッチ氏は発言中、進行役の人物から「議事から外れている」「許可なしの発言で規則違反だ」と警告され、マイクのスイッチも切られたが、最後まで話し続けた。
興味深いニュースとして紹介しておきます。