今日のロシアニュース(2023年1月2日分)

ロシア、6日から36時間停戦を命令 ウクライナ側にも求める - 産経ニュース
 真にクリスマス休戦ができるのなら「一時的休戦であれ」大変いいことと思いますがロシアだと「だまし討ち」の危険性が否定できない点が何ともかんとも(困惑)。ウクライナも「だまし討ちの疑いがある」として同調する気は無いようです。
 なお、こうした発言は「我々は戦争を望んでない」とするウクライナの方から「ロシアに真に停戦意思があるならクリスマス休戦に応じてもいい(但し、休戦に乗じてだまし討ちを仕掛けるようなら、こちらにも覚悟があると牽制)」等として、提案すべき話ではあったでしょう。
 それにしてもウクライナの提案なら「平和主義」と称えたであろう日本マスコミが
ロシアの「一時停戦」提案、プーチン氏の焦り映す: 日本経済新聞
ロシアの唐突な「停戦」、苦戦を露呈 好戦派や親露派は反発 | 毎日新聞
として「プーチン苦境の表れ」とばかり描き出すのが何ともかんとも(苦笑)。


領土譲渡「認めない」85% ウクライナ世論調査 - 産経ニュース
 この世論調査が正しければ終戦は勿論一時停戦も困難でしょうが、それが「適切かどうか」は勿論、また別の問題です。
 なお、一方では「認めない」が「100%ではない」点(20%が無回答、分からない、譲渡を認めてもいい等)も興味深い。


“ウクライナ軍の攻撃受け軍人63人死亡” ロシア 異例の公表 | NHK | ウクライナ情勢
 「異例の公表」と書きながらその異例さを1)(死者数については過小発表の疑いはあるモノの)隠したくても「死者の規模が大きい」など何らかの理由で隠せないから、2)隠そうとすれば隠せるがあえて何らかの政治的思惑から公表など「NHKが考える公表動機」について書いてない点が残念な記事です。
 なお、ウクライナの発表では「400人の死亡」であり「63~400人の間」が死者数と言うことになるでしょう(言うまでもないですがロシアには過小評価する、ウクライナには過大評価する動機があり、いずれも鵜呑みにはできません)。


「平和国家」はどこへ:日本、周辺国に懸念と脅威 中国・北朝鮮・ロシア、軍備増強 | 毎日新聞

 中国、北朝鮮、ロシアといった日本の周辺国による軍事的な脅威がこれまで以上に高まっている。

 軍事的脅威が単に「軍拡」を意味するので無く「対外侵攻(日本を含むがそれに限らない)の脅威」を意味するなら「デマ」でしかない。現在存在する脅威は「ロシアのウクライナ侵攻」しかない(ウクライナで苦戦する今、ロシアがウクライナ以外に侵攻する可能性はありません)。
 中国は「独立宣言しない限り台湾侵攻はしない」と国際公約しそれを今のところ厳守しています。これを撤回することは「合理主義に反する」。習主席が打ち出した「共同富裕(貧乏な内陸部の所得を増加させ、内陸部と都市部の経済格差を縮小させる)」にも反する。台湾侵攻などしたら欧米の経済制裁で「共同富裕実現」に支障が生じます。
 中国の軍拡はあくまでも「台湾侵攻の可能性を捨てたわけでは無い」アピールでしょう。
 いかに「独立宣言したら侵攻もあり得る」と牽制していても「台湾と中国の軍事力に大きな差がつけば」、独立封じとしての「独立宣言すれば侵攻もあり得る」は台湾に無視される危険性がある。
 中台関係が微妙な今の時期に「蔡英文に独立宣言されてはかなわない」とばかりにある程度軍拡した上でそれを宣伝することには「一定の合理性」があるし、それは必ずしも「侵攻の意図」の証明では無い。
 北朝鮮にしても朝鮮戦争以降は大規模侵攻は無い。一時は「青瓦台襲撃(朴正熙暗殺未遂)」「ラングーン事件全斗煥暗殺未遂)」のような相当無茶なこともやっていますが、最近は「李明博朴槿恵、尹錫悦暗殺未遂」なんてないわけです。
 北朝鮮の軍拡はあくまでも「米国の侵攻封じ」でしかない。しかもそこでされる軍拡は専ら「ミサイル軍拡」のわけです。通常兵器の軍拡では無い。
 プーチンウクライナ全面侵攻のような「無茶苦茶」も時にありますが、「合理主義的見地」に立ちできる限り軍縮すべきでしょう。プーチンのような例外事象を前提に軍拡していたらいくら金があっても足りません。


ロシアは中国の「植民地に」 ウクライナ高官が主張:時事ドットコム

「われわれは現在、特定の隣国がロシアに国益を見いだし、徐々に乗っ取ろうとしているのを観察している」と強調。「隣国とは中国か」との問いには答えなかった。

 とはいえここで「中国以外のロシアの隣国(北朝鮮、モンゴル、ベラルーシフィンランドなど)」を指すわけもないので中国を名指ししてるのも同然です。
 それにしても「植民地の定義は何だ?」ですね。
 勿論、中国は中露関係において「利益最大化」を目指して動いてるでしょうが、「植民地」という上下関係は目指してないでしょうし、ロシアもそんな関係を受け入れないでしょう。
 それにしてもこの発言の趣旨は何なのか。
 「中国の植民地になりたくなければ速やかに停戦、撤退せよ」というロシア向け宣伝か?
 「植民地云々と言われたくなければロシアにもっと厳しい態度をとれ」という中国向け宣伝か?