kojitakenに今日も悪口する(2023年3/20日記載)

急激にすたれて極右陰謀論者たちだけが残った「反コオロギ食」デモ - kojitakenの日記
 ググれば食糧難対策で推奨の昆虫食、SNSになぜ蔓延「陰謀論」 - 産経ニュース(2023.3.18)等の「反コオロギ食(反昆虫食)」批判記事*1はあるものの「反コロナワクチン」等と違い、「反コオロギ食」が「リアルは勿論ネット限定」ですら「kojitakenの言うようには」蔓延していたようには見えません。
 やはり「コオロギ食」がまだ、ほとんど普及してないこと(食べる機会が少ないこと)が大きいのではないか。
 また、「反コオロギ食」が「昆虫食に対する生理的嫌悪感」を扇動するだけで「健康に害悪」などの宣伝(勿論デマですが)をあまりしなかった(あるいはしても普及しなかった)ことも大きいのではないか。
 なお、「コオロギ食デマ批判」と「コオロギ食品(昆虫食品)を食べるかどうか」は一応別問題です。
 「デマは批判するが嫌悪感があるから積極的には食べない」というのは十分あり得る(まあ、昆虫の形そのママではなく、粉末にすればそうした嫌悪感もないかもしれませんが)。
 「見た目が気持ち悪いからナマコ(ホヤ、シャコ)が食べられない」等と同じです。
 あるいは「選択的夫婦別姓を支持するが、自分は必ずしも夫婦別姓にはしない」「反共デマを批判するが共産党を積極的には支持しない」等と話は同じでしょう。


東野圭吾『沈黙のパレード』はアガサ・クリスティへのできそこないのオマージュ。湯川学と一緒にされたのではエルキュール・ポワロに失礼。理系トリックは容易に見破れるし、最後には湯川の『容疑者X』への理不尽な同情論まで出てきやがった(怒) - KJ's Books and Music

 東野のガリレオシリーズはいつも理系トリックの部分がしょぼいのである。

 というのであれば「優れた理系トリック」の作品でも紹介すれば説得力もあるのに(苦笑)。
 ちなみに以下が「理系のミステリ作家」の一例です(他にもいるでしょうが)。彼らが理系トリックにたけていたかは知りませんが。

【誕生年順】
木々高太郎(1897~1969年)
 本名は林髞(はやし・たかし)。慶應義塾大学医学部卒業。慶應義塾大学医学部名誉教授(ということで木々はアマチュア作家です)。1945年、「新月」で第1回探偵作家クラブ賞(現在の日本推理作家協会賞)短篇賞受賞。林名義の著書『からだの法則を探る:人間の生理学』(1964年、講談社現代新書)、『性・この不思議な原理』(1966年、講談社現代新書)。木々名義の著書『日本探偵小説全集〈7〉木々高太郎集』(1985年、創元推理文庫)、『人生の阿呆』(1988年、創元推理文庫)、『木々高太郎探偵小説選』(2010年、論創ミステリ叢書)。
論創ミステリ叢書は「ミステリに疎い人間は聞いたこともないようなマイナー作家」が多数ラインナップされてるなかなか面白い叢書です。
天城一(1919~2007年)
 本名は中村正弘。東北帝国大学数学科卒業。大阪教育大学名誉教授(解析学:ということで天城はアマチュア作家です)。
 著書『天城一の密室犯罪学教程』(2004年、日本評論社→2020年、宝島社文庫)、『島崎警部のアリバイ事件簿』(2005年、日本評論社)、『宿命は待つことができる』(2006年、日本評論社)、『風の時/狼の時』(2009年、日本評論社)。天城著書が「ミステリと縁遠い」日本評論社から出てるのは月刊『数学セミナー』(日本評論社)と「数学者としての天城(中村正弘)」に付き合いがあったからです。
 「山沢の知人である天城」の口利きらしいですが、日本評論社からは山沢晴雄*2『離れた家』(2007年)も刊行されています。
森博嗣(1957年生まれ)
 元名古屋大学工学部助教授。2005年に名古屋大学を退官し、専業作家。1996年に『すべてがFになる』(後に講談社文庫)でメフィスト賞講談社)受賞。
海堂尊(1961年生まれ)
 医師。2005年、『チーム・バチスタの栄光』(後に宝島社文庫)で第4回『このミステリーがすごい!』大賞受賞。

 最後までアマチュア作家(兼業作家:従ってどうしても無名)でありながら「それなりの作品」を残しコアなファンがいる木々や天城はやはり天才だと思いますね。凡人にはうらやましい限りです。

*1:産経もこうした記事を書く一方で、明らかな陰謀論記事(南京事件否定論、温暖化CO2原因否定論)を書くので「何だかなあ」ですね。勿論、筆者は違うわけですが。

*2:1924~2013年。大阪市役所水道局に勤務。アマチュア作家として長く忘れ去られた存在だったが初の単著『離れた家』(2007年、日本評論社)が『ミステリが読みたい! 2008年版』(早川書房)で4位、『このミステリーがすごい! 2008年版』(宝島社)で6位、『2008本格ミステリ・ベスト10』(原書房)で5位を獲得し再評価される。著書『死の黙劇』(2021年、創元推理文庫)、『ダミー・プロット』(2022年、創元推理文庫)(山沢晴雄 - Wikipedia参照)