テレ朝・おはよう時代劇『暴れん坊将軍3』第37話「さまよう鬼女の面」(1988年放送の再放送)(2024年1月29日記載)

◆第37話「さまよう鬼女の面」(2024年1月29日再放送)
 以下の通り、記事を紹介しておきます(寝過ごして、今回は、35分経過後に見たのでかなり分からないところがあります)。1/27が第35話「恋と喧嘩のイダ天街道」なのに、1/29が第37話「さまよう鬼女の面」で、第36話「魔性の女の涙雨」が今回飛ばされてますが「2時間スペシャルでもなさそう*1」だし、謎です。
 テレ朝・おはよう時代劇『暴れん坊将軍3』第33話「男無用のつっぱり十手」(1988年放送の再放送)(2024年1月24日記載) - bogus-simotukareのブログで指摘したように以前も「話が飛ばされたこと」はありますが。

番組詳細|テレビ朝日
第37話「さまよう鬼女の面」
 吉宗(松平健)のもとに加賀藩主・前田吉徳*2(伊庭剛)から献上された鬼女の面を、奥女中・さつき*3岩崎良美*4)が誤って落とし傷つけてしまった。これを知り怒った田之倉孫兵衛(船越英二)は、さつきを親許に帰し、面を修理に出した。ところが、その面が修理先で何者かに盗まれ、同時に「先日捕らえた凶盗・竜神の三右衛門(岩尾正隆)を放免しろ」という脅迫状が届く*5。そこで吉宗は、(武州の浪人「徳沢新右衛門」として)自ら牢に入り三右衛門に接近するが、驚いたことに同じ牢には、さつきの婚約者だという塚本俊平(加藤純平)がいて

暴れん坊将軍 III
第37話「さまよう鬼女の面」
 加賀前田藩御用の回船問屋「加州屋徳兵衛」(田中明夫)が立場を利用し抜け荷を働くが、「凶盗・竜神の三右衛門(岩尾正隆)」となった息子が捕まり窮した加州屋は加賀の殿様が将軍に贈った能面をネタに奪還をはかる。
 別々に同じワルに脅され泣く泣く悪事に加担した恋人たち(さつき(岩崎良美)と、婚約者・塚本俊平(加藤純平))を救出した上様は、加賀藩主「前田吉徳」(伊庭剛)と息をあわせ、欲をかいたワルがぬけぬけとお面を持って現れる席で成敗の雨嵐。


 御用商人の息子が「将来の跡継ぎ」ならともかく「盗賊に身を落とす」のも「?」なら、「抜け荷等、父親である加州屋の悪事の共犯」として捕縛されたのならともかく、「加州屋」が息子を見捨てず「非合法手段を用いてまで救おうとする(かえって加州屋が窮地に陥らないか?)」のも「?」ですがそれはともかく。
 欲をかいたワルがぬけぬけとお面を持ってですが結果として面を使わずとも今日の上様~暴れん坊将軍Ⅲ~ - 天下御免のすっとこどっこいが紹介する経緯で息子が脱獄したことで「面を使う必要がなくなった」加州屋は「お前が脱獄したんだから脅迫犯が面をどこぞに叩き売っても何ら不思議ではない」「この面はそうしたことでワシが偶然、手に入れたことにして献上しよう。そういう経緯(つまり転売に転売を繰り返す)で入手したのならワシが誰が脅迫犯か分からずとも不思議ではない」「とにかくいくらでもごまかしはきく、お殿様もまさか御用商人のワシを疑ったりはしないだろうし、面が戻った喜びでむしろワシをいっそう厚遇するだろう」と面をぬけぬけと献上しようとしますが、かえって吉宗と加賀藩主によって成敗されます(但し、加州屋親子は生け捕りにされ、加賀藩によって正式に死罪、闕所(財産没収)判決)。

今日の上様~暴れん坊将軍Ⅲ~ - 天下御免のすっとこどっこい
第37話「さまよう鬼女の面」
 加賀藩御用商人の廻船問屋加州屋(田中明夫)は、加賀藩主「前田吉徳」(伊庭剛)より吉宗に献上された鬼女の面を奥女中「さつき」(岩崎良美)に破損させ、修理に出したところを盗み出し、それと引き換えに捕まった加州屋の息子を解放するよう脅迫する。
 面を破損させてしまった奥女中とめ組で出会った新さんは事件と関係があるとにらみ、身辺を探索する。
 加州屋の息子に騙され一緒に捕まっている医者の恋人「塚本俊平」(加藤純平)を救う為だと脅され、故意に破損させていた。
 今回は加州屋親子は(上様に)成敗されず、加賀藩主によって裁かれた。
 加賀藩主も加州屋の用心棒たちと応戦していた。
<今回のみどころ>
 なかなか事実を明かさない加州屋の息子と医者。
 確かめる為にわざと捕まり牢に入る新さんと左源太。
 それぞれ武州の浪人「徳沢新右衛門」、相州無宿「左源太」と名を変えている。
 牢に入ってすぐ、息子にいちゃもんをつける左源太。
 新右衛門「左源太、いい加減にしないか。」
 左源太「うるせぇっ!おめえさんがドジ踏みやがったおかげで捕まったんじゃねえか。どうせ獄門、さらし首、道連れにしてやらあ!」
 新右衛門は左源太の腰をぼこっ、頬をぴしゃん。気を失う左源太。牢から左源太の錠前破りでうまく抜け出た4人。
 左源太「金はどこにあるんだ」
 息子に詰め寄る左源太。おもむろに木の棒を手に取り、背中をぼこんと殴る新右衛門。倒れる左源太。
 医者に真実を明かした2人。
 左源太「あんた助け出す為に苦労したぜぃ。*6
 痛そうに殴られたところをさする左源太。
 新さん「左源太、加州屋の様子をな」
 悪びれた様子をまったく見せずにいつもの調子に戻る新さん。
 左源太「へい。」
 いつもの調子に戻る左源太。
 まったくけなげな左源太。がんばれっ!

駄チワワ
 暴れん坊将軍Ⅲ「さまよう鬼女の面」
 鬼女の能面が女中の不始末で割れてしまい、修理に出して盗まれる。黒幕は商人とドラ息子なのだが、上様の顔は知らないので「金はいくらでもやるぞ!叩っ斬れ!」で屋敷の浪人を呼び出す珍しいパターン。成敗せずに捕らえて父子獄門。

 駄チワワ氏の書きぶりでは、「上様と知らず殺そうとする」ようですが、実はその場には加賀藩主がいるし、加賀藩主は「加州屋、控えよ、この方は上様なるぞ」「加州屋、上様のお調べで、お前の抜け荷のことも、鬼面強奪のことも露見しておる、闕所(財産没収)、死罪を覚悟せよ」というのでいつもの「もはやこれまで」と実は変わりません。
 しかし「吉宗による最後の殺陣がお約束」とはいえ、加賀藩主と藩主護衛がその場にいるのに、「加賀藩を差し置いて上様が暴れまくる(加賀藩が上様に怪我がないように護衛した上で自ら加州屋を成敗するわけではない)」というのも不自然ではあります。

あふろん@芝神明
◆「魔性の女の涙雨」、(前回の再放送でも飛ばされたが)今回も飛ばされた
◆左源太酷い目に会ってる*7
◆左源太と茶番やらかして岩尾さんに信用を得る作戦か。上様の茶番に付き合わされる左源太かわいそう
◆劇中歌『夜明け』。俊平とさつきのために歌います
加賀藩主「加州屋、上様であるぞ」
(加州屋の悪事を上様から知らされてるし、加賀藩主は)もちろん見忘れるはずない、有能
◆加州屋開き直る「みんな!金はいくらでもやるぞ!たたっ斬れ!」
◆『「さつき」と「塚本俊平」は、(悪党達に脅されたことによる犯行と言うことで)大岡忠相の特別の計らいで、赦免された』
 大甘裁き来た
◆(最後の若山弦蔵のナレーション)
 八代将軍吉宗は(今回の加賀藩の面奉納のように)諸大名との交友を強化して公儀の基盤を立て直し「幕府中興の祖」と称せられたのである

白ぱんだ
◆今回のヒロイン「さつき」役は、岩崎良美さんです。実姉の岩崎宏美さんに憧れて歌手デビューし、アニメ「タッチ」関係の楽曲の大ヒットを得て、自身も押しも押されぬスター歌手の仲間入りを果たしました。
新之助ってば、「さつき」が百度を踏んでいる最中に声をかけるとか、マナー違反も甚だしいですな
新之助、佐源太を伴い、武州浪人「徳沢新右衛門」を名乗り、捜査のため牢内へ潜入する。佐源太ってば、錠前破りもできるんですね。多才ですね
加賀藩は米の生産と海運が盛んでした。加州屋が「御手船裁許」(加賀藩御用船主宰)を得たということは、藩米の海上輸送を独占出来ることになりますから、物凄い権益を得た、ということを意味します。
◆「さつき」は、(塚本を獄中から救ってくれた恩人である)新之助と(婚約者)「塚本俊平」(加藤純平さん)の二人に、すべてを明かす。加州屋のいいなりとなり、面に傷をつけたという。
◆(上様から加州屋の悪事を聞かされた加賀藩主)「前田吉徳」(伊庭剛さん)は、「加州屋」に(闕所(財産没収)、死罪を覚悟せよと)罰を言い渡す。
◆「加州屋」親子は、獄門に処せられた。「さつき」と「塚本俊平」は、大岡忠相の特別の計らいで、咎めなしとされた。件の面を用い、(加賀藩主の面奉納の)舞も無事に納められた。上様は、諸大名との連携をさらに深めたのであった。一件落着。

【参考:魔性の女の涙雨

暴れん坊将軍3 「魔性の女の涙雨」感想 | カイバーマンのお仕事2 - 楽天ブログ
 「次々亭主を取り替えて、亭主が死ぬたびに一財産作る」女「八弥」(蜷川有紀*8)。
 裏を取って金づるにしようとしたちんぴら「紋次」(井上茂)、散々怖い思いをした途端に殺される。
 「兄さんが首なんてつるわけない、この女狐!」
 死んだ亭主の弟に公衆の面前で罵られた後家、平然と通り過ぎ墓参り。
 「ご亭主の生前の友達」と名乗る新さんに「釣り仲間ですか」とカマをかける。
 大物飛脚問屋「桑名屋喜平」(多々良純)が息子と大喧嘩。
 息子がそろそろ店を持たせて欲しい、と言い出したのがその理由だが、問題はそれが例の後家の店の跡地だってこと。
 妻帯前の息子は、美しい寡婦「八弥」に一瞬で参ってしまう。
 慎ましく借家暮らしの女だが、その背後には乱波がついている。
 将軍様もお奉行様*9も、警戒を怠らないが。
 「八弥」という女は公家の出ではないか、と考えた田之倉の爺(船越英二)は寺社奉行「亀井山城守」(石橋雅史)に公家の事情を聞く*10
 新しい飛脚屋は大繁盛、父は息子の商才を認めるが、女の趣味は認めない。
 め組の頭「辰五郎」(北島三郎)は「二度も亭主と死に別れている」と聞いて息子に意見しに行くが、息子は一足早く目が覚めていた。
 父と二股かけて、そっちから千両巻き上げたと聞いたらそりゃ醒めるわ。
 父もやっと騙されたことを知るが、既に女は引き上げていた。
 しかし地味に捻った脚本だ。こうくるとは思わなかった。
 公家の身分に戻るため、次々豪商と婚儀を結び、金のために殺してきた元少納言の姫君。
 しかし幾ら金を(寺社奉行に)貢いでも報われることはなく、部下たちは(彼らを騙していた寺社奉行に対し)恨みを晴らそうとして(寺社奉行襲撃に)暴走し(寺社奉行の返り討ちで)果てる。
 無関係の商人達を酷い目に合わせたことを責める上様に、「商人に恨みがある」と言い出す姫。
 「父が金で大納言の地位を買おうとして借金して首が回らなくなり結局断絶に」って商人の何処が悪いのかわからない。
 どうしたって殺された江戸の金持ちたちは無関係だし。
 八弥「そのようなこと、聞く耳持ちたくありません!」
 元少納言の娘が、身分を隠されたまま罪死することに田之倉の爺は反対するが、将軍様はそのまま押し切る。
 単なる自己中ヒロインが自滅したって悲しい気分にはなれないが、「罪は罪」という上様は流石だ。
 減刑されたら死んだものが損で終わってしまう。

今日の上様~暴れん坊将軍Ⅲ~ - 天下御免のすっとこどっこい
第36話「魔性の女の涙雨」
 お家再興の為、商人の後家になりその後、主人を殺して店を売り、資金を溜め込む公家の娘「八弥」(蜷川有紀)。
 落ちぶれた公家「八弥」から金品を騙し取る寺社奉行「亀井山城守」(石橋雅史)。
 今回は2人の悪人が登場。
 お葉(伊藤つかさ)を襲ったならず者がおかしなことを口走っていると「お葉の兄」で「め組の小頭」半次郎(佐藤B作)に呼び出された新さん。
 「ここ2年の間ある女が次々に亭主を替え、それがみんな死んだ。そのたびに女は身代をごっそり手に入れている。この女が殺しているに違いない。兄貴分がゆすっている。」というならず者の話をきいて、兄貴分の男「紋次」(井上茂)を追いかけてみると殺されていた。
 追いかける途中で忍者に襲われた新さん。
 早速その女の探索を始めるが、一向に女の正体がわからない。
 女を尾行する新さんは巧妙な忍者たちの技でまかれてしまう。
 孫兵衛(船越英二)は落ちぶれた公家ではないかと、自ら寺社奉行接触。今回の手柄は孫兵衛だった。
 寺社奉行に騙されていると気づいた公家の娘らは屋敷に忍び込むが、忍者たちは返り討ちに。
 公家の女は身分を隠されたまま死罪にされた。
<今回のみどころ>
 寺社奉行の悪事がわかり、屋敷に乗り込む吉宗。
 しかし今回は「俺は天下の風来坊、徳田新之助」と名乗り、正体を明かさない。奉行も今回は吉宗と謁見していないので、気がつかない。

暴れん坊将軍 III
第36話「魔性の女の涙雨」
 後妻として富商に入り込み、主を次々と殺し財を奪う女「八弥」(蜷川有紀)は京の没落貴族の姫で、戦国の生き残りの乱破集団・鬼頭衆が従う。これを怪しみ追う新さん、御家再興を餌に公家「八弥」から金を毟り取っていた寺社奉行「亀井山城守」(石橋雅史)を成敗するが姫の悪行も見逃さず断罪。姫は身分を秘されたまま死罪となる。
※騙されたと知り寺社奉行邸に夜討をかける鬼頭衆だが、読まれていて返り討ち。

コートク🐿
 テレビ朝日、朝4時の暴れん坊将軍で、「魔性の女の涙雨」が飛ばされた理由は、猪瀬直樹*11の妻*12がゲスト出演したからだ(ボーガス注:「女優業を現在、休業している猪瀬の妻」や猪瀬が再放送に否定的?)という説があるらしい。

*1:再放送の「おはよう時代劇」は「1時間枠」なので、2時間スペシャルは飛ばされる

*2:「架空の人物設定」も多いが今回の「前田吉徳」は実際に吉宗将軍時代の加賀藩

*3:大奥女中でも下っ端なので上様への拝謁がなく、徳田新之介を見ても上様とは気づかない設定

*4:1961年生まれ。1978年、テレビ朝日の時代劇『江戸の鷹』第20話にゲスト出演し、女優として芸能界デビュー。1980年、「赤と黒」で歌手デビュー。歌手、俳優の岩崎宏美(1958年生まれ)は姉(岩崎良美 - Wikipedia参照)

*5:当初はともかくこの時点で「故意の破損」の疑惑が当然出ます。

*6:但し、最後まで「徳田=吉宗」はさつき、塚本俊平には明かされず、彼らは徳田や左源太を「鬼面強奪の黒幕を探りに来た公儀隠密」位にしか思っていない。

*7:今日の上様~暴れん坊将軍Ⅲ~ - 天下御免のすっとこどっこいが紹介する話ですね

*8:1960年生まれ。2006年より女優業を休業し、画家として活動(蜷川有紀 - Wikipedia参照)

*9:南町奉行・大岡(横内正)のこと

*10:公家の事情を聞くなら「京都町奉行」「京都所司代」といった京都に在籍する役職ではないかと思いますが?

*11:都副知事、知事を経て、現在、「維新の会」国会議員団参院幹事長。著書『死者たちのロッキード事件』(1987年、文春文庫)、『土地の神話:東急王国の誕生』(1992年、小学館ライブラリー)、『小論文の書き方』(2001年、文春新書)、『マガジン青春譜:川端康成大宅壮一』(2004年、文春文庫)、『ピカレスク太宰治伝』(2007年、文春文庫)、『こころの王国:菊池寛文藝春秋の誕生』(2008年、文春文庫)、『東京の副知事になってみたら』(2010年、小学館101新書)、『地下鉄は誰のものか』(2011年、ちくま新書)、『唱歌誕生:ふるさとを創った男』(2013年、中公文庫)、『救出:3.11気仙沼公民館に取り残された446人』(2021年、小学館文庫)、『太陽の男:石原慎太郎伝』(2023年、中央公論新社)等

*12:「八弥」役の蜷川有紀のこと(2018年に猪瀬と結婚)