今日のロシアニュース(2024年3月4日分)

プーチン大統領に制裁効かず ロシア経済なぜへたらない? 資源収入好調 スタバそっくり店舗活況 中国車が市場席捲 | NHK

理由① 欧州は今もロシア産原油を買い続けている
 イギリスがロシアからの輸入に制裁を科す一方で、インドや中国はロシア産の原油の輸入を続け、精製・加工しています。
 こうした国で作られた石油製品は、イギリスが輸入する際にはロシア産とは見なされず、結果として、制裁を回避する形でう回して輸入されているのです。
 イギリスは2年前、2022年末までにロシア産原油の輸入を段階的に停止すると表明しました。しかし、NGOによると、イギリスは主にインドや中国など、ロシア産原油を使用する12の製油所から石油製品を輸入しているため、停止措置が導入されて以降、2023年の1年間で輸入した航空燃料のうち19.7%がロシア産原油から作られたと推定しています。
理由② ロシア産LNGは禁止されていない
 また、ロシアの大きな収入源となっている天然ガスはより深刻です。EUヨーロッパ連合は、2027年までに、ロシア産の化石燃料への依存から脱却する方針を示していますが、天然ガスについては輸入を禁止していません。ヨーロッパ各国はパイプラインで供給されるロシア産の天然ガスに経済を大きく依存してきたため、いきなりゼロにはできない裏事情があるからです。EUは、天然ガスの価格が高騰する事態を懸念して、現段階で制裁の対象とする計画はないとしています。スペインはEUにおけるロシアからのLNG輸入量の4割近くを占めていて、主要な取引相手です。そのスペインの外相がNHKの単独インタビューに応じました。スペインはなぜロシア産LNGの購入を続けるのか、ずばり尋ねましたが、表面的な回答にとどまりました。
アルバレス外相
「スペインのガス輸入は民間企業によって行われています。ガスに関する制裁措置もありません。このため、スペイン政府がガスの調達先や契約先をコントロールすることはできません」

 日本では「インドや中国」ばかりが「制裁破りに加担」と非難されてきた中、「EUも無罪ではない点」を指摘した点が評価できます。


マクロン「爆弾発言」の問題提起(浅井基文)
 「NATOの軍事介入の可能性は否定しない」としながらも「介入する」と断言できないマクロン発言を「膠着状態を何とかしたいが、何ともできないNATOの苦境」の象徴とみる浅井先生です。「浅井先生のロシアへの甘さ」は問題ですが、こうした評価は全く同感です。
 マクロン発言が「ロシアを牽制したい」程度の意味しか持たず、どれほど本気か怪しい(軍事的、政治的な意味で本当に介入していいかどうかはひとまず置きます)が故に「ウクライナに対する支援」「ロシアに対する牽制」になっておらず両国から冷たい扱いというのもその通りだと思います。
 とはいえ、「軍事介入しないが、軍事支援で事態を脱却する見込み」も、「ウクライナ有利で停戦する見込み」もない。
 一方、ロシア側も決して有利ではない。現状では「お互い我慢比べが続き、耐えられなくなった側が泣きを入れる」というパターンしか考えられず、その場合「ウクライナが泣きを入れるかもしれない」「ロシアが泣きを入れてもどこまでウクライナ有利で決着するか分からない」点が何ともかんとも。


ドイツ ウクライナ支援の協議内容がロシア側に漏えい 調査開始 | NHK | ウクライナ情勢

 ロシアの国営テレビ、RTの編集長は、1日、ウクライナへの軍事支援に関するドイツ軍の協議の内容だとする30分以上の音声をSNSに投稿しました。
 投稿された音声は、ドイツ空軍トップのゲルハルツ総監らが参加した協議で、ウクライナが供与を求めている長距離巡航ミサイルを巡って、ドイツ軍の関与抜きにウクライナ側が運用できるかどうかなどが話し合われたとされています。
 今回の問題を受けてショルツ首相は、2日、訪問先のバチカンで報道陣に「非常に深刻な事態だ」と述べ、調査を始めたことを明らかにしました。

 ドイツの言動(フェイクと否定しない)から見て漏洩自体は恐らく「ロシアのフェイクではなく事実」なのでしょう。
 勿論こうした事実を隠して「ドイツから盗聴し続けること」もできたでしょうが、ロシアがそうしなかったのが
1)正式公表はしてないがドイツ政府も盗聴の事実に気づき、対応策をとっており、現在は盗聴できなくなった。そこで、「ウクライナとドイツの離反や、NATO諸国によるドイツ批判」「野党の攻撃によるシュルツ政権の苦境」を招こうとこうした策に出た
2)現在でも盗聴可能だが「ウクライナとドイツの離反、NATO諸国によるドイツ批判」「野党の攻撃によるシュルツ政権の苦境」を招く方が重要との判断からあえて暴露した
のどちらか気になるところです。