「さあ、2020年、女性の割合30%をニッポンで!」(副題:今日のMSN産経ニュース(1/31分) )

日付けがずれてますが毎日更新の形にしたいので。

【金曜討論】女性議員のクオータ制 「政治に届きにくい声を」「ふさわしい人選ばれるべき」橋本ヒロ子氏、高市早苗氏が激論
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/130215/elc13021508120000-n1.htm

 この「金曜討論」は今回に限らず、個別に意見を聞いてるので「討論」でも「激論」でもないんですが。対談しているわけでは全くない。たぶん「討論の相手(?)」が誰かもお互いに全く知らないでしょう。
 しかし聞く相手が一方は政治家で、一方は学者ってのは不釣り合いですね。両方政治家にすればいいのに。たとえばクオータ制には一定の理解があるらしい野田聖子総務会長とか。

昨年末の選挙で衆院の女性議員比率は10.6%から7.9%に下がり、OECD加盟国(34カ国)中、最低になった。政権公約自民党は、あらゆる分野*1で指導的地位*2に占める女性の割合を平成32年までに30%に引き上げる目標を掲げた。

平成32年というのは2020年。そう、産経の予定では「東京五輪」がある年です。

今ニッポンには「夢の力」が必要だ。
女性の割合を30%にすることは夢をくれる!
(以下大幅略)
さあ、2020年、女性の割合30%をニッポンで!

ま、http://tokyo2020.jp/jp/message/の改変だけど、五輪招致よりは意味があるんじゃないか。つうか、あと8年でどうやって7.9%を30%にするんだか。「どうせ女性の社会進出を増やすことなんかできないから最初からやる気ないよ、女は家庭にいればいいだろby自民党」ってのもそれはそれで問題ですが「できそうもない目標を立てたあげく、実現するためのプランもあるとは思えない自民党」ってのも何だかなあ。
それとまさかとは思うけど「2020年まで安倍政権とか夢見てないよね?」
まず、橋本氏の意見にコメント。
詳しくはリンク先を見て欲しいと思いますが、俺的に要約してみましょう。個々には賛同できないとか疑問を感じる部分もありますがま、高市よりは共感できるかな。


【橋本氏の意見】
1)女性が多く議員になることで女性の視点が政治に生かされるのではないか。
 ま、自民党も建前では「女性議員増」には一応反対してないので、女性議員増加の意義の説明なんて「何を今更」なんですが、彼らの建前って建前でしかないことが多いですからね。説明せざるを得ないんでしょう。
2)北欧やフランスはクオータ制導入で女性議員を増やしてるので日本も導入してはどうか?。ただし女性議員を増加させるための代案があるのならクオータ制にはこだわらない。
 あとでコメントしますが、高市の場合、クオータ制に反対しながら、代案を出さないから困ります。橋本氏も指摘するように「何か策を打たなければいけない。自然に増えるものではない」んですが。
3)「2020(平成32)年までに30%」はあくまでも暫定目標に過ぎない。仮に達成できてもそれでおわりでは困る。理想論だが「男女同数いて当然」だ。
 もちろん「男女同数」ってのは理想論です。いいたいのは「30%は最終目標じゃない」ってことでしょう。


次に高市の意見。これまた詳しくはリンク先を見て欲しいと思いますが、俺的に要約してみましょう。
高市氏の意見】
1)結果平等より機会の平等が大事
 そんなこと言ってたらいつまで経っても女性議員の数は増えませんよ。大体、機会だって平等じゃないでしょうに。
2)記者の質問「30%目指すと言いますが昨年衆院選の自民の女性候補者はたった8%じゃないですか?」
  高市「だって候補者を公募しても女性が応募しないんです。仕方ないじゃないですか?」
 「言い訳するな!」と言いたくなりますね。本気で増やす気があるんでしょうか?
3)記者の質問「女性政治家を増やすには」
  高市「私が出馬したときは女性であることはマイナスだったが今はプラス要因*3だ。だからこそ女性にはマインドを変えてどんどん政治に挑戦して欲しい。家族もそれを応援して欲しい」
 おいおい、「女性議員を増やすための制度論、政策論無し」かよ。女性候補者とその家族の精神論の問題なのか?。橋本氏が「女性議員を増加するための何か政策を打たないと自然に増加しない」と言ってるのにこれじゃあね。

*1:「あらゆる分野」なので国会議員限定ではありません。「財界人」「官僚」「労組」「NPO」「マスコミ」など「あらゆる分野」です。

*2:「指導的地位」なので例えばサラリーマンを例に取れば、中間管理職や重役といった「偉いさん」が増えなければいくらサラリーマン女性が増えても目的は達成できないわけです。

*3:ホントかよ?