【張成沢失脚その他】今日の北朝鮮・韓国最新ニュース(9/10分)(追記・訂正あり)

 9月の日付のエントリで、紹介記事は12月の記事と日付が大幅にずれてますが連続更新の形にしたいので。

東洋経済オンライン『北朝鮮No.2失脚でも経済運営に影響なし*1張成沢氏は完全に失脚、再起可能性はほぼゼロに』
http://toyokeizai.net/articles/-/26011
 まあ、全役職(国防委員会副委員長のほかにも、党政治局員、党中央軍事委員、党行政部長、党中央委員、国家体育指導委員長、朝中共同指導委員会朝鮮側委員長など)解任、全称号剥奪、党除名された上「反党反革命的分派行為」とまで批判ですからねえ。再起の可能性はほぼないでしょう。
 問題は
1)何故、張は失脚したのか
2)今後金正恩*2政権はどういう方向を目指すのか、誰がキーマンとなるのか
3)それに日本や国際社会はどう対応すべきかってことでしょうね。

北朝鮮政治が専門で慶應義塾大学の礒崎敦仁*3専任講師は、「側近に対するこれほどの粛清は、少なくとも金正日*4時代にはなかった」と驚く。過去を振り返ってみても、「1950〜60年代の金日成首相(当時)が自身の権力基盤がまだ不安定だった当時*5、権力闘争の中でこのような形の批判を行ったことはあるが、それを想起させる」と指摘する。
(中略)
張成沢は権力闘争に敗れたという見方もあるが、背景を探るのは難しい状況だ。
(中略)
 金正恩時代になり、父親の政策パターンは今では通用しないし、(注:金正恩の政策は北朝鮮ウオッチャーにとって)パターン化できるほどの蓄積がない」(前出の礒崎氏)
 側近幹部をいとも簡単に解任し、批判を集中させるほどの権力基盤を、金第1書記は確固たるものにしたのか。あるいは、就任直後、就任前からそれだけの力を持っていたのか。今後の北朝鮮の政策運営と方向性がひときわ不透明になっている。

まあ、単なる事実の指摘ですね。「異例の行為」であってこの異例さをどう評価すべきか、礒崎氏も判断に苦しむというところでしょうか。


■読売新聞『北朝鮮の副首相2人が中国へ脱出、亡命申請か』

http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20131212-OYT1T00856.htm 
 韓国のケーブルテレビ「テレビ朝鮮」は12日、北朝鮮張成沢(チャンソンテク)前国防委員会副委員長の粛清に関連し、張氏に近かった経済担当の副首相2人が中国に脱出し、亡命を申請していると報じた。
 中国当局が現在、身辺を保護しているという。中国消息筋の話として伝えた。
 同テレビによると、亡命を求めたのは、いずれも副首相を兼任する盧斗哲(ロドゥチョル)国家計画委員長と李務栄(リムヨン)化学工業相。

 まあ、今後この種の「真偽不明情報」があふれるんでしょうね。事の真偽がかなり明らかになるにはしばらく時間がかかるのでしょう。


聯合ニュース北朝鮮・羅先経済特区のカジノ 中国人で大にぎわい 』
http://japanese.yonhapnews.co.kr/northkorea/2013/12/12/0300000000AJP20131212001300882.HTML
 過大評価も出来ないでしょうが、北朝鮮が改革開放をして一定の成果が出ているという話です。巣くう会の北朝鮮崩壊論がいかにデタラメかと言う事でしょう。

*1:まあ、今のところ影響は見られないという話です

*2:国防第一委員長、朝鮮労働党第一書記、朝鮮人民軍最高司令官

*3:著書『LIVE講義・北朝鮮入門』(共著、2010年、東洋経済新報社

*4:国防委員長、朝鮮労働党総書記、朝鮮人民軍最高司令官

*5:ウィキペ「金日成」によれば1972年に国家主席に就任したときが「権力基盤が確立したとき」とのこと。1977年には主体思想が国家理念として提示される。