【張成沢失脚後の】今日の北朝鮮・韓国最新ニュース(8/22分)(追記・訂正あり)

8月の日付で10月記事と大幅に日付がずれていますが連続更新の形にしたいので。

日経新聞北朝鮮・正恩氏の3側近訪韓 韓国統一相と会談』
http://www.nikkei.com/article/DGXLASGM04H0H_U4A001C1MM0000/

 北朝鮮の黄炳瑞*1(ファン・ビョンソ)朝鮮人民軍総政治局長ら金正恩*2キム・ジョンウン)第1書記の側近3人が4日午前、平壌から専用機で韓国に入った。同日夜に開く仁川アジア大会の閉会式に出席する。これに先立ち、一行は同日昼、柳吉在(リュ・ギルジェ)統一相と会談した。
 訪韓したのは黄氏のほか崔竜海*3(チェ・リョンヘ)朝鮮労働党書記、金養建(キム・ヤンゴン)党統一戦線部長ら11人。3人は金正恩体制を支える中核人物だ。
 柳統一相との会談後には、金寛鎮*4(キム・グァンジン)国家安保室長ら政府高官も加わり、昼食を兼ねた会談を開く。一連の会談は朴槿恵(パク・クネ)政権での南北対話としては最も高いレベルとなる。

 同業他社も報じていますがまさにビッグニュースですね。もちろん「電波少年の松村」じゃあるまいし、「アポなしの突撃訪韓」なんか普通に考えてないわけです。事前に何らかの交渉があったと見るべきでしょう。それを見事に隠し続けた南北政府双方*5には「なかなかやるなあ」と舌を巻きます。巣くう会の連中なんか南北朝鮮への敵意むき出しに暴言吐きますが、巣くう会がバカにできるような人々ではないことがこの一事件だけでも分かります。
 まあ、お互い「南北交渉による成果」を求めてるのでしょう。成果が出ることを望みたい。いずれにせよこれからわかるように朴政権は「太陽政策金大中盧武鉉政権」ほどには融和路線ではないのでしょうが巣くう会流の打倒路線ではないわけです。
 一方、北朝鮮の方も「ヨンビョン島砲撃」のような局地戦はありえてももはや「第二次朝鮮戦争」など考えてはいないわけです。
 なお、「側近中の側近」だという彼らの訪韓は「金正恩君の動静不明」から生まれてる「重病説」「政治的暗闘説」を打ち消す目的もあるのでしょうし実際その効果はあるでしょう。

【追記】
 訪韓した3幹部について簡単に説明した中央日報の記事を紹介しておきます。

http://japanese.joins.com/article/931/190931.html
中央日報『過去最高位の訪韓北朝鮮代表団の正体とは』
(前略)
 黄炳瑞総政治局長は名実ともに現在権力序列2位だ。「党の中の党」と呼ばれる労働党組織指導部軍事担当副部長と第1副部長を経て4月から総政治局長を務めている。党優位の国である北朝鮮で総政治局長は軍ナンバー1に挙げられる。
(中略)
 先月には国防委員会副委員長まで上がった。金正恩の特別な信任を示すものだ。
 崔竜海秘書は金日成(キム・イルソン)主席の右腕と呼ばれた崔賢*6(チェ・ヒョン)の息子だ。金氏一家を除いて北朝鮮体制でパルチザンの象徴に挙げられる人物だ。
(中略)
 金養建秘書は(中略)党国際部で(中略)国際部長まで務めた。
(中略)
 2000年代半ばから統一戦線部長を務めた。その後第2回南北首脳会談に同席するなど北朝鮮で南北関係を総括している。昨年からは国家体育指導委員会委員も兼任している。


■朝鮮新報『〈高校無償化〉東京裁判第3回口頭弁論/原告側が主張』
http://chosonsinbo.com/jp/2014/10/20141002ton/

 朝鮮学校が就学支援金を授業料の支払いに充てない可能性があると被告側が主張していることに対して、「そんなことがあれば、保護者がどうなっているのかと尋ねるに決まっている。そんなことをするはずもない。まったく根拠のないおかしな話」だと述べた。

 全く失礼な言いがかりがつけられるもんだと心底呆れます。


■朝鮮新報『〈仁川アジア大会女子サッカー〉日本に3−1で勝利し悲願の優勝:2大会ぶりの金、前回の雪辱晴らす』
http://chosonsinbo.com/jp/2014/10/1002sy-2/
 いわゆるなでしこジャパンは「世界選手権」を視野にあえて「アジア大会ではベテランを外し若手を抜擢した」そうですので、「何とも評価の難しい戦績」です。願望込みで言えば「ベテランでがっちり固めれば勝てた」かもしれませんが、ただそれでは若手が伸びないという判断*7のもと、今回の戦績の訳です。これを糧に若手がどこまで伸びるかというのが問題でしょう。


朝鮮日報『韓国統一部 宗教団体など2団体の訪朝を承認』
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2014/10/01/2014100102274.html

 韓国統一部は1日、建国記念日にあたる開天節*8(10月3日)の記念行事への参加を求めて訪朝を申請した宗教団体「天道教」と民間団体「檀君*9民族平和統一協議会」の関係者による北朝鮮平壌訪問を承認したと明らかにした。韓国と北朝鮮による開天節の共同記念行事が行われれば、2005年以来となる。

まあ、過大評価もできないでしょうが、韓国が巣くう会流の北朝鮮打倒論でないことが改めてよく分かるニュースです。

*1:朝鮮労働党組織指導部第一副部長を経て現在、国防委員会副委員長、朝鮮人民軍総政治局長

*2:国防第一委員長、朝鮮労働党第一書記、朝鮮人民軍最高司令官

*3:元国防副委員長、元朝鮮人民軍総政治局長。現在、国家体育指導委員会委員長、朝鮮労働党書記。国防副委員長、朝鮮人民軍総政治局長の辞任については「失脚説」と「病気辞任説」がある。

*4:統合参謀本部議長、国防相を経て、現在、国家安保室長。

*5:日米中露政府は知りながら黙ってた可能性もありますが、メディアはそうではないでしょう。

*6:人民武力部長、国防委員会副委員長を歴任

*7:もちろんアジア大会なら若手抜擢で苦戦しても何とか優勝できるんじゃないかという判断もあったのでしょうが。

*8:いわゆる檀君神話に基づく。

*9:古代朝鮮の伝説上の王。日本の神武天皇同様、実在の人物とは見なされていない。