■天安門前車両突入は「聖戦」…イスラム武装勢力の「声明」か
http://sankei.jp.msn.com/world/news/131124/chn13112423080005-n1.htm
まあ、これだけでは何とも言えません。ただしこれが「中国の捏造」や「愉快犯的声明（テロをやる意思も能力もない某ウイグル集団がざまあみろ、中国と放言しただけの代物、この事件に関係ないのは勿論、今後もテロ遂行などない）」でないのなら、「かの地域にテロリストがいる」のは事実なのでしょう。中国の現実の取り締まりの是非（たぶん問題大ありでしょうが）はともかく、「取り締まり自体はやむを得ないこと」なのでしょう。
■【都知事に５０００万円】選挙資金？ 借用書は？ 猪瀬知事、話せば話すほど矛盾だらけ
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/131124/crm13112421070009-n2.htm
「話せば話すほど矛盾だらけ」とは産経も実に冷たいですね。まあ、かばいようがないとは思いますが、この冷たさでは「都議会自公は既に猪瀬斬りに動き、猪瀬に早期辞任の説得と、後任担ぎ出しに水面下で動いてる」のかもしれません。
石原時代からの関係なんでしょうか。しかし何で日本の保守政治家ってのはこの種の右翼と平然とつきあえるんでしょうか。
■小沢政治「未来の党」失敗から１年 原因は何だったのか
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/131124/stt13112422140003-n1.htm
産経の記事を読んでも「産経が考える失敗原因」がさっぱりわかりませんが、まあ俺が思うに「看板変えただけでは意味がない」ということですね。
多くの人間が「党首が嘉田さんって言っても実権握ってるのは小沢だろ」と思った。そして有権者にはそういうやり口に「せこい」「西松疑惑隠しか」と批判的に思う人間が沢山いたと言う事でしょう。
実際敗戦後「嘉田は斬って捨てられ小沢が代表について生活の党に模様替えしたこと」でそうした見方が全く正しいことが証明されたわけです。
小沢が脱原発を唱えても「にわかだ」と信用されずそういう「脱原発票」は共産にでも行ったんでしょう。そしていずれはこうした「失敗した党」には自民へのすり寄りを強める「維新やみんな」も仲間入りするんでしょう。自民との違いがないなら支持する理由はないし、そういうすり寄りを始めること自体が凋落の証明でしょう。
■【新聞に喝！】子供が読める紙面を 京都大学大学院教育学研究科准教授・佐藤卓己*1
http://sankei.jp.msn.com/life/news/131124/edc13112412460000-n1.htm
「子ども」表記は冷戦期の政治的遺物であり、「子供」に戻すのが自然だろう。
ブクマもつけましたが改めて批判。呆れて物も言えませんね。子ども表記に反対するのは佐藤氏の勝手ですが、仮にも大学教授がデタラメをほざくのも大概にしたらどうなのか。
はっきり言って悪質なデマです（きちんと調べたわけではなく感覚的な印象論に過ぎないことを断っておきますが、むしろ、俺の理解では冷戦期よりも冷戦後の方が「子ども」表記は増えてると思います）。大体この佐藤氏が「冷戦の遺物」云々と言ってる理由は「子ども表記支持者に共産党員の羽仁五郎がいるから、子ども表記は左翼の主張」と言うだけに過ぎません。「羽仁以外に子ども表記支持者にはどんな人がいたのか、保守派はいなかったのか」「羽仁は子ども表記の理由を左翼思想を根拠にしていたのか」「政府公文書や新聞記事などが子ども表記を使うようになった経緯は何か（羽仁と直接関係ないことは言うまでもないでしょう）」といったことがわからなければ「子ども表記は左翼思想」なんて言えるわけがないでしょう。
佐藤氏の主張は「特定秘密保護法案反対派に共産党員がいるから、反対運動は左翼運動」と言うくらいの暴論です。
まあ、佐藤氏ご本人も「自分の言ってることはデマカセだ」とわかった上での故意のデマ垂れ流しでしょうが。大体それなら、いわゆる「認定こども園法」はどうなるんでしょうか。政府提出法案なんですけどね。「政府提出法案の表記が『子供』でなく、こども→自公は共産主義者の集まり」なんでしょうか。そんな馬鹿なわけがない。
むしろ実態は「一部の極右が子ども表記に因縁つけてる」というのが正しい。
もちろん「佐藤説が正しい*2」としても「左翼の主張だから間違ってる」なんていうのはおよそ学者とも思えないくだらない反共主義です。
■【子供たちに伝えたい日本人の近現代史】（３４）切腹で抗議、親米言論人*3も激怒した*4 「反米」決定づけた排日法
http://sankei.jp.msn.com/life/news/131124/art13112409230003-n1.htm
ブクマもつけましたが「排日移民法が太平洋戦争の原因になった」という産経らしい悪質なデマです。
１）「満州事変とその後の国際連盟脱退」「日独伊三国同盟締結」「仏印進駐」など「日米関係を悪化させ太平洋戦争への道筋を作った」と言われる事件を全てガン無視するところ（満州事変以前の日米関係はそれほど悪くはないでしょう）
２）米内光政*5、井上成美*6など対米開戦反対派、消極派の存在をガン無視するところ
はさすが産経です。
それに「アメリカが僕をいじめるから僕は立ち上がったんだ」という主張は「太平洋戦争はアジア民族解放の聖戦、日本のおかげで東南アジア諸国は独立できた」とか「コミンテルン（つうか尾崎秀実）の陰謀で開戦した」とかいうウヨの別の主張と矛盾します。
まあ、ウヨ的には「あの戦争で日本は何も悪くない」とさえ言えればいいのでその悪くない理由が「日本をいじめるアメリカへの正当防衛」でも「ソ連にはめられた、ソ連が一番悪い」でも「アジア民族解放の正義の戦争」でも何でもいいんでしょうが。
*1:著書『言論統制：情報官・鈴木庫三と教育の国防国家』（2004年、中公新書）、『8月15日の神話：終戦記念日のメディア学』（2005年、ちくま新書）、『メディア社会：現代を読み解く視点』（2006年、岩波新書）、『輿論と世論：日本的民意の系譜学』（2008年、新潮選書）
*2:もちろんデマですが
*3:清沢洌のこと。ただし清沢は排日移民法は批判しても、太平洋戦争開戦など支持していないので悪質きわまりない印象操作だと思う。この産経の文では「清沢は太平洋戦争開戦支持者」と誤読されかねない。
*4:このタイトルではまるで「親米言論人（清沢洌のこと）が切腹で抗議した」と誤読されかねないのではっきり言って酷いタイトルだと思います。
