【書評】『昭和の大戦とあの東京裁判』平川祐弘著 GHQ言論統制 呪縛問う - 産経ニュース
馬鹿馬鹿しいとしか言い様がない。
既に
など、「GHQ支配下の言論統制」自体が研究対象になってるわけです。
東京裁判についても当然
【刊行年順(刊行年が同じ場合が著者名順)】
◆日暮吉延*2『東京裁判』(2008年、講談社現代新書)
◆粟屋憲太郎*3『東京裁判への道』(2013年、講談社学術文庫)
◆武田珂代子*4『東京裁判における通訳(新装版)』(2017年、みすず書房)
◆宇田川幸大*5『考証東京裁判』(2018年、吉川弘文館歴史文化ライブラリー)、『東京裁判研究』(2022年、岩波書店)
◆戸谷由麻*6『東京裁判「神話」の解体』(共著、2018年、ちくま新書)、『東京裁判(新装版)』(2018年、みすず書房)
◆吉田裕*7『日本人の歴史認識と東京裁判』(2019年、岩波ブックレット)
など研究対象になっており、議論も様々であり、「自虐史観は東京裁判など、GHQ(米国)の洗脳ガー」つう単純な話ではない。むしろ
極東国際軍事裁判 - Wikipedia
被告人28人中、以下の15名(過半数以上)が陸軍関係(あいうえお順)
◆荒木貞夫(終身刑。後に仮釈放)
皇道派幹部。犬養*8内閣陸軍大臣、第一次近衛*9、平沼*10内閣文相など歴任
◆板垣征四郎(死刑、後に靖国に合祀)
関東軍高級参謀として満州事変を実行。関東軍参謀長、第一次近衛、平沼内閣陸軍大臣、朝鮮軍司令官、第7方面軍司令官(シンガポール)など歴任
◆梅津美治郎(終身刑。服役中病死し、後に靖国に合祀)
支那駐屯軍司令官、陸軍次官、関東軍司令官、参謀総長など歴任
◆大島浩(終身刑。後に仮釈放)
駐ドイツ大使館付武官、駐ドイツ大使など歴任
◆木村兵太郎(死刑、後に靖国に合祀)
太平洋戦争開戦時の陸軍次官。関東軍参謀長、ビルマ方面軍司令官など歴任
◆小磯國昭(終身刑。服役中病死し、後に靖国に合祀)
陸軍省軍務局長、陸軍次官、関東軍参謀長、朝鮮軍司令官、平沼、米内*11内閣拓務大臣、朝鮮総督、首相を歴任
◆佐藤賢了(終身刑。後に仮釈放)
南支那方面軍参謀副長、陸軍省軍務局長、支那派遣軍総参謀副長など歴任
◆鈴木貞一(終身刑。後に仮釈放)
歩兵第14連隊長、第3軍参謀長、興亜院政務部長、第2次、第3次近衛、東条内閣企画院総裁など歴任
◆東條英機(死刑、後に靖国に合祀)
太平洋戦争開戦時の首相。関東憲兵隊司令官、関東軍参謀長、陸軍次官、陸軍航空総監、第二次、第三次近衛内閣陸軍大臣、首相を歴任
◆土肥原賢二(死刑、後に靖国に合祀)
ハルピン特務機関長、奉天特務機関長、陸軍航空総監、第7方面軍司令官(シンガポール)、陸軍教育総監など歴任
◆橋本欣五郎(終身刑。後に仮釈放)
陸軍内の秘密結社「桜会」幹部としてクーデター計画「三月事件(浜口*12内閣を打倒し、宇垣*13陸軍大臣を首相とする)」「十月事件(第二次若槻*14内閣を打倒し荒木貞夫を首相とする。橋本も内務相に就任)」を計画(ただし実行前に摘発)。
◆畑俊六(終身刑。後に仮釈放)
台湾軍司令官、陸軍教育総監、中支那方面軍司令官、侍従武官長、阿部*15、米内内閣陸軍大臣、支那派遣軍総司令官など歴任
◆松井石根(死刑、後に靖国に合祀)
南京事件発生時の現地軍司令官(中支那方面軍司令官)
◆南次郎(終身刑。後に仮釈放)
満州事変発生時の陸軍大臣(第二次若槻内閣)。関東軍司令官、朝鮮総督など歴任
◆武藤章(死刑、後に靖国に合祀)
太平洋戦争開戦時の陸軍省軍務局長。近衛師団長、第14方面軍参謀長(フィリピン)など歴任
という被告の顔ぶれで分かりますが「東京裁判では米国は最初から政治的思惑で、陸軍幹部ばかりを起訴した→陸軍悪玉論を助長した」などの東京裁判批判もあるわけです。
一方で海軍は
極東国際軍事裁判 - Wikipedia
(あいうえお順)
◆岡敬純(終身刑。後に仮釈放)
太平洋戦争開戦時の海軍次官
◆嶋田繁太郎(終身刑。後に仮釈放)
太平洋戦争開戦時の海軍大臣(東条内閣)
◆永野修身(終身刑。服役中病死し、後に靖国に合祀)
太平洋戦争開戦時の軍令部総長。広田内閣海軍大臣、連合艦隊司令長官など歴任
しか起訴されず、その経歴上、起訴されてもおかしくない
(海軍大臣就任順)
◆米内光政
林、第一次近衛、平沼、小磯、鈴木*16内閣海軍大臣、首相を歴任
◆吉田善吾
阿部、米内、第二次近衛内閣海軍大臣
◆及川古志郎
第二次、第三次近衛内閣海軍大臣
は起訴されませんでした。
【主張】小学生大会の廃止 まず大人が意識の変革を - 産経ニュース
全日本柔道連盟(全柔連)は5、6年生が対象の全国小学生学年別大会の廃止を決め、日本スポーツ協会も、スポーツ少年団の全国大会について、将来的な中止を視野に入れた議論を進めるという。
全柔連は「小学生が勝利至上主義に陥ることは、好ましくない」としているが、その説明はおかしい。勝利至上主義に毒されているのは大人の方である。
「全国大会の機会をなくしていいのか、子どもがかわいそうだ」「せめて臨時措置として早期に復活すべき。大会開催それ自体が悪ではないと思う」という産経には同感です。
*1:一橋大学名誉教授、早稲田大学名誉教授。著書『特務機関の謀略:諜報とインパール作戦』(1998年、吉川弘文館歴史文化ライブラリー)、『紙芝居』(2000年、吉川弘文館歴史文化ライブラリー)、『陸軍中野学校』(2017年、筑摩選書)など
*2:帝京大学教授。著書『東京裁判の国際関係』(2002年、木鐸社)
*3:1944~2019年。立教大学名誉教授。著書『東京裁判論』(1989年、大月書店)、『未決の戦争責任』(1994年、柏書房)、 『十五年戦争期の政治と社会』(1995年、大月書店)、『現代史発掘』(1996年、大月書店)、『昭和の政党』(2007年、岩波現代文庫)
*4:立教大学教授。著書『太平洋戦争日本語諜報戦』(2018年、ちくま新書)
*6:ハワイ大学教授。著書『不確かな正義:BC級戦犯裁判の軌跡』(2015年、岩波書店)
*7:一橋大学名誉教授。東京大空襲・戦災資料センター館長。著書『昭和天皇の終戦史』(1992年、岩波新書)、『日本人の戦争観』(2005年、岩波現代文庫)、『アジア・太平洋戦争』(2007年、岩波新書)、『日本軍兵士:アジア・太平洋戦争の現実』(2017年、中公新書)、『兵士たちの戦後史』(2020年、岩波現代文庫)など
*8:第1次大隈内閣文相、第2次山本、加藤高明内閣逓信相などを経て首相。515事件で暗殺
*10:検事総長、大審院長、第2次山本内閣司法相、枢密院議長、首相、第2次近衛内閣内務相など歴任。戦後、終身刑で服役中病死し、後に靖国に合祀
*11:戦前、連合艦隊司令長官、林、第一次近衛、平沼、小磯、鈴木内閣海軍大臣、首相などを、戦後、東久邇宮、幣原内閣海軍大臣を歴任
*12:大蔵次官、加藤高明内閣蔵相、第1次若槻内閣内務相などを経て首相
*13:清浦、加藤高明、第一次若槻、濱口内閣陸軍大臣、朝鮮総督、第一次近衛内閣外相など歴任