いつもどおりid:noharra氏に突っ込む(1/21分)(追記・訂正あり)

松尾匡*1のページよりhttp://matsuo-tadasu.ptu.jp/essay_71225.html。@noharra は「市民派リベラル」という言葉が適切と思わないが、松尾氏の意見に同感だ。差別(反差別)より、反抑圧や人権、自由といった価値の方が大事なのは自明であり、そう思わない人がなぜこんなに多いのか訳が分からない。

 いつもながらid:noharraはアホかとしか言いようがない(いろんな意味で)。
 先ず第一に「反差別」と「反抑圧」や「人権、自由の擁護」は矛盾するものでも対立関係にあるわけでもない。
 つうか「人権・自由の擁護」に「反抑圧」が含まれ、「反抑圧」に「反差別」が含まれるという包含関係にあると見るのが一般的理解ではないか。
 id:noharraの言ってることは従って「ラーメンより中華料理の方が美味しい」「すき焼きより日本料理の方が美味しい」並みの意味不明発言と言える。
 第二に松尾が問題にしてるのはid:noharraのいうようなことではない。俺の理解では、松尾は「人権の中で一番大事なのは衣食住が足りて食えることだ、それをサヨはないがしろにしてきた、それが右傾化の一要因」と言っているのだ。俺は「食えると言う事についてのサヨが提唱してきた主張の是非」はともかく、「食えるということ(景気対策とか、貧困者に対する社会保障とか。最近話題の言葉で言えば反貧困、反格差、反構造改革*2、反新自由主義とか言える)」をサヨがないがしろにしてきたとは全く思わないがそれはともかく。
 「食えると言う事」はid:noharraの言う「反抑圧や人権、自由といった価値」とイコールではない。
 あえて何らかの熟語で言えば松尾が重視していることは「反貧困」「反格差」「反構造改革」「反新自由主義」とでも言うべきだろう。
 また、松尾がそういう論者か知らないが、この「食えると言う事の重視」は注意しないと
1)とにかく食えることが大事!。特定秘密保護法に反対しよう?。そんなことよりアベノミクスで食えれば俺はどーでもいい*3
2)中国や韓国などのいわゆる開発独裁*4の肯定(食えてるんだからいいじゃん!。「漢江の奇跡」って知らないの?。「毛沢東時代」より今の方が中国は明らかに豊かじゃん。チベットだってダライ支配時代より今の方がずっと豊か!。金大中事件?。劉暁波の投獄?。そんなことどーでもいい)
などといった「食えること以外の問題の軽視」につながりかねないがそういう認識がid:noharraにないことには絶句する。

*1:著書『標準マクロ経済学』(1999年、中央経済社)、『マルクス経済学(図解雑学シリーズ)』(2010年、ナツメ社)、『新しい左翼入門』(2012年、講談社現代新書)など

*2:もちろん小泉流の構造改革

*3:もちろんアベノミクスによって仮に景気が良くなったとしても高度成長時代やバブル時代にも貧困者はいたので当然、貧困者は生じるしそういう人間は食えてないし、貧困者救済意思が安倍にないことは「生活保護削減」などで明白だが

*4:もちろん開発独裁においても貧困者はいるし、そういう人間は食えていないが