「星の王子様」(酒飲みの星・その他)

【その1】
 「星の王子様」は「大人向けの童話」だと良く言われますが確かにそう思いますね。
 小生が一番印象に残ってる「たぶん子どもにはわからない話」は王子様が「酒飲み(つうかどう見てもアル中ですが)の星」に行ったときの話ですね。以下はうろ覚えで書いていますので原文と一言一句一致してるわけではないですがそのシーンを書いてみましょう。

王子様「ねえ、何でお酒飲んでるの?」
(無視する酒飲み)
王子様「ねえ、何でお酒飲んでるの?(しつこく)」
酒飲み「忘れたいことがあるからさ」(王子様がしつこいので渋々)
王子様「何を忘れたいの?」
酒飲み「恥ずかしいことがあるからさ」
王子様「何が恥ずかしいの?」
酒飲み「朝から酒飲んでることが恥ずかしいんだよ!」
(言ってる意味がわからなくて首をかしげる王子様)

王子様も随分しつこいなと思いますがそれはともかく。
これはねえ、子どもにはわからないでしょうよ。「酒飲んでることが恥ずかしいなら飲むの辞めろよ」としか思えない。「親がアル中」の子どもだとわかるかもしれませんが。一方、大人になると「アル中でなくても」、「これが何となくわかる人」もいるわけです。小生もまあ、何となくわかります。


【その2】
 岩波版の「星の王子様」では「うわばみって剣呑だろう!」という名言(?)が出てきます。
 何で「うわばみ」「剣呑」なんて言葉を使ったのかはわかりませんが、これに慣れると「これ以外の訳だと違和感を感じます」ね。最近は「岩波版以外の翻訳」では子どもにわかりやすく「うわばみ」を「へび」に、「剣呑」を「危険」に訳してるようですが。