今日の産経ニュース(4/23分)(追記・訂正あり)

■【産経抄】中嶋さんの警告 4月23日
http://www.sankei.com/column/news/150423/clm1504230004-n1.html

 1955年4月、インドネシアのバンドンで開かれる第1回アジア・アフリカ会議の最後の準備に追われる関係者の、肝を冷やすような一報だった。会議に向かっていた中国の代表団の搭乗機が、空中爆発を起こしたというのだ。
▼爆弾を仕掛けたのは、台湾・国民党の情報員だった。中国は、この計画を察知していた。周恩来首相だけ別のチャーター機に移って、難を逃れる(『バンドン会議と日本のアジア復帰』宮城大蔵著)。

 物騒きわまりないですね。今の中台関係はともかく当時はそこまで敵対してたわけです。
 別に北朝鮮を免罪する気もありませんが「1968年の朴チョンヒ暗殺未遂(青瓦台襲撃)」など、物騒な事やるのは何も北朝鮮の専売特許じゃないわけです。当時はある意味「そう言う時代だった」と。
 「空中爆発した飛行機の乗員」はおそらく皆死亡したのでしょう。幸いなのは産経が書くようにテロ情報を察知し、万一に備えて別のチャーター機を用意したため「周恩来が無事だったこと」ですね。彼ほどの大政治家が死んでいたらその後の中国に大きな悪影響が出たかも知れません。つうかさすがに中国も首相を暗殺されては、台湾に対してそれなりの報復措置*1に出るでしょうし、そう言う意味でも恐ろしいことになったでしょう。

 周首相は何食わぬ顔で、インドのネール首相らとともに、人種・諸国家の平等などを謳(うた)った平和10原則の採択に導いた。

 さすが大政治家と言うべきでしょうか。冗談抜きで「我らが安倍首相」ではとてもそんな態度はとれそうにありません。

 バンドン会議の60周年を記念する首脳会議が、ジャカルタで開幕した。中国の習近平国家主席は演説のなかで、欧米諸国と異なり、発展途上国への援助に政治的な条件を付けない、と述べた。参加国の「盟主」として、米国中心の国際秩序に挑戦する姿勢を鮮明にしたといえる。
▼中国が主導するアジアインフラ投資銀行(AIIB)の創設メンバーは57カ国に達した。その自信が、習主席の振る舞いに表れている。日本は浮足立つことなく、米国と足並みをそろえて、中国を牽制(けんせい)していけばいい。

 本当に産経は中国が嫌いなんだなと実感します。この後、米国や日本がAIIB参加を表明したらなんて言うんでしょうか。まあ掌返しで「内部から変えてく」とか言い出すんでしょうけど。


■【日中首脳会談】安倍首相演説“無視”の習氏、即座に「歴史」反論の首相…冷徹な現実、友好ムードはあくまで「演出」
http://www.sankei.com/politics/news/150423/plt1504230014-n1.html
 反中国・産経としてはこの首脳会談を「絶対に評価したくない」のでしょうね。だから「習主席の態度が酷かった」とか平気で書く。しかし一方では
朴槿恵大統領の外遊中に日中歩み寄り…韓国メディア衝撃 孤立に危機感
http://www.sankei.com/world/news/150426/wor1504260007-n1.html
なんて「首脳会談をした習近平安倍総理の軍門に下った、朴クネよ、お前は習に見捨てられたのだ」「お前も早く首脳会談をして安倍総理の軍門に下れ」という「習主席の態度が酷かった」記事とは矛盾する内容の記事を書くのだから、まあ「中韓の悪口と安倍万歳が言えれば」論理一貫性は産経にとってどうでもいいんでしょうね。


■貿易黒字、中国「春節」のおかげ? 見通せぬ定着…やはり地道な成長戦略が必要
http://www.sankei.com/economy/news/150423/ecn1504230004-n1.html
 タイトルで思わず吹き出してしまいました。
 「貿易黒字が出たのは良かったが、春節旧正月)での中国人消費の影響が大きいので素直に喜べない」んだそうです。
 「喜べない」というのは
1)アベノミクスで景気が良くなって輸出が増えたわけでない
2)「円安による輸入品物価の上昇→輸入の減少」も原因の一つ
3)中国人消費は中国の景気が落ち込めば減るし、それに対して日本側は手の打ちようがない
4)産経はとにかく中国が大嫌いだから
といったところでしょう。


■【ソウルから 倭人の眼】米も辟易、韓国「対日恫喝論文」 安倍首相の米議会演説で落ち着かず
http://www.sankei.com/premium/news/150423/prm1504230007-n1.html
 韓国メディアが安倍批判しただけで「恫喝だ」「一国の首相に無礼だ」と言い出すんだから唖然です。そんな事を言ったら政治家批判なんかできないでしょうに。そしてそんな事を言うなら産経も「習主席や朴大統領、プーチン大統領」への非難をやめたらどうなのか。
 どうせ「産経の政治家批判はきれいな批判、韓国メディアの安倍批判は言いがかり」という詭弁が出るのでしょうが。

*1:台湾への軍事攻撃すらあり得るでしょうし「周恩来に匹敵する台湾要人(ナンバーワン蒋介石を含む)暗殺」による「血のバランス」を取ろうとする危険性さえあるでしょう。