■【産経抄】なぜいまだに「戦後」にとらわれ続けなければならぬのか
http://www.sankei.com/column/news/151231/clm1512310004-n1.html
むしろ「何故日本ウヨは戦前に囚われ続けるのか、何故戦前を『汚点(南京事件など)まで』なかったことにしようとしたり、詭弁で美化しようとし続けるのか」でしょう。日本ウヨが戦前をきちんと批判出来ればいいだけの話なんですが。
しかも「いつまで戦後にこだわる」と言いながら、シベリア抑留、原爆投下など「日本が被害に遭った戦前」は未だに根に持ってるんだからご都合主義です。
■『あのころ紅白歌合戦は面白かった』
http://ironna.jp/theme/465
このような記事を書き紅白に悪口雑言する一方で
■『【NHK紅白詳報】今年も速報します、総合司会の有働アナのつけまつげ*1は飛ぶか?、久々に復帰の小林幸子*2の衣装は?』
http://www.sankei.com/entertainments/news/151231/ent1512310009-n1.html
などとしているのは実に滑稽な話です。
つまりは「価値観の多様化」もあり、紅白が往年の高視聴率(最高視聴率は80%台)を取れなくなったとはいえ、未だに30〜40%台は確実に取れ、「同時間帯の民放に圧倒的に勝利している」がゆえに産経もこういう「速報」をするわけです。
フジテレビについてはここまで力を入れては報道しない*3のにね(苦笑)。
■【湯浅博の世界読解】OPEC*4の減産見送りが、米国に「アジア回帰」を促す
http://www.sankei.com/premium/news/151231/prm1512310030-n1.html
原油価格が下がれば「産油大国ロシア」が経済的に厳しくなり、米国が「ウクライナ問題」などでロシアに対して有利になるのではないか、そうすれば南シナ海での中国との対応にも米国に余裕が出るという産経です。
当然ながら産油国には「サウジアラビアやカタール」といった親米国家もあり「ロシアが厳しい」のならサウジやカタールも厳しくなり場合によっては「イラン革命やアラブの春(エジプト、チュニジア)のようなサウジ、カタールでの政権崩壊→場合によってはホメイニ・イラン政権のような反米政権誕生」もありうるわけですが、さすが産経、そう言う想像は全くないようです。何とも都合のいい想定です。
シリア国内の油田の多くはISが制圧し、当のアサド政権が密売業者からISの石油を買うという構図ができていた。
一体何を根拠にそう言うことを言ってるんでしょうか。むしろ「反アサド派(いわゆる自由シリア軍)の一部がISと繋がってる」という指摘もあるわけですが。
■【石平*5多数のChina Watch】中国人民が、習主席が無能愚昧な「暗君」と気づく時 「習近平*6劇場政治」は終焉だ
http://www.sankei.com/world/news/151231/wor1512310025-n1.html
まあ、産経らしい駄文です。習主席を批判するのは産経の勝手ですが、いずれにせよ彼は「無能愚昧な暗君」ではない。暗君が政府トップになれるほど中国政界も甘くはないでしょう。彼は二世政治家とは言え彼の父親・習仲勲*7は「毛沢東*8や劉少奇*9、周恩来*10やトウ小平*11」ほどのビッグネームではありません。「親の七光りだけで出世できる立場」では彼はない。
そして暗君に「AIIB」なんてもんは実現できないでしょう。
本来、習主席の有能さを「それなりに認めた上で」批判しないと説得力は皆無ですが、産経にとっては「とにかく習主席が罵倒できればいい」のでやれ「無能愚昧」だの「暗君」だのいうわけです。
「無能愚昧」だの「暗君」だのに該当するのはむしろブッシュjr*12や安倍晋三だと思いますけどね。むしろ「アベノミクスのインチキ」に国民が気付いたときに「安倍政治は終了」でしょう。未だに安倍支持の人間にはうんざりしますけど。
「外交は習主席の一人劇場なんてこと」はもちろんありません。
■人民日報
『李克強総理、インドのモディ首相と会談』
http://j.people.com.cn/n/2015/1122/c94474-8980137.html
『李総理 東アジア首脳会議とマレーシア公式訪問へ』
http://j.people.com.cn/n/2015/1114/c94474-8976621.html
『李克強総理が公式訪韓、中日韓首脳会議にも出席へ』
http://j.people.com.cn/n/2015/1027/c94474-8967440.html
ということで李総理も一定の外交活動を行っているわけです。
そのなかでアジアインフラ投資銀行(AIIB)の創設や対英外交の成功などが「輝かしい外交的業績」として国内で賛美され、「大国の強い指導者」としての習主席のイメージアップにつながった。
実際、文句のつけようのない成果でしょうに。産経は何が言いたいんですかね。
■【経済インサイド】爆買いで大人の街「銀座」が様変わり 我が物顔の訪日観光客に「ここは中国なのか…」
http://www.sankei.com/premium/news/151231/prm1512310006-n1.html
銀座のど真ん中で、中国語が飛び交う光景に、「ここは中国か」と錯覚に陥る人も少なくないはずだ。ただ、悪い気はしない。とにかく元気だ。日本人にはない勢いのようなものを感じる。1980年代のバブル景気に沸いた日本人が仏パリや英ロンドンの高級ブランド品を買いあさったと欧米から揶揄されたときもこのような勢いを感じさせていたのだろうか。
(中略)
観光バスの集合場所の一つとなっているラオックス前には、大きな紙袋を両手にぶら下げた中国人らが立ち、歩道をふさぐほど混雑していた。
中国人が占拠するのは歩道だけではない。銀座の老舗喫茶店「アマンド銀座店」でも中国人観光客の客足が途絶えることはないという。アマンドによると、「入店客の約3〜6割が外国人観光客だ」という。急増する中国人観光客向けに中国語で書かれたメニューを用意したほか、中国語は話せる店員を3人も雇った。
(中略)
日本政府観光局によると、1〜11月の訪日外国人数は前年比1796万人と過去最高を記録。今後、さらに訪日客が増える見込みで、2020年東京五輪の開催前に2000万人を突破するのが確実になっている。
銀座にも今よりも訪日客が増え、街を闊歩するのは間違いないだろう。大人の街銀座はどうなってしまうのか。そんなことを考えながら銀座を後にした。
当面、爆買い中国人が銀座を闊歩するのは間違いないのでしょう。
■【きょうの人】ロシア出身声優、ジェーニャさん「日本のアニメは一番ピュアな気持ち詰まっている」きっかけはセーラームーン
http://www.sankei.com/entertainments/news/151231/ent1512310005-n1.html
以前拙エントリ『今日の人民日報ニュース(6/16分)』(http://d.hatena.ne.jp/bogus-simotukare/20150616/5423190876)で中国出身の声優・劉セイラさんを紹介しましたが、今度は「ロシア出身声優」だそうです。
■【戦後70年】つらく、苦しい満州の暮らしを後世に 三井造船元工場長が体験記発行
http://www.sankei.com/west/news/151231/wst1512310026-n1.html
岡山県内の大手造船所で工場長などを務めた手島清美さん(78)=京都市山科区=が、戦後70年にあわせ、体験記「少年の眼に映った満州 鞍山(あんざん)・七嶺子(しちれいし)村の出来事」を発行した。
(中略)
武装解除を拒む一部の旧日本兵に対し、八路軍(中国共産党軍)とソ連軍、国民党軍が入り乱れての「千山事件」が発生。旧日本兵300人余のほか一般人の犠牲も多数出たとされる。徴兵先から、ようやく帰還した父も拘束された(後に脱走)。
(中略)
手島さんは「執筆時に『千山事件』の記録を調べたが、いかんせん資料が少ない。この1冊が当時の七嶺子村に再び注目が集まり、より克明な歴史がひも解かれる契機になれば」と願っている。
まあ、手島さんのような当事者の回想録など、「資料がないわけではない」のでしょうが少ないのは事実のようです。
なにせ「千山事件」でググると大量にヒットするのは
ドラマ「絶対零度:未解決事件特命捜査」(フジテレビ、2010年)
・千山こども交流会殺傷事件
です。
*1:これについてはライブドアニュース『「あさイチ」で有働由美子アナの珍事を逆手に取ったつけまつ毛特集を放送』(http://news.livedoor.com/article/detail/10770984/)参照
*2:1979〜2011年まで紅白に出場
*3:同時間帯のフジ番組「RIZIN」については■【格闘技】バルト(元把瑠都)がピーター・アーツを下し白星デビュー(http://www.sankei.com/sports/news/151231/spo1512310012-n1.html)、■【格闘技】曙、ボブ・サップへのリベンジ失敗 2R途中に試合続行不能 0−3の判定負け(http://www.sankei.com/sports/news/151231/spo1512310014-n1.html)■【格闘技】「因縁マッチ」は魔裟斗の判定勝ち 山本KIDを第2Rでダウン喫す(http://www.sankei.com/sports/news/151231/spo1512310018-n1.html)を書いているので「グループ会社フジへの一定の配慮はしています」が「紅白詳報」(詳しくは紹介しませんが)に比べれば明らかに分量は少ないですね。
*4:石油輸出国機構の略称。イラク、イラン、クウェート、サウジアラビア、カタール、リビア、アラブ首長国連邦、アルジェリア、ナイジェリア、アンゴラ、ベネズエラ、エクアドルが加盟国
*5:著書『なぜ中国人はこんなに残酷になれるのか:中国大虐殺史』(2012年、ビジネス社)、『なぜ中国から離れると日本はうまくいくのか』(2013年、PHP新書)、『世界征服を夢見る嫌われ者国家 中国の狂気』(2014年、ビジネス社)、『習近平にはなぜもう100%未来がないのか』(2015年、徳間書店)など反中国著書
*6:福州市党委員会書記、福建省長、浙江省党委員会書記、上海市党委員会書記、国家副主席、党中央軍事委員会副主席、国家中央軍事委員会副主席などを経て国家主席、党総書記、国家中央軍事委員会主席、党中央軍事委員会主席
*7:中国共産党中央宣伝部長、副首相などを務めるが文革で失脚。その後、復権し、広東省党第一書記(広東省長兼務)、全国人民代表大会常務副委員長など歴任。
*9:全国人民代表大会常務委員長、国家主席など歴任。文革で失脚し失意のウチに死去。文革終了後名誉回復がなされた。
*10:首相
*11:副首相、党副主席、人民解放軍総参謀長などを経て党中央軍事委員会主席、国家中央軍事委員会主席
*13:中国共産主義青年団(共青団)中央書記処第一書記、河南省党委員会書記、遼寧省党委員会書記、第一副首相などを経て首相