被告救命の元主治医「謝罪させるため生かした」 続くリハビリ生活、公判にどう影響 - 産経ニュース
「本心こう思ってる」のか、「何故生かした」という「被害者や遺族の非難」への言い訳なのかはともかく、こういう物言いは本当に辞めて欲しいですね。
この主張ならば例えば「犯人が重傷で言語機能や知的能力などを失い謝罪することが不可能な場合」は生かす意味がなかったのか?
そういう話ではないでしょう。生かす理由はもっとシンプルです。法治国家では「法的手続き(要するに死刑判決*1ですが)」によらない限り、「正当防衛(例:瀬戸内シージャック事件や三菱銀行人質事件での犯人射殺)や緊急避難(例:いわゆるカルネアデスの舟板やトロッコ問題)」といった例外事例に該当しない限り、いかに外道であれ殺すことは許されないからです。
【主張】京アニ事件3年 迅速手続きで再発を防げ - 産経ニュース
「裁判の迅速手続きと再発防止と何の関係が?」ですが「とっとと死刑にして、再犯防止につなげろ」ということでしょう。
しかし、過去の判例を考えれば【1】心神喪失または心神耗弱の認定、【2】死刑制度の廃止でもない限り死刑判決以外あり得ないので、迅速に死刑判決を出さなくても十分「死刑の犯罪抑止効果(統計上はそんなモノは実は認められていませんが)」は発揮されてるはずです。
産経だと「裁判で真相解明して再発防止」と言いそうですが「ガソリンの販売規制(事実上困難でしょうが)」であれ「建築物の防火機能向上」であれ、何であれ、多くの「再発防止策」は別に「裁判しなくても、真相解明(産経の文脈だと恐らく、犯人の犯行動機の解明)しなくてもできること」でしょう。
「珍右翼が巣くう会」に突っ込む(2022年7/15日分:荒木和博の巻) - bogus-simotukareのブログで紹介した荒木和博の動画も「似たり寄ったりのこと」を言ってましたがそういう言説が今ウヨ方面で流行してるのか?。「珍右翼が巣くう会」に突っ込む(2022年7/15日分:荒木和博の巻) - bogus-simotukareのブログでも批判しましたが「逆恨みで無差別殺人(放火事件)」と「特定個人(安倍)のみ殺害で、『安倍の統一教会との癒着』への恨みには正当性がある(山上)」では全然違います。「山上の恨み」のどこが妄念なのか。
しかも犯行様態も「ガソリンで放火(比較的、誰でも容易にできる)」と「手製の拳銃で射殺(いかにネット上にそうした銃の製造法があったとしても一般人には銃を作成することは困難だし、手製でなく、正規の拳銃でも攻撃対象に命中させること*3は困難)」と全然違う。「京都アニメ放火」について論じるにおいて安倍暗殺を持ち出す道理はどこにもない。
さすが「安倍や統一教会」とズブズブの産経だけのことはあります。
陸軍の樋口*4中将は、ナチス・ドイツの迫害から逃れたユダヤ人の避難に尽力したことで知られる。大戦では北太平洋のアッツ島の玉砕で将兵を失って苦汁をのみ、その後キスカ撤退作戦に携わった。
以前も別記事で指摘しましたが、後半の文章(アッツ島の戦い、キスカ作戦)はともかく前半の文章(ユダヤ人救出)は「樋口の回想」以外に「信用できる証拠が何もない」、つまり「産経が非難した吉田清治証言(後に虚偽と判明)」と全く変わらない(そのため歴史学者の多くは樋口のユダヤ人救出の事実について、本当にあったかどうか?、と極めて否定的)のですが、平然と事実扱いする「デタラメな産経」です。
それにしても「海の日」とは必ずしも「海防の日」ではないのですが「漁業」「海の観光」といった話を全くしない辺りが産経らしい。
【外交安保取材】任期制自衛官の実態とは 小銃訓練は年1回 報道と乖離 - 産経ニュース
山上容疑者が「元任期制自衛官」だったことは「だから銃器の扱いに慣れていたのだろう」と言うだけの話であって「だから自衛隊が悪い」と言う話ではない。
◆山上容疑者は現役自衛官
◆226事件の磯部浅一、村中孝次(陸軍士官学校事件で免官されるが、その後も、昔の軍人仲間とつながりがあり、彼らを動かして226事件を実行)のように「自衛隊を辞めた後」も自衛隊員とつながりがあり、彼の犯行には現職自衛官が協力していた
というケースでもなければ「よほどのアンチ自衛隊」でもない限り、自衛隊批判なんかしない。
それなのに「自衛隊誹謗」と曲解して「任期制自衛官だったのは昔のことだし、小銃訓練は年1回だから大して意味がない」と必死な産経です。
「小銃訓練は年1回だから大して意味がない」て、そこまで任期制自衛官の価値を貶めていいのかと吹き出しました。