今日の産経ニュース(6/23分)(追記・訂正あり)

■「露骨な論功行賞だ」 翁長知事、外郭団体人事でくすぶる火種
http://www.sankei.com/politics/news/150623/plt1506230024-n1.html
 稲田みたいな「ろくに能力もない、ただの安倍の子分」を「自民党政務調査会長」と言う重職に就ける方がよほど「くだらない身びいき」だと思いますがそれはさておき。別に「自分に近い人間」を要職に就けることそれ自体は何ら不思議じゃないわけです。それを非難するには「能力が備わってない」とか「癒着だ」とか言わねばならないでしょうが、そうはいわずに、ただ「自分に近い人間をつけるのは論功行賞だ(産経)」ではお話になりません。


■中国、抗日勝利パレードに「外国軍の代表」を初招待 
http://www.sankei.com/world/news/150623/wor1506230045-n1.html

 人民解放軍の前身にあたる八路軍などの老兵に加え、共産党と長年内戦を繰り広げた国民党軍の老兵も参加する。軍総参謀部作戦部副部長で、パレードを統括する閲兵指導グループ弁公室の曲叡副主任(少将)は会見で、「国民党軍は抗日戦争中、重要な役割を発揮した」と説明した。

時代は変わったなあと思いますね。
もちろん

国民党軍は抗日戦争中、重要な役割を発揮した

というのはその通りですが蒋介石と激しく対立していたときはそういうことを中国側から積極的に言う事はおそらくなかったわけです。
1)もはや台湾の大陸反攻などあり得ない 
2)もはや蒋介石毛沢東の歴史の一エピソード
と言う余裕が生まれたと言う事でしょうか。


■【矢板明夫の目】親中派の称号「中国人民の老朋友」 田中角栄*1ら日本は各国最多の111人 3人の「例外」首相はだれ?
http://www.sankei.com/premium/news/150623/prm1506230006-n1.html
 まあ、「隣国」ですから多いのは別に不思議でも何でもない。「3人の例外」というのは「靖国参拝などする」極右の「岸信介*2中曽根康弘*3小泉純一郎*4安倍晋三*5のどれか」といったところですかね。と思ったんですが「小泉、安倍、野田*6」だそうです。
 ああ、「尖閣国有化」の野田ね。すっかり忘れてました。岸と中曽根の扱いというのはどういう事になってるんですかね?
なお、

日中国交正常化時の首相である田中角栄
・日中平和友好条約締結時の首相である福田赳夫*7
日中国交正常化時の外相である大平正芳*8(後に首相)

の三人の首相(既に全員故人ですが)が「中国人民の老朋友(古い友人)」、それも特に重要な「老朋友」に該当することは間違いないでしょう。

 中国の老朋友の中には、独裁者として世界中から批判され、やがて自国民に打倒された外国指導者も少なくない。1989年の革命で処刑されたルーマニアチャウシェスク大統領や2011年に失脚したエジプトのムバラク*9元大統領、さらに国内の反政府勢力に殺害されたリビアカダフィ*10大佐はみな中国の老朋友だった。

 「で、それが何か?」ですよねえ。別に「民主主義」と言う観点からの評価じゃないわけですし。大体ムバラクなんて欧米もつきあってたわけですし。
 そう言えば田中角栄ロッキード逮捕後の1978年に訪日したトウ小平*11が田中邸訪問して非難されて「老朋友として訪問しただけ」と言い訳したものの、その後はそういうことは自粛したつう話を思い出しました。

さて、意外なことに日本は「中国人民の老朋友」を最も多く持つ国である。

全然意外じゃないですよ、隣国だし。もちろん「国交正常化前は台湾と国交があった」し、最近は安倍のせいで関係が冷え込んでますが、それ以外の時期はまあそれなりに友好関係だったんじゃないか。

合計111人で断トツの1位。2位の米国は55人、3位の英国は24人と続く。

 むしろ米英が2位、3位の方が意外です。

 代表的な日本人老朋友は、経済界では岡崎嘉平太*12・元全日空社長、芸術界では画家の平山郁夫*13、宗教界では池田大作*14らのほか、農村発展の経験を中国に伝授した元大分県知事の平松守彦氏や、中国の砂漠で緑化活動を長年続けた農学者の遠山正瑛氏も含まれている。名簿をみれば、日本が中国の近代化に大きな貢献をしたことがうかがえる。

 まあ、改革開放後の経済発展のかなりの部分は日本資本の中国進出でしょうからね。NHKドラマ「大地の子」でも「新日鉄の中国進出」が描かれていました。


【追記】
 とんでもない事が判明しました。この産経の記事は「内容の一部」は完全に東亜日報の過去記事(http://japanese.donga.com/srv/service.php3?biid=2013062839038)をパクっています。

http://www.sankei.com/premium/news/150623/prm1506230006-n1.html
 広東省の新聞「南方週末」の統計によれば、1949年から2010年まで、中国共産党の機関紙「人民日報」で老朋友と呼ばれた外国人は123カ国、601人にのぼる。
 時系列で区切ると、4つの世代に分けられる。第1世代は、1920年代から40年代にかけて中国の共産革命に協力した外国人たちだ。名著「中国の赤い星」を出版し、毛沢東を世界に知らしめた米国人ジャーナリストのエドガー・スノー氏らが含まれる。 
 第2世代は中国建国後から1960年代の文化大革命開始まで、中国と親しい関係にある外国人たちで、ベトナムの主席だったホーチミン氏や、北朝鮮金日成主席らが代表的だ。第3世代は1970年代、中国が欧米や日本と交流し始めたときに、大きな役割を果たした外国人たちで、米国のキッシンジャー国務長官、日本の田中角栄元首相らが含まれている。
 第4世代は1978年からスタートした改革開放以降、中国が国際社会の舞台へ躍り出たときに協力し、理解を示した人々で、オリンピック委員会(IOC)のサマランチ*15元会長が代表的な人物だ。

という文章はほとんど同じ文章が東亜日報の過去記事に出てきます。
 「4つの世代という分け方」も「それぞれの世代の代表選手としてあげられる人間(第1世代のエドガー・スノー、第2世代の金日成、第3世代のキッシンジャー、第4世代のサマランチ)」も見事にかぶっています。
 東亜日報が第2世代に「カンボジアシアヌーク国王」、第3世代に「ニクソン大統領」をあげてるのに対し、産経は第2世代に「ベトナムホーチミン」、第3世代に「田中角栄首相」をあげていますがこれは「すっかり同じだと言い訳ができないから適当に書き換えただけ」でしょう。そんな産経でも第1世代と第4世代の書き換えは思いつかなかったようでここは、東亜日報とそっくり同じです。

*1:岸内閣郵政相、自民党政務調査会長(池田総裁時代)、池田内閣蔵相、自民党幹事長(佐藤総裁時代)、佐藤内閣通産相などを経て首相

*2:自民党幹事長、石橋内閣外相などを経て首相

*3:岸内閣科学技術庁長官、佐藤内閣運輸相、防衛庁長官、田中内閣通産相自民党幹事長(三木総裁時代)、総務会長(福田総裁時代)、鈴木内閣行政管理庁長官などを経て首相

*4:宮沢内閣郵政相、橋本内閣厚生相などを経て首相

*5:小泉内閣官房副長官官房長官自民党幹事長(小泉総裁時代)などを経て首相

*6:鳩山内閣財務副大臣菅内閣財務相などを経て首相

*7:岸内閣農林相、自民党政務調査会長(池田総裁時代)、自民党幹事長(佐藤総裁時代)、佐藤内閣外相、田中内閣蔵相、三木内閣副総理・経済企画庁長官などを経て首相

*8:池田内閣官房長官自民党政務調査会長(佐藤総裁時代)、佐藤内閣通産相、田中内閣外相、三木内閣蔵相、自民党幹事長(福田総裁時代)などを経て首相

*9:空軍司令官、副大統領などを経て大統領。

*10:首相、革命指導評議会議長、全国人民会議書記長など歴任。

*11:副首相、党副主席、人民解放軍総参謀長などを経て国家中央軍事委員会主席、党中央軍事委員会主席

*12:日本国際貿易促進協会常任委員、日中覚書貿易事務所代表、日中経済協会常任顧問などを歴任。岡崎については■岡崎嘉平太記念館(http://www.okazaki-kaheita.jp/)、■日経ビジネスオンライン『「井戸を掘った人を忘れない」:岡崎嘉平太周恩来』(服部龍二)(http://business.nikkeibp.co.jp/article/topics/20121011/237929/?rt=nocnt)など参照。

*13:日中友好協会会長

*14:創価学会名誉会長

*15:北京五輪開催において彼が協力でもしたんでしょうか?