今日の産経ニュース(8/8分)(追記・訂正あり)

■【主張】日朝外相会談 政府の「本気」が問われる
http://www.sankei.com/column/news/150808/clm1508080002-n1.html

 安全保障関連法案をめぐる国会審議で、朝鮮半島有事の際の拉致被害者について問われた*1安倍晋三首相は、「米国が拉致被害者を救出することが可能な状況が生じた場合も想定しながら、被害者の情報を提供し、安全確保をお願いしている」と答弁した。
 悲しいかな、これが現実である。自衛隊拉致被害者を救出することはできない。交渉による奪還を急ぐしかないのだ。

 「おいおい、『アキとカズ』(たとえば、http://www.sankei.com/life/news/150330/lif1503300004-n1.html参照)とか言う産経掲載の小説(筆者は産経記者)で自衛隊による救出論かましてたのはどこの誰なんだよ、荒木和博の自衛隊救出論を紙面で好意的に紹介してたのはどこの誰なんだよ、産経、手前だろ?。何その掌返し?」ですが、さすがの産経も安倍にはっきりと「自衛隊による救出なんかできません」と引導を渡されてあきらめたようです。
 これが「福田総理」「民主党菅総理」あたりの発言なら「何故救えない」と「悪口雑言」でしょうが、「神様、仏様、安倍様」の前には産経もなすすべがないようです。
 まあ、「交渉による奪還」と言いながら一方で「だから制裁強化」とか訳のわからない事を言い出す辺りはさすが産経ですが。交渉するのに交渉相手に制裁してどうするんですかね。むしろ逆(制裁緩和)じゃねえのか。


岩手県知事選 安保審議の影響避けた自民 「連敗ドミノ」をブロック
http://www.sankei.com/politics/news/150808/plt1508080004-n1.html
 何が連敗ドミノかというと「8/9投開票の埼玉県知事選で現職上田が四選され、自民の推薦候補が負ける見込みが高い」んだそうです。上田の公約違反(多選は問題だから四選する気はないを反故にした)もあり自民は「勝てる」と思って候補を立てたわけですがうまくいきそうにないようです。
 自民としては「勝てないにせよ僅差に持ち込みたい」つうところでしょう。惨敗したら、下手したら県連会長辞任とか責任問題になりますから。
 「共産支持者、アンチ上田の埼玉県民」としては「また極右で『四選しません』公約違反の上田かよ(絶句)」としか言いようがないですが、まあ共産の善戦に期待したいところです(もちろん俺は共産候補に投票します)。とにかく一日も早く「埼玉の石原慎太郎」上田を引きずり下ろしたいところです。
 まあ、それはともかく。上田も岩手知事も保守系で「大して自民と変わらない*2」「県議会の過半数は確か自民」なんですがそれにしても「自民が知事候補を出せない」とか「出しても負ける可能性が高い」とかいうのは「安倍政権がご本人たちが自画自賛する程には支持されてないしそれを当人たちも自覚してる」つうことでしょう。
 

岩手県知事選「野党連合の不戦勝」歓迎 小沢氏主導で連携構築
http://www.sankei.com/politics/news/150808/plt1508080002-n1.html
 旧小沢王国・岩手とは言え
1)小沢氏*3が「最大野党民主党の元幹事長」から、ミニ政党「生活の党」党首に転落した上、そのミニ政党は最近の選挙で負けが続いてるのに与党でありながら候補を出せなかったというのだから自民党も「小沢氏の側近と言われる現知事・達増氏(衆院議員時代の所属は新進党自由党民主党)に負けたときのダメージが怖い」ということなのでしょう。
2)そもそも当初の予定候補が「元民主党参院議員の平野達男*4」というのだから、そう言う意味でも「過大評価はできないものの」自民もまあ内心では最近の支持率低下にかなり焦ってるのでしょう。「勝てそうな候補は平野氏しかいない上」、何があったのかその平野氏擁立をあきらめたわけです。
 個人的には「共産に候補を出して欲しかった」のですが「自民を利するのを恐れたのか」はたまた「勝利の見込みが乏しいので泣く泣くあきらめた」のか出さないらしいのはちょっと残念です。


■【空のあなたへ 日航機墜落30年(上)】「死ぬまで帰り待っている」 娘3人を失った両親、止まった時間
http://www.sankei.com/premium/news/150808/prm1508080026-n1.html
 先日のNHKドキュメントといい「30年経って歴史になっていろいろと報道しやすくなった」んですかねえ。当時首相だった中曽根も政界引退して「棺桶に片足突っ込んでます」からねえ(97歳の高齢。既に「三角大福*5」と呼ばれた中曽根のライバルは皆故人)。
 ただ「先日のNHKドキュメント」には「空白の16時間てどういうことだ!」「これは真相究明が今からでも必要なんじゃないか!」「久しぶりにいい番組を見た(感動)」と大変ショックを受けましたが、この産経記事は残念ながらそういうのないですねえ。まあ本来「ない方がいい」んですけど。


■【産経抄】8月8日
http://www.sankei.com/column/news/150808/clm1508080003-n1.html

 人気作家、誉田哲也*6さんが剣道少女たちの成長を描く連作*7小説の6年ぶりの新刊「武士道ジェネレーション」に、大学に進んだ主人公*8が日本史の初講義に幻滅する場面がある。教授がいきなり*9慰安婦問題や南京事件*10を取り上げ、「昨今の歴史修正主義的な考え方」への批判をぶちだしたのだ。
▼マズい。この教授、典型的な「自虐史観」の持ち主だ*11−。気落ちした主人公が学食で友人に「慰安婦として20万人*12朝鮮人女性が強制連行されたとか嘘だ」とこぼすと、韓国人らしい男子留学生*13に「ふざけるな」とからまれる。あくまで物語の世界だが、現実でもありそうだ。

 頭痛がしてきますね。この産経記事が正しいのなら誉田とやらは「百田尚樹の同類*14」なんでしょうがこんなバカウヨ小説が今売れてるんですかね。
 つうか「剣道少女の成長を描く」つうのは要するに「エースをねらえ!(テニス)」、「アタックNo.1(バレー)」、「YAWARA!(柔道)」とかそういう系統の話でしょう。*15
 が何でそこで歴史捏造主義が出てくるのか。
 「YAWARA」、「アタック№1」、「エースをねらえ!」とかで「自虐史観の授業があってドンビキ」などと「原作マンガであれアニメ*16でアレ、実写作品*17でアレ」主人公が言ってたら、俺が読者、視聴者だったらむしろ「主人公と作者にドンビキ」なんですが。声優や女優に対しても「ウワー、こんなウヨ発言をこの人の声で聞きたくなかったわ」「本人も事務所も仕事を選べよ、まさかとは思うけど本人や事務所ってウヨってんの?」と泣きが入りますね。
 そういうバカウヨ行為をやったという誉田と「誉田を褒める抄子」にはドンビキです。とりあえず「頼むからアニメ化、実写化はするな」「アニメ化、実写化する場合はせめて主人公のウヨ発言は全削除して」と今から言っておきます。
 もちろん「作者の意見=主人公の意見」とは限りませんが
1)剣道小説で話の展開上、必要もねえ*18のに主人公に歴史捏造主義発言させてる(剣道とか、スポーツの小説、マンガで主人公がそんな発言してるのなんて俺は過去に見たことがないですよ。つうかどう見ても必然性ないでしょ)
2)しかもそれに対してまともな突っ込みが入らない
てのはまあ、誰が見ても「作者の意見=主人公の意見」でしょう。
 それと歴史捏造主義を語るのに「歴史学素人」の三流小説家・誉田の「脳内で自分に都合良く組み立てたフィクション」を持ち出すなんて「そういう都合いい設定でないと歴史捏造主義は正当化出来ない」と産経は内心思ってるんでしょうか?。
 まあ、産経に「誉田は百田の同類」「武士道ジェネレーションは酷い小説」と教えてもらったことは感謝しておきます。何かの間違いで武士道ジェネレーションを読んで不快になったりすることがなくて助かります(毒)

【追記】
 ググったら「武士道ジェネレーション」の前作「武士道シックスティーン」つうのは「成海璃子北乃きい」で映画化されてるようですね。
 「成海と北乃」ねえ。まあどうでもいいか、ファンじゃねえし(おい、俺)

*1:荒木和博に寄れば質問したのは自民党参院議員の塚田一郎と、次世代の党参院議員の中山恭子

*2:岩手県知事はどうか知りませんが、上田に至っては自民の一部の県選出国会議員や県議、市町村議、首長が「県連を無視して公然と上田応援をする」有様です

*3:中曽根内閣自治相・国家公安委員長自民党幹事長、新生党代表幹事、新進党代表、自由党代表、民主党幹事長などを経て現在、生活の党代表

*4:菅内閣防災担当相、野田内閣復興担当相(防災担当相兼務)を歴任

*5:三が三木元首相、角が田中角栄元首相、大が大平元首相、福が福田赳夫元首相、中が中曽根

*6:誉田のウヨぶりをこの産経抄で「初めて俺は知った」のでまあ、百田に比べたら「無名の不人気作家」じゃないんですかねえ(毒)。有名人気作家ならもっと早い時点で歴史学者の批判なり、ウヨの礼賛なりどっかでもっとあったでしょうし。

*7:連作ねえ。過去作品もウヨってるのかしら?

*8:産経の言う「剣道少女」の一人でしょう。

*9:通常、シラバスに「授業の主な内容」は書いてあるでしょう。いきなり「批判をぶつ」なんて事は従ってあり得ません。シラバスも読まずに授業参加すれば話は別ですがそれ単に主人公が授業舐めてるだけじゃないですか。

*10:つうか慰安婦はともかく産経連載「蒋介石秘録」で「南京事件に憤る」蒋介石の日記を紹介する形で、南京事件の存在を認めてたくせに産経は全く何を抜かしてるんでしょうか?。これについては■誰かの妄想・はてな版『「蒋介石秘録」に見る南京大虐殺』(http://d.hatena.ne.jp/scopedog/20120226/1330258512)、■産経愛読者倶楽部『産経新聞・住田良能社長は南京「40万人虐殺」を取り消せ』(http://d.hatena.ne.jp/sankeiaidokusya/20110220/p1)を紹介しておきます。

*11:もちろん誉田の方が「まずい、この作者、典型的な産経史観の持ち主だ」です。南京事件否定だの河野談話否定だのまともな歴史学者はやりません(もちろんそれを慰安婦問題でやってる秦郁彦はまともじゃありません)。誉田ががちで産経史観を信じてるのか「デマをデマと知りながらデマ垂れ流し」か知りませんが人として最悪です。

*12:「20万」は充分あり得る数字ですが、それ以前に数にこだわる点が最悪です。百人単位や千人単位なら日本の慰安所設置が許されるわけではないですから。

*13:別に韓国人でなくてもまともな良識のある人間なら日本人でも「ふざけるな」と思うでしょう。口に出すかどうかはともかく。また誉田は「慰安婦は韓国人オンリー」と勘違いしてるようですが「最も数が多いのは韓国人慰安婦」ですが東南アジア人や中国人、日本人の慰安婦もいました。

*14:ただし百田と違い今のところリアルのウヨ政治活動をしていないのは「お利口」「自分の分際をわきまえてる」のかもしれません

*15:それとも久米田康治の『行け!!南国アイスホッケー部』がホッケーなんかやってねえのと同様、実は剣道は全然出てこないでウヨ話ばかり出てくるのか?。それも嫌だなあ。ちなみにわざわざ読んで確かめる気もないです。たぶん不愉快になるから。

*16:エースをねらえ!」では主人公・岡ひろみの声は初期が「高坂真琴」、後に「水谷優子」。「アタック№1」では主人公・鮎原こずえの声は「小鳩くるみ(小鳩は現在は芸能活動を引退して目白大学教授。本名の鷲津名都江で『マザーグースと日本人』(2001年、吉川弘文館歴史文化ライブラリー)、『ようこそ「マザーグース」の世界へ』(2007年、NHKライブラリー) などの著書がある)」。「YAWARA!」では主人公・猪熊柔の声は皆口裕子

*17:テレ朝版「エースをねらえ!」(2004年)では主人公・岡ひろみ上戸彩が演じた。テレ朝版「アタック№1」(2005年)では主人公・鮎原こずえは「また」上戸彩が演じた。

*18:共産党支持者の山田洋次だって必要性もないのに「男はつらいよ」「釣りバカ日誌」で左翼発言を登場人物にさせたりはしません。それがプロというもんでしょう。政治的発言を登場人物にさせたかったら政治的作品を作ればよろしい。