一度、霧積温泉に行ってみたら話の種になるかなという気がする

 ご存じの方はご存じでしょうが霧積温泉は『人間の証明』(森村誠一)の舞台ですよね。第一の殺人の被害者の黒人男性が言い残した言葉「キスミー」が霧積温泉と言う事が分かる部分は明らかに「砂の器」の「カメダ」にヒントを得ていると思います(「砂の器」では亀嵩がなまってカメダに聞こえたのだと言う事が捜査で判明する*1)。
 温泉の近くには霧積ダムというのがあってこれが小説では確か第二の殺人の現場です(黒人男性と犯人の関係を知る人物を、事故に見せかけてダムに突き落として殺害)。
 世の中には『島根県仁多郡奥出雲町の亀嵩温泉(松本清張砂の器』)』『石川県羽咋郡志賀町のヤセの断崖(松本清張ゼロの焦点』)』など小説の舞台となった場所に行きたがる人間というのがいるそうです。
 まあミステリじゃないですが我が埼玉も「鷲宮神社」が「某アニメの聖地」として話題になった事がありますね。最近は秩父がアニメの聖地を目指してるようですし(秩父舞台のアニメが放送されたらしい)。
 ウィキペ「霧積温泉」によれば

信越本線横川駅よりタクシーで約25分。

だそうです。横川ってのは「横川の釜めし(峠の釜めし)」「アプト式鉄道」のあの横川(群馬県安中市(昔の碓氷郡松井田町))です。
 つうことなのでまあ、関東の人間なら「横川で釜めし食って、アプト式鉄道*2をどっかで見て、それから霧積で温泉に入る」程度の小旅行ならまあ、「やればできるんだろうな」とは思います。それなりに面白いかも知れない。
 ちなみに

 山津波により温泉地は壊滅し、2軒の旅館が残るのみとなり、2012年4月にきりずみ館が閉館し現在は金湯館(http://www.kirizumikintokan.com/)のみ(ウィキペディア霧積温泉」)。

だそうです。「横川の釜飯」「アプト式鉄道」「人間の証明」ではあまり有名とは言い難い霧積温泉の「衰退はいかんともしがたかった」ようです。
 そのうち霧積温泉も「幻の温泉」になってしまうのかもしれません。

【参考】

http://www.kirizumikintokan.com/keshiki-hito-shuhen.html
 森村誠一氏が大学生であった当時、金湯館に宿泊しハイキングに出掛けました。山の頂きで宿のお弁当の包み紙に刷られていた、“母さん僕のあの帽子どうしたでせうね。ええ、夏碓氷から霧積へ行く道で渓谷へ落とした、あの麦わら帽子ですよ。”で始まる、西条八十の“帽子”の詩が目に留まり、それから20年以上経った、昭和50年代の初めに大ヒットした“人間の証明”を世に出すに至ったのです。

*1:まあそもそも「親(犯人)が自分にとっての黒歴史である黒人の子を殺害する」「犯人は与党大物政治家の妻であり有名ファッションデザイナーという名士」(人間の証明)、「子(犯人)が自分にとっての黒歴史であるハンセン病の親の存在を抹消するため、映画では緒方拳が演じた元巡査を殺害する」「犯人は有名作曲家であり、犯人の恋人が与党大物政治家の娘(もちろん将来犯人との結婚を予定)という名士」(砂の器)と作品設定も良く似ていますが。

*2:今はもう廃線のようですがどっかに鉄道博物館があるようです。