■【和歌山「正論」懇話会】「憲法9条ある限り、自衛官に尊厳ない」作家・井沢元彦氏
http://www.sankei.com/west/news/151208/wst1512080072-n1.html
憲法九条と自衛官の尊厳と何の関係があるのか。関係があるとしたら「専守防衛しかできないことが屈辱だ」ということでしかないでしょうが、そんな自衛官が本当にいるんですかね。
むしろ「専守防衛以外のことまでやる必要があるのか」という自衛官もいるんじゃないか。
いずれにせよ「自衛官でも何でもない井沢」が何の根拠もないのに自衛官の尊厳を云々するなどふざけるにも程があります。結局ミステリ作家*1として三流で鳴かず飛ばずだからこういう方向にいったんでしょうねえ、この男は。
■“反米の闘士”後継にそっぽ ベネズエラ貧困層、与党から離反 原油安も打撃
http://www.sankei.com/world/news/151208/wor1512080045-n1.html
「どちらというと左派」の小生としてはベネズエラ左派*2政権*3が議会選挙で敗北し苦境に立たされてることは残念であり何とか巻き返しを期待したいところですがそれはさておき。
産経のタイトルにもありますが、ベネズエラで左派政権が苦境に立たされてる最大の理由、それは「経済」です。今は原油安であり、中東同様、「石油の輸出」が経済のメインであるベネズエラにとっては経済的に苦しい状態です。
「石油加工業(プラスティックなど)」に進出し、一定のめどが立てば良かったのですが、なかなかそううまくいかなかったわけです。中東だって石油加工業進出なんかうまくいってはいないでしょう。
まあいつものことですが「経済のほうが政治よりよっぽど現実(実状)に正直だ」(id:Bill_McCrearyさんの名言)てことですよね。いくら与党が「左派の立場から社民主義の理想を語っても」『でも食えないんじゃなあ、右派でも野党に投票してみるか』ということになってしまうわけです。「石油輸出から石油加工業に経済構造を転換できなかったこと*4」はまあきつい言い方をすれば失政ではあるのでしょうが、「安倍のような民意無視や近隣諸国との友好関係破壊」とかそう言う話ではなく安倍の無法ぶりと比べたら全然ベネズエラ与党はまともでしょう。
とはいえじゃあ野党が勝てば万々歳かといえば話はそう単純じゃない。「石油輸出」ではなく「石油加工業に転じる必要がある」なんてのは現在の左派政権が政権を取る前から、つまり右派政権の時代から問題視されながら実現できなかったわけです。
この辺り、「第二次、第三次産業に見事に進出を果たした中国や韓国など」はやはり経済センスがあると言うべきなのでしょう。
■【秘録金正日(53)】KGB元要員と裏取引 父・金日成に極秘ファイル「反政府組織名簿」突き付け軍最高司令官を手中に ソ連に籠絡された将校リスト
http://www.sankei.com/premium/news/151201/prm1512010004-n1.html
金日成は政権運営の大半を長男の金正日に丸投げしながら、朝鮮人民軍最高司令官の座だけは譲ろうとしなかった。
(中略)
日成は「党は正日に、軍は(次男の)平一*5に任せる」と公言。怒りに任せて次男を左遷した後も、軍については長男に委ねることなく、抗日パルチザン時代から自分に付き従ってきた呉振宇*6に任せてきた。その日成が1991年12月、最高司令官を正日に譲ると発表する。何が心境に変化をもたらしたのか。
(中略)
「最近、人民武力部内にクーデターを目的に組織化された親ソ・グループがいることが分かりました。武力部は瓦解寸前です」
金日成は返す言葉を失う。「クーデター」グループの背後に米国や韓国ではなく、ソ連がいるという“事実”にショックを隠せなかった。
(中略)
「軍組織を立て直すには、何年かかるか分かりません。軍を再編し、立て直す事業は、私に任せてください」
「最高司令官」の移譲には触れずとも、きっぱりと、軍は自分が掌握すべきだと父に突き付けたのだ。
それから間もない、12月24日に軍中隊長会議が招集される。席上、日成は老体を引きずってマイクの前に立ち、「金正日同志を人民軍最高司令官に推戴する」と宣言した。
正日の宿願が実った瞬間だった。
産経がどういう思惑でこういう記事を書いてるのか知りませんが、まあ、この記事が事実だとして、ここからわかるのは「金正日はバカじゃない」てことですよね。「正日はまだ未熟だ」として軍の権限を渡そうとしない父親に対して「軍の権限を握るだけの力量があることをアピール」し、父親を納得させたわけですから。
金日成死後直後は産経は正日をバカ扱いして「北朝鮮崩壊」を放言してましたけどね(苦笑)。
■【産経抄】立派すぎる名前を持つ男の信じがたい所業 12月8日
http://www.sankei.com/column/news/151208/clm1512080004-n1.html
アメリカ文化に貢献したとして、日本人で初めてケネディ・センター名誉賞を受賞した、指揮者の小澤征爾さんは、旧満州の奉天*7に生まれた。父親が、親交のあった当時の関東軍の参謀、板垣征四郎*8と石原莞爾*9から、1字ずつもらって名付けたエピソードはよく知られている。
この話は俺も何かで読んだことがありますが、小沢氏の親父・小沢開作さん*10って右翼だったんですかね。
■【主張】高木復興相 本当に重責を担えるのか
http://www.sankei.com/column/news/151208/clm1512080002-n1.html
産経ですらこういう事を言うと言うことは安倍も高木更迭を決意したと言う事でしょうか。
安倍のダチなら「博友会疑惑」と言う金銭疑惑が発覚しても安倍も産経も、批判もせず野放しだった下村前文科相*11のことを考えると複雑な気持ちですが、まあ、疑惑政治家を野放しにされても困りますので「すぱっと更迭して欲しい」ところです。それとも高木氏が自ら辞めるのか。
それとも「高木なんか更迭しろ、下手にかばったら野党を利する」という産経の要望を無視して安倍は高木をかばい続けるのか(今のところ公には高木氏は辞意を表明してませんし、それを安倍も容認してます)。
*3:大統領制ですので、議会選で野党に過半数を奪われても政権自体は維持できるわけです
*4:このこと自体はベネズエラ政権に好意的な赤旗なども「原油安が起こると経済が危ない、経済構造の転換が必要だ」と原油安が起こる前から指摘していましたし、ベネズエラ政権自体もそうした問題点は一応理解はしていたでしょう。
*5:駐ハンガリー大使、駐ブルガリア大使、駐フィンランド大使、駐ポーランド大使、駐チェコ大使を歴任
*6:朝鮮人民軍総参謀長、人民武力部長、国防副委員長などを歴任
*8:関東軍参謀時代に石原莞爾らとともに満州事変を実行。関東軍参謀長、第5師団(広島)師団長、近衛内閣陸軍大臣、朝鮮軍司令官、第7方面軍(シンガポール)司令官など歴任。戦後東京裁判で死刑判決。靖国神社に英霊として合祀されている。日本遺族会事務局長を務めた右翼政治家・板垣正(自民党参院議員)は板垣の次男。
*9:関東軍参謀時代に板垣征四郎らとともに満州事変を実行。参謀本部作戦課長、参謀本部第一部長、関東軍参謀副長、舞鶴要塞司令官などを歴任(晩年は東条英機・陸軍大臣との不仲がたたって不遇だったと言われる)。1949年8月15日に病死。
*10:ウィキペディアに寄れば「満州国協和会の創設者の一人」。
*11:ただしその安倍も「国立競技場問題のごたごた」で「下村をかばいきれない」と見るやあっさり「内閣改造を機に」事実上、更迭しましたが。