今日の産経ニュース(3/31分)(追記・訂正あり)

■はや失態!?民進党エース・山尾政調会長、政治資金疑惑にダンマリ
http://www.sankei.com/politics/news/160331/plt1603310062-n1.html
 当然ながら「これをどう乗り切るか」が重要な問題でしょう。もちろん「甘利*1疑惑をまともに釈明しない与党がふざけんな」とは俺も思いますが、だからといって「疑惑があるなら居直るわけにもいかない」わけです。とはいえ、この件に限らず「辻元*2女史の秘書給与問題」とかで騒ぐ癖に、自民党の不祥事に甘い日本人は感覚がおかしいとは思いますけどね。


■共産・志位委員長「増税延期なら内閣総辞職を」
http://www.sankei.com/politics/news/160331/plt1603310042-n1.html
 もちろん「増税しろ」という話ではなく「リーマンショック並みの世界不況でない限り増税する」と安倍が以前言っていた以上「増税する」ということは「中国が景気後退したとは言えリーマン並みの不況などさすがにない以上」、自らの経済失政を安倍は認めて下野しろつう話です。
 まあ、志位氏も「安倍が辞める」とは思っていなくて「延期を理由にした解散劇」なんて馬鹿な事は2度とやらせないつう牽制でしょうが。


■【対北制裁】米企業25社、北朝鮮産の金を「調達」 罰金の可能性も
http://www.sankei.com/world/news/160331/wor1603310040-n1.html
 まあ実際どういう事情があるのか分かりませんが、これって「北朝鮮制裁なんぞ現実性がない」と言う理解も可能な話じゃないですかね。


■【世界を読む】中国マネーに目がくらんだ豪州に怒り心頭の米国:海兵隊の隣に“敵”で「アフガン並み」リスク
http://www.sankei.com/west/news/160331/wst1603310010-n1.html

 米海兵隊が中国を睨む拠点としているオーストラリア北部、ダーウィンの港が中国企業に長期貸与され、米国の対豪不信が高まっている。
(中略)
 今回の事態の背景にあるのは、オーストラリアの経済的な対中依存だ。同国の対外貿易は約24%を中国が占め、2位の日本(約11%)、3位の米国(約9%)を大きく引き離している。

 いつもながら産経の反中国はもはや「病気の域に達している」と思います。


■【直球&曲球】葛城奈海 自衛隊による拉致被害者救出を議論せよ
http://www.sankei.com/politics/news/160331/plt1603310022-n1.html
 巣くう会一味のいつもの与太話です。いい加減突っ込む気すら薄れます。

 ドイツは、1997年アルバニア暴動で、戦後初めてNATO北大西洋条約機構)域外へ軍を単独派兵し、自国民とともに他国民も救出したことがきっかけで、軍事・安全保障でも独立した意思を持つ政治大国として国際社会に是認され、以後、国際政治の重要なプレーヤーになった。

 やれやれですね。当時のアルバニア無政府状態、内戦状態だったのか(もちろんそんなことはない)。全然北朝鮮有事と違うでしょうに。


■【宮家邦彦のWorld Watch】北朝鮮ついに崩壊…その時日本は国益を守れるか
http://www.sankei.com/politics/news/160331/plt1603310020-n1.html

 先週末、筆者が所属するキヤノングローバル戦略研究所が政策シミュレーションを実施した。テーマは北朝鮮金正恩体制崩壊。近未来、同国でクーデターが発生し、内戦の末新政権が発足するという想定だ。

 頭痛がしてきますね。そんな事態が起こりうると本気で思ってるのか。つうかその新政権とやらが親日的な保証もないわけで、現実的でまともなシミュレーションは「どうやって北朝鮮をソフトランディングさせるか」でしょう。それが金大中盧武鉉政権の太陽政策だったわけです。

 金正恩政権は決して盤石でない。中国が本気で北朝鮮政権交代を望めば、それは実現し得ると直感した。

 「中国はそんな事は望みません、以上」で終わっちゃう与太話です。


拉致被害者の地村保志さん 福井県小浜市役所を定年退職
http://www.sankei.com/west/news/160331/wst1603310033-n1.html
 小泉訪朝のあの日から13年がたち地村さんが60歳になり定年退職だそうです。
 地村さんと蓮池さんは帰国後、明らかに対照的な人生を歩んでいると思います。
 まず蓮池さん。

蓮池薫(ウィキペ参照)
 2002年10月15日の帰国後、2005年から学校法人職員となり新潟産業大学で韓国語の教育に従事。2005年に初の訳書『孤将』(2005年、新潮社)を刊行。2008年4月から新潟産業大学国際センター特任講師、2009年から新潟産業大学経済学部特任講師、2010年から新潟産業大学経済学部専任講師、2013年4月、准教授に昇格。帰国後は日本各地で講演を行い、自身が拉致されてから帰国してからのことを語っている。
・著書
『蓮池流韓国語入門』(2008年、文春新書)
『私が見た、「韓国歴史ドラマ」の舞台と今』(2009年、講談社) 
『半島へ、ふたたび』(2009年、新潮社→2011年、新潮文庫)(第8回新潮ドキュメント賞受賞)
『拉致と人生』(2011年、PHP研究所
『拉致と決断』(2012年、新潮社→2015年、新潮文庫
・訳書
金薫『孤将』(2005年、新潮社、ドラマ『不滅の李舜臣』の原作小説)
咸翰姫・許仁順『冬ソナと蝶ファンタジー:韓国から見た日本の韓流ブーム』(2006年、光文社)
ユ・サンチョルほか『韓流熱風:映画・テレビドラマ・音楽 強さの秘密』(2006年、朝日新聞社
チョン・オクピョウ『韓国最強企業サムスンの22の成功習慣』(2008年、阪急コミュニケーションズ)
李明博*3『オモニ:ホームレスから大統領へ』(2008年、講談社) など

ということで蓮池氏は「自分から進んで注目される生き方をしている」といえるでしょう(ただし奥さんはそうではありませんが)。
 一方の地村氏。彼は「小生が知る限り」蓮池氏と違って講演もしないし『地村流韓国語入門』などといった本も書きません。彼の仕事も「大学教員で翻訳家」という蓮池氏と違い「小浜市役所職員」という地味な代物です。
 当然ながら「ニュースバリューのない」彼のことは滅多にマスコミが取り上げない。

 北朝鮮による拉致被害者で、帰国後に福井県小浜市役所に13年間勤めてきた地村保志さん(60)が31日、定年退職を迎えた。市役所で退職辞令交付式が行われ、地村さんは「祖国で働ける喜びを感じることができた、幸せな13年間でした」とコメントした。
(中略)
 松崎晃治市長から辞令と感謝状を受け取った地村さんは「拉致問題の全面解決なしには真の幸せや喜びはない。解決に向け、微力ながら協力したい」とのコメントを発表した。

と言うことで彼は巣くう会が期待しているであろう「北朝鮮関係の発言」なんか全然しないわけです。「微力ながら」云々は社交辞令でしょう。
 本心がどうでアレ、さすがに「拉致に関心ない」「私が拉致問題でできることなんかない」とは言いづらいでしょう。実際問題、「あまり関心ない」でしょうし、「できることがあるとも考えてない」でしょうが。
 彼はこの13年間、蓮池兄弟など違い、別に拉致関係でハードに動いたと言う事もないでしょう。まあ、自分の知ってることは「全て」あるいは「かなり」政府に話したでしょうが彼としては「それで俺は最低限の責任は果たした」と思ってるんじゃないか。

 平成14年10月に帰国。地村さんは15年4月、小浜市に嘱託職員として採用され、観光交流課に配属された。18年から正規職員となり、同市などを舞台としたNHK連続テレビ小説ちりとてちん*4」の撮影に関する業務や観光イベントなどに従事。体育課でマラソン大会などにも携わり、まじめな仕事ぶりに職場からの信頼が厚かったという。
 最後の職場は市民体育館で、体育協会事務局などを担当。

 「最初の職場が観光交流課」ということから、「韓国語(朝鮮語)を身につけた蓮池さんが今、韓国語教育・翻訳に携わってるようなこと(つまりは『韓国人観光客を呼び込む』などの韓流ブームへの協力)」を小浜市は期待し、それに地村氏も応じたのかと思いましたが、記事を読む限りそう言う話でもないようです(まあ観光交流課時代は韓流関係にも関わったかも知れませんが)。
 それはともかく巣くう会にとって誤算だったのは「彼らとつきあってくれる帰国拉致被害者」が曽我ひとみさんしかいなかったということでしょう。
 蓮池氏は「政治的活動をする物の」それはお兄さんともども、巣くう会の方向性とは違いますし、地村氏にいたっては「政治には関わりたくない、下手に関わって政治利用されてはたまらない」ということか、蓮池氏と違い自主的政治活動はしない上に、巣くう会にも協力しないわけです。まあ、小生は地村さん的な「臆病な性格」なので彼の気持ちは分かる気がします。地村さんは家族皆が無事に帰ってきたわけです。「他人の拉致被害なんかに関わってられるか、俺には俺の生活があるんだ」「マスコミに騒がれたくないんだ、俺は小浜で静かに暮らしたいんだ」つうのはある意味当然の感情です。
 つうかむしろ「もはや拉致に関与する個人的動機はないはず」なのにコミットする蓮池兄弟は偉いとは思いますが「地村さんと違って常人離れしてる」つうか「地村さんと違って共感しづらい」つうかそんな気がします。
 帰国拉致被害者では曽我さん一人が巣くう会にコミットしていますがその彼女にしても「夫や娘を巣くう会集会には連れ出さない」「朝鮮学校無償化除外だの総連ビル立ち退きだのと言った巣くう会の主張を批判はしないものの、母の救出に関係ないので、積極的賛同もしない」と言った形で距離を置いているわけです。

*1:小渕内閣労働相、自民党政調会長(第一次安倍総裁時代)、第一次安倍、福田内閣経産相麻生内閣規制改革担当相、第二次、第三次安倍内閣経済財政担当相を歴任

*2:個人サイト(http://www.kiyomi.gr.jp/)。社民党政審会長、国会対策委員長鳩山内閣国交副大臣民主党幹事長代理などを経て現在、民進党役員室長

*3:ソウル市長、韓国大統領を歴任

*4:ちなみにこのドラマ名は上方古典落語の名前(関東では同じ落語を「ちりとてちん」ではなく「酢豆腐」と呼ぶ)。