「珍右翼が巣くう会」に突っ込む(2021年4/20分:荒木和博の巻)

拉致被害者 帰ってきた人と残された人(R3.4.20): 荒木和博BLOG
 5分25秒程度の動画です。「拉致被害者 帰ってきた人と残された人」というタイトルだけで見る気が失せます。ぶっちゃけ見る価値は全くありません。
 荒木の過去の論調を知ってる方なら「拉致被害者 帰ってきた人と残された人」というタイトルだけで荒木の言いたいことは予想が付くでしょう。
 荒木が
1)北朝鮮が死亡発表した拉致被害者も皆生きている
2)「北朝鮮の極秘情報」を握ってるから帰れないのだ
と根拠レスで放言という馬鹿話です。
 当たり前ですが「極秘情報を握ってるから帰れない」と根拠レスで放言し「そんな北朝鮮は酷い国だ」と罵倒しても意味が無い。
 「極秘情報を握っているから帰れない」のではなく「そもそも生存拉致被害者はもはやいないのではないか」と俺は思いますがそれはさておき。
 「生きている拉致被害者がいる」として考えるべきことは「彼らをどうやって帰国させるか」ということだけです。それにつながらない議論しても意味が無い。たとえば「極秘情報ガー」というなら「極秘情報については絶対に帰国後、聞かないとして北朝鮮を納得させられないか*1。そうやって帰国させられないか」などの議論をすべきですがそんな議論を勿論荒木はしません。
 さて

令和3年4月20日火曜日のショートメッセージ(Vol.383)。平成14年(2002)の小泉訪朝で金正日が拉致を認めた後、10月15日に蓮池薫さん・(奥土*2)祐木子さん・地村保志さん・(浜本*3)富貴江さん・曽我ひとみさんの5人が帰ってきました。その後報道がどうなったかという話です。これは同じこと*4が今後も起こりうる*5ので注意しておいていただけると幸いです。

という説明文だけで想像が付くでしょうが「帰国拉致被害者ばかりにスポットが当たって、他の拉致被害者(荒木の言う『北朝鮮が死亡発表したが本当は生きてる人』『北朝鮮の極秘情報を握っているために帰ってこれない人』)に注目が集まらなくなった!」とぼやく荒木です。
 「最近はかなり関心が薄れた」とはいえ、産経などが大々的に騒いだ横田めぐみ氏の拉致(あるいは横田滋氏の死去)のことを考えればそう言えるかは疑問です。また、「めぐみ氏以外の拉致被害者(例えば有本恵子氏)に注目が集まらない」のはまさに荒木ら巣くう会が「女子中学生の暴力的連行*6」でもっとも「拉致被害者家族への同情」や「北朝鮮への敵意」が集められるとして「極端なまでにめぐみ氏ばかりを宣伝したから」です。拉致被害者の中で

テレビ東京北朝鮮拉致・めぐみ、お母さんがきっと助けてあげる - Wikipedia(2003年)
日本テレビ再会〜横田めぐみさんの願い〜 - Wikipedia(2006年)
◆フジテレビ独占取材 北朝鮮拉致 前略 めぐみちゃんへ 〜横田夫妻、最後の戦い〜 - フジテレビ(2019年)

なんてドラマが複数つくられてるのはめぐみ氏だけです。駄作とは言え、最近も荒木らが『めぐみへの誓い』なる劇映画を制作しています。
 それはともかく、さてここで重要なのは何故荒木がこうぼやくのかということです。
 それは「帰国拉致被害者の内、母親が所在不明の曽我ひとみさん」以外は「荒木等を厳しく批判することはしないまでも」荒木等救う会に全く好意的で無かったからです。
 おそらく、「帰国拉致被害者5人とその家族たち」が積極的に救う会運動に参加し荒木等救う会を「万々歳」してくれれば荒木も大喜びだった。
 しかし、救う会にお付き合いした帰国拉致被害者は「母親ミヨシさんが、ひとみさんと一緒に北朝鮮に拉致されたとみられるが所在不明*7」の曽我ひとみさんだけでした。
 まあ、「曽我さんと違って、他の拉致被害者にとっては、帰国できた以上、拉致は終わった問題」なので、救う会に必ずしも協力しないのもある意味当然ですが。地村さんは「就職した小浜市役所」で、蓮池さんは「就職した新潟産業大学」で専ら、業務に専念し、救う会、家族会活動からは距離を置いた。
 その曽我さんですら、「夫ジェンキンスさんや娘たち」は救う会活動に参加させないし、救う会活動に協力しても曽我さんは「横田早紀江増元照明ほどのアンチ北朝鮮の右翼発言をしない」。
 蓮池薫さんに至っては「彼の影響もあって」、兄である透氏が救う会、家族会批判を始め、あげく家族会を透氏が除名される有様です。
 正直、荒木にとって「帰国拉致被害者」が「曽我さんを除いて全く非協力的」「その曽我さんですら横田早紀江や増元ほどの極右では無いこと」「蓮池一家に至っては救う会批判を始めたこと」は「悲しい誤算」だったでしょう(小生のようなアンチ救う会にとっては「嬉しい誤算」ですが)。彼らはおそらく「アンチ北朝鮮」とはいえ、早紀江や増元と違い、ウヨでは無く、「荒木等ウヨの政治的道具」になることを嫌ったのでしょう。そしてウヨに政治的にもみくちゃにされることを嫌い、日本で静かに生きていくことを選ぼうとした。
 こうして考えると早紀江や増元が異常な極右なのは「元からそうした素質があった」ところ「北朝鮮拉致で助長された」にすぎないと思います。別に家族が拉致されずとも早紀江や増元は「極右」でしょう。
 帰国拉致被害者5人はあんな極右言動はしていませんので。

*1:特定失踪者という言いがかりが通用してるようではとても無理ですが。

*2:旧姓。蓮池薫氏と結婚し、改姓したので現在は蓮池

*3:旧姓。地村保志氏と結婚し、改姓したので現在は地村

*4:拉致被害者の帰国により「救う会の政治的没落」が助長されると言うこと。

*5:イヤー、今の状況では「同じ事」は起こりようがないでしょう。「即時一括全員帰国(しかもその全員に800人の特定失踪者が入る)」などという無茶苦茶な方針を掲げている限り、北朝鮮も日本政府も「たとえ生存拉致被害者が全員帰ってきたところでもっといるはずだ、と救う会、家族会は言いがかりを付ける」と理解して、お互い、動く気は無いでしょう。まあ、そんな言いがかりを付けても日本政府が無視すれば良いのですが、今の「救う会、家族会にへいこらする」日本政府にはそれは出来そうにないし、であるならば北朝鮮も動くわけもない。いずれにせよ「同じ事」が起こらなくても「拉致敗戦(拉致の風化)」により救う会の政治力は今後没落する一方でしょうが。

*6:めぐみさん拉致に限らず、「柳寛順の獄死」「タリバンによるマララさん狙撃事件」などもそうですが「少女が酷い目に遭う」とやはり世間の注目は集まります。もちろん「韓国統監府による三・一独立運動弾圧で死亡した人間」「タリバンに襲撃された人間」は他にもいるわけです。

*7:失礼ながら生きている可能性は低いでしょう。