今日の産経ニュース(4/12分)(追記・訂正あり)

■「中国寄り」加速も? オーストラリア首相、企業関係者ら過去最大の1千人率い初訪中へ
http://www.sankei.com/world/news/160412/wor1604120029-n1.html
 ターンブル政権がアボット前政権に比べて極端に中国寄りと言う事は別にないでしょう。

「中国は期待に応えると証明した」。
 12日付のオーストラリアン紙(電子版)は、豪州のチオボー貿易・投資相が11日、首相に先駆け訪れた北京で「中国における豪州週間」開幕式で、約千人の随行団を前に実績を披露したと伝えた。
 昨年12月の豪中自由貿易協定(FTA)発効を受け、今年1〜2月の豪州の対中輸出は前年同期比で、冷凍牛肉が44%増、ワインが2.2倍と拡大。豪州は、従来の鉄鉱石のほか、農産物など中国の一般消費市場開拓にも注力し始めた。

ということで「隣国で重要な貿易相手国」中国に対する当然の友好的態度を取ってるに過ぎませんが、それが反中国・産経には気にくわないわけです。


■【教科書謝礼問題】一部教科で発行会社消滅も 猛省迫られる教科書会社 公取が発行会社全22社を調査へ
http://www.sankei.com/life/news/160412/lif1604120033-n1.html
 現安倍政権が例の「つくる会教科書」を露骨にプッシュしてることを考えれば「うさんくさいもの」を感じますがひとまずは公取の調査待ちでしょう。
 産経がこの件で「特に深刻ぶってない」ということは「つくる会」は謝礼問題に関与してないのでしょうがそれは
1)単に現場の教員への人脈がなかった
2)教育委員など「右翼政治人脈」を使えばいいと思ってた
というだけの話に過ぎないでしょう。つくる会一味がクリーンなわけもない。


■共産・山下書記局長交代にウラ事情あり? 民進・枝野*1幹事長に誘い出され
http://www.sankei.com/politics/news/160412/plt1604120051-n1.html

「まさか先週、他の野党の幹部とカラオケを歌ったせいで処分されたりしたんじゃないのかな、と半分冗談で心配になりましたが…」
 民進党枝野幸男幹事長は12日の記者会見で、共産党山下芳生書記局長が体調不良のため退任し、副委員長に就いた人事を受け、こんな冗談を口にした。
 枝野氏は永田町きってのカラオケ好きとして知られ、7日夜には4野党幹事長・書記局長懇談の後、山下氏や生活の党と山本太郎となかまたち玉城デニー幹事長を誘い、東京・赤坂のカラオケ店に繰り出していた。

 産経記事が事実なら、枝野はまるきり笑えない冗談を言うなって話です。こういう事言われて向こうが不愉快にならないとでも思ってるんですかね。


■【国連事務総長選】“密室”批判から初の公聴会 潘基文氏後任候補に8人 「南京文書」登録決定したボコバ*2ユネスコ事務局長も
http://www.sankei.com/world/news/160412/wor1604120049-n1.html
 タイトルからして産経らしいアホ記事です。ボコバ氏が総長になるかならないか分かりません(ライバルも強敵でしょうし)。ただし「なるにせよならないにせよ」産経が因縁つけてる南京事件資料登録の件など関係ないわけです。そもそもあれは「ボコバ氏だから登録された」つうもんではないでしょう。ボコバ氏前任の松浦晃一郎*3ユネスコ事務局長の時代(1999〜2009年)に申請があったとしても「登録を否定すること」は到底できないでしょう。仮に松浦時代に登録されたら産経は「松浦は何をやってるんだ」と非難でしょうが。


■【アジアインフラ銀】台湾が加盟見送り 加盟は中国財務省を通じて行う必要あるとの見解で決裂 「条件受け入れられない」
http://www.sankei.com/world/news/160412/wor1604120037-n1.html
中国「あくまでも『一つの中国』つう建前に過ぎんから、形式的なもんだから」
台湾「いや、民主進歩党が総統選で勝ってその建前を受け入れられる政治状況じゃないから」
つうことでしょう。「随分中国も高いハードル出してきたな」つう気がします。そこは「お互い、曖昧にごまかして台湾に入ってもらう」つう現実主義でいくべきじゃないですかね。


■【酒井充の野党ウオッチ】無所属なのに党役員ってどういうこと? こんな脱法行為を是とする民進党立憲主義を掲げる資格があるのか
http://www.sankei.com/premium/news/160412/prm1604120004-n1.html
 まあくだらないですね。民進党の行為が仮に「許すべからざる脱法行為*4」だとしても「安倍の戦争法(「西修」「百地章」など一部のウヨ学者を除き、ほとんどの憲法学者違憲立法と批判)」とは悪質さのレベルが「スーパーの万引き(民進党)と銀行強盗(安倍)なみ」に違います。
 「悪質性の低い」民進党を非難するなら「より悪質性が高い」安倍を批判するのが筋というもんです。「お前はスーパーで万引きをしたんだから銀行強盗を非難するな」なんて変な話がどこにあるのか。
 大体戦争法を批判しているのは民進党だけでもない。こういう揚げ足取りしかできないんだからいつもながら産経もあほな新聞です。


■【主張】G7広島宣言 近隣の核脅威にも備えよ
http://www.sankei.com/column/news/160412/clm1604120002-n1.html
 G7に「米英仏」の核保有国があることを考えれば

核兵器なき世界」の実現に向け、核軍縮・不拡散の機運を高めることをうたった広島宣言

なるものがどこまで本気かは疑問ですが、それでも「こうした宣言が出ることそれ自体」は悪い事ではないと思います。なお、広島宣言は当然ながら産経の言う「近隣の核脅威(北朝鮮核問題)」を含んではいますが、それに限定されるもんではない。
 にもかかわらずタイトルが「核廃絶(あるいは核軍縮、核不拡散)をどう実現するか」などではなく「近隣の核脅威」になってしまうのが「悪い意味で」産経らしい。産経は「北朝鮮」など産経が危険視、あるいは敵視している国が核保有する事を問題にしているだけで「いわゆる核五大国(米英仏中露)の核保有」を問題にしないどころか「インドやパキスタンの核保有」も問題にしてないんじゃないかと疑いたくなります。


■【産経抄】金持ちに甘い国 4月12日
http://www.sankei.com/column/news/160412/clm1604120003-n1.html

 中米パナマの法律事務所から流出した「パナマ文書」がもたらした激震は、衰える気配がない。「タックスヘイブン」(租税回避地)を利用した資産隠し疑惑が浮上した、アイスランドの首相は辞任に追い込まれた。
▼文書に亡父の名前が挙がっていた、英国のキャメロン首相も厳しい批判にさらされている。首相官邸前では先週末、千人を超える参加者がデモを行い、首相に辞任を求めた。

 このタイトルと、この書き出しなら「世界中にタックスヘイブンを使ってると疑われる政府高官や財界人、スポーツ選手、芸能人らがいる(ここで名が上がってるのはアイスランドと英国の首相ですが他にもいます)」「つまり世界中、金持ちに甘い国ばかりだ」「タックスヘイブンを今こそ規制しよう」と言うオチだと「普通の人間なら考えます」。場合によってはこれに「米国のサンダースブームなどの金持ち批判の動き」「日本での金持ちに甘い事でおこる問題(例:いわゆるブラック企業問題)」などを絡めるかも知れない。
 つうかその落ち以外にはあり得ないでしょう。しかし相手は産経です。
 ここから「タックスヘイブン利用疑惑が中国の習主席にもある」と話題を転じて後は中国への悪口雑言だけして終わりです。「え、中国限定の問題(例:天安門事件)ならともかく、中国限定じゃないタックスヘイブン問題をネタにやることがただの中国叩きなの?」と心底呆れます。
 ちなみに「金持ちに異常に甘い新聞」「安倍自民党に異常に甘い新聞」が産経です。

*1:鳩山内閣行政刷新担当相、菅内閣官房長官、野田内閣経産相などを経て民進党幹事長

*2:ブルガリア外相、ブルガリアの駐仏大使などを経てユネスコ事務局長。

*3:外務審議官(経済担当)、駐仏大使などを経てユネスコ事務局長。著書『ユネスコ事務局長奮闘記』(2004年、講談社)、『世界遺産ユネスコ事務局長は訴える』(2008年、講談社

*4:つうか「党役員にはしなかった」ものの「次回選挙で自民から立候補させることを前提に」、比例選出の無所属議員を自民党会派(「自民党無所属の会」だったかな?)に入れたつう「今回の民進党に似たケース」は過去に自民にも確かあるんですけどね。まあ産経は「党役員にしてないから違う」と言いそうですけど。