■【書評】国士舘大学特任教授・百地章が読む『共産主義の誤謬 保守政党人からの警鐘』福冨健一*1著 「暴力革命」「天皇制廃止」捨てない共産党の真の姿とは
http://www.sankei.com/life/news/170507/lif1705070029-n1.html
今時こんな反共駄本に社会的影響力あるんですかね。どうなんでしょうか。しかしこんな反共駄本がよりによって
・不破哲三*2『不破哲三・時代の証言』(2011年)
・上田七加子*3『道ひとすじ:不破哲三とともに生きる』(2012年)
を出版した中央公論新社からでるとは思いませんでした。
なお「天皇制廃止」は別に悪い事ではない。むしろ世界的には「王制」の方がマイナーなわけです。割と最近もネパールが2008年に王制を廃止した。
「暴力革命」なんてもんはとっくの昔に捨ててます。まあ「敵の出方論」がありますけど、あれは「敵がヒットマンで我々を暗殺するような異常事態には暴力の発動の余地がある」つう「超レアケース」の話であってまずあり得ない話です。まあ「それだったら敵の出方論なんかほとんど意味がないんだからいっそ削除すればいい」つうのは一理ありますが、とにかく「敵の出方論」なんてその程度のモンです。大体「日夜、拳銃の射撃訓練をしてる」等と言うんでもない限り、「今すぐ武器を取れ」なんて党執行部から言われても武器を取る人間(党員、後援会員など)なんかどこにもいないでしょう。
共産党執行部や支持者からすれば「嬉しいがまだまだ」でしょうが産経は脅威に感じてるようです。
つうか「野党共闘」してる時点で産経が言うような意味での脅威などないことは明白なわけです。
■【世界ミニナビ】中国共産党の根拠なき持論「沖縄はもともと中国だった」…貪欲すぎる覇権主義、次は韓国にも
http://www.sankei.com/west/news/170507/wst1705070003-n1.html
「沖縄はもともと中国だった」。
中国共産党員の1人は、中国が沖縄県石垣市の尖閣諸島に対する領有権を主張し公船派遣を強める前、こう言い放った。
やれやれですね。その党員とは一体何物なのか。習主席、李首相のような幹部なのか、チンピラ党員なのか、によって話は違います。
またその党員はその発言で何が言いたいのかによっても話は違います。
「今は日本領だが昔は中国領だった」という単なる事実認識の表明か、それとも「もともと中国だったのを日本が不当に侵略したのだから沖縄を返還しろ」という返還要求なのか。その辺り産経が曖昧にしてごまかしてる(いわゆる5W1Hがまるで分からない)のは、「中国共産党の主張」として大騒ぎできるような代物ではないと産経も自覚してるからでしょう。バカバカしい話です。
こんなんで「中国共産党の主張」と大騒ぎしていいのなら「田母神航空幕僚長(当時)の例のアパ論文で表明された認識」をもとに「日本の航空自衛隊はあの戦争を侵略戦争と認めてない」といってもいい訳です。もちろん田母神のような馬鹿者が航空自衛隊幹部など許される話ではない。恥ずべき大不祥事ですが、そこから一気に「アレが航空自衛隊の認識です、航空自衛隊は東京裁判の価値を認めていません。街宣右翼と同レベルの集団です」といったらさすがに産経も反論するんじゃないか。
■【産経抄】5月7日
http://www.sankei.com/column/news/170507/clm1705070005-n1.html
島は海路の要衝であり防壁でもあった。元寇では神風が蒙古軍を本土から遠ざけ、司馬も描いた日露戦争では、連合艦隊がロシア艦隊を退けた日本海海戦も同島の近海を舞台とした。今日の繁栄は「神宿る島」のご加護でもあろう。
▼余談ながら宗像大社の手水(ちょうず)鉢には「洗心」と刻まれている。沖ノ島の調査を主導した出光興産創業者、出光佐三*4の揮毫(きごう)である。自らの足跡をたたえた記念碑建立の話を蹴り、ひそかに手跡を残したらしい。そんな先人の陰徳にも光が当たるといい。
「余談」として「島に関係があるとは言えても」ユネスコの世界遺産登録と関係ないことを書いた上、それがやれ「元寇」「日本海海戦」「出光佐三の揮毫」と全てウヨテイストつうのはさすが産経です。勿論褒めてません。
まあ、「ウヨだから無価値な調査」とは言いません*5が出光佐三の調査って彼の主観的には「右翼的な代物だったんだろうな」と思います。
まあ、■リテラ『百田尚樹『海賊とよばれた男』は愛国ポルノ! 主人公のモデル*6は皇国史観丸出し、右翼殺人テロ*7まで礼賛していた!』(http://lite-ra.com/2016/12/post-2760.html)を読むと分かりますが、出光佐三は相当の極右です。
出光興産がスポンサーで提供してたテレ朝「題名のない音楽会」の初代司会があの『自由社会を守る国民会議(自由国民会議)*8初代代表』という「右翼活動家・黛敏郎」なのも実はそう言う出光佐三の右翼性が一因のようです(もちろん黛はプロの作曲家ですけど。当然ながら例えば、黛と同じプロの作曲家でも、左派として知られる「いずみたく」なんかは出光佐三にとってお呼びじゃないでしょう)。
なお、「日本の申請全てがイコモスによって世界遺産に登録勧告されたわけではなく」、宗像大社などは「除外されており」、今後の巻き返しが成功しなければおそらく「除外のママ登録」になること(従って国や自治体が巻き返し策を練ってること)に何故か触れない産経です。
また世界遺産化した場合、問題となるのは「島が女人禁制であること」でしょう。地元でも「この際、女人禁制は辞めてもいいのでは」つう声もあるようです。