今日の産経ニュース(10/30分)(追記・訂正あり)

■【ロシアゲート疑惑】ロシア疑惑を巡り初起訴 トランプ陣営元選対本部長を 政権に打撃も
http://www.sankei.com/world/news/171030/wor1710300044-n1.html
1)マナフォート元選対本部長の起訴でとどまるのかどうか、他にも「大物」訴追者が出るのかどうか。トランプの関与は認定されるのか
2)彼の裁判闘争をトランプ側は支援するのか、この起訴についてトランプ側はどうコメントするのか
3)元選対本部長に有罪判決が下るのか
など今後が注目されます。場合によっては「ウォーターゲートでのニクソン辞任」のようなトランプ辞任もありうるでしょう。


ユネスコ総会が開幕 新事務局長が就任へ
http://www.sankei.com/world/news/171030/wor1710300039-n1.html
 南京事件資料のユネスコ世界記憶遺産登録で、ボコバ*1前事務局長を散々「中国の手先」呼ばわりし誹謗していた産経ですが今後、新しい事務局長をどう扱うのか気になるところです。早晩ボコバ氏同様誹謗することになるかと思いますが。


■「中国共産党は国際秩序を破壊」 盲目の人権活動家、陳光誠*2
http://www.sankei.com/world/news/171030/wor1710300030-n1.html
 「中国国内の民主化問題はさておき」、一体中国のどの辺りが「絶えず国際秩序を破壊し、日本や韓国のような民主国家を脅かしている」んでしょうか。産経記事の報じる陳発言が事実なら、陳はデマカセ屋にもほどがあるでしょう。あるいは「あきめくら」「めくら判」「めくら蛇におじず」「群盲象をなぜる」などという意味での盲目、つまり「別の意味で盲目になってる」とでもいうべきでしょうか。
 まあ過去にもこの種の「自称・民主活動家」が「まともな人間ならば誰でも分かる形で大きく道を踏み外し」、「中国に対しあることないこと悪口し」、日本や米国の反中国ウヨに媚びる醜態をさらしてきましたが、この陳氏も同様の醜態をさらすことになったようです。アムネスティ・インターナショナル日本もこんなバカを招聘して良かったんでしょうか。
 何も中国に限らず「怒りなどのネガティブ感情を抑えて」相手をどう理性的に批判していくかが大切なわけでこういう陳のような暴論は「百害あって一利無し」です。

 習近平総書記(国家主席)が掲げる「強国」路線にも「自らの国民を毎日熱心に抑圧している国家が、どうして『強国』になれるのか。不可能なことだ」と批判した。

 「なるほど、ということは旧ソ連は強国ではなかったのですね」「ということは戦前日本は強国ではなかったのですね」と皮肉を言いたくなります。
 経済強国にせよ、軍事強国にせよ「民主主義でなければ実現できない」つうもんではないですし、習主席の言う強国に限らず強国概念に通常「民主主義」と言う要素は含まれないでしょう。
 むしろ「強国になっても民主主義の観点で問題があるので喜びも小さい」とでも言った方が良かったんじゃないか。


■小池*3塾の再開日程、来春に延期
http://www.sankei.com/politics/news/171030/plt1710300045-n1.html
 実際は延期ではなくて「中止」ではないか。ただ小池にも面子があるので延期と言ってるだけでしょう。


■【産経抄】「帝国の慰安婦」無罪判決破棄 文在寅*4政権で進む言論弾圧 韓国では学問の自由を守ろうとする動きがみられない
http://www.sankei.com/column/news/171030/clm1710300003-n1.html
 「帝国の慰安婦」が名誉毀損で有罪になっただけで「文在寅政権で進む言論弾圧」とはよくもいったもんです。
 そもそも「帝国の慰安婦」が起訴されたのは、朴クネ政権時代ですし、韓国は勿論三権分立です。
 産経が「裁判所が文政権の圧力に屈した」というならそれこそ証拠を出せって話です。しかもその理屈なら一審の無罪判決も「朴政権の圧力に裁判所が屈した」と見なす余地が出てくるでしょう。
 産経が「無罪判決には圧力などないが、有罪判決にはある」と根拠レスで言うのは寝言でしかありません。
 それとも「文政権は検察を指揮し、起訴を取り下げるべきだった」とでもいうのか。別にそんな事をする義務もないでしょうに。
 そもそも告訴したのは慰安婦や支援団体ですし、彼らの思いを足蹴にし起訴を取り下げる方がよほど問題ではないのか。
 つうか小生も「帝国の慰安婦」を読んでないので評価は避けますが慰安婦女性や支援団体に訴えられるような代物が本当に学問の名に値するのか、名誉毀損に該当しないのかはかなり疑問符がつくと思います。
 「東中野修道南京事件研究」と同レベルの代物ではないのか。
 なお、産経の言う「帝国の慰安婦有罪を批判する動きが見られない」というのは明らかにウソです。
 それが事実なら
朝鮮日報『『帝国の慰安婦』裁判を韓国学会が批判「学問に刑事罰は不適切」』
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2017/10/28/2017102800516.html
などという記事はあり得ない。


■【野口裕之の軍事情勢】改憲し「戦争ができる国」に脱皮しなければ「戦争をしたい国=中国」への抑止力は機能せず
http://www.sankei.com/premium/news/171030/prm1710300007-n1.html
 おいおいですね。従来の政府見解では「専守防衛は合憲」です。かつ抑止力云々と言ってるわけですから、この野口の発言は「中国が台湾有事、南シナ海有事などを起こしたら、日本への侵略ではなく専守防衛に該当しなくても日本が参戦する。そうした考えをアピールし、中国の軍事行動を抑止する」としか理解できないでしょう。
 まあ、中国もそんな物騒な事はしないでしょうが、それはともかく。
 野口がためらいなく「日本への侵略でなくても、日本の国益を守るためなら外国と戦争していいんだ」と主張してることに唖然ですね。戦前日本が「日本への侵略などなかった」のに国益のために中国や米国相手に戦争した過去への反省はないようです。
 しかし、日中経済関係を考えて安倍ですらこんなことを公言できないのに全く産経は正気ではない。

 台湾国防省が10月に発表した国防白書によると、中国は台湾への侵攻能力を2020年までに備える。

 こういうのは話半分に聞いた方がいいでしょう。要するに「だから予算を増やせby国防省」て話ですから。
 そもそも「能力がある」のと「意志がある」のとは違います。
 中国は「台湾が独立宣言したら武力侵攻もあり得る」としていますが、それは「独立宣言しない限り攻め込まない」ということである意味ボールは台湾の方にあります。これを「独立宣言」と言う形で打ち返せば「挑発行為」と中国に見なされ恐ろしいことになりかねませんが、宣言しない限り中国には攻める大義名分がない。
 というよりは「独立宣言しない限り今のママの情況でええ、統一は将来の課題で我慢する」「軍事統一はリスキーだから経済で取り込もう」つう判断の下に「台湾が独立宣言したら武力侵攻もあり得る」としてるのであって明らかに中国は武力統一に乗り気じゃないでしょう。
 ただし「攻め込む気は基本ない」からといって中国も軍事能力はある程度向上させないといけない。
 そうでなければ「独立宣言したら攻め込む」つう牽制がきかなくなるからです。
 「あんなボロい戦力なら台湾なんか攻め込めるわけがねえ」と思われては「独立宣言したら攻め込む」と言っても何の牽制にもなりません。

 習近平*5国家主席は自らが政権の座に在る内に、台湾統一を成し遂げて歴史に名を刻みたいと執念を燃やしている。とりわけ、共産党結党100年を迎える2021年を前に実績を誇るべく

 おいおいですね。そりゃあ習氏も「共産党結党100年を迎える2021年」に台湾統一ができれば御の字だとは思ってるでしょう。とはいえその為に軍事統一なんてリスキーにもほどがある。欧米に経済制裁される危険を冒してまでやることじゃない。

 台湾侵攻は《東部戦区=旧南京*6軍区》の担任だが、習氏は軍区内の福建省浙江省共産党=軍の役職を1985年〜2007年の間、(ボーガス注:福州市*7党委員会書記、浙江省党委員会書記(浙江省軍区党委員会第一書記兼務)など)何回も務めた。いわば、東部戦区は習氏のお膝元。旧南京軍区で習氏と同時期に軍務経験のある旧知の高級軍人らを、能力の有無にかかわらず、昇進慣例を無視して引き上げまくった。軍内で「手持ち駒」の少ない習氏は、過去の政権で冷遇された高級軍人をかき集めてもいる。

 仮に東部戦区に力を入れてるとして、それが台湾問題が理由の一つだとしても、それは「台湾への牽制」で十分説明がつくでしょう。何度も言いますが戦争なんてあまりにリスキー過ぎます。

 ジョン・ボルトン*8国連大使が1月、米紙ウォールストリート・ジャーナルに寄稿した戦略も、傾聴に値した。《米軍の台湾駐留》である。

 ばかばかしい。そんなことをしたら中台関係、中米関係は一気に緊張します。そんなことを台湾も米国もやる気はないでしょう。大体ボルトンなんて、トランプ政権幹部でもなんでもない。


■【阿比留瑠比の視線】「安倍大嫌い」と延々と書く朝日
http://www.sankei.com/column/news/171030/clm1710300004-n1.html

 元朝日新聞記者で民間非営利団体NPO)代表の長岡昇氏が、衆院選期間中に古巣の朝日紙面に目を通した感想について、25日付のインターネット上の記事でこう記していた。
 「安倍(晋三)首相が大嫌いであることだけはよく分かりました」

 いやー、阿比留ら産経記者の記事を読んで「阿比留さんたち産経記者が安倍総理を大好きであること、朝日など安倍批判派が大嫌いなことだけは良くわかりました」と皮肉言うならともかくねえ。
 まあ、「裁判所認定の捏造常習記者」阿比留のことなんで「阿比留による長岡記事の捏造→後日、長岡氏から抗議」つう可能性もありますけど。
 何せ阿比留は「25日付のインターネット上の記事」と書くだけでリンク張ったりしてませんから(まあ確認しようとすれば「長岡昇」でググって確認できるでしょうけど、手間がかかります。そこで「どうせググらないだろ」と読者を舐めて阿比留がデマ記事書いたとしても不思議ではありません。何せデマ記事書いても安倍万歳の方向性なら阿比留を処分しないのが産経経営陣ですから阿比留がデマ記事に躊躇がなくても不思議ではない)。
 しかし、仮に長岡氏が本当にこんな事言ってたとしたら「朝日は安倍が嫌い(つうか安倍に批判的)な理由を加計森友疑惑とか、違憲立法(安保関連法、共謀罪)とか、慰安婦問題とかいろいろ書いてるでしょうに。それでも『嫌いなことだけ』が分かったとか言うの?」「安倍批判してるのは朝日だけと違うやろ。加計森友では週刊文春、新潮といった右派メディアですら安倍批判してたやろ」「あんたが安倍大好きなだけじゃねえの?、長岡さん」ですよねえ。どっちにしろ、こんな長岡記事で「俺達産経だけじゃない、朝日の元記者だって朝日の安倍批判に否定的だby阿比留」とか言うのは馬鹿げています。長岡氏なんて本当、例外的存在でしょうからねえ。
 そういえば、この長岡さん、高世(http://d.hatena.ne.jp/takase22/20171026)に寄れば「友人知人」だそうですが、高世は彼みたいな事言ってませんけどねえ。
 そういえば、小生、拙エントリで

http://d.hatena.ne.jp/bogus-simotukare/20171025/5064208022

 ところで、カズオ・イシグロはなぜ英国人になったのか。気になっていながら調べないでいたら、高校の同期で、朝日新聞論説委員をしていて今は郷里に帰っている長岡昇君がブログに書いていたので、引用、紹介する。

 長岡昇でググったらhttp://www.johoyatai.com/1408がヒットしました。
 高世もどうせなら「長岡君のブログ」にリンク張ればいいと思うんですが何故張らないんでしょうか?

と以前書きましたが、この辺りが高世が「リンク張らなかった理由」かもしれません。
 つまり高世は「巣くう会とのしがらみがある」とはいえ、一応安倍自民批判派なのに、長岡君は安倍自民礼賛だと(あくまでも阿比留の記事を信じればですが)。
 そのあげく長岡君は古巣に向かって「安倍(晋三)首相が大嫌いであることだけはよく分かりました」と悪口雑言を放言するまでになってしまったと。
 まあ、高世からすればそんな長岡君を苦々しく思って「あんな奴の記事にリンクなんか張りたくない。名前だけ出しとけば興味のある奴はググるからそれでいいだろ」と考えても不思議ではないでしょう。それにしても阿比留の記事が正しいと前提してですが、長岡氏って以前からこんな人間なんですかね。それとも劣化したのか。劣化したとしてマジで安倍万歳なのか、はたまた「安倍自民に媚びれば美味しい思いができる」つう商売右翼なのかが気になるところです。

*1:ブルガリアの外相、駐フランス大使などを経てユネスコ事務局長

*2:著書『不屈:盲目の人権活動家 陳光誠の闘い』(2017年、白水社

*3:小泉内閣環境相、第一次安倍内閣防衛相、自民党総務会長(谷垣総裁時代)を経て都知事

*4:盧武鉉政権大統領秘書室長、「共に民主党」代表を経て大統領

*5:福州市党委員会書記、福建省長、浙江省党委員会書記、上海市党委員会書記、国家副主席、党中央軍事委員会副主席、国家中央軍事委員会副主席などを経て党総書記、国家主席党中央軍事委員会主席、国家中央軍事委員会主席

*6:江蘇省省都

*7:福建省省都

*8:ブッシュ子政権で国務次官(軍備管理・国際安全保障担当)、国連大使を歴任