今日の産経ニュース(4/20分)(追記・訂正あり)

■【熊本地震】「原発止めろ」の非常識…停電のリスク高まる 懸命の復旧作業の妨げに(高瀬真由子)
http://www.sankei.com/affairs/news/160420/afr1604200036-n1.html
 地震原発を直撃したら最悪の事態も危惧されるわけで「止めるべき」というのは当然でしょう。原発が事故ったら「停電のリスクが高まる」どころの話ではありません。被災者が被爆する危険が出てくる。被爆を防ぐために「どこかに避難させる」「ヨウ素剤を配る」なんてしてたら役所の負担も増える。被爆の恐怖から被災者にパニックが起こるかも知れない。
 まあ、原発を止めたからと言って停電のリスクなど高まりはしないでしょうが。

大前提として、今回の地震川内原発に、安全上の問題は生じていない。

 そりゃ明らかな事故が起こったら嫌でも停止するでしょう。「だから何だ、それが止めない理由になるのか」て話です。

14日以降の一連の地震で、川内原発がある薩摩川内市で観測された震度は「4」が最大だった。

 今そうだからといって「震度7までは絶対に行かない」なんて断言ができるんでしょうか。自分に都合のいいときは「北朝鮮のミサイル発射に備えよ」「中国の台湾侵攻に備えよ」とほとんどあり得ないことに備えよと言う。
 都合の悪いときは「まず震度7はありえない」とはどれほどデタラメなのか。まあ、たぶん産経は「益城町原発があっても」事故(放射能漏れに繋がらない小規模事故を当然含む)が起きない限り、止めろとは絶対に言わないでしょうが。

原発を主張する政党や団体は「電力需要からみても川内原発を動かし続ける必要はない」(共産党国会議員団)、「安全性に強い危惧を有している」(脱原発弁護団全国連絡会)と即時停止を訴える。

 実際「電力需要から見て動かす必要はない」「熊本震災の今後が読めない以上、稼働すべきではない」は正論だと思いますが。

仮に川内原発を停止した場合、九電は代替の火力発電所をフル稼働させなければならない。

 でそれに何か問題があるんでしょうか。そもそも原発が事故れば嫌でもそうせざるを得ないわけです。


川内原発“政争の具”にせず 民進・山尾政調会長
http://www.sankei.com/politics/news/160420/plt1604200040-n1.html
 単に「原発推進派議員(残念ながら保守系だけでなく電力労組を含む連合自体がそうですが)」が党内にいるから川内原発停止を共産党のようには政府に対し求められないだけでしょう。何が「政争の具」なのか。「民進党はふざけんな」と心底呆れます。


外為法違反事件、北朝鮮への日用品不正輸出認める
http://www.sankei.com/west/news/160420/wst1604200094-n1.html
 武器や「軍事転用可能な民生品」ならともかく「一般日用品の禁輸」なんかして何の意味があるのかと本当に呆れます。


■【豪次期潜水艦】日本が脱落か 入札で「熱意が欠けていた」と地元メディア
http://www.sankei.com/world/news/160420/wor1604200013-n1.html
 小生はハト派であり「武器原則禁輸方針」を安倍が撤廃したことに憤ってる人間ですので「脱落したこと」はむしろうれしいことですがそれはさておき。インドネシアの鉄道受注失敗と言い、日本は「商売下手」といっていいのでしょうね。
 「日本の製品は素晴らしいから値引き(インドネシアの場合)だの現地生産(現地雇用に配慮、今回のオーストラリアの場合)などしなくても売れるはず」という勘違いがあるんじゃないか。


■【失墜 田母神元空幕長逮捕】(中)「なぜ選対に入り込めたのか」 自衛隊人脈と不可解な会計処理
http://www.sankei.com/affairs/news/160419/afr1604190021-n1.html
 完全に田母神を「水に落ちた犬」扱いする産経です。

「今日は小沢先生の勉強会だから」
 平成26年2月の東京都知事選で落選した田母神俊雄(67)。その選対事務局長を務めていた島本順光(69)はこう言っては事務所を抜け出すことがあった。小沢先生とは当時、生活の党代表だった衆院議員、小沢一郎*1(73)のことだ。

 今回田母神とともに逮捕された島本某なる人物が「政界渡り鳥」らしかったことがわかります。
 小沢氏と田母神に共通点があるとは思えませんからねえ。色々な保守政治家の下に首を突っ込む人間、それが島本だったのでしょう。まあ、小沢氏に問題がないとは言えないでしょうが、「西松問題などならともかく」少なくともこの件では、島本とのつきあいは浅いものだったのでしょうし、この件で小沢氏を批判する気は俺個人はあまりありません。
 それはともかく「意外にも選挙の経験者が全然いなかったらしい*2」田母神陣営にとって島本は重宝な人間で「選対事務局長」になったわけです。しかし、おそらく「選対事務局長」なんてポストにはそれまで島本は就いたことがなかったでしょう。報道が事実ならあまりにも金の使い方が杜撰ですから。所詮島本は「経験年数が長いだけで大した政治実務はしてこなかった下っ端」だったのでしょう。
 いずれにせよ、それは「田母神のカネにルーズな性格」と合わさって「自称選挙経験者・島本の無茶苦茶を誰もとめられない」という最悪の方向へと進んだようです。
 なお、産経には「全て島本が悪い」「島本は小沢氏とつきあいがあり、もともとは我々の仲間ではない」と責任転嫁している疑いもありますが当然ながらそれで済む話ではありません。


■【失墜−田母神元空幕長逮捕(下)】“浄財”の認識あったのか 高級クラブ、婦人服…「まるで生活費」
http://www.sankei.com/affairs/news/160420/afr1604200001-n1.html

「島本さんのボトルはカラにしないでくれと言ったじゃないか!」
 東京・赤坂の高級韓国クラブ。元会計責任者はママに怒りをぶつけた。毎週木曜日は島本を慰労する「メンテナンスデー」。島本は韓国語のカラオケを熱唱するのが楽しみだった。使途不明になっている政治資金の一部は、そんな遊興費に費やされたとみられている。

 選対事務局長という要職に「初めてついたらしい」島本は頭に乗り無法の限りを尽くしていたわけです。
 これが事実なら「田母神陣営の人間が誰も気付かない」なんてことはないでしょう。つまりは、「田母神が都知事に当選するか」当選しないまでも「田母神の政治力がアップすれば」島本の不正も田母神陣営では「チャラにされた」のでしょう。
 しかし石原、平沼らの支援があり田母神単独の力ではないとはいえ「61万票も取る」という小生からすれば「絶句する好成績だった田母神」ですが当選はおろか、「宇都宮元日弁連会長、細川元首相」の下の4位という成績でその後も「鳴かず飛ばず」であったことから「あんな不正を黙認できるか」と内紛が勃発するわけです。

 使途不明金の総額は約5千万円。うち約2千万円は運動員の買収資金とみられるが、残りの使途について、ある陣営関係者は「まるで生活費のようだった」と振り返る。
 高級スーツやコートなどに200万円近く、墓の修理費にも…。
(中略)
《秘書業務並びに原稿添削業務の月額100万円》
 21年12月、田母神は交際相手の女性と契約を交わし、事務所に迎え入れた。この交際相手の婦人服代に「接待交際費」として支出していたとの証言もある。
 田母神や島本に言われるまま口座から毎週50万円以上を引き出し、2人に渡していたという元会計責任者は周囲に「自分はキャッシュディスペンサー(現金自動支払機)のようだった」とこぼしていた。

 買収していい訳ではありませんが買収ならまだ「政治活動費」と言い訳ができる。「赤坂の韓国クラブ」「高級スーツ」などという報道が事実なら政治資金の私的流用であり言い訳のしようがないでしょう。産経も田母神を見捨てざるを得ないわけです。

*1:中曽根内閣自治相・国家公安委員長自民党幹事長(海部総裁時代)、新生党代表幹事、新進党党首、自由党党首、民主党幹事長(鳩山代表時代)など歴任。

*2:石原や平沼などウヨ政治家の支持は「田母神陣営に人材(石原らの元秘書など)を供給する」などの実質的なもんではなかったのでしょう。