今日の産経ニュース(5/26分)

■「思い浮かべたのは隣の大陸のお国」 御坊市長、初登庁で二階陣営の応援攻勢を痛烈批判
http://www.sankei.com/west/news/160526/wst1605260057-n1.html
 「半島の国」ではないので「三代世襲の国ではなく」たぶん「中国大陸の国」のことなんでしょう。
 正直「アホと違うか」と思いますね。
 先ず第一に「世襲が問題だ」つうなら何も今回の二階氏の息子に限らず

小泉*1元首相(佐藤*2内閣防衛庁長官を務めた小泉純也代議士の息子)
福田康夫*3元首相(福田赳夫*4元首相の息子)
安倍*5首相(岸*6元首相、安倍*7元幹事長の息子)
麻生*8財務相(吉田*9元首相の孫)
石破地方創生担当相(鳥取県知事、鈴木*10内閣自治相・国家公安委員長を歴任した石破二朗参院議員の息子)
石原経済財政担当相(石原元都知事の息子)
野国公安委員長(中曽根*11内閣科学技術庁長官、宮沢*12内閣官房長官、村山、小渕*13、森*14内閣外相を歴任した河野洋平代議士の息子)
谷垣*15幹事長(大平*16内閣文相を務めた谷垣専一代議士の息子)

などと今の自民党世襲だらけなんですが(そのうち安倍と麻生が世襲でなければ議員になれないバカであることは間違いないでしょう)。この市長は「自民は世襲だらけでどーしよーもないですね」という度胸があるのか(たぶんないでしょうが)。
 第二に中国に悪口雑言して何かいいことがあるのか。「御坊市は中国人観光客がいらないのか」と思いますね。
 第三に中国において「世襲政治家が有利」と言えるかは疑問でしょう。毛沢東トウ小平江沢民胡錦濤世襲ではない。習近平氏は「習仲勲*17の息子」という世襲政治家ですが仲勲氏は「幹部ではあるものの」トウ小平*18劉少奇*19周恩来*20ほどのビッグネームでもありません。 


■【スポーツの現場】甘えるな!!プロ野球選手会 リスクなしのFA宣言は“サラリーマン化”の始まりだ
http://www.sankei.com/west/news/160526/wst1605260004-n1.html

 昨オフに「事件」があった。広島からFA宣言した木村昇吾*21内野手の獲得に名乗りを挙げる球団がなく、一時は引退の危機もささやかれた。最終的には西武にテスト入団したが、これが選手会側にはショックだったようだ。
 選手会側が問題視しているのは、今回のケースの広島のように「宣言残留」を認めていない球団があり、その方針だと、FA宣言に二の足を踏んでしまうという論理。選手会の森忠仁事務局長は「他球団の話を聞いて判断できる方が(制度が)使いやすい」と話した。

「他球団の話を事前に聞く(他球団がどこも消極的ならFA宣言をあきらめる)」とするか「FA宣言しても所属球団残留を認める」とするか、とにかく選手会の問題意識は正当でしょう。非難する産経がおかしい。
 「FA宣言するなら最悪引退を覚悟しろ」なんて制度がまともとは思えません。それではほとんどの選手はFA宣言しないでしょう。そもそも野球選手の寿命は短い(スタープレーヤーでも大半が30代後半から40代前半で引退し第二の人生に入る)し、ライバルとの競争も激しいわけで「FAリスクを軽減したところ」で産経の言う「悪い意味でのサラリーマン化」なんか起こるわけがない。

 今回の選手会の要望が浮き彫りにしたのは、プロ野球選手の求めるものは、弱肉強食の競争ではなく、安定した雇用なのだということだ。

 そりゃ誰だって安定した雇用は望むでしょう。当たり前の話です。その方が選手のやる気も出ると思いますが産経の考えは違うようです。というか「雇用を可能な限り安定させたところで」、ライバルがいれば試合には出られない(最悪の場合、首)し、また、故障すれば首になるのがスポーツ選手の厳しさなのに産経は全く何を言ってるんでしょうか。「リスクなしのFA宣言」ぐらいで野球選手のリスキーさ(よほどのスタープレーヤーでないと生活が厳しい)はまるきり割に合わないでしょう。
 大企業正社員の方がよほど雇用は安定しています。


■【岡田浩明の社民党哀歌】吉田忠智党首は行くも地獄、戻るも地獄… 「タダトモの乱」は瞬時に鎮圧 残るは福島瑞穂氏の高笑いだけ
http://www.sankei.com/premium/news/160526/prm1605260003-n1.html
 タイトルがあまりにも酷すぎて絶句ですね。よくもまあこういう失礼な文が書けるもんです。
 なお「乱鎮圧」も何も福島副党首(前党首)など他の人間に根回しもせずに「民進党との統合論」などいきなりぶち上げれば反対意見が出て、こうなるのは簡単に予想できることです(また民進党にも吉田発言はまともに相手にされませんでした)。
 参院選直前のこの時期に勝手な言動をした吉田氏こそが非常識なのであり、福島氏らが非難される話では全くありません。

 民進党には、沖縄の米軍基地問題をめぐり旧民主党との連立政権を離脱したのは福島党首時代の社民党だっただけに反発は根強く

 以前から俺は民進党は「安倍よりはマシ」「今の総理がいわゆる保守本流(池田、大平、鈴木、宮沢)なら俺個人は民進ではなく自民を支持*22するかもしれない」程度にしか評価していませんが「民進党はふざけんのもいい加減にしろ」て話です。「沖縄県外移設の公約を反故にするなんてできない」という福島氏の鳩山首相への抗議理由は全く当然じゃないですか。
 その福島氏を「鳩山内閣少子化等担当相」から更迭したのはどこの誰なのか。当時の鳩山首相や岡田外相(現・民進党代表)ら民主党幹部じゃないですか。
 そこまでされて福島氏が連立に残れるわけもない。にもかかわらず福島氏を敵視するとは全く民進党は何様なんでしょうか。仮に福島氏が政権残留したところで福島氏や社民党の評判が落ちるだけで「左右両派から」嘘つき政党扱いされる当時の民主党の苦境に変わりもないでしょうに。

 吉田氏の合流発言を契機に報道陣の取材に応じないよう党本部が指示していたにもかかわらず、福島氏が13日、記者団に「あまりに唐突」と不満をぶちまけた

 そりゃ不満はぶちまけるでしょう。事前に相談がないわけですから。「合同論は以前から非公式な形では色々あった」なんてのは吉田発言を正当化しません。福島氏が悪いわけでも何でもない。
 なお、個人的には社民党の勢力がまだもっと大きかった時代に「共産党と合同でもすれば良かったのに」とは思います。産経の無礼な嘲りは論外としても、「民進党とも共産党とも合同せず」、単独でやっていけるかといえばかなり苦しいでしょう。


■【世界を読む】「中国の夢」は駆け抜けず…中南米で路頭に迷う鉄道事業、もはや「パニック」 幻の超特急!?
http://www.sankei.com/west/news/160526/wst1605260006-n1.html

 中国が手がける中南米の鉄道プロジェクトが次々と頓挫している。石油価格下落で経済危機のベネズエラでは、建設現場が放棄された。

 ベネズエラの苦境は「石油加工産業にうまく乗り出せず、石油を売ってるだけ」の多くの産油国(例:中東諸国、ロシアなど)が今原油安によって「大なり小なり」直面してる苦境です。
 つまりは「チャベス政権の社民主義的経済政策(産経曰くばらまき)」だの「中国との友好*23」だの関係ない*24のですがそう言う話にこじつける辺りがさすが「アンチ左派、アンチ中国」の産経です。
 つうか「原油安による産油国の苦境」はベネズエラ限定でも「地域の安定を揺るがす恐ろしい話」でしょうし、「全世界的に見れば」本当に恐ろしい話*25でしょうが左派(この場合チャベス政権)や中国への憎悪から「ざまあベネズエラ、ざまあ中国」的話しかできない辺り産経は本当に狂っています。
 なお他の南米諸国にしてもおそらくはベネズエラ同様「景気が悪い*26から」計画に本格的に乗り出さないのであってこれまた「ざまあ中国」で済む話ではありません。


■【産経抄】キャメロンも後に続け 5月26日
http://www.sankei.com/column/news/160526/clm1605260003-n1.html

オバマ大統領が、プラハでの演説で核兵器廃絶を訴えてから7年、広島では何を語るのか。

 やれやれですね。プラハ演説からオバマ核廃絶では具体的なことは何一つしませんでした(「北朝鮮の核保有に対する非難」なんてのは単に米国の国益擁護であって核廃絶とは関係ありません。それどころかインドやパキスタンの核保有を事実上認め、NPT体制に穴を作ってるのが米国です)。そして退任も間近です。どうせ「抽象的なきれい事だけ語って終わり」でしょう。サンダースが大統領になるならまだしもクリントンやトランプではオバマレベルの言動すら期待できません。


■【主張】刑事司法改革 新たな捜査手法の確立を
http://www.sankei.com/column/news/160526/clm1605260001-n1.html
 「司法取引の導入」という重大な改正なのに「安倍が怖いのか」「はたまた警察が怖いのか」何なのか知りませんがろくに報道もしなかったマスコミ各社には呆れますね。さすが国連特別調査者や国際NPOから「報道の自由が危ない」と批判されるだけのことはあります。
 正直、冤罪の危険性が危惧されますが今後、問題解消に向け取り組んでいく他はないのでしょう。いったん制度ができてしまうと改正が難しいんですけどね。

参考
赤旗『盗聴拡大、密告で冤罪、改悪刑訴法が成立、衆院本会議』
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik16/2016-05-25/2016052501_03_1.html

*1:宮沢内閣郵政相、橋本内閣厚生相を経て首相

*2:吉田内閣郵政相、建設相、岸内閣蔵相、池田内閣通産相科学技術庁長官などを経て首相

*3:森、小泉内閣官房長官を経て首相

*4:岸内閣農林相、自民党政調会長(池田総裁時代)、佐藤内閣外相、田中内閣蔵相、三木内閣副総理・経済企画庁長官などを経て首相

*5:小泉内閣官房副長官官房長官自民党幹事長(小泉総裁時代)を経て首相

*6:自民党幹事長、石橋内閣外相を経て首相

*7:三木内閣農林相、自民党政調会長(大平総裁時代)、鈴木内閣通産相、中曽根内閣外相、自民党総務会長(中曽根総裁時代)、幹事長(竹下総裁時代)を歴任

*8:橋本内閣経済企画庁長官、森内閣経済財政担当相、小泉内閣総務相、第一次安倍内閣外相、自民党幹事長(福田総裁時代)を歴任

*9:東久邇、若槻内閣外相を経て首相

*10:池田内閣郵政相、官房長官、佐藤内閣厚生相、福田内閣農林相、自民党総務会長(大平総裁時代)などを経て首相

*11:岸内閣科学技術庁長官、佐藤内閣運輸相、防衛庁長官、田中内閣通産相自民党幹事長(三木総裁時代)、総務会長(福田総裁時代)、鈴木内閣行政管理庁長官を経て首相

*12:池田内閣経済企画庁長官、佐藤内閣通産相、三木内閣外相、鈴木内閣官房長官自民党総務会長(中曽根総裁時代)、中曽根、竹下内閣蔵相を経て首相。首相退任後も小渕、森内閣で蔵相。

*13:竹下内閣官房長官、橋本内閣外相を経て首相

*14:中曽根内閣文相、自民党政調会長(宮沢総裁時代)、宮沢内閣通産相、村山内閣建設相、自民党総務会長(橋本総裁時代)、幹事長(小渕総裁時代)を経て首相

*15:小泉内閣国家公安委員長財務相自民党政調会長(福田総裁時代)、福田内閣国交相、第二次安倍内閣法相を歴任

*16:池田内閣官房長官、佐藤内閣通産相、田中内閣外相、三木内閣蔵相、自民党幹事長(福田総裁時代)を経て首相

*17:副首相、全人代常務副委員長を歴任

*18:国家中央軍事委員会主席、党中央軍事委員会主席

*19:全人代常務委員長、国家主席を歴任

*20:首相

*21:横浜ベイスターズ (2003〜2007)→広島東洋カープ(2008〜2015)→埼玉西武ライオンズ (2016〜)。三塁や一塁の守備固め、代走、代打として、一軍公式戦72試合に出場したが「スターティングメンバーとして出場を目指す考え」からか、「他球団の話を聞いてみたい」という理由でFA権限を行使。しかし産経が書いたような事情から西武にテスト入団。なお、FAを宣言中の選手による他球団の入団テストへの参加は、NPB史上初めての事例である。

*22:選挙では共産に投票するでしょうが

*23:まあ確かにチャベス中道左派ですが、基本的に経済大国・中国と敵対したがる国もあまりないでしょう。

*24:敢えて言えば「石油加工業を育成できなかった点」はチャベスの失政かも知れませんが、まあ、他にもそう言う産油国はありますのでねえ。個人的にはあまり責める気にはならない。

*25:産油国の苦境を考えると原油安は「ガソリンが安くていい」で済まない厄介な問題です。

*26:一番酷いのはベネズエラなのでしょうが。