今日の産経ニュース(11/10分)

■【米大統領にトランプ氏】トランプ大統領で、いいじゃないか 東京本社編集局長・乾正人
http://www.sankei.com/column/news/161110/clm1611100003-n1.html

 日本の外務省はまたも下手を打った。先月から今月にかけて話を聞いた高官や有力OBの誰一人として「トランプ大統領」を予測していなかった。某高官などは「接戦ですらない」とまで断言していた。外務省の楽観的な見通しも後押ししたであろう9月の安倍晋三首相とクリントン候補との会談は、失策としか言いようがない。

 そういう産経はトランプ大統領を予測していたのか、当時、クリントンと安倍の会談を批判していたのか、と聞きたくなりますね。いや「日本以外の外国の政財界やメディア」、米国のメディアや政財界だってどこまでこのトランプ当選を予測していたのかどうか。フィリピンのドゥテルテも「暴言王」ですが彼の場合、「ダバオ市長として築いた人気や地盤をバックに」選挙前から圧勝が予測されていたからトランプとは全然違います。

 トランプ流の「在日米軍の駐留経費を全部出せ」といったむき出しの本音には、日本も本音で向き合えばいいのである。

 「そんなに出せるか、バカ」「在日米軍は日本防衛じゃなくて、米国の世界支配のためのもんだろ(まあ、ワシら日本政財官界にとってもメリットがあると思うから基地があるんやけど)」「むしろ米国に置くより日本に置く方が米国の負担減ってるんやで」と言うのかと思いきや違います。

 大統領になったらそんなむちゃな要求はしないだろう、という幻想は捨てなければならない。いよいよ米軍が撤退する、となれば、自衛隊の装備を大増強すればいい。その際は自前の空母保有も選択肢となり、内需拡大も期待できる。沖縄の基地問題だって解決に向かうかもしれない*1

 さすがに産経も「分かりました、子分として親分のご期待にこたえて全額負担します」と言う気はないようですが、「ええ、お前ら日米安保堅持と言ってたのは何だったの?」ですよねえ。安倍自民や財界、防衛省はともかくこれが反米・産経の本音なのでしょう。
 「俺は本当は米国が嫌いだから出ていきたいなら出ていけばいいだろう。無理していて欲しいとは少しも思ってない」と。
 それにしても「トランプと支持者」「産経」は米軍が撤退したら日米安保はどうする気なのか。やめる(安保条約廃棄)のか、はたまた「駐留なき安保(昔の民社党)」なのか。

TPPも米国抜きで発効させる方策を真剣に検討していい。

 まあ、TPPについて言えば本当にトランプが「やめるかどうか」は微妙な気もしますが「米国を何とかTPPに入れる」「それが無理ならあきらめる」しかないでしょうに、「米国抜きでもやりたい」て。そんなことが現実的に可能とはとても思えませんが。

*1:そりゃ本当に米軍がいなくなれば解決するでしょうね。