今日の人民日報&産経ニュース(11/11、12分)

■人民日報『鳩山由紀夫元首相が「重慶爆撃」を謝罪』
http://j.people.com.cn/n3/2016/1111/c94473-9140496.html
 首相退任後、議員退任後ではなく首相在任中、議員在職中にやって欲しかったと思いますが、それなりに評価はしたいと思います。


【ここから産経です】
■【今週の注目記事】象牙に続き、中国がアフリカで「ロバ」爆買い…密輸組織まで!? 絶滅の危機と顰蹙(ひんしゅく)買う理由とは(岡田敏一)
http://www.sankei.com/west/news/161112/wst1611120012-n1.html
 いつもの産経の中国叩きですが、俺的に興味深い点があるので紹介します。

 中国では古くから、ロバの皮を水で加熱・抽出したゼラチンが「阿膠(あきょう)」という生薬として売られています。この「阿膠」、中国では、血液の循環を活発にし、貧血や風邪、不眠症に効くといわれ、美容にも良いとされています(コラーゲン効果?)。

 「ただの迷信じゃないか」つう気がしないでもありません。

 約2500年前に書かれた中国最古の医学書「五十二病方」にも記載があるという立派過ぎる生薬で、この時代から大変高価な貴重品として珍重されてきました。ところが昨今、中国の東部の山東省東阿県といった主要なロバの産地で、ロバの個体数が激減しているのです。
 理由は簡単。農家の間でロバの代わりに農機具やトラックを使って畑を耕したり、収穫した穀物を運搬したりといった“近代化”が急速に進み、ロバを飼う農家が急減しているからです。
 中国当局の統計調査によると、ここ20年でロバの数は1100万頭から600万頭へと、ほぼ半減しているといい、いまも毎年30万頭ずつ、その数を減らしているといいます。
 それでも「阿膠」の需要は根強く、ロバ自体の個体数の激減によって「阿膠」の値段もどんどん高騰。今年1月28日付の米紙ニューヨーク・タイムズ(電子版)によると、牛や豚、馬の皮のゼラチンを混ぜた粗悪品も大量に出回る騒動も起きており、代表的なロバの産地である山東省東阿県では、自分たちのところで作った「阿膠」について、DNA証明書を付けるなど、粗悪品対策に追われています。

 中国も近代化が着々と進んでるようです。それでも未だに「ロバが600万頭もいるのか」と思いますが。

 しかし、個体数の減少に歯止めがかからず、中国ではロバを海外から“爆買い”することに決めたのですが、主要な輸入先として目を付けたのがアフリカ諸国でした。

 アフリカは近代化が進んでないという事でしょう。

 8月、西アフリカのブルキナファソが、これに続いて9月には同じ西アフリカのニジェールが、ともにロバの輸出を禁止すると発表したのです。

 ロバの絶滅が危惧されるのなら仕方がないでしょう。ただしそれだけのことであって別に反中国というわけでもない。

 しかし、どうしてこれほど中国への輸出量が増えたのか。これも理由は簡単。中国側がロバの買い取りの値段をどんどんつり上げたからです。

 それが「資本主義経済」つうもんですが何か問題なんでしょうか。いやもちろん「爆買いでロバ絶滅の危機があること」は問題ですが「高値がつくこと」それ自体は「需要と供給に基づく当然の結果」です。「絶滅の危機にあるが需要はあまり減らない」ので「鰻の値段が日本で上がってる」のと話は変わりません。

 ブルキナファソニジェールの政府では、これを放置しておくと国内からロバが消えてしまうとの懸念から、輸出を禁止したのです。
 とはいえ、悲しいことに、こうした動きがアフリカ全土で広がるかといえば、疑問であるとの見方が広がっています。なぜなら、中国がロバを高値で買ってくれると知った他のアフリカ諸国の国々、とりわけ、経済的に豊かなケニア南アフリカがロバの飼育や取引を積極化し始めたからです。

 まあ金儲けのことだけ考えればそうなるでしょう。「経済的に豊かな」云々というのは「豊かだから農作業はロバ使いません、機械を使います。だからためらいなくロバが殺せます」つうことでしょう。

 とりわけロバは、いまもアフリカ諸国の多くで農作業を手伝ったり、物品を運搬したりといった仕事を担う重要な家畜であり、農民の相棒です。
 そんなロバの命が、バブリーな土地転がしで大儲けした中国の金ぴかゲス成金の健康や美容維持といった気まぐれに費やされることに、怒りを覚えるのは記者だけではないでしょう。

 「農作業を手伝ってくれる家畜ロバを食べる事なんてかわいそうでできない、そんなことに関わる人間(ロバをと殺して肉にして売る人間、その肉を食べる人間)が動物愛護精神(?)から許せない」と産経が思うのは産経の勝手ですが、そんな事を言ったら「農作業に使われる牛」の肉*1だって食えなくなると思うし、「愛玩動物である犬や猫*2を食べるなんて中国や韓国は残酷」「ホエールウオッチングで魅力的な姿を見せてくれる鯨を食べるなんて日本人は(以下略)」となると思いますが。つうか本当は単にアンチ中国の癖に良くこういう「心にもない虚言」が言えます。


■【産経抄】11月12日
http://www.sankei.com/column/news/161112/clm1611120004-n1.html

 ドナルド・トランプ氏の米大統領選での勝利が世界中の耳目を集めたため目立たなかったが、8日は同時に米上下両院選の投開票も行われた。
「朗報だ。良かった。万歳した」。
 自民党山田宏参院議員が10日の派閥会合で喜びを表明*3したのは、大統領選の結果についてではない。
▼この日、カリフォルニア州選出の米民主党の日系下院議員、マイク・ホンダ氏が落選した。

 慰安婦問題でのホンダ氏の態度が気にくわないから落選を喜ぶなどと言うのはおよそまともな態度ではありません。そもそも選挙では慰安婦問題など争点になってはしません。
 ホンダ氏の敗北としては「ホンダ氏が70歳代で、対立候補が40歳代と若いこと」が大きな理由の一つでしょう。
 ホンダ氏に勝った民主党候補*4慰安婦問題に対する態度は知りません。ホンダ氏ほどには積極的ではないかも知れない。ただしさすがに産経に協力することはないでしょう。
 大体「最も積極的に活動したのがホンダ氏」だとしても例の下院決議は「下院の意思」なのだから「政府見解・河野談話河野氏*5個人をあげつらうくらい」産経や山田の態度は馬鹿げています。ホンダ氏が落選しようと慰安婦問題での米国下院決議には何の影響もない。

テレビドラマ『スクール☆ウォーズ』の原作者である同州在住の作家で、米国での慰安婦像設置運動と戦ってきた馬場信浩氏

 TBSドラマ「スクールウォーズ」(1984〜1985年、後に何度か再放送)を「再放送で」楽しく視聴していた俺としては「残念な話」です。
 なお、当時の「TBS大映ドラマ」といえば、

・原作では男女の三角関係など書かれてない深田祐介*6スチュワーデス物語」(文春文庫)のドラマ化(1983〜1984年、後に何度か再放送)で、主人公の新人スチュワーデス(堀ちえみ)と教官(風間杜夫)、教官の婚約者(片平なぎさ)の三角関係をぶち込む
・原笙子(1933年生まれ)「不良少女とよばれて」(1984年、筑摩書房)のドラマ化(1984年、後に何度か再放送)で「原の少女時代は1950年代」であるにもかかわらず「ドラマ製作時の1984年の時代設定でドラマ作成→当然、原作からかなり改変される」

つう荒技を平気でやっています(ウィキペ『原笙子』『スチュワーデス物語』参照)
 おそらく「スクールウォーズ」でも馬場「落ちこぼれ軍団の奇跡」(光文社文庫)のドラマ化においてそうした大幅な改変はかなりやってるでしょうし、そう言う意味でTBS大映ドラマの場合「原案」とは呼べても原作と呼べるかは疑問です。原作と呼べるのは「大幅改変後」の脚本家の脚本でしょう。
 なおただの偶然ですが、「スチュワーデス物語」の深田祐介も馬場氏のような「産経系ウヨ」ですね。まあ深田も馬場氏も、ドラマ放映当時はご本人が世間に向かってウヨ的言動をしてなかったので、当時はそんなウヨだとは「親しい人間以外は」「一般人は」誰も知らなかったわけですが。
 この点は、「キャスター時代やテレビタレント時代はウヨ言動をしていなかった」櫻井よしこケント・ギルバートと良く似ています。


■中国牽制の狙いも 日本とインド、首脳会談で共同歩調
http://www.sankei.com/politics/news/161111/plt1611110029-n1.html
 産経や安倍が思ってるほどにはインドにはそんな思い入れはなく「日本からODAを引き出すために」適当に調子を合わせてるに過ぎないでしょう。


■【メディア裏通信簿】自衛隊讃える拍手悪い? 朝日とTBSサンデーモーニング SAPIOに安倍政権動かす陰謀シリーズ
http://www.sankei.com/premium/news/161112/prm1611120017-n1.html

先生
 SAPIO11月号は「安倍政権を動かす『神社本庁』の密事」という特集をやっていたな。  
女史
 また出た! 安倍政権を動かす組織の陰謀シリーズだね。
教授
 日本会議のときと全く同じやり方ですね。神社本庁が、安倍政権を操っているわけがないし、そこまで政治的影響力はありませんよ。
「大臣20人中19人が『神道政治連盟メンバー』」とも書いていますが、自民党の国会議員は選挙対策もあってほとんど入っているんだから、当たり前ですよ。

 おいおいですね。何でそこまで必死に「安倍政権も自民党日本会議とも神社本庁とも関係ないんだー」と言わないといけないのか。もちろん「関係はある」が、「その関係は隠したいから」でしょう。
 そもそも「神道政治連盟に入ることが選挙対策になる」なら立派に神社本庁には政治力があるでしょう。


■「法律上、当然だ」死刑執行で弁護士グループが初の声明 死刑に否定的な日弁連会長声明は「弁護士の総意ではない」
http://www.sankei.com/affairs/news/161111/afr1611110025-n1.html
 こういう声明を「団体の公式声明」として出すのなら最低限、団体名から「犯罪被害者支援」の看板は下ろして「死刑存続」の看板でも上げるべきでしょう。
 「犯罪被害者支援=死刑存続」でもなければ、「死刑廃止した欧州諸国家=被害者支援が存続国に比べ不十分」「死刑存続国家(米国、日本など)は廃止国に比べ被害者支援が充実」てわけではないのですから。死刑存続のために被害者をダシに使ってるだけじゃないですか。
 正直、被害者(例:殺人事件の遺族)にとっては「死刑執行」より「経済支援や精神被害に対する医療的ケア」のほうがよほど必要なことじゃないのか。
 北朝鮮打倒論のために拉致被害者家族をダシに使ってる救う会並に醜悪で愚劣な連中ですね。

*1:まあ肉牛と農耕牛は通常、種類が違いますが。

*2:勿論これも牛同様、愛玩用と食用(?)は恐らく種類が違うのですが。極端な話、チワワなんか食べないわけです。

*3:これについてはたとえば、■毎日新聞『自民・山田宏氏、米下院選でホンダ氏落選に「朗報だ」』(http://mainichi.jp/senkyo/articles/20161111/k00/00m/010/024000c)参照

*4:共和党ではなく民主党だそうです。分裂選挙共和党が勝てない(そもそも共和党候補が出てない?)わけです。さすがクリントンがカリフォルニアで勝って55票選挙人獲得するだけのことはあります。

*5:中曽根内閣科学技術庁長官、宮沢内閣官房長官、村山、小渕、森内閣外相、衆院議長を歴任

*6:日本航空でロンドン支店駐在員や本社広報室次長などを歴任。1976年にエッセイ『新西洋事情』で大宅壮一ノンフィクション賞を受賞。1982年に経済小説炎熱商人』で直木賞を受賞し、日本航空を退社して作家として創作活動に専念(ウィキペ「深田祐介」参照)。