今日の中国&朝鮮・韓国ニュース(2020年8月26日分)

【主張】習氏訪韓の合意 文氏は離間の計に乗るな - 産経ニュース

 中国外交担当トップの楊潔チ*1(よう・けつち)共産党政治局員が韓国・釜山で徐薫*2(ソ・フン)韓国大統領府国家安保室長と会談し、新型コロナウイルスの感染状況が落ち着き次第、習近平*3国家主席訪韓を実現させることで一致した。
 「冷戦期の米ソ以上*4」(ポンペオ*5国務長官)に米中両国が対立を深める中での習氏の早期訪韓合意は、韓国の同盟国である米国の決定的な不信を買う行為だ。

 「いつもながら、産経って反中国で頭が狂ってるな」としか言いようのない駄記事です。
 韓国にとって中国は1)重要な貿易相手国であるとともに、2)隣国であり、また、3)北朝鮮に大きな影響力が及ぼせる国です(まあ韓国に限らず多くの国にとって中国は1)ですが)。
 つまり「中国と仲良くすれば利益になり、敵対すれば不利益になる」のだから「仲良くする」のは当たり前の話であり、それは「離間の計に乗る」と言う話では無い。
 そして当然ながら「中国と仲良くする」ということは「米国と敵対する」と言う話では無い。
 大体「秋に習主席が訪日する予定」なのに産経は何を馬鹿なことを言ってるのか。
 ならば安倍にも

◆習氏訪日の合意 安倍首相は離間の計に乗るな
◆「冷戦期の米ソ以上」(ポンペオ米国務長官)に米中両国が対立を深める中での習氏の訪日計画は、日本の同盟国である米国の決定的な不信を買う行為だ。

というのか?、と聞きたくなりますが言うんでしょうねえ、産経ですから。まあ、安倍は無視するでしょうし、産経も最後は腰砕けになる(習氏訪日について安倍批判しなくなる)でしょうが。

 だが、文*6大統領は中国の甘い言葉に乗ってはいけない。思い出すべき一件がある。
 2017年12月、文氏は国賓として中国を4日間訪問したが、習氏および中国指導部との会食は2度だけで、当初調整された李克強*7首相との会食は設定されなかった。

 そう言う話じゃないんですけどね。ガキの喧嘩じゃないんだから「中国が無礼だから付き合わない」つうわけにもいかない。

 文氏はこの訪中前に「韓米日関係を軍事同盟にしない、米国主導のミサイル防衛システムに入らない、(米軍の)高高度防衛ミサイルシステム(THAAD)の追加配備をしない*8」という「三不政策」を約束していた。
 中国は冷遇することで「三不」の実行を強く迫った。そこには礼節を伴う対等な関係は存在しない。

 産経記事をもじれば

 日本はホワイト国除外やフッ化水素水輸出規制で「慰安婦像の撤去」や「徴用工判決の撤回(?)」を強く迫った。そこには礼節を伴う対等な関係は存在しない。

ですよねえ。自分らが韓国を目下に見て、無茶苦茶(WTO違反など違法行為の疑い濃厚)やらかしてる分際で良くも「中国のような無礼な国と韓国は仲良くしていいのか」といえたもんです。
 韓国からすれば「無礼なのは手前ら日本ウヨも変わらないだろ!」「まだ、『中国を仮想敵国とした軍事同盟の強化は許さない!』の中国の方が理解できるわ(是非はともかく)。お前ら日本ウヨの態度はただのくだらない感情論じゃねえか!」と呆れて二の句が継げないでしょう。

*1:駐米大使、外相、国務委員(外交担当)などを経て中国共産党政治局員、党中央外事活動委員会弁公室主任(楊潔篪 - Wikipedia参照)

*2:国家情報院長などを経て大統領府国家安保室長

*3:福州市党委員会書記、福建省長、浙江省党委員会書記、上海市党委員会書記、国家副主席、党中央軍事委員会副主席、国家中央軍事委員会副主席などを経て党総書記、国家主席党中央軍事委員会主席、国家中央軍事委員会主席

*4:反中国極右のトランプ政権が無茶苦茶やってるだけの話で、共和党穏健派や民主党は「中国批判するにしても」あそこまで無茶苦茶ではないので全然「冷戦期の米ソ以上」などではないですね。

*5:下院議員(カンザス州選出)、CIA長官を経て国務長官

*6:盧武鉉政権大統領秘書室長、「共に民主党」代表を経て大統領

*7:共青団共産主義青年団)中央書記処第一書記、河南省長、河南省党委員会書記、遼寧省党委員会書記、第一副首相などを経て首相(党中央政治局常務委員兼務)

*8:つまりは中国はこれら全てが「中国をターゲットにした反中国的な物」と見なしてるわけです。