今日の産経ニュース(12/18分)ほか

朝日新聞『NHK批判ばかりの市議、なぜ相次ぎ誕生 浮動票に照準』
http://www.asahi.com/articles/ASJD25CQWJD2UTNB02H.html

 NHKを視聴しないことを理由に受信料を払わない人を応援します。NHKの集金人の戸別訪問を規制します――。NHK批判一点張りの主張を掲げた市議が昨年と今年、埼玉県内で相次いで誕生した。
(中略)
 「我が家は、NHK関係者の戸別訪問をお断りいたします」
 こう書いた縦6センチ、横9センチの黄色いシールを週に2回、希望する人に郵送するのが、埼玉県朝霞市議の大橋昌信氏(41)の「政治活動」だ。
(中略)
 大橋氏を市議選に立てたのは、政治団体「NHKから国民を守る党」だ。

 埼玉県民としてがちで恥ずかしいですね。そもそも「国政ならまだしも」市政とNHKと関係ないし、この「NHKから国民を守る党」なる怪団体はもちろん「ご想像の通り」トンデモ極右系列のわけですし。
 安倍が一日も早く下野しないと何処までも日本がやばくなるという恐怖感と憂鬱が襲ってきます。


【ここから産経です】
キューバで民泊市場拡大 観光客急増で一般家庭にもビジネス好機 競争激化
http://www.sankei.com/world/news/161218/wor1612180015-n1.html

 キューバの観光業は14年に米国との国交正常化交渉を開始してから特に注目を集め、15年は観光客340万人を突破し、今年はそれを上回るペースで増加。日本からは15年に前年比約80%増の約1万4000人が訪れた。
 キューバへの外国資本のホテル進出も目立つが、供給は追いつかず、民泊市場も拡大を続けている。

 キューバも改革開放に積極的に乗り出してるようです。


■【ニッポンの議論】選挙候補者数の男女均等法案は是か非か? 野田聖子*1「法律で啓発しないと」 西田昌司氏「女性に価値観強要」
http://www.sankei.com/politics/news/161218/plt1612180006-n1.html
 まあ、そもそも対談ではなく「個別インタビュー」ですが、まるきり話はかみ合っていませんね。と言うのも野田が「女性議員を増やさなくちゃいけない」「その為の案ならこの法案にこだわらない、とにかく増える方向性の案なら基本的に飲むつもりだ」としているのに対し、日本会議系ウヨ・西田は「女性議員が増えなくてもいい、そもそもそんな法案いらん」と言い出すからです。
 野田からすれば「女性が輝く社会て首相言うてるやろ。政治家やなくて民間企業やけど、民間企業の女性就業率を上げるために女性活躍推進法つう法律もその為に安倍政権で作ったやろ。」「男女共同参画基本計画(http://www.gender.go.jp/about_danjo/basic_plans/4th/参照)でも政府の目標として女性政治家を増やすことに努力する、て書いてあるやないか。だからこそ稲田*2防衛相とか高市*3総務相とかいるのと違うのか」「それなんに今さら『女性議員増やす必要があるか』とか『女性の社会進出が増える必要があるか』とかそこから議論するんか?。それ今さら『少子化対策が必要かどうか、少子化が進行しても別に社会に問題ないのと違うか』『温暖化対策が必要かどうか、温暖化しても問題ないのと違うか。そもそも温暖化の原因はCO2か』とか言い出すんと同じと違うのか。女性議員増やすことそれ自体はもう政府の方針として決まってることやないか」と言いたいでしょうね。


■「死刑反対と軽々しく口にしないで」闇サイト殺人で一人娘を奪われた遺族が訴え
http://www.sankei.com/affairs/news/161219/afr1612190006-n1.html

 パネルディスカッションでは、日弁連死刑廃止検討委員会事務局長の小川原優之弁護士が「日本は人権を尊重する民主主義社会を選択している。被害者支援をする一方で、生命を奪う刑罰を終身刑に置き換えられないかということだ」と宣言に理解を求めた。

 小生だったらこんな「建設性があるとはとても思えない死刑賛成派のイベント」には「招かれても参加拒否します」がまあ、小川原さんは責任感あふれる方なんでしょうね。イベントに来てた奴にどれほど彼の考えが伝わったかは分かりませんが。


■【死刑制度廃止論】闇サイト殺人遺族の磯谷富美子さん基調講演詳報 「被害者が1人でも、私にとってはかけがえのない大切な娘」 残忍な殺害状況も子細に
http://www.sankei.com/affairs/news/161218/afr1612180005-n1.html
■名古屋闇サイト事件における被害者の母親の主張を批判する(1)
http://blog.goo.ne.jp/mccreary/e/a643e3481c224a8146d724a6f4041bf3
■名古屋闇サイト事件における被害者の母親の主張を批判する(2)
http://blog.goo.ne.jp/mccreary/e/4b9cf16cf38d2190d827011571493b01
などでid:Bill_McCrearyさんが批判していた例の母親の件です。
「殺したいから死刑賛成だ、何が悪い」というただの感情論です。産経らしい非常識さです。
 磯谷氏の感情論については「産経のようなバカがいない限り*4」俺個人は何も言いたくありません。非常識だと思うが遺族なので仕方がない面もあるし無視すればいいだけですから。産経のように褒め称え、持ち上げるバカが許し難い。
 「あなたが肉親を殺された私の立場でも死刑反対か*5」てそんな感情論持ち出していいのなら死刑反対論の方も「免田事件の免田栄氏」とか死刑冤罪被害者呼んできて「あなたが死刑冤罪被害者の私の立場でも死刑賛成か。あなたが冤罪で絞首刑になっても死刑賛成か。絞首刑にならなくても、死ぬまで刑務所でも死刑賛成か」と言えるわけです。
 もちろん我々が「冤罪で死刑判決が出ない」という保障はどこにもない。
 でそう言う感情論の応酬してもしょうがないでしょう。
 大体この感情論丸出しの理屈なら「傷害致死だろうが過失致死だろうが、人を死なせた奴は死刑にしろ。何故殺人限定で死刑なんだ」「消防法違反で多数の人間を死なせたホテルニュージャパン火災の横井英樹(業務上過失致死で有罪判決)を死刑にしてくれ。あいつのせいで何人死んだと思ってるんだby遺族」とか言うのもありになってしまう。
 「強姦犯は2度と強姦できないように去勢してくれ、古代中国みたいに」とか言うのもありになってしまう。それもはや法治国家じゃないでしょう。
 これについてはid:scopedog氏の

http://d.hatena.ne.jp/scopedog/20161220/1482274203
 もし自分の家族が、危険運転致死の被害者、あるいは医療ミスによる被害者になっても、あるいは詐欺やいじめ・パワハラ被害によって自殺に追い込まれたとしても、自分はその加害者に対して“死ねばいいのに”と思うでしょうね。それは遺族として自然な感情ですから。
 ですがこれらの場合、制度的に死刑にはなりませんし、世間も死刑に賛同しないでしょう。

という指摘に賛同します。遺族感情がどうのこうの言ったら「繰り返し」になりますが、「傷害致死や過失致死」でも「遺族の中には死刑を望む人もいる」でしょうが、現行法上、その場合、法定刑に死刑は存在しないわけです(注:セウォル号事件のようなケースだと「救助もせず見殺しにした→「未必の故意による殺人認定」もあり得ますがそれはあくまでもレアケースでしょう)。
 いや人によっては「器物損壊」でも「俺が大事にしていたものを壊しやがって許せん、殺してやりたい」となるでしょうし、「仮に死刑制度を認めるにせよ」その場合の死刑適用は「遺族感情とイコールではあり得ない」わけです。

遺族も真犯人を野放しにするような冤罪は望んでいません。しっかり裁いてほしいと思っています。

 さすがに「免田事件、財田川事件(再審無罪判決が出た死刑冤罪事件)」「足利事件(死刑判決が出てもおかしくなかった再審無罪事件)」などがある国日本なので、冤罪を理由とした死刑廃止論について「気にはしてる」ようですが、口先でこう言うだけです。冤罪防止の制度改正を唱えるわけでもない。無責任にも程があります。

真実をしゃべらせ、その罪に見合う刑罰が科せられるよう働くのが弁護人の仕事と思っていましたが、どうもそうではなさそうです。

 彼女の言う仕事は検察官、あるいは裁判官の仕事でしょう。弁護士の仕事が「被告人の権利擁護」であり、だからこそ黙秘権もあるのだと言う事ぐらい理解して欲しいですね。
 そんなんロッキード事件での田中角栄(丸紅が贈賄を認めたのに無罪主張)とか見てれば分かりそうなもんですが。
 もちろんだからといって「証拠隠滅(証人脅迫を含む)とか証拠捏造(たとえばインチキアリバイのでっち上げ)とか」違法行為までする事は許されませんが、何も「自分から進んで自白する必要もない」。そりゃ罪を認めることは「道徳的にいいこと」ですが「法的にそうしなきゃいけない」という価値観に法律はたってない。たってないから黙秘権があるわけです。
 何のために黙秘権があると思ってるのか。

こんなやり方で刑が軽くなった被告人は犯した罪と向き合うこともせずに、刑を軽くするやり方を学び、もっと凶悪になっていくのではないでしょうか。

 「殺人に快楽を覚える狂人」「職業的人子殺し(ヤクザの抗争を含む)」とかでもない限り刑が軽くなったら*6「もう2度と犯罪はしない」と思うでしょうね。「もっと凶悪になる」なんてことは普通に考えてない。

終身刑といいますが、誰が彼らを死ぬまで養うのですか。

その理屈だと「無期に限らず懲役刑なんか辞めてがんがん死刑で殺そう」ということになりかねないこともわからないようです。いや本気で彼女と産経はそう思ってるのかも知れませんが。

*1:小渕内閣郵政相、福田内閣食品安全等担当相、麻生内閣消費者問題等担当相、自民党総務会長(第二次安倍総裁時代)など歴任

*2:第二次安倍内閣行革相、自民党政調会長(第二次安倍総裁時代)など歴任

*3:第一次安倍内閣沖縄・北方等担当相、自民党政調会長(第二次安倍総裁時代)など歴任

*4:と言うより産経のようなバカがいない限り彼女の感情論を知る機会もないでしょうが。

*5:そうなったときに「死刑反対から賛成に変節し、死刑廃止派を誹謗するまでに人として腐敗・転落した岡村勲弁護士」のような「醜悪な姿をさらさない」と言える自信は「人格者でも何でもない」俺にはありません(そう言う自信のある方も中にはいるでしょうが)。ただし「死刑の問題点(死刑冤罪など)を考えればそういう感情論で死刑は支持できない」「国際的にも死刑廃止が時代の潮流だ」「そうなることはないだろうし、ならないことを望んでるが不幸にして肉親や友人が無法者に殺害されても涙をのんで死刑反対論を維持する、そう言う人間でありたい。」とは俺は言いますね。実際、凶悪犯罪の遺族でも「殺しても意味がないんじゃないか(むしろ生かし続けた方が刑として重いんじゃないか)」などの理解から死刑を支持しない人は「数の多少はともかく」います。

*6:と言っても殺人だと「介護疲れによる殺人」など同情の余地がない限り通常、長期の実刑は免れませんが。