今日の産経ニュースほか(7/23分)(追記・訂正あり)【加計・森友ネタが中心】

週刊新潮『雲隠れ「加計学園」理事長を追跡』
https://www.dailyshincho.jp/article/2017/07200800/

 下村事務所から流出した陳情の“報告書”には、度々、加計学園の秘書室長の名前が登場する。
(中略) 
 当時、下村幹事長代行は文科大臣の地位に就いていた。その陳情に対し、大臣秘書官の対応は、〈→事務方を通して、お願いをいたしました〉。
「要するに、文科省トップの下村さんに担当部署への仲介を依頼できるほどズブズブの関係だったわけです。加計学園からの200万円の闇献金疑惑が報じられた下村さんは、学園関係者が学園以外の計11の個人、企業のパーティ券購入代金を取りまとめて持参したもので、闇献金ではないと主張した。ところが、その学園関係者とは、他ならぬこの“秘書室長”のことですから、にわかにその主張を信じるわけにはいきません」
 加計理事長と切っても切れない間柄なのは、安倍総理の“側近中の側近”、萩生田光一官房副長官も変わりはない。
 09年の総選挙で落選し、浪人中の約2年半、千葉科学大学危機管理学部客員教授の職を充てがわれ、月10万円の給料を得ていた。のちに政界復帰し、無報酬の名誉客員教授となっていたが、官房副長官就任に伴い、兼職届を提出しなかったために、現在、大臣規範に抵触するとの批判が持ち上がっている。
 散々甘い汁を吸わせた甲斐もあってか、“総理のご意向”を錦の御旗に、獣医学部新設を強引に推し進めることができた加計理事長。そのうえ、総工費の半分、96億円は愛媛県今治市補助金で賄われるのはご存じの通りだ。

 「南京事件河野談話否定論をぶちかます」など、極右の週刊新潮がここまで安倍に批判的とは驚きます。まあそれだけ加計疑惑が酷いと言う事ですが。


朝日新聞朝日新聞社の森友・加計スクープにJCJ大賞』
http://www.asahi.com/articles/ASK7M3SCRK7MPTIL00Z.html

 日本ジャーナリスト会議(JCJ)は19日、優れたジャーナリズム活動や作品に贈る今年のJCJ賞を発表し、大賞に朝日新聞社の「『森友学園』への国有地売却と『加計学園獣医学部新設問題を巡るスクープと一連の報道」を選んだ。
 選考理由で「国政を揺るがす両問題を最初に報じた後、関連各省の記録文書の存在などを報道し続けた」「民主主義の原則を掘り崩そうとした問題の取材・調査報道の積み重ねの価値は大きく、メディアの存在感・信頼を高めた」と評価。安倍晋三首相夫妻の関与への疑惑が、両問題に共通しているとも指摘した

 まあ、順当な判断かと思います。


■日テレ『文科省 加計文書流出うけ新入職員に研修へ』
http://www.news24.jp/articles/2017/07/21/07367599.html

 加計学園獣医学部新設をめぐる省内の文書が外部に流出したことをうけて、文部科学省は、今後、新入職員に文書作成や機密の扱いについての研修を行うなどとした改革案をまとめた。

 「そう言う問題じゃねえだろ」て話です。誰が考えてもリークしたのは若手職員じゃないでしょうし。


東京新聞『なぜ獣医学部固執 加計学園「学生集めやすい」』
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201707/CK2017072302000114.html

獣医学部ならば、どこも志願者が二十倍ぐらいあるので、学生集めに苦労しない」。
 当時市長だった越智忍県議は、加計氏の言葉を今でも覚えている。
(中略)
 系列大学の教授の定年引き下げを巡り、六年前に教授らが起こした民事訴訟の中で、学園側は学部を新設する狙いを次のように明かしている。
少子化による学生減少で学生確保の競争が激化することは明らか」
「時流に即した興味深い新たな学部を創設することは大学の活性化につながる」
 これに対し、教授らは新学部で次々と定員割れが起きている実態を示し、獣医学部構想について「度重なる失敗の反省もなく設置するのは許し難い」「無謀というほかない拡張計画」と訴えた。
 学園の教職員組合が二〇一四年に実施したアンケートでも、獣医学部新設に「反対」「どちらかというと反対」が七割強に上った。

 仮に獣医学部を新設してもすぐに行き詰まるのが眼に見てるんじゃないか。


週刊朝日『スクープ! 加計疑惑 官邸で今治市と密会した“真犯人”は安倍首相の懐刀 特区申請前になぜ?』
https://dot.asahi.com/amp/wa/2017072300011.html

 安倍晋三首相が出席し、7月24、25日に行われる国会の閉会中審査。
 これまでの審議では、加計学園問題について多くの疑惑が未解明のままになっている。その一つが、2015年4月2日、愛媛県今治市の企画課長と課長補佐が首相官邸を訪れていたことを示す今治市側の記録があることだ。
 (ボーガス注:市長ではなく)市町村の課長クラスが首相官邸を直接訪問していること自体も目を引くが、その時期は今治市が国に国家戦略特区での獣医学部新設を提案する2カ月も前のこと。いったい、誰と何が話し合われたのか。「加計ありき」のレールが、この時期から敷かれていたのではないのか。
 だが、肝心の訪問相手は今治市側が公開した資料では黒塗り。7月10日の閉会中審査で自由党森ゆうこ*1議員が質問したが、萩生田光一官房副長官は「訪問者の記録が保存されていないため確認できなかった」と煙に巻いた。たかだか2年前のことなのに、面会相手が誰だったかすらわからないというのだ。
 そんな中、本誌はこのときの面会者について重要な証言を得た。事情を知る今治市関係者がこう語る。
「実は、このとき面会したのは経産省出身の柳瀬唯夫首相秘書官(当時)。柳瀬氏は今治市の担当者ら少なくとも3人と会い、『希望に沿えるような方向で進んでいます』という趣旨の話をしたと伝わっています」
(中略)
 安倍首相の懐刀である柳瀬氏が直接、今治市の担当者を官邸に招いて面会していたとすれば、やはり“特別扱い”という疑念を抱かざるを得ない。前出の関係者もこう語る。
「面会の後、今治市では『ついにやった』とお祝いムードでした。
(中略)
 国会議員が同行しても、課長にすら会えない。それが『官邸に来てくれ』と言われ、安倍首相の名代である秘書官に会えた。びっくりですよ。『絶対に誘致できる』『さすがは加計さんだ、総理にも話ができるんだ』と盛り上がったというのは有名な話です」
(中略)
 こうした真相も含め国会で明らかにしない限り、支持率が回復することはないだろう。

 こうやってどんどん疑惑が出てくるわけです。安倍ももうあきらめて首相を辞任した方がいいんじゃないか。


【ここから産経です】
■TBS系心霊番組でやらせ写真? 番組出演の心霊研究家「偽造されたものに霊的なものが宿る」とブログに書くも削除
http://www.sankei.com/affairs/news/170723/afr1707230015-n1.html
 やらせがあったかどうか真偽は不明ですがいい加減こういう問題を起こすのはやめて欲しいですね。
 そもそもやらせがなくても「心霊写真みたいに見える写真」は「単にそう見えるだけ」の話の訳でオカルトを垂れ流すなどとんでもない話です。こういう事をする事が「霊感商法」などの悪徳商法を助長してるという理解はないのか。


■【ニュースの深層小池百合子*2が頼りにする男は「野心家」 都民ファーストの会代表、野田数氏の実像
http://www.sankei.com/premium/news/170723/prm1707230013-n1.html
 「野田の実像」というタイトルなのに

■野田数(ウィキペ参照)
東京維新の会時代の2012年10月には、土屋敬之と共に紹介者となり、弁護士の南出喜久治による「日本国憲法無効論に基づく大日本帝国憲法復活」請願を東京都議会に提出した。その中で「我が国の独立が奪われた時期に制定された」と現行憲法の無効を主張するとともに皇室典範についても「国民を主人とし天皇を家来とする不敬不遜の極み」「国民主権という傲慢な思想を直ちに放棄」すべきことを主張した。

という野田の反動極右性について触れてないところが興味深いですね。
 さすがの産経も野田の極右性は宣伝できるモンではないと自覚してるのでしょう。しかし野田みたいな非常識極右を側近にしてるのだから小池も相当の極右か、あるいは都民ファが深刻な人材難と言う事でしょう。


仙台市長選投票始まる 無所属4新人が立候補
http://www.sankei.com/politics/news/170723/plt1707230012-n1.html

 立候補しているのは、いずれも無所属新人で、元衆院議員、林宙紀*3(39)、元復興政務官郡和子*4(60)、葬祭業社長、菅原裕典氏(57)、元衆院議員、大久保三代*5(40)の4人。現職の奥山恵美子*6(66)は2期で引退を表明した。
 自民党宮城県連と公明党県本部、日本のこころが菅原氏を支持し、民進、社民両党県連が郡氏を支持、共産党県委員会と自由党が支援している。

 もちろん地方選挙というのは必ずしも国政とは関係ないわけですが「自公VS国政野党四党(民進、共産、社民、自由)」という構図が成立しているし、自公、野党四党ともどちらも何とか勝利したいところでしょう。
 事前調査に寄れば郡氏がやや先行(もちろん最大のライバルは自公支持の菅原氏)してるようですので、その調査結果通りになれば幸いです(追記:世論調査通り、郡氏が勝利しました)。


■真の愛国者が持つ強さ
http://www.sankei.com/premium/news/170723/prm1707230009-n1.html
 「政権与党・中国共産党が非難していても劉暁波*7は中国の愛国者」だそうです。
 まあ、日本では安倍批判派に売国だの何だのと誹謗かましてる新聞がよくも偉そうな事が言えたモンです。
 まあ、産経が中国にあったら「劉暁波を批判するのが真の愛国者」とためらいなく言ってるでしょうね。産経はそう言う権力御用新聞でしょう。


■【新聞に喝!】新聞は倒閣運動の“ビラ”だ*8 ストレートニュースまで歪められている 作家・ジャーナリスト 門田隆将
http://www.sankei.com/column/news/170723/clm1707230004-n1.html
 まあ、この門田(本名:門脇護)つう男(もともとは週刊新潮の記者)も当初はNHKで『フルスイング』(2008年)としてドラマ化された『甲子園への遺言:伝説の打撃コーチ高畠導宏*9の生涯』(2005年、講談社)でデビューしたのですが、まあそう言う「スポーツライター的」な才能が結局なかったのか、そういうことより産経的極右方面が好きなのか、今や産経で「加計も森友も言いがかりだ、不当な倒閣運動だ、政治的偏向だ、まともな新聞は産経だけだ(俺の要約)」と放言するまでに頭がいかれたわけです。
 もともとは「日テレのニュースキャスター」だったのに今や「極右活動家に転落した櫻井よしこ」のような人生経歴の男です。
 著書も途中から

・『この命、義に捧ぐ:台湾を救った陸軍中将根本博*10の奇跡』(2010年、集英社):第19回山本七平賞受賞。
・『蒼海に消ゆ:祖国アメリカへ特攻した海軍少尉「松藤大治」の生涯』(2011年、集英社
・『日本、遥かなり:エルトゥールルの「奇跡」と邦人救出の「迷走」』(2015年、PHP研究所
・『汝、ふたつの故国に殉ず:台湾で「英雄」となったある日本人の物語』(2016年、角川書店
・『世界が地獄を見る時:日・米・台の連携で中華帝国を撃て』(石平*11との共著、2017年、ビジネス社)

と言った具合に極右方面に全面展開することになります(ウィキペ『門田隆将』参照)。
 つうか今の「安倍が落ち目」の政治状況で安倍にここまで媚びてもメリットないと思うんですけどねえ。門田も一生を「非常識極右ライター」で終わることになるんでしょうか。まあ、もともと右翼週刊誌週刊新潮出身ですしね。
 なお、門田こと「門脇護」のデタラメぶり、人としての低劣さは

大滝村交通事故名誉棄損訴訟(詳細はウィキペ「日蓮正宗住職交通事故死事件」を参照)
・1994年7月に創価学会員が運転するトラックと、創価学会に対立する日蓮正宗僧侶が運転する乗用車の衝突事故が発生した。乗用車を運転していた僧侶が死亡したが、警察は、乗用車側のスピード超過によるものとして処理し、損害保険会社も同様の判断を行った。事故は、創価学会を破門した日蓮正宗本山の「総登山」直前という激しい対立のさなかに起きたもので、週刊新潮は「大石寺『僧侶』を衝突死させた創価学会幹部」という記事を掲載した(この記事には週刊新潮記者時代の門田が関与)。当記事に対し、創価学会員のトラック運転手は「警察も保険会社も僧侶のスピード違反が事故の主要な理由と判断したのに自分の方に非があるかのような記事はおかしい」と週刊新潮に対して訂正を要求したが、新潮社はそれを拒否したため、トラック運転手は新潮社を名誉棄損で提訴した。札幌地裁は新潮社の名誉棄損を認め、新潮社に110万円の慰謝料の支払いを命令、札幌高裁、最高裁ともに地裁の判決を支持し、新潮社の敗訴が確定した。
■『風にそよぐ墓標』著作権訴訟
・2010年8月に門田が出版した日本航空123便墜落事故を扱った『風にそよぐ墓標:父と息子の日航機墜落事故』(集英社)に登場する77歳の女性遺族が自分の提供した手記(1996年出版)が「記述に利用されるとは思わなかった」として著作権侵害で門田と発行元の集英社を提訴。遺族側は合計26か所の盗用がおこなわれたと主張し、「承諾を得て参考にした。盗用ではない」とする門田側の主張にも「承諾していない」と反論している。
 2013年3月14日、一審の東京地裁著作権侵害を認定し、出版差し止めと書籍の廃棄、慰謝料など約58万円の支払いを命じた。門田は「本人に確認取材し、参考文献としても明記した。あきれた判決だ」と判決を非難し、即日控訴。2013年9月30日、二審の知財高裁も一審判決を支持し、控訴を退けた。門田は上告の意向を示す一方、「記憶の薄れていた本人が自ら提供してきた手記をもとに長時間にわたって本人に記憶を喚起してもらいながら取材し、その上で記述した内容が著作権侵害になるなら、もはや日本でノンフィクションは成り立たない」、「日本の官僚裁判官は、小説とノンフィクションの違いも理解できないのだろうか」と反発。この問題を扱った『新版 裁判官が日本を滅ぼす』を2013年にワックから出版した。2015年5月14日、最高裁は門田の上告を棄却。著作権侵害を認め、二審判決が確定した。門田は同日、自身のブログを更新し、「これが司法の限界。私の姿勢や手法はこれからも変わらない」と宣言した。
(以上、ウィキペ『門田隆将』参照)

でも明白でしょう。裁判に負けたことを謝罪せず居直るなどまともな人間のやることではない。
 まあ菅*12元首相が不当にも敗訴した訴訟なんかと違い、政治的偏向判決なんてこともないでしょうしね。
 門田に悪意に理解すれば「著作権侵害について門田が恥知らずにも居直り」、善意に理解しても「著作権侵害はなかったがそれを門田が証明できなかった」てだけの話で裁判所に非はないでしょう。


蓮舫*13、日報隠蔽は「第三者による外部調査に切り替えるべきだ」
http://www.sankei.com/politics/news/170723/plt1707230007-n1.html
 蓮舫氏が言うまでもなく当たり前の話です。大臣の不祥事を官僚が追及できるわけがない。


■【田村秀男*14の日曜経済講座】内閣支持率は失業率次第 警戒すべきは緊縮財政勢力
http://www.sankei.com/premium/news/170723/prm1707230024-n1.html
 「安倍総理が辞めたら景気が悪くなる」と強弁する田村ですが本気でそう思ってると言うよりは「安倍がアベノミクスを最大の売りにしてきたが故に」、そして「森友・加計疑惑をまともに釈明できないが故に」、未だに根強いと言われる「アベノミクス幻想」で逃げよう、ごまかそうとしているにすぎません。我々国民も随分と舐められたモンです。
 なお「安倍下野」が不可避と成れば、田村は「安倍総理が辞めても景気は悪くならない」「総理の方針をポスト安倍が堅持すればいいから」と言い出すでしょう。
 結局、田村の脳内には自民党の論理しかないわけです。
 今は自民党が安倍をとにかく支えてるから「自民応援団の一員」として安倍を擁護しているだけです。ジャーナリズム精神なんて高尚なモンは田村にはない。


■【高橋昌之のとっておき・特別編】支持率急落の安倍晋三首相に今贈りたい言葉「是非に及ばず」 愚直に国民目線で政権を運営することに尽きる
http://www.sankei.com/premium/news/170723/prm1707230020-n1.html
 産経の言ってる意味がさっぱりわかりません。
 産経が言うように

「是非に及ばず」。戦国武将の織田信長本能寺の変に際して発したとされる言葉です。意味は「当否や善悪を論じるまでもなく、そうするしかない」ということで、信長は明智光秀の謀反という現実を目の前にして、(ボーガス注:予想外の事態の上、兵力もほとんどなかったため)討ち死にを覚悟した

という話なのでこちらとしては

内閣支持率低下や都議選惨敗は当否や善悪を論じるまでもなく、(森友・加計疑惑をまともに釈明できない安倍政権の自業自得で)そうなるしかない」ということで安倍総理は支持率の低下や都議選惨敗、その後の石破元幹事長による安倍政権批判という現実を前にして下野、退陣を覚悟すべきだ
(石破*15元幹事長か、石原*16元幹事長か、岸田外相か、谷垣*17元総裁か、誰がポスト安倍になるかはともかく)

「安倍政権にとっての本能寺の変(討ち死に決定)が都議選惨敗だ」

と産経がいうのかと思いましたが、もちろん安倍応援団の産経はそう言う立場ではありません。
 しかし「安倍に下野を勧める立場でない限り」『是非に及ばず(もはや仕方がない、現状はどうにもならない)』と言う言葉は贈れないと思うんですけどねえ。産経と俺の言語感覚はかなり違うようです。
 それはともかく、俺としては「下野しろ」と言う意味で安倍に「是非に及ばず」と言う言葉を贈りたい。
 それとも「是非に及ばず」を「本能寺の変での信長の心境」とは全く関係なく「道徳的是非なんか関係ない、森友・加計問題なんか居直れ」という意味で産経は理解して安倍に「言葉を贈ってる」んでしょうか?(勿論皮肉ですが)
 マジレスすれば「是非を問わない政治」なんか許されるモンではないですよねえ。
 それはともかく問題は「森友・加計疑惑についてまともに釈明できてない」ということだから贈る言葉は「きちんと釈明しろ」なんですけどね。「是非に及ばず=そうするしかない」と言う意味に理解した上で「安倍政権の支持率回復を主張する」ならその場合の「そうするしかないこと」はまともな人間なら「森友・加計疑惑のまともな釈明」しかないはずです。
 ただし産経は「森友・加計疑惑は安倍自民に対する言いがかりでフェイクニュース」というとんでもない立場なのでそう言うまともな話になりません。

 稲田朋美*18防衛相の数ある失言や、現在問題となっている南スーダンの国連平和維持活動(PKO)の日報問題は、突き詰めれば安倍首相が稲田氏を重用しすぎたことに要因があります。まだ当選4回*19で決して防衛政策に通じていたわけではない稲田氏を、いきなり防衛相に任命したことは、適材適所という人事の原則から外れています。

・言ってること自体は間違ってないでしょうが稲田が都議選失言や南スーダンPKO日報隠蔽問題でぼろぼろになり、「自民や安倍政権の支持率低下に貢献し」、自民党内ですら更迭論が主流となり、安倍すら稲田更迭を決意したと報じられてからこんなことを言いだしても説得力のかけらもありません。産経が反安倍呼ばわりして敵視するメディア(朝日、毎日、東京新聞)は産経がこんな事言い出す前から稲田登用に批判的だったわけですから。
 そもそも偉そうに「適材適所」と今頃言い出す産経ですが産経には「安倍の意思に反しても産経の考える適材適所を諫言する意思」なんかないんだから黙ってろと言いたい。
・なお稲田同様「安倍が下手にかばったこと」で傷口を広げたのが第一次安倍内閣での松岡*20農水相(自殺)です。

(ボーガス注:豊田真由子*21議員のパワハラ中川俊直*22議員のストーカー疑惑、大西英男議員の「がん患者は働かなくていい(から幸せだ)」暴言など)自民党2回生の相次ぐ不祥事は、掘り下げればいくつも要因があると思いますが、「安倍一強」と言われてきた政治情勢による自民党内の緩みが背景にあると思います。

 まあそう言う要素がないとは言いませんが、それよりも「国会議員にすべきでない人間を公認してしまった人を見る眼の無さ」を反省した方がいいんじゃないか。正直、支持率が高い低いはこうした不祥事にあまり関係ないんじゃないか。大体、「産む機械発言(柳沢*23厚労相)」「『原爆投下は仕方がなかった』発言(久間*24防衛相)」「ナチス発言(麻生*25副総理・財務相)」など過去においてはベテラン議員からも問題発言などが出てるわけですしね。
 首相の安倍自体が「ニッキョーソ」なんて意味不明な野次飛ばすバカ野郎ですし。


■【書評】「北海道を中国32番目の省に?」止まらぬ買収 『爆買いされる日本の領土』*26宮本雅史*27
http://www.sankei.com/life/news/170723/lif1707230008-n1.html
 例の産経連載「対馬が危ない、韓国がねらってる」「佐渡や北海道が危ない、中国が」という与太の単行本化だそうです。角川が版元だそうです。全く角川も酷いデマ本を出してくれたモンです。


■【古森義久*28のあめりかノート】当初「弾劾」→いま「行き詰まり」…ゴールポストが次々動くトランプ報道
http://www.sankei.com/world/news/170723/wor1707230006-n1.html

 いまは「粗雑な政策で米国の国際的影響力が衰退」とか「公約を実行できず、行き詰まり」という批判が主体のようだ。ダメな政策を実行できないからダメだとする理屈も興味深い。

おいおいですね。

 ダメな政策を実行できないからダメだ

では言いがかりですが、批判派が言ってるのは勿論そう言う事ではなく

 駄目な政策しか提案できないので、反対派の批判で何も実行できず、かといって駄目でない政策を新たに提示し反対派を説得し実行することもできないから駄目だ

と言ってると言うことぐらい、古森ですら分かってるでしょうにねえ。そこまで酷い詭弁をはいてもトランプをかばうというのが産経や古森の立場のようです。

 いま主要メディアの紙面や画面を覆うのは「ロシア疑惑」である。ここでも攻める側はゴールポストを動かしてきた。当初は「ロシア政府とトランプ陣営が共謀して米国大統領選での投票を不当に操作した」という追及だった。 

 ゴールポストが動いたのではなく「当初の見立てが多少変わった」だけの話です。
 決して「トランプは100パー清廉潔白だが、反トランプ派がロシア問題で言いがかり付けてる」つう話ではない。そもそも民主党どころか共和党内ですらロシア問題ではトランプ批判があるわけですし。
 つうか産経の言いがかり「蓮舫二重国籍」に比べたら「トランプとロシア・プーチン政権の不適切な関係の疑い」のほうがよほど重大な疑惑ですが。
 「共和党民主党より自民党に好意的」という判断の下、ロシアゲートという重大な疑惑すらなかったことにしようとするのが産経と古森のようです。


■【花田紀凱の週刊誌ウォッチング〈627〉】劉暁波氏死去に触れない日本の週刊誌…こういう時はやはり『ニューズウィーク日本版』
http://www.sankei.com/premium/news/170723/prm1707230010-n1.html
 まあ週刊金曜日のような「ニュース週刊誌」ならともかく、週刊ポスト小学館)、現代(講談社)、文春、新潮、朝日、サンデー毎日、アサヒ芸能(徳間書店)などといったオヤジ向け雑誌はそういう堅いテーマ「国際政治」を載せても売れませんのでね。載るとしたら「編集後記で軽く触れるか」「外部筆者のコラムで書かれるか」といったところでしょう。
 何も掲載されない国際問題は劉暁波死去に限った話ではなく「パレスチナ問題」「クリミア紛争」「イラン核合意」などといった問題もまず載りません。
 つうか花田編集長時代の週刊文春だってそんなモン載せてないのに、よくもまあ

今週くらい日本の週刊誌の国際性の無さを痛感したことはない

なんていえたもんです。つうかよくもまあ

・国際的に全く通用しない「ホロコースト否定論」で雑誌「マルコポーロ」を潰し、当時の田中健*29社長を引責辞任に追い込み、その結果、閑職に回され、文春に居づらくなって退社した男・花田

がよくもこんなことがいえたもんです。


■【産経抄】7月23日
http://www.sankei.com/column/news/170723/clm1707230003-n1.html

・失礼を承知で言えば、横綱にそぐわぬ立ち合いの張り差しや興趣を削(そ)ぐ感情むき出しの張り手は、この先の土俵には必要あるまい。
・正しい相撲道の伝承者となることを願うばかりである。

 張り差しや張り手を使わないと勝つのが難しいようなら引退して親方になれとでも言う事でしょうか。余計なお世話だと思いますね。
 つうかマジな話、今場所なんか横綱稀勢の里」「鶴竜」、大関照ノ富士」は怪我で途中休場してるし、白鵬相撲協会も「当面、白鵬引退などされては困る」という思いを深めたでしょうね。

*1:野田内閣文科副大臣、「国民の生活が第一」幹事長代行、日本未来の党副代表、生活の党代表代行などを歴任

*2:小泉内閣環境相、第一次安倍内閣防衛相、自民党総務会長(谷垣総裁時代)を経て都知事

*3:衆院議員(比例東北ブロック選出、2012〜2014年。みんなの党→結いの党→維新の党→民進党

*4:野田内閣で復興大臣政務官仙台市長選に立候補したことで公職選挙法の規定により衆院議員を自動失職。郡氏は比例当選のため、吉田泉氏(菅内閣財務大臣政務官、野田内閣復興副大臣)が衆院議員に繰り上げ当選した。

*5:自民党衆院議員(比例東北ブロック選出、2012〜2014年)

*6:仙台市教育長、副市長などを経て市長

*7:2010年ノーベル平和賞受賞者。著書『現代中国知識人批判』(1992年、徳間書店)、『天安門事件から「08憲章」へ』(2009年、藤原書店)、『「私には敵はいない」の思想』(2011年、藤原書店)、『最後の審判を生き延びて』(2011年、岩波書店

*8:それむしろ民主党政権時代の産経にこそ該当するでしょうに。まあまともな民主党政権批判ならいいですけど産経だと「鳩山首相ルーピー呼ばわり」「仙谷官房長官暴力装置発言は自衛隊否定」とか酷いデマや誹謗を流してましたからねえ。

*9:1968〜1972年まで南海ホークスで選手として活躍。選手引退後は南海ホークス (1973〜1977年)、ロッテオリオンズ (1978〜1988年)、ヤクルトスワローズ (1990年)、福岡ダイエーホークス (1991〜1994年)、中日ドラゴンズ (1995〜1997年)、オリックス・ブルーウェーブ (1999〜2001年)、千葉ロッテマリーンズ(2002年)で一軍打撃コーチ、二軍打撃コーチなどを歴任。

*10:支那方面軍(中国広東省)参謀長、第24師団長(満州)、北支那方面軍司令官(駐蒙軍司令官兼務)など歴任。1949年、台湾へ渡り、金門島の戦いを指揮し、台湾軍の中国軍に対する勝利に貢献したとされる

*11:『なぜ、日本人は日本をおとしめ中国に媚びるのか』(2009年、ワック文庫)、『なぜ中国から離れると日本はうまくいくのか』(2013年、PHP新書)、『世界征服を夢見る嫌われ者国家 中国の狂気』(2014年、ビジネス社)、『習近平にはなぜもう100%未来がないのか』(2015年、徳間書店)、『狂気の沙汰の習近平体制・黒い報告書』(2016年、ビジネス社)、『中国から帰化して驚いた日本にはびこる「トンデモ左翼」の病理』(2016年、徳間書店)、『なぜ中韓はいつまでも日本のようになれないのか:わが国だけが近代文明を手に入れた歴史の必然』(2017年、KADOKAWA)などトンデモ著書多数

*12:社民連副代表、新党さきがけ政調会長、橋本内閣厚生相、鳩山内閣副総理・財務相などを経て首相。現在、民進党最高顧問

*13:菅、野田内閣行政刷新担当相、民主党代表代行(岡田代表時代)を経て民進党代表

*14:著書『人民元の正体:中国主導「アジアインフラ投資銀行」の行末』(2015年、マガジンランド)など

*15:小泉内閣防衛庁長官福田内閣防衛相、麻生内閣農水相自民党政調会長(谷垣総裁時代)、幹事長(第二次安倍総裁時代)、第三次安倍内閣地方創生担当相を歴任

*16:小泉内閣国交相自民党政調会長(第一次安倍総裁時代)、幹事長(谷垣総裁時代)、第二次安倍内閣環境相、第三次安倍内閣経済財政担当相を歴任

*17:小泉内閣国家公安委員長財務相自民党政調会長(福田総裁時代)、福田内閣国交相、第二次安倍内閣法相、自民党幹事長(第二次安倍総裁時代)など歴任

*18:第二次安倍内閣行革相、自民党政調会長(第二次安倍総裁時代)を経て第三次安倍内閣防衛相

*19:敢えて言えば優秀でありさえすれば当選回数は関係ありません。過去にも「当選回数の少ない時点から吉田茂佐藤栄作自由党幹事長、吉田内閣建設相)や池田勇人(吉田内閣蔵相、自由党政調会長)を重用していた」という例はあります。まあ稲田が優秀だとは思いませんけど。

*20:元農水官僚。村山内閣農水政務次官森内閣農水副大臣を経て第一次安倍内閣農水相

*21:第三次安倍内閣で文科大臣政務官復興大臣政務官

*22:中川秀直官房長官森内閣)、元幹事長(第一次安倍総裁時代)の息子。第三次安倍内閣で経産大臣政務官

*23:小渕内閣国土庁長官森内閣金融担当相、第一次安倍内閣厚労相を歴任

*24:橋本内閣防衛庁長官自民党総務会長(小泉総裁時代)、第一次安倍内閣防衛相など歴任

*25:橋本内閣経済企画庁長官、森内閣経済財政担当相、小泉内閣総務相、第一次安倍内閣外相、自民党幹事長(福田総裁時代)を経て首相。現在、第二次、第三次安倍内閣副総理・財務相

*26:2017年、角川新書

*27:著書『「電池が切れるまで」の仲間たち:子ども病院物語』(2003年、角川書店)、『「特攻」と遺族の戦後』(2008年、角川ソフィア文庫)、『電池が切れるまで』(2009年、角川つばさ文庫)、『海の特攻「回天」』(2012年、角川ソフィア文庫)、『歪んだ正義:特捜検察の語られざる真相』(2014年、角川文庫)、『報道されない沖縄:沈黙する「国防の島」』(2014年、角川学芸出版)など

*28:『外交崩壊:中国・北朝鮮になぜ卑屈なのか』(2006年、文春文庫)、『憲法が日本を亡ぼす』(2012年、海竜社)、『中・韓「反日ロビー」の実像』(2013年、PHP研究所)、『なにがおかしいのか?朝日新聞』(2014年、海竜社)、『古森義久オバマ習近平朴槿恵金正恩を斬る:反日勢力をのさばらせた朝日新聞と外務省の大罪』(2015年、テーミス社)などトンデモ著書多数

*29:『諸君!』初代編集長、『月刊文藝春秋』編集長、『週刊文春』編集長などを経て文藝春秋社長。