今日の産経ニュース(8/5分)(追記・訂正あり)

大阪府議補選 維新が中川氏擁立で最終調整
http://www.sankei.com/west/news/170805/wst1708050061-n1.html

自民党府連の支部大会で、西村真悟・元衆院議員の次男で予備自衛官の西村日加留(ひかる)氏(31)が同補選に立候補する意向を表明した。

 あの西村の息子ではおよそまともな候補とは思えません。まあ「西村jr個人の立候補表明にすぎない」ようなので他にまともな候補が自民党内から出ることを期待したいところです。


■【正論9月号】自民党政権のある防衛相のとき尖閣上空視察中止のナゾ「中国を刺激しない」では尖閣失う(ロバート・D・エルドリッヂ)
http://www.sankei.com/premium/news/170805/prm1708050001-n1.html

エドマンド・バークの名言に「悪が勝利するために必要なたった一つのことは、善良な人たちが何もしないことである」というものがある。

 例えば加計問題で「前川告発があったからこそ」悪(安倍や加計)は未だ勝利していない、つうことですね、よくわかります。

この言葉を、尖閣諸島問題をめぐる日中間の緊張に当てはめるならば「日本による尖閣の実効支配の低下に対して、政府、政治家、国民が何もしなければ、悪が勝利するだろう」とでも言えるだろう。

そもそも実効支配は低下していませんので前提からして間違っています。

拙著『尖閣問題の起源』(名古屋大学出版会、2015年)で詳細に書いているが、沖縄返還直前から米国が尖閣諸島の領有権に関して曖昧かつ中立的な立場をとったことで、東シナ海はもちろん、南シナ海においても大きな不安要因と摩擦の種を結果として残すことになった

・なおエルドリッジには他に『沖縄問題の起源:戦後日米関係における沖縄 1945-1952』(2003年、名古屋大学出版会)、『オキナワ論:在沖縄海兵隊元幹部の告白』(2016年、新潮新書)、『だれが沖縄を殺すのか』(2016年、PHP新書) という著書があります。新潮新書PHP新書ネトウヨに媚びるウソ八百本であるのは恐らく間違いないでしょう。
 一方で名大出版会の本は「学術的な本なのか」、これまたネトウヨ本なのか気になるところです。
 学術的な本なら「エルドリッジが読者対象に併せて名大出版会の学術的本ではまともなことを書く一方でウヨ向けのPHP新書などではデマを書いてる」という詐欺行為をやってる事になるし、どちらもウヨ本なら名大出版会は「大学系出版社」でありながら志が低いと言うことになります。どっちにしろバカバカしいですが。
・注意しないといけないのは尖閣は「台湾(中華民国)も領有権を主張している」ということです(産経は尖閣問題については台湾の領有権主張を故意に無視しますが)。沖縄返還の時はニクソン訪中なんかないし、勿論このときに米国が配慮したのは台湾の立場です。
 勿論今だって米国は台湾に配慮せざるを得ません(中国と国交のある今は中国にも勿論配慮をしますが)。

五月上旬、先述した本の続編を書くために、日本政府に尖閣に関する政策を確認することを試みた。約50の質問を安倍晋三首相と関係すると思われる8名の大臣に送付、統一的な見解を一ヶ月後の六月上旬に回答してもらえるよう依頼した。質問全てを紹介できないのだが、「政府関係者による尖閣諸島の視察予定」「尖閣諸島にある米軍の射撃訓練場の再開予定」「同諸島内で公務員の常駐の予定」「灯台、気象台、避難港、ヘリポートなどの建設予定」という四問については、特に公式な回答を得たかった。尖閣諸島で今後起こりうる事案のシミュレーションはできているだろうし、速やかに回答を得られるものと期待していたが、紙切れ一枚頂けなかった。

 8名の大臣とやらの名前を上げて欲しいところですが普通に考えれば
・麻生*1副総理・財務相
・稲田*2防衛相(当時)
・岸田外相(当時。現・自民党政調会長
・菅官房長官
はその中に含まれるでしょう。いずれにせよ彼らは右翼活動家エルドリッヂへの回答を避けたわけです。

尖閣諸島をめぐる諸問題の本質は、無論中国の無責任な膨張主義にある。

 何度も指摘しますが尖閣は台湾も領有権を主張しています。

政府の対外広報活動に関していえば、最近もう一つ残念なことを聞いた。自衛隊OB*3によると、福田康夫*4内閣の時に、長年行っていた自衛隊の理解者のための尖閣諸島の上空視察*5などを突然取りやめることになったというのだ。時の防衛大臣石破茂*6だった。
(中略)
 私は福田政権を責めているのではないし、また誰か特定の政治家を攻撃してもいない。

 「反主流派」石破が無役であることを理由に、あるいは福田元首相が安倍に批判的であることを理由に露骨に石破、福田DISに走る、にもかかわらず「特定の政治家を攻撃する気はない」とモロバレのウソを吐く産経です。
 断言してもいいですが石破が「自民党幹事長(第二次安倍総裁時代)、第三次安倍内閣地方創生担当相」を務めたように今回要職に就いていればこんな事は絶対に書かなかったでしょう。
 なお、この問題はその性格から言って「福田内閣外相だった高村正彦*7」もコミットしているでしょうが、高村が副総裁であるため高村非難はしない産経です。

程度は異なるが、二人とも親中と言われている。

「チャイナフェスティバル2017(https://www.chinafes.net/)実行委員会最高顧問」「群馬県日中友好協会最高顧問」「ボアオアジアフォーラム理事長」の福田氏はともかく石破が親中派だなんて初耳です。

尖閣諸島は少なくとも百二十二年前からの日本の固有領土

 おいおいですね。122年前というと「ちょうど日清戦争がありました」。つまり122年前からと言ってもそれは「日清戦争のどさくさでの泥棒行為じゃないのか」といわれる危険性が高い*8と言うことです。
 もっと昔、つまり江戸時代とかにルーツを求めることはできないんでしょうか?

*1:橋本内閣経済企画庁長官、森内閣経済財政担当相、小泉内閣総務相、第一次安倍内閣外相、自民党幹事長(福田総裁時代)を経て首相

*2:第二次安倍内閣行革相、自民党政調会長(第二次安倍総裁時代)、第三次安倍内閣防衛相を歴任

*3:誰のことか具体的に名前を出したらどうなのか。

*4:森、小泉内閣官房長官を経て首相

*5:自衛隊の理解者」「視察」が何を意味するかにもよるでしょう。もし仮に「ただの自民党支持者」を「気持ちよくするために視察名目で自衛隊の飛行機飛ばしただけ」ならそれこそ公私混同、政治の私物化の疑い濃厚ですし、取りやめが事実だとしても中国云々よりはそうした批判への配慮かも知れません。

*6:小泉内閣防衛庁長官福田内閣防衛相、麻生内閣農水相自民党政調会長(谷垣総裁時代)、幹事長(第二次安倍総裁時代)、第三次安倍内閣地方創生担当相など歴任

*7:森内閣法相、第一次安倍内閣防衛相、福田内閣外相などを経て自民党副総裁(第二次安倍総裁時代)

*8:つうか中国や台湾がそう言ってると思いますが。