ちなみにそれはhttp://rsmp.seesaa.net/article/452816510.htmlの書き手です。
なお、以前もこの御仁は
■裁判闘争で勝利した方の片言隻句に因縁つけるごろつきにあきれる
http://d.hatena.ne.jp/bogus-simotukare/20170804/1640158721
■『私は、地毛証明書は「時代の進歩」を示していると見ています』ねえ(呆)
http://d.hatena.ne.jp/bogus-simotukare/20170514/5640158721
で批判しています。「たまにまともなことをいうこともあるが」、「失礼ながら」基本的にこの御仁がまともな人間だとは俺は思っていません。id:noharraやid:Mukkeなどと同じ「変人」「バカ」のカテゴリーに入れています。
まあ、それはともかく。
つうのは「共産主義の脅威を理由にナチを免罪してる」と疑われても文句言えない文章かと思いますが、「スターリン粛清犠牲者>ナチス虐殺の犠牲者」という説もあるようですので、まあ、ひとまずいいとしましょう。
正気を疑うのは
つう一文ですね。「ソ連東欧の共産体制崩壊以後」日本的にも世界的にもそんなことないでしょう。旧ソ連、東欧圏でも共産党の「スターリン主義的な形での復権」なんかない*2でしょうし。
そもそもこの御仁が「スターリン粛清の犠牲者に失礼だ」などという
が「反共なこの御仁が期待するような形では」あまり騒がれない(つうか上坂さんが非難されない)のも大きな理由の一つは
なんて事実がどこにもないからです。まあ他にも彼女が人気声優だとか色々理由はあるでしょうが。
話がずれますけど「日本共産党が最近、ささやかながら躍進してる」のも「日本人が中国やベトナムに観光に行く」のも理由の一つは「ソ連東欧の共産体制崩壊」以降においては「共産主義の脅威なんかないから」です。
まあ「更に話がずれますが」ソ連の脅威があった頃も、日本共産党はいわゆる1970年代の躍進(今のところ1972年衆院選の39議席*6が衆院議席数の最高値です)があるので日本共産党の場合「ソ連東欧の共産体制崩壊で共産主義の脅威が非現実的になった事(共産党アレルギーが弱まったこと)」だけではなく「自主独立の党方針」も大きな理由ではありますが。
ちなみに一方、社会党は「ソ連のチェコ侵攻(1968年)や中国の文革(1965〜1975年)」への批判が共産と比べ弱かったこともあってか、議席数が14議席の共産より多いとは言え1969年衆院選では140議席を90議席まで減らす惨敗*7をしています。この惨敗に成田知巳委員長は辞意を表明しますが慰留され1977年まで委員長を務めます(1979年に病死)。そして横浜市長を辞任し成田の後任委員長に就任したのが飛鳥田一雄です。なお、成田が社会党が選挙で苦戦する原因として1964年に指摘した1)日常活動の不足、2)議員党的な体質、3)労組への依存は俗に成田三原則と言われます。http://d.hatena.ne.jp/bogus-simotukare/20091227/1260000031で紹介した五十嵐仁氏の説は、氏に寄れば「成田三原則」に大きな影響を受けているとのことです。確かに「労組依存が社会党を衰退させた」という点では五十嵐氏と成田は認識が一致します)。
話を元に戻します。
心底呆れたので
どの辺りが差し迫った危機なのか、教えて頂けると幸いです。
「中国ガー」ですか?
一般に「ナチスの危機」のほうが差し迫ってると思われてるし、その方が正しいと思いますけどねえ。欧米の極右なんかはナチ礼賛の訳でしょうに。
というコメントをしておきました。
もちろん「ソ連東欧の非共産化後も」中国、北朝鮮やベトナム、ラオス、キューバといった共産一党独裁国は存在しますしそれらの国々には民主主義や人権の観点で問題はあるでしょう(もちろん日本共産党、フランス共産党のような複数政党国家における共産政党もありますが、そうした複数政党国家において共産独裁が起こることはまず考えられませんのでそれは無視します)。
ただし、たとえばトランプ支持者がナチの旗振り回すことと比べて、それ(世界の共産国家)が「差し迫った危機」なのか。中国などには「革命輸出」なんぞする気もないでしょう。
正直こういう事を言うのは「島田洋一や桜井よしこレベル」の常軌を逸した右翼以外何物でもないでしょう。
しかし一方でこの御仁が「あくまでも冗談でしょうが」主体主義支持だとか抜かしてることには呆れるというか腹立たしいというか。
【上坂さんについて:参考】
■上坂すみれ(1991年12月19日〜:ウィキペディア参照)
・9歳のときに今も所属する芸能事務所「スペースクラフトエンタテイメント」のジュニアタレント部にスカウトされ、ヴィダルサスーンのCMに日本人として初めて出演する。
・その後は声優を志望して2012年1月から放送されたテレビアニメ『パパのいうことを聞きなさい!』(東京メトロポリタンテレビ、テレビ神奈川、チバテレビ、テレビ埼玉などで放送)の小鳥遊空役を担当し、本格的に声優業を開始した。
・2016年3月、第10回声優アワードで新人女優賞を受賞。
■ロシア
・上智大学外国語学部ロシア語学科卒業。
・アニメ『ガールズ&パンツァー』のノンナ役では特技のロシア語を披露している。
・高校1年生の時、偶然耳にしたソ連国歌「祖国は我らのために」に感銘を受け、以後ロシアに興味を持つ。そのため、自身のブログやTwitterではしばしばキリル文字で書かれた文章が登場するほか、ラジオ・イベント等でも「ズドラーストヴイチェ(こんにちは)」「ダスヴィダーニヤ(さようなら)」「スパシーバ(ありがとう)」「ハラショー(すばらしい)」「ウラー(万歳)」といったロシア語表現がファンと共に用いられている。
「ロシアの若者の間では日本のポップカルチャーに対する関心が高まっているが、日本におけるロシアの理解は決して進んでいるとは言えない。そのような状況を改善するためにも、ポップカルチャーをきっかけとした両国の架け橋となるような活動を行なっていきたい」という希望を語っている。
ロシア関連での仕事の依頼もあり、東洋文庫ミュージアムの「ロマノフ王朝展」(2017年)ではオフィシャルサポーターとして、ナレーションや亀山郁夫*8(ロシア文学者)との対談を務めた。
【追記あり】
なお、小生のコメントに延々この方http://rsmp.seesaa.net/article/452816510.htmlのコメント欄で反論(?)していますが
>急進的設計主義
>共同体主義*9
云々と言うこの方の「共産主義理解」は極めて特異な代物のようです。正直、「応答する意欲」を失いましたがコメントしておきます。
(8/29追記:さらにコメントがついていますが、結局この方にとって「自分の言う『ソビエト体制』とは共産主義体制ではない」のだそうです。まあ特異な用語法だとは思います。どうも話がかみ合いそうにないのでこれ以上はコメントしません。つうか「ナチズムなんかよりもソビエト共産主義の方が被害規模としては甚大」と書きながら「自分の言う『ソビエト体制』とは共産主義体制ではない」というのはどう見ても詭弁でしかないでしょう)
共同体主義についてはうまいコメントが無能のため思い浮かびませんのでひとまずおきます(まあもちろん「右からの共同体主義」が存在する事を考えれば「共同体主義の弊害=共産主義」とするのはあまりにも問題ですし、その認識だと「国家社会主義(ナチズムもその一種)」と「共産主義」の区別ができないかと思いますが)。
急進的設計主義について言えば「急進的設計主義=共産主義」というのであれば「上からの急進的改革路線=共産主義」になってしまい、例えば「国家社会主義の一種であるナチズム(右からの急進的改革路線の一種)と共産主義の区別それ自体が不可能」でしょう。
あるいは明治維新や「朴チョンヒなどの開発独裁路線」も「共産主義との区別が不可能」でしょう。
満州国で「上からの改革路線」を実行しようとした岸信介・満州国総務庁次長(戦後、首相)や、大政翼賛会で「上からの改革路線」を実行しようとした近衛文麿、あるいは小説「官僚たちの夏」のモデルとなった「特定産業振興臨時措置法策定*10を計画した通産官僚・佐橋滋通産省企業局長(後に事務次官)」も共産主義者になってしまうでしょう(ちなみに「上からの改革路線」もあって近衛を共産主義者呼ばわりする陰謀論が存在するのは有名です)。
そんな特異な共産主義理解に何か意味があるのか。
確かに「急進的設計主義=共産主義」というのであれば、「共産主義の脅威」は存在するかも知れません。たとえばこの方の定義ならば「大阪都構想」という「急進的な設計主義」は「共産主義の脅威」でしょう。
しかし、それは一般的な共産主義定義とは異なりますし、「いわゆるソフト化路線の日本共産党」は急進的改革主義ではないが故に「この方の定義する共産主義に当たらない」という奇妙なことになってしまいます。
*1:ナチズムとしてるのでムソリーニファシズムやスペインのフランコなどナチドイツ以外は含まず「ソビエト共産主義」としてるので文革やポルポト虐殺などソ連以外は含まないと理解します。
*2:マスコミ報道に寄ればプーチンはスターリン美化をしようとしてるようですが、それは「ロシアを経済大国にした偉人」という「共産色を完全に排除した形の美化」であり「共産主義の復権」とはまた意味が違うでしょう。単に「旧ソ連時代より前の時代ではあまりに古すぎてスターリンのように国威発揚に使える人間がいない」&「フルシチョフ以降に使える人間がいない」つうだけでしょう。そして仮に「旧ソ連時代より前の時代(ソ連共産党の存在しない時代)」にスターリンより政治利用できる人間がいればプーチンはためらいなくそいつを使うでしょう。繰り返しますが彼は別に共産党的思惑からスターリンを利用してるわけではないからです。
*3:ウヨ作家「上坂冬子(故人)」は「かみさか」と読みますが、「上坂すみれ」さんは「うえさか」と読みます。
*4:このコスプレの是非についてはとりあえず論じません。なお小生がググった限りでは「赤軍兵士コスプレ」に対する記事をネット上で見つけることはできませんでした。
*5:追記:もしかしてプーチン政権のウクライナ介入のことか?。ただプーチン政権は共産主義を信奉してないので「ソビエトの亡霊」ではないでしょうね。それにウクライナ介入ってそんなに国際社会にとって「差し迫った危機」ですかね。まあウクライナにとっては危機でしょうが。
*7:なおこの選挙では「自民288議席(選挙前277議席)」、「公明47議席(選挙前25議席)」「民社31議席(選挙前30議席)」「共産14議席(選挙前5議席)」となっており、公明党が民社党を追い抜いています。「社会党というライバルの敗北」は民社党にとってあまりプラスにはならなかったわけです。議席数増という意味では22議席増の公明が最大ですし「2倍増以上」という増加割合では共産が最大です。以前産経がデマってた「浅沼社会党委員長暗殺の同情票のせいで民社党は社会党に負けた」つうのが嘘八百だと改めてわかります。社会党が大敗したって民社党が大幅に伸びるわけでは全くないわけです。
*8:東京外国語大学学長、名古屋外国語大学学長を歴任。1991年から2000年にかけて、NHK教育テレビで『ロシア語会話』の講師を務めた。著書『ロシア・アヴァンギャルド』(1996年、岩波新書)、『ドストエフスキー 父殺しの文学 (上・下)』(2003年、NHKブックス)、『「カラマーゾフの兄弟」続編を空想する』(2007年、光文社新書)、『ドストエフスキー 謎とちから』(2007年、文春新書)、『「罪と罰」ノート』(2009年、平凡社新書)、『終末と革命のロシア・ルネサンス(増訂版)』(2009年、岩波現代文庫)、『甦えるフレーブニコフ』(2009年、平凡社ライブラリー)、『磔のロシア:スターリンと芸術家たち』(2010年、岩波現代文庫)、『チャイコフスキーがなぜか好き:熱狂とノスタルジーのロシア音楽』(2012年、PHP新書)、『謎解き『悪霊』』(2012年、新潮選書)、『ドストエフスキーとの59の旅』(2013年、新潮文庫)、『あまりにロシア的な。』(2013年、文春文庫)など
*9:なお、この方がhttp://rsmp.seesaa.net/article/452816510.htmlで共同体主義の問題としてあげてるのは「私はJR北海道、四国、九州、貨物が経営危機でも再国有化することには反対だ」という「何処に再国有化なんか唱えてる人がいるの?(共産党が唱えてるのは再国有化ではなく、民営化において一体民営化ではなく分割民営化を採用したことへの批判と、国や(経営の余裕がある)JR東日本、東海、西日本による支援です)」「再国有化が不適切だとしても、そもそもその程度の事が脅威なの?」つう代物です。
*10:挫折しますが