今日の産経ニュース(9/24分)ほか(追記・訂正あり)

共同通信『投票先自民27%、民進8%、衆院選比例、解散「反対」64%』
https://this.kiji.is/284603834746487905

 共同通信社は23、24両日、衆院選を前に有権者の関心度や政党支持の傾向を探るため全国電世論調査(第1回トレンド調査)を実施した。現時点で比例代表の投票先政党は自民党が27.0%で、民進党は8.0%だった。安倍晋三首相によるこの時期の衆院解散について賛否を聞くと、反対が64.3%で、賛成は23.7%にとどまった。
 比例代表の投票先で、小池百合子東京都知事の側近らが結成する新党は6.2%。以下、公明党4.6%、共産党3.5%、日本維新の会2.2%、社民党0.3%、自由党0.1%と続いた。日本のこころは0%で、「まだ決めていない」は42.2%だった。

 「『解散に反対』が多いが、『自民に投票する』が『投票先未定』を除けば何故か一番多い(加計森友疑惑という重大な疑惑が発覚したのに)」とか「形すら見えない小池党支持が自民、民進は下回ったものの、公明、共産より多い」とか「日本人の馬鹿さ」に頭痛がしてきますが、「有田芳生氏もツイートしていますが」地道に頑張るしかないのでしょう。
【追記】
 その後、有田氏は、前原代表による「民進の希望(小池新党)への合流計画」を諸手で支持し、「小池新党批判を事実上撤回」し、醜悪にも変節しました。
 まあそういう変節漢は彼だけではないですが。


■NHKBS第1『日中“密使外交”の全貌〜佐藤栄作の極秘交渉〜』
https://www.j-cast.com/tv/2017/09/22308481.html

 1972年、田中角栄*1政権の下で実現した日中国交回復。実はその1年前、佐藤栄作*2総理によって密使が香港に送り込まれ、極秘の交渉が進んでいたことが分かった。
 密使の名は、江ぐち*3真比古(えぐち・まひこ)。佐藤総理は『佐藤栄作日記*4』に、江ぐちに中国との交渉を託したことを記しているが、その詳細は分かっていなかった。今回、当時の総理秘書官が、江ぐちとの唯一の連絡役を佐藤から命じられていたことを初めて証言。江ぐちのもたらす情報により、佐藤は周恩来に親書を送り、国交正常化へ向け北京を訪問したいと伝えていたことが明らかに。
 密使・江ぐちは、香港でどのような人物と交渉したのか。中国はどこまで日本に歩み寄っていたのか。知られざる「極秘交渉」に迫る。

 佐藤の密使と言えば「沖縄返還関係」の若泉敬*5(当時、京都産業大学教授)が有名ですがそれはさておき。
 こうなると有名な「保利書簡」も保利茂*6のスタンドプレーではなかった可能性が出てきます。佐藤も内心では「台湾との断交と日中国交正常化」をかなり覚悟していた、ということでしょうか。
 小生は残念ながらBSを見られる環境にはないですが。BSでなくて地上波でやって欲しい。
 ちなみに江ぐちの名前でググったら以下の記事がヒットしました。

http://chinokigi.blog.so-net.ne.jp/2011-02-22-11
中曽根康弘*7『自省録・歴史法廷の被告として』(2004年、新潮社)抜粋
 あまり目立ちません*8が、佐藤さんのもう一つの功績は、日中国交回復の軌道を敷いたことです。
 あの頃、佐藤さんは、香港経由で中国に密使を送っていました。その仕事は、江ぐち真比古という人物に委ねられていました。
(中略)
 佐藤さんは1971年9月に周恩来宛の親書を彼に託したといいます。その内容は、日中国交正常化のために訪中して意見交換を行いたいというものだったようです。
 結局、それは周恩来に拒否されたようですが、台湾(中華民国)との関係を明確にしなければ受け入れられないというのが理由だったといいます。そこで佐藤さんは、先方の意向を尊重した別の親書をもう一度渡したともいいます。
 それが、翌年四月になってようやく周恩来の手元に届き、六月に江ぐち氏は周恩来からの返書を受け取って佐藤さんに見せたが、時すでに遅し。佐藤さんは退陣*9を余儀なくされて、この件は立ち消えになったというのです。
 ところで、この江ぐち真比古氏の素性についてはその後も手を尽くして調べましたが、よく分りません。

 江ぐちとは「朴チョンヒ大統領と岸信介*10首相のパイプ役」を務めたと言われる大物右翼「矢次一夫」のようなフィクサーなのでしょうが、中曽根の回想録を信じると「その正体は全く不明」のようです。
 佐藤と周恩来をつなぐパイプ役という大物でありながら正体不明とはまさに怪物ですがNHKは彼の正体に何処まで迫れたんでしょうか。
【2020年4/27追記】
■NHKBS第1『日中“密使外交”の全貌〜佐藤栄作の極秘交渉〜』
https://www.j-cast.com/tv/2017/09/22308481.html
が、宮川徹志*11佐藤栄作 最後の密使:日中交渉秘史』(2020年、吉田書店)として書籍化されました。

【参考:保利書簡について】

https://www.nikkei.com/article/DGXNASFK2401G_V21C11A0000000/
■日経『日中関係打開めざした「保利書簡」:「いぶし銀の調整役」保利茂(7) 』
 保利幹事長は逆重要事項指定決議案の共同提案国になるという佐藤首相の判断に疑問を持っていた。時代の流れに任せた方がいいのではないかと感じていた。保利は「福田*12外相も同じ気持ちだったと信じている」と述べている。
 このとき、保利はひそかに日中関係打開のために重要な布石を打っていた。中国の周恩来首相にあてた「保利書簡」である。訪中する美濃部亮吉東京都知事に託され、北京で周首相サイドに届けられた。
 書簡にはこう書かれていた。日中関係正常化のために両国政府間の話し合いを始めたい。それに先だって自分が中国を訪問したい。中国は一つであり、中華人民共和国は中国を代表する政府であり、台湾は中国国民の領土である。
 日付は美濃部都知事が出発した10月25日になっていた。周恩来はこの書簡を読んで「まやかしであり、信用できない」と受け止め、書簡を返却した。保利がいくら日中関係打開への熱意と誠意を見せても、佐藤政権が逆重要事項指定決議案や複合二重代表制決議案の共同提案国になった事実は「日本はまだ2つの中国にこだわっている」と見られても仕方のないことであった。
 保利書簡は不発に終わったが、この事実が明らかになると国内に大きな波紋が広がった。自民党の親台湾派議員は衝撃を受けた。保利は昭和37年に自民党議員団を率いて訪台したことがあり、親台湾派と見られていた。親台湾派の有力議員である山中貞則*13は保利の私邸を訪ねて強く抗議した。保利はひたすら黙って山中の話を聞いていた。そして席を外して再び部屋に戻ると「山中君、君の中華民国を思う信念は尊いし、今後も実行し続けてほしい。この一振りは私の心だと思って受け取ってほしい」と日本刀を差し出した。
 「自分も命がけでやっているんだ」といわんばかりの保利の気迫に押されて山中は思わず「わかりました」と答えて退散した。自民党総務会でも親台湾派の議員から攻撃を受けたが、保利は動じなかった。保利が親中派に転じたことで、自民党内の親中国派と親台湾派の力関係に変化が生じた。これが翌年の田中首相の日中国交回復の決断に大きな影響を与えたことは間違いない。


【ここから産経です】
■【衆院解散】安倍晋三首相、アベノミクス北朝鮮などで訴えへ 自公で過半数目指す
http://www.sankei.com/politics/news/170924/plt1709240041-n1.html
 「自公で過半数てそれ政権交代阻止できる最低ラインじゃん」て話ですよねえ。実際どうなるか分かりませんが、目標として低すぎますよねえ。安倍もあまり自信がないらしいことが読み取れます。
 まあ、俺の願望こみですが「政権交代(自公過半数割れ)がないとしても」さすがに自公議席増はないと思いますね。


■【堺市長選】反維新の竹山氏やや優位
http://www.sankei.com/west/news/170924/wst1709240046-n1.html
 「自民、民進、社民、日本のこころ推薦」&「共産党が自主投票(ただし事実上の現職支援)」&「公明党が自主投票(恐らく本当の自主投票)」で、しかも当初維新が予定していた「著名人候補が立てられなかった」のに「やや優勢」とは大阪の維新パワーが恐ろしいですが、マスコミ報道を見る限り「現職敗北の危険性があるほどの僅差」ではなさそうです。いずれにせよ、堺市長選で現職が勝利すれば改めて「野党共闘の重要性」が明白になるかと思います。まあ衆院解散の場合、敵は維新ではなく自民ですが。
【追記】
■【堺市長選】反維新の竹山氏3勝確実 維新連敗で都構想に暗雲、衆院選にも影響か
http://www.sankei.com/west/news/170924/wst1709240054-n1.html
 暗雲も何も「住民投票で負けたのに巻き返し目指すなよ」て話ですよねえ。
 衆院選に影響するとしたら「野党共闘パワーのアピールで共闘が進む可能性」といったところですかねえ(俺の願望込みですが)。


■【衆院解散】国会冒頭解散は過去3例
http://www.sankei.com/politics/news/170924/plt1709240034-n1.html
 おいおいですね。
 過去に例があるという事は別に「やっていい」ということには全くなりません。
 しかも3例のうち「黒い霧*14解散」「死んだふり解散」は名前でも分かるようにはっきりいって評判のいい解散ではありません。
 今回の「加計・森友解散」はその性格からすれば「黒い霧解散」に似ていると言えるでしょう。
 「黒い霧解散」では自民党議席を減らしたものの微減にとどまり、佐藤は長期政権を実現しますが、今回そう言う事がないようにしたいもんです(まあ佐藤と安倍を一緒にしたら佐藤に失礼ですが)。


イラククルド人自治区、25日に住民投票 独立賛成多数の公算 周辺国に緊張
http://www.sankei.com/world/news/170924/wor1709240028-n1.html
 トルコ、イラン、シリアにもクルド人がおり、イラクの分離独立運動が波及する恐れがあるので「周辺国に緊張」のわけです。平和的に解決して欲しいですが果たしてどうなるでしょうか。


■【大相撲秋場所日馬富士、優勝決定戦を制し9度目の優勝
http://www.sankei.com/sports/news/170924/spo1709240012-n1.html
 「新たな日本人横綱誕生(つまり豪栄道の昇進)」を望む人間からすれば「白鵬鶴竜稀勢の里欠場」という絶好のチャンスをものにできなかった、優勝できなかった豪栄道にはがっかりでしょう。今回優勝すれば「来場所昇進の可能性」が少しはあったわけです。


■奈良・天理市長に並河氏再選 公務出張中の風俗店利用で話題
http://www.sankei.com/west/news/170924/wst1709240037-n1.html
 無投票というのが本当にげんなりしますね。


■【衝撃事件の核心】「会社を取られる」そう言い残して社長は失踪した 従業員の肉片300個が見つかった建設会社の怪
http://www.sankei.com/premium/news/170924/prm1709240006-n1.html

 松尾被告らは8月、横浜地裁死体遺棄、死体損壊、暴行の罪で懲役3年を求刑された。
 だが、岩本さんが遺体で見つかった正昇建設では、この会社の上野正志社長(58)が「会社を乗っ取られる」と言い残して失踪し、未だに見つかっていないのだ。
(中略)
 松尾被告の公判廷での供述によると、膝蹴りは2〜3回だったというが、岩本さんはいびきをかきだした。いびきをかくというのは、脳に外傷的な障害を負ったときにみられる症状だ。
 松尾被告らは結束バンドや粘着テープで手足を縛り、放置していたが、17時間後に松尾被告が見たときには死亡していたという。
(中略)
 3人は共謀し、チェーンソーで切断。苛性ソーダに2週間ほど浸けた*15後、骨片や肉片をトイレに流した。チェーンソーは福岡県内の海に捨てたという。後にトイレの排水溝からは300個以上の肉骨片が見つかった。
 松尾被告に懲役3年、中里被告と大内被告に懲役2年6月が求刑された際には、法廷がわずかにどよめいた。
 1人の男性を死亡させ、残忍な方法でバラバラにしたものの、3人とも執行猶予判決*16が出る可能性があるほど軽い求刑だったからだ。
 理由は単純だ。殺人や傷害致死を立件できなかったからだ。肉片となっては、死因が判別できなかった。

 まあ法的には「証拠不十分」で仕方ないのかも知れませんが、
1)バラバラ死体事件がやはり殺人
2)社長の失踪もやはり殺人(死体が隠蔽されて見つからない)
であるならば「2人殺害しても死体遺棄、死体損壊、暴行で懲役3年」というのは怖すぎるとしか言いようがないですね。こういう連中はこりずにまた同じ事やりかねませんからね。最低限、警察が厳重に監視して欲しいもんです。


■【マッド三枝が行く!!】「被告は遺族に5510万円払え」判決もどこ吹く風 犯人の家族は無借金で家を構え、1円も支払わず 司法に置き去りにされる犯罪被害者の遺族(WEB編集チーム 三枝玄太郎
http://www.sankei.com/premium/news/170924/prm1709240020-n1.html
 産経らしい弱い者*17いじめ記事です。
 「被告は遺族に5510万円払え」判決に法的に拘束されるのはあくまでも「被告」であって「被告の家族」ではないわけです。
 「被告の家族」から「法的に賠償金を取りたい」なら「被告の家族相手に訴訟するしかない」でしょうが、とはいえ、被告は成人男性ですからねえ。未成年ならまだしも、成人男性の犯罪で家族に「道義的責任ならまだしも」民事賠償責任は問えないでしょう。だからこそ「遺族」も「被告の家族相手に訴訟を起こさなかった」わけです。

 いわれなき犯行で娘と妻を失った*18父を現在の刑事訴訟法は救うことができていない。

 産経らしいアホ文章ですね。「勝訴しても被告に財産がないので、現実には賠償金が受けられないこと」「妻がPTSDを発症したこと」を産経が「救われてない」と表現している*19のならば、「救われてないこと」は刑訴法とは全く関係ありません。刑訴法は「被告人を裁くための法律」であって「犯罪被害者を経済支援したり、精神ケアしたりすること」が目的の法律ではありませんので。
 「現在の法制度は」と書けばいいところ「刑訴法」と書いて「バカをさらす産経」です。

 渡辺保さん(68)は腹に力を込めた。
(中略) 
 「何か言うことないのかよ」
 「冗談じゃないぞ」
 娘を惨殺された親として許せなかった。すでに民事裁判では(ボーガス注:被告に対し)5510万円の賠償命令が確定している。それなのに、(ボーガス注:被告からも、被告の家族からも)1円とて支払われていない。おまけに謝罪の言葉も何もないのだ。
 「弁護士に頼んであるから」
 ボソボソと父親は答えた。
(中略)
 とりつく島がなかった。渡辺さんの心は虚しさで一杯になった。
(中略)
 今年2月、渡辺さんの郷里の栃木・黒羽に帰省している折、兄弟たちとの会話で「穂積(服役囚)の親は福島の白河に住んでいるらしい」という話が出て、車で行けるのではないか、という話になり、車で向かったのだという。

車で行けるのではないか、という話

て兄弟たちも「保、もう忘れろよ」とか言った方がいいんじゃないですかねえ。
 無責任に「白河に行ったら」とか煽ってどうするんでしょうか。つうか俺だったら兄弟でも「ここまで憎悪に燃えてる人間・渡辺保」とつきあいたくないですねえ。「仕事が多忙」とか、適当な理由付けて縁切りしたい。
・まあ「いくら自分の息子」とはいえ「成人男性」の、それも

・穂積服役囚は当時、無職で、家庭内暴力を繰り返していたため、両親や妹は家を出ていた。
・「穂積(服役囚)は刑務所でも6カ月中、4カ月は独房や懲罰房にいるほど、服役態度が悪いそうです。反抗的態度ばかりとっていると聞きました。当然、謝罪など期待すべくもありません」

なんて
1)「家族ですら手に負えなくなって逃げ出した」、事実上縁切り状態で、
2)刑務所に入っても服役態度が酷く懲罰房に行くような
「札付きのゴロツキ」のしたことについて「わびろ」だの「金を払え」だの言われても俺が「被告の家族」だったら「なんであんな奴のために」「冗談じゃねえぞ。俺達だってあいつのせいでどんだけ酷い目に遭ったか」「あんな奴、もう縁を切った」と思いますねえ。
 その意味ではまあ「被害者の父親」渡辺保さんの「やり場のない怒り」をわからないでもないですが、一方で「その怒りは理不尽ではないか」とも思うわけです。
 「言葉を選ばず言えば」、正直「被害者遺族なら何でも許されると思ってるのか、手前、渡辺!。思い上がってるんじゃねえよ!」と思います。
・もちろん「やり場のない怒り」が生まれるのは殺害犯がわびもしなければ、金も払わないからです。
 まあ殺害犯人には払う金がないわけです。記事を読む限りどう見ても貯金をするなどの計算ができる人間ではなく「その日暮らし」らしいですから。犯行も産経記事に寄れば「女なら誰でもよいので強姦したいと思った」「抵抗力をなくすためまず車ではねた」「はねた後、うまく強姦できなかったが口封じのために殺した」というもので、あまりにも無計算で馬鹿げています。「合理的に計算すれば」殺していいと言う話でもないですが呆れて二の句が継げません。しかも産経記事に寄れば当初は警察の犯行追及から逃れようとしていたのに、「家族から見捨てられたこと、見捨てられた後も無計画な生活を続けたことによる生活苦」から「刑務所に行った方が飯が食えてマシだ*20」として自首したくせに裁判が始まるや無罪主張し出すというのだから、常識が全く通用しないですね。どうすればこういうクズが育つんでしょうか。「ここまでクズだと」親の責任ではない気がします。
・まあ「縁切り状態のバカ息子のしたこと」でも「どうもすみませんでした」とわび、それなりの金を払えばそれは「人として偉い」でしょうが「金の支払い」は現行法で強制できることではない*21し、「今後法改正して強制すべき事」でもないでしょう。
 まあ、謝罪はともかくカネについて言えば「国で、つまり税金で支援する」のが一番現実的でしょうねえ。
 この糞記事のように「犯人の家族をつるしあげても」何の意味もないでしょう。

 一審も二審も判決は無期懲役。判決は平成19年に確定した。

 「犯行動機の身勝手さ(誰でもいいから女を犯したい→口封じで殺害)」「犯行方法の残虐性(車で跳ね飛ばしてから首を包丁で刺して殺害)」「自首したはずなのに裁判が始まるや無罪主張というデタラメさ」そして「犯行以前から家庭内暴力など無法の極み」では無期懲役も当然でしょう。

 穂積服役囚は、一審の横浜地裁で判決が言い渡され、退廷する際、傍聴席に向かって「おまえが迎えに行かなかったから娘は死んだんだ」と叫んだのだ。

 被告は狂ってるとしか言いようがないですね。
 「俺が迎えに行かなかったから娘は死んだ(父の嘆き)」と言うならともかくねえ。
 こういう事を言っても「無反省」として罪が重くなるだけなので普通こんなことは言いません。

「私は家族を2人殺されたんです」
 そう渡辺さんは言う。
(中略)
 妻の啓子さんは事件直後からふさぎ込んでいた。心的外傷後ストレス障害PTSD)と診断され、心療内科に通っていた。渡辺さんは啓子さんの手首に何本も傷*22があり、娘の名前を呼ぶ姿を何度も見ている。
 啓子さんは平成18年8月、自宅の最寄り駅である相鉄線三ツ境駅近くの踏切で電車にはねられて亡くなった。享年53歳。

 まあ産経は「はねられて」としか書きませんが前後の文脈からみて恐らく自殺でしょう。
1)ご遺族の心情に配慮したか
2)「遺書など自殺と断言できる証拠がない」ため事故でないと100%は断言できない
と言う話に過ぎないでしょう。
 ただこれ、「お涙頂戴」や「被告への恨み辛み」で片付けるより「犯罪被害者(遺族含む)の精神的ケアを我々の社会はどう行っていくべきなのか」「そうしたケアのためにどのような法制度を作っていくべきなのか」という話にすべきでしょうね。そういう精神的ケアの話は産経や岡村勲辺りが大好きな厳罰論では全く解決しません。

 あくまでも支払い義務があるのは穂積服役囚だ。だから、家族には法的な支払い義務はない。だが、本人が支払わないなら、せめていくばくでも誠意を見せてもいいのではないだろうか。支払わないとかたくなに思っているならその気持ちを知りたい。

 聞かなくても分かると思いますが。繰り返しますが俺だったら

「いくら自分の息子」とはいえ「成人男性」の、それも

・穂積服役囚は当時、無職で、家庭内暴力を繰り返していたため、両親や妹は家を出ていた。
・「穂積(服役囚)は刑務所でも6カ月中、4カ月は独房や懲罰房にいるほど、服役態度が悪いそうです。反抗的態度ばかりとっていると聞きました。当然、謝罪など期待すべくもありません」

なんて
1)「家族ですら手に負えなくなって逃げ出した」、事実上縁切り状態で、
2)刑務所に入っても服役態度が酷く懲罰房に行くような
「札付きのゴロツキ」のしたことについて「わびろ」だの「金を払え」だの言われても俺が「被告の家族」だったら「なんであんな奴のために」「冗談じゃねえぞ。俺達だってあいつのせいでどんだけ酷い目に遭ったか」「あんな奴、もう縁を切った」と思いますねえ。

ですね。
 そしてまあ聞いてもさすがに面と向かっては「あんなゴロツキ、俺達は見捨てた、もう家族と思ってない」「あんなゴロツキのために5000万円も払えるか」とは言いづらいでしょう。

「もし、立場が逆で、お子さんがあんな形で殺されたら、お父さん、許せます? 」
「賠償する意思はないんですか」

 まあ産経らしいゲスい「取材」ですね。「報復の恐怖がある」権力者相手にはこういう事言えないくせに「弱い者」に対してはとことん態度がでかいわけです。


■【衆院解散】日本のこころ中山恭子*23代表が「小池*24新党」参加へ 夫の中山成彬*25文科相
http://www.sankei.com/politics/news/170924/plt1709240024-n1.html
 中山に好意的な産経らしい記事です。
 今のところ「参加の意向を中山が示しただけ」で小池がそれを受け入れる保障はないのですが。
 とはいえ「民進党から離党者があまり出ず」、その結果「落ち目の日ころ」と小池が手を結ぶのならばそれはそれで「小池の国政進出の挫折が確実化している」ということで「小池批判派」にとって悪い事ではないかもしれません。


■【衆院解散】福田峰之副大臣が新党参加表明 「社会望む人材出したい」 自民離党へ、若狭勝氏と会見
http://www.sankei.com/politics/news/170924/plt1709240023-n1.html
 正直驚きですね。小池新党は今のところ影も形もなく将来性がわからないのによく与党を飛び出そうと思うもんです。今のところ彼以外にそういう自民党議員はいないようですし。
 おそらくこの御仁「選挙に弱い」のでしょうし、安倍がそういう人間に対して徹底的に冷たいのも事実ですが。


■【書評】神戸大学名誉教授・吉田一彦が読む『中国はなぜ軍拡を続けるのか』*26阿南友亮*27著 汚職蔓延する解放軍 民衆の目そらすため外国へ復讐心煽る
http://www.sankei.com/life/news/170924/lif1709240010-n1.html
ウィキペディア「吉田一彦」によればこの吉田氏、

■著書
【英語学関係】
『現代英語発見:語法を中心として』(1982年、三修社
『現代英語の表情:英書を楽しく読むために』(1986年、研究社出版
『基礎力完成ノート英文解釈』(1988年、旺文社)
『国公立大を目指す受験生のための発展的英作文演習』(1989年、研究社出版
『現代英語のセンス:英語の背景を知るために』(1991年、研究社出版
『現代英語紀行:英語表現・発想のアラカルト』(1997年、大修館書店)
【軍事関係】
アメリカ義勇航空隊出撃:1941.12.20』(1998年、徳間文庫)
『暗号戦争』(2002年、日経ビジネス人文庫
『CIAを創った男ウィリアム・ドノバン*28』(2002年、PHP文庫)
『騙し合いの戦争史:スパイから暗号解読まで』(2003年、PHP新書
『無条件降伏は戦争をどう変えたか』(2005年、PHP新書
『米国側資料が明かすラバウルの真実』(2007年、ビジネス社)

ということで「英語学が専門」だが「軍事関係の本」も出していて「軍事研究者気取りの御仁」のようです。「英語学が専門だが、他分野の本も出してる右寄りの人間」というと渡部昇一を思い出します。
 しかしいくら「軍事研究者気取りの御仁」とはいえ、

・澁谷由里*29『<軍>の中国史』(2017年、講談社現代新書)
・平松茂雄*30中国人民解放軍』(1994年、岩波新書)、『中国の軍事力』(1999年、文春新書)
矢吹晋*31中国人民解放軍』(1996年、講談社選書メチエ

のような「中国人民解放軍研究」の実績もない、もちろん「中国近現代史研究者」でもない人間に「中国はなぜ軍拡を続けるのか」という本の書評を依頼するとはいつもながら産経は頭がいかれています。
・「阿南という珍しい姓」から「もしかして『戦前最後の陸軍大臣阿南惟幾*32阿南惟茂・中国大使の血縁か?*33」と思ってウィキペ「阿南惟茂」を見たところ「惟茂氏の息子さん(つまり惟幾の孫)」だそうです。
 「日中戦争に軍人として関与(阿南惟幾)」「外交官(中国大使など)として中国に関与(阿南惟茂)」「中国研究者(阿南友亮)」と「関与の仕方は違いますが」三代にわたって中国に関与したというのもなかなか面白い話です。
・書評記事タイトルの「民衆の目そらすため外国へ復讐心煽る*34」で読む気がなくなりますね。この書評が曲解でなく*35「阿南本の正確な紹介」ならどう見ても阿南本はレベルの低い反中国本だからです。
 「外国への復讐心」とは一体何なのか。復讐心を煽るには「中国に対し酷いことをした事実」がないといけないわけです。
 その「酷いことをした外国」とは「香港を植民地支配した英国」か。「日中戦争で中国を侵略した日本」か。国境紛争、領土紛争で現在もめてる(あるいはもめていた)「ロシア」「インド」「ベトナム」「フィリピン」か。はたまた朝鮮戦争で戦った「米国」か。それとも他にあるのか。
 いずれにせよ「AIIB」「一帯一路」に「日本、米国」を除いて*36これらの国が参加してることを考えれば「民衆の目そらすため外国へ復讐心煽る」なんて事実はどこにもないでしょう。
 「まさかとは思いますが」もしかして産経のように「南京事件ユネスコ世界記憶遺産登録は反日」「首相靖国参拝批判は反日」だのいうのが阿南友亮氏の立場でしょうか?。だから「民衆の目そらすため外国(この場合、日本)へ復讐心煽る*37」とか言ってしまうのか?

 共産党の用心棒である解放軍*38

 吹き出しました。「用心棒」ねえ(苦笑)。たぶん産経は「国家権力の用心棒である自衛隊」とか言うと怒り出すんでしょうけど。

【追記】
■中国の海洋進出「実際にリスクが出ている」 対中政策再考の時期 東北大大学院教授、阿南友亮氏
http://www.sankei.com/world/news/170929/wor1709290033-n1.html
 まあ、書評の時点で予想はしてましたけど「やっぱ阿南友亮氏ってそういう人なんだ」感が半端ないですね。書評は「阿南氏を産経文化人デビューさせるための下準備」だった気すらします。で今回のインタビューが本格的デビューと。
 そして「中国を侵略していたお爺さん(戦前最後の陸軍大臣阿南惟幾)はともかくお父さん(阿南惟茂・元中国大使)ってそんな反中国だったかなあ」感があります。「44歳」つうことはアラフォーの俺に近い年齢だし、まあ、「44歳で教授」つうのはそこそこ有能(この年齢なら准教授の人も多い)でしょうが「研究成果*39はともかく」現代の中国認識は本当に酷いですね。 

 (ボーガス注:格差の拡大や汚職の深刻化で)共産党が統治を続けるためには外部に敵がいるという状況が必要で、日本がそのメーンターゲットになっている。今まで日本の各政権や外務省は日中関係の破綻を回避するよう努力してきたが、中国側にこういう構造があるので日本にできることは限られている。

 「日本にできることは限られてるじゃねえよ、阿南!。手前、ふざけんな!」ですね。
 なんで「安倍の極右性(例:靖国参拝)を完全無視する」のか。なんで中国の日本批判を「外部に敵が必要だからだ、日本は悪くない」と全て中国の責任にするのか。安倍政権以前がこんなに酷い日中関係だったと強弁する気なのか。たとえば産経が「中国の飼い犬扱いしてた」福田康夫総理の時代はこうじゃなかったわけです。
 そもそも百歩譲って「外部に敵が必要だから日本叩いてる*40」として「何故その場合の叩く相手が欧米ではなく日本なのか」「叩く理由がなければ叩かない」とは思わないのか。
 まあ、阿南氏がそういう「産経御用文化人」だからでしょうけど。

 米国と日本が貿易や援助をしてきたからこそ、中国がこれだけの勢力になっているということを(ボーガス注:中国は)忘れている。

 やれやれですね。日本や米国に利益があるから貿易や援助してきたわけで「ただの善意でやってきたわけではない」。中国相手に上から目線で恩に着せることではないし、ましてや産経や阿南氏のように「日中の対立は日本は悪くない、全部中国が悪い」「中国は日本への感謝の念がないのか」なんて論外です。

 ここまで日中関係が行き詰まっている時期だからこそ、米国や日本が掲げる『普遍的価値観』を主張している中国の人たちとの関係が打開策になる可能性があると考えるのが重要だ。

 言ってることがトンデモ過ぎて頭痛がしてきます。
 なんで

米国や日本が掲げる『普遍的価値観*41』を主張している中国の人たち(反体制派?)との関係

なんてもんが打開策になるのか。「過去の日本の中国侵略を反省した上での話」ならまだしも、安倍みたいな戦前美化の極右な態度取りながらそんなこと(反体制派応援)をやったら単に中国政府に喧嘩を売ってることにしかなりません。むしろ日中関係がさらにやばくなる。
 まあだからこそ安倍もそんな事しないわけですが(勿論安倍がそんな事しない理由の一つは安倍が民主化だの人権だのに興味がないから、というのもあります)
 つうか「阿南氏や産経みたいなウヨ」がこんな事言っても誰も「ああ、彼らは中国の民主化や人権を真面目に考えてるんだ」とは思いません。
 「中国の反体制派を自分らの鉄砲玉に使おうとは汚い奴らだ」としか思わない。まあ、そういう鉄砲玉に使われてる人間の一人がダライラマの訳ですが(苦笑)。


■【衆院解散】民進2候補が離党検討 “細野*42新党”に合流模索 静岡
http://www.sankei.com/politics/news/170924/plt1709240019-n1.html

 細野氏*43が6月の知事選に無所属で出馬したバルセロナ五輪女子柔道銀メダリストの溝口紀子氏(46)に衆院静岡1区からの出馬を打診し、断られていたことも同日、分かった。溝口氏は知事選で現職の川勝平太*44に敗れたものの、衆院静岡1区のある静岡市内では川勝氏を上回る得票をあげており、次期衆院選での勝利が見込めると判断したようだ。
 関係者によると、細野氏は溝口氏と20日に会談。溝口氏はその場では回答を保留したが、23日に「静岡市では知事選で自民党の支援を受けており、同党を裏切れない」として打診を断ったという。

 細野らに大義があるとは最初から思ってませんが、溝口が言うように「自民党の支援を受けて知事選にたった溝口」を支援するというのだから全く「党利党略」しかないわけです。


■【衆院解散】「解散に大義などない」と批判する野党議員ら だが、数カ月前には「早く解散しろ」と言ってませんでした?
http://www.sankei.com/politics/news/170924/plt1709240020-n1.html
 おいおいですね。解散を求めていた理由は「加計・森友疑惑」であり、その前提として「国会での疑惑徹底追及」があったと思うのですがね。
 「明らかな加計・森友隠し解散」について「大義がない」という批判がでるのは至極当然でしょう。


■【書評】慶応義塾大学名誉教授・中条潮*45が読む『インバウンドの罠 脱「観光消費」の時代』姫田小夏著 アジア某大国のマナー悪い観光客、学習重ねれば成長するか?
http://www.sankei.com/life/news/170924/lif1709240019-n1.html
 書評を信じる限り、姫田本はインバウンド*46、つまり外国人観光客誘致(勿論主として想定されてるのは中国人観光客)に否定的なようです。
 しかし評者・中条氏は

 昔は日本人の爆買い*47がパリで顰蹙(ひんしゅく)を買っていたことを思い起こせば、アジア某大国*48の人々も、学習を重ねれば、いずれ今の日本人のように成長すると期待したい。

として「基本的にはインバウンドを肯定してる」のは興味深いですね。
 産経だってまともな人間は「佐渡の中国人観光客否定(産経『佐渡が危ない』)」「対馬の韓国人観光客否定(産経『対馬が危ない』)」のような無茶苦茶な「インバウンド否定」などできないことは分かってるわけです。


■【聞きたい。】イスラム世界はカリフ制復興でナショナリズム消滅を 中田考さん*49『帝国の復興と啓蒙の未来』*50
http://www.sankei.com/life/news/170924/lif1709240020-n1.html
 まあ今さらカリフ制度の復活はあり得ないでしょう。とはいえ「イスラム諸国のゆるやかなEU的な同盟」とかできないんだろうかとは思います。


■モスクワで野党勢力「左派戦線」活動家ら30人以上拘束
http://www.sankei.com/world/news/170924/wor1709240010-n1.html
 ロシアで「左派戦線」を名乗ってるのが興味深いですね。
 まあ「共産主義」ではなく「西欧型社民主義」という意味での左派でしょうが、「ロシアでは長期の共産党支配によって左派という言葉は嫌われてる」と思ってましたが違うんでしょうか。

 ウダリツォフ氏は2012年5月にプーチン政権批判の大規模デモを組織したとして、懲役4年6月の実刑判決を受け、今年8月に出所したばかり

というのは「当局からかなり警戒しされてるそれなりの大物」とはいえるでしょう。


■【大人の遠足】「日本人のDNAに刻まれている」 最古の大衆演劇専門劇場が横浜に(横浜総局 中村翔樹)
http://www.sankei.com/premium/news/170924/prm1709240001-n1.html
 比喩だと言う事は良く分かった上で書きますが、俺個人はこういう物言いは好きではないです。
 「DNAに伝統文化が刻まれる」つう事は勿論ないからです。
 また俺個人が「別に大衆演劇が好きでない」ということも今回「こういう物言いは嫌だ」と思う理由にあるかとは思います。
 記事もあるように

大衆演劇といえば、どんなイメージを持つだろうか。家族を中心にした「一座」が全国の温泉宿や健康センターを巡り、時代劇や舞踊ショーを行うというのが一般的か。意外と知られていないのは、こうした演劇を専門に扱う劇場があるということ。昭和初期の隆盛以降、テレビなどほかの娯楽の台頭もあって減少傾向にあるが、横浜市に日本で最も長い歴史を持つ劇場があると聞き、行ってみた。
・実はこの日は、34歳の記者にとって人生初の大衆演劇
・年配の女性が多かった客席

ですからねえ。


■【産経抄】9月24日
http://www.sankei.com/column/news/170924/clm1709240004-n1.html

「決定いたしました。これが当然の言い方でしたというのに。なんて卑屈な」。女性の指摘には異論をはさむ余地がない。

 いや異論大ありですね。相手が何考えてるかわからないので「できる限りへりくだる」つうのはある種合理的考えでしょう。
 産経抄子が

「させていただく」の裏を推し量るなら、相手との距離を測れない不安の表れだろう。「いたします」では失礼かもしれない。もう一段下がるのが無難だ、と。

と書くとおりです。
 たとえば「デパート客のクレーム対応」だったら相手は見ず知らずで何考えてるかわからないことが多いわけです。
 そもそも女性のように考える人ばかりならこうした物言いは普及しなかったはずです。むしろ「致しましたより丁寧でいい」つう人が多いのでしょう。つうかこんな事言ってる産経抄子が「いたしました」ではなく「させていただきました」を普通に使っていたら大笑いですね。

社会から上下関係の厳しさが薄れ、敬語という物差しに不案内な人が増えたとすれば危うい時代である。

 いやいやむしろ上下関係が厳しいからこそ「できる限りへりくだる」わけです。

遠回しな物言いを美とする日本語への自信が揺らいでいる観もある。「国語に関する世論調査」では「背筋が凍る」「毒を吐く」などの新語を使う人が増えた。「背筋が寒くなる」では足りぬ恐怖、「毒を含む言葉」では吐き切れない悪感情に満ちた世の中らしい。

 意味がわからないですね。「背筋が凍る」「毒を吐く」が新語とは気付きませんでしたが何か問題なのか。つうかこんな事言ってる産経抄子がこれらの新語を普通に使っていたら大笑いですね。
 なお、言葉というのは変化するもんです。「間違った使い方の普及*51」もある程度は仕方ないでしょう。「一生懸命(一所懸命の誤用だとされる)」「独壇場(独擅場の誤用だとされる)」、「鳴かず飛ばず(もともとは『能ある鷹は爪を隠す(本当に能力ある人は安易に動かない)』と言う意味だったが今は『無能である』と言う意味で使われる)」「君子豹変(もともとは『立派な人間は変わるべき時にはしがらみなど気にせず変わる(例:蓮池透氏)』と言う意味だったが今は『立派な人間ぶっていた者が道理の通らない豹変をする』と言う意味で使われる)」など誤用だったモノが定着してしまうこともある。
 今「本来は褒め言葉」だった「鳴かず飛ばす」「君子豹変」を褒め言葉で使う人はまずいないでしょう。
 この点「情けは人のためならず」は微妙ですね。まだ「情けをかけることはかけられた人だけでなく、かけた人や社会のためにもなるから大いに情けをかけよう」と言う本来の意味が通用すると思います。
 なお、今回の調査で俺的に面白いのは
■【国語に関する世論調査】「存亡の危機」が定着 本来の「存亡の機」を使う人は6.6%にとどまる
http://www.sankei.com/life/news/170921/lif1709210025-n1.html
ですね。
 確かに「存亡の機(存続できるか滅びるかの瀬戸際)」と言う意味ですから本来「機(瀬戸際)」でないとおかしいのでしょうが、俺も普通に「存亡の危機」と使いますね。
 なお、この「存亡の危機」、

http://www.mofa.go.jp/mofaj/press/danwa/07/dmu_0815.html
 わが国は、遠くない過去の一時期、国策を誤り、戦争への道を歩んで国民を存亡の危機に陥れ、植民地支配と侵略によって、多くの国々、とりわけアジア諸国の人々に対して多大の損害と苦痛を与えました。

http://www.kantei.go.jp/jp/koizumispeech/2006/01/20sisei.html
 我が国は、明治維新以降、幾たびか*52国家存亡の危機に立たされました。

ということで「村山談話」や「2006年の小泉純一郎首相の施政方針演説」にも登場します。文化庁は「もはや言葉として定着した」と見ているようです。


参考

https://www.nhk.or.jp/bunken/summary/kotoba/gimon/046.html

 「ものごとを命がけでする様子」をあらわすのに、「一生懸命」以外に「一所懸命」の表記も時折見かけます。どちらが正しいでしょうか。

 どちらも間違いではありませんが、放送では「一生懸命」を使っています。
解説
 「一所懸命」は、「昔、武士が賜った『一か所』の領地を命がけで守り、それを生活の頼りにして生きたこと」に由来したことばです。これが「物事を命がけでやる」という意味に転じて、文字のほうも「一生懸命」とも書かれるようになりました。今では、「一所懸命」よりも「一生懸命」と表記・表現される場合が多くなっています。
 多くの辞書が今も両方を見出し語として載せていますが、新聞社や雑誌社では、外部からの寄稿などを除いて「一生懸命」に統一しているところが多いようです。放送でも「一生懸命」を使っています。

https://www.nhk.or.jp/bunken/summary/kotoba/gimon/121.html

 「彼の独壇場(独り舞台)だった」などと言う場合の「独壇場(どくだんじょう)」は、「独擅場(どくせんじょう)」という言い方が正しいということを、最近聞きました。ほんとうでしょうか。

 そのような場合の読みと表記は、確かに本来は、「独擅場(どくせんじょう)」ですが、「擅<せん>」が「壇<だん>」と誤読されて、「どくだんじょう」という言い方が定着しました。今では表記も「独壇場」が一般化し、放送でも「独壇場(どくだんじょう)」を使っています。
解説
 漢字の「擅」の読みは「せん」で、「ほしいままにする。ひとりじめにする。また、ひとりで自由に処理する」(『学研 漢字源』)という意味です。この文字を使った熟語の「独擅」は、「自分ひとりの思いのままに振る舞うこと」、「独擅場」は「その人ひとりだけで、おもいのとおりの振る舞いができるような場面・分野。ひとり舞台」(『大辞林三省堂)で、もともとの読み方は「どくせん」「どくせんじょう」です。しかし、「擅」と「壇」の文字がよく似ていることから、「どくだんじょう」と誤って読まれるようになり、表記も「独壇場」が一般化しました。誤った読み方と書き方が定着・慣用化した例の一つです。
 このような誤用が生まれたのは、字形が似ていることに加えて、「壇」の熟語で場所を表す「演壇」「教壇」「仏壇」「土壇(場)」などという言い方との混同もあるかもしれません。 戦前の『日本語アクセント辭典』(日本放送協會編 昭和18年1月発行)には「ドクセンジョー 獨擅場」と記載されていますが、その後「独壇場(どくだんじょう)」という用語の定着・慣用化が進む中で放送でも今では「独壇場」を使っています。

*1:岸内閣郵政相、自民党政調会長(池田総裁時代)、池田内閣蔵相、自民党幹事長(佐藤総裁時代)、佐藤内閣通産相などを経て首相

*2:吉田内閣郵政相、建設相、岸内閣蔵相、池田内閣通産相科学技術庁長官などを経て首相

*3:「ぐち」はいわゆる常用漢字ではなく「文字化けする可能性大」なのでひらがなで書いています。

*4:朝日新聞社から1997〜1999年に全5巻で発行されている。

*5:著書『他策ナカリシヲ信ゼムト欲ス』(1994年、文藝春秋)。1996年(平成8年)7月27日、福井県鯖江市の自宅にて逝去(享年67)。当時は癌性腹膜炎と発表されたが、実際には青酸カリでの服毒自殺だったことが後にあかされた。若泉の自殺について感想を聞かれた大田昌秀沖縄県知事琉球大学名誉教授は「核密約を結んだことは評価できないが、若泉さんは交渉過程を公表し、沖縄県民に謝罪し、『結果責任』を果たした。人間としては信頼できます」とコメントしている。

*6:吉田内閣労働相、農林相、自民党総務会長(池田総裁時代)、佐藤内閣建設相、官房長官自民党幹事長(佐藤総裁時代)、田中内閣行政管理庁長官、衆院議長など歴任

*7:岸内閣科学技術庁長官、佐藤内閣運輸相、防衛庁長官、田中内閣通産相自民党幹事長(三木総裁時代)、総務会長(福田総裁時代)、鈴木内閣行政管理庁長官などを経て首相

*8:目立たないも何も「密使外交」ですからねえ。

*9:佐藤の退陣は1972年7月。

*10:戦前、満州国総務庁次長、商工次官、東条内閣商工相など歴任。戦後、自民党幹事長(鳩山総裁時代)、石橋内閣外相を経て首相

*11:著書『僕は沖縄を取り戻したい:異色の外交官・千葉一夫』(2017年、岩波書店

*12:岸内閣農林相、自民党政調会長(池田総裁時代)、幹事長(佐藤総裁時代)、佐藤内閣外相、田中内閣蔵相、三木内閣副総理・経済企画庁長官などを経て首相

*13:佐藤内閣環境庁長官沖縄開発庁長官、田中内閣防衛庁長官自民党政調会長(田中総裁時代)、中曽根内閣通産相など歴任

*14:黒金泰美・元官房長官(池田内閣)の名前が浮上した「吹原産業事件」、重政誠之・元農林相(池田内閣)の名前が浮上した「共和精糖事件」、衆院議員・田中彰治が恐喝や詐欺で起訴された「田中彰治事件」などのこと。

*15:ミステリでそういう死体処理法(たんぱく質を溶かす薬剤で遺体を処理)があった気がしますが実際にやる奴もいるんですね。

*16:さすがに執行猶予はでないと思いますが求刑通りでも充分軽いでしょう。

*17:というと言い過ぎかも知れませんが「犯人の家族」は権力者ではないですからねえ。

*18:なお娘が「殺害」で、妻が「PTSDを発症し自殺(と思われる鉄道事故死)」です。

*19:前後の文脈からみてそうだと思いますが

*20:「だったら最初から窃盗とか、殺人と違って重罰になりそうもないが、実刑つきそうな犯罪やって自首しろよ、計算できないのか、バカ」ですね。

*21:もちろん「息子とは言え成人男性」「他人のしたこと」について謝罪の強制なんかできるもんではありません。

*22:「いわゆるリストカットによる傷」でしょう。

*23:福田内閣拉致担当相、第一次安倍、麻生内閣首相補佐官(拉致担当)を歴任

*24:小泉内閣環境相、第一次安倍内閣防衛相、自民党総務会長(谷垣総裁時代)を経て都知事

*25:小泉内閣文科相麻生内閣国交相を歴任

*26:2017年、新潮選書

*27:著書『中国革命と軍隊:近代広東における党・軍・社会の関係』(2012年、慶應義塾大学出版会)

*28:CIA(中央情報局)の前身であるOSS(戦略諜報局)の長官を務めた。

*29:帝京大学教授。著書『馬賊で見る「満洲」:張作霖のあゆんだ道』(2004年、講談社選書メチエ)、『「漢奸」と英雄の満洲』(2008年、講談社選書メチエ)、『馬賊の「満洲」:張作霖と近代中国』(2017年、講談社学術文庫

*30:防衛庁防衛研究所研究員。著書『中国の国防と現代化』(1984年、勁草書房)、『中国の国防とソ連・米国』(1985年、勁草書房)、『中国核大国への道』(1986年、勁草書房)、『中国と朝鮮戦争』(1988年、勁草書房)、『訒小平の軍事改革』(1989年、勁草書房)、『甦る中国海軍』(1991年、勁草書房)、『中国の核戦力』(1996年、勁草書房)、『江沢民と中国軍』(1999年、勁草書房)、『中国軍現代化と国防経済』(2000年、勁草書房)、『中国の戦略的海洋進出』(2002年、勁草書房)、『現代中国の軍事指導者』(2002年、勁草書房)、『江沢民時代の軍事改革』(2004年、勁草書房)、『中国の安全保障戦略』(2005年、勁草書房)など。ただし、この平松氏、何故か、2006年以降は『中国は日本を併合する』(2006年、講談社インターナショナル:アマゾン曰く「櫻井よしこ推薦」だそうです)、『中国は日本を奪い尽くす』(2007年、PHP研究所)、『「中国の戦争」に日本は絶対巻き込まれる』(2008年、徳間書店)、『日本は中国の属国になる』(2009年、海竜社)、『中国はいかに国境を書き換えてきたか:地図が語る領土拡張の真実』(2011年、草思社)、『中国「日本侵略」の野望をこう打ち砕け!』 (田母神俊雄との共著、2011年、ワック文庫)、『実践・私の中国分析:〈毛沢東〉と〈核〉で読み解く国家戦略』(2012年、幸福の科学出版)とトンデモ極右本を出し国家基本問題研究所評議員にもなったようですが。「幸福の科学出版」つうのは「悪い意味で」完全に一線を越えてると思います。

*31:横浜市立大学名誉教授。著書『文化大革命』(1989年、講談社現代新書)、『毛沢東周恩来』(1991年、講談社現代新書)、『朱鎔基:中国市場経済の行方』(2000年、小学館文庫)、『中国の権力システム:ポスト江沢民のパワーゲーム』(2000年、平凡社新書)、『トウ小平』(2003年、講談社学術文庫)、『習近平の夢:台頭する中国と米中露三角関係』(2017年、花伝社)など

*32:陸軍省兵務局長、人事局長、陸軍次官などを経て陸軍大臣

*33:「阿南」「五百旗頭」など姓が珍しいと覚えてもらえるメリットがある反面「バツバツさんのご親族ですか?」と毎回言われるのが嫌な人間にとってはデメリットですね。

*34:こういう記事タイトルを付けたがるところがさすが反中国・産経です。

*35:「曲解、誤読常習」産経だと「曲解でない」と言えないところがなんともかんともです。

*36:まあ日米にしたって中国はAIIBや一帯一路への参加を呼びかけておりいたずらに敵視などしていませんが。

*37:とはいえこれはあくまでも産経書評による紹介なので「阿南本の誤読、曲解の疑い」がありますが。

*38:阿南氏がそう表現してるのか、産経がそう表現してるに過ぎないのかは不明です。

*39:とは言え彼の研究分野は「中国近現代史」なので「現代の中国認識」と多少かぶってるのですが。

*40:実際には「鳩山政権の尖閣侵入船長逮捕(従来はすぐに国外追放)」「野田政権の尖閣国有化」や「安倍総理や稲田防衛相(当時)の靖国参拝」など中国にとって許しがたい事件が起きない限り日本叩きなどしていませんが。

*41:安倍の「価値観外交」「人権外交」とか言う奴です。安倍の掲げる「人権外交」なんてインチキきわまりないですが。

*42:細野新党といったところで「小池新党との合流」が予定されてるわけです。

*43:野田内閣環境相民主党幹事長(海江田代表時代)、政調会長岡田代表時代)、民進党代表代行(蓮舫代表時代)を歴任

*44:県立静岡文化芸術大学学長を経て県知事

*45:著書『航空新時代』(1996年、ちくま新書)、『景気復活・最後の切り礼:規制改革なくして日本再生なし』(2000年、小学館文庫)など

*46:最初聞いたときは「インバウンドって何?」でしたが今では俺も大まかな意味はわかってます。まあそれだけ「中国人観光客のインパクトがでかい」つうことでしょうが。

*47:バブル期のことか?

*48:勿論中国のこと

*49:著書『ビンラディンの論理』(2001年、小学館文庫)、『イスラームのロジック』(2001年、講談社選書メチエ)、『イスラームの論理』(2016年、筑摩選書)、『イスラーム入門』(2017年、集英社新書)など

*50:2017年、太田出版

*51:少なくとも新語は「間違った言葉」ではありませんが。

*52:「敗戦し外国の支配を受けた」日中戦争、太平洋戦争はそれにあたるでしょうが、他はなんですかね?。