今日の産経ニュース(10/6分)(追記・訂正あり)

■【ノーベル賞核廃絶NGOに平和賞も、北への抑止効果疑問 横田早紀江さん「暴発なら全て灰に」
http://www.sankei.com/life/news/171006/lif1710060066-n1.html

 西岡氏は「授賞理由で評価された条約という枠組みが、北朝鮮の核開発を抑止できておらず、安全保障に功を奏していないという実態を選考者側はよくみていないのではないか。受賞者側も、その現実を理解しているか疑問だ」と話している。

 「はあ?」ですね。この問題の専門家でもない西岡に話を聞く産経も「はあ?」ですが、西岡の主張も「はあ?」です。「受賞させない方が良かった」とでも言いたいんでしょうか?
 まあ、西岡が金大中韓国大統領(2000年)やカーター元米国大統領(2002年)の受賞(北朝鮮問題が受賞理由)でノーベル平和賞に好意を持ってないことはよく分かりますが。
 また西岡が「カーター訪朝による米朝核合意」「日朝平壌宣言」「ストックホルム合意」「6カ国協議」などの「条約の枠組み」に否定的なこともよく分かりますが、まあ非常識ですね。


■【ノーベル賞】前外相の岸田文雄*1自民党政調会長「大変歓迎すべき」 核兵器禁止条約の実現に尽力のNGO、平和賞受賞で
http://www.sankei.com/politics/news/171006/plt1710060123-n1.html
 「米国の核の傘」支持を理由に
朝日新聞『政府、平和賞にコメント出さず 外務省幹部「立場違う」』
http://www.asahi.com/articles/ASKB661V3KB6UTFK01J.html
なんて安倍政権、外務省のような冷淡な態度をされてもそれはそれで困るのですが「あんた外相時代、核廃絶に向けて何かしたんか?。何もしてないやろ?。自分の手柄でもないことでどや顔か?」と問いただしたくなりますね。


■歴史教科書「各社の比較評価を」 山梨県議会で県教委の指導強化求める請願採択
http://www.sankei.com/life/news/171006/lif1710060022-n1.html
 今の安倍自民を象徴する常軌を逸した採択ですね。

 教育指導要領の「我が国の歴史への愛情を深める」「国民としての誇りを育てる」などを最も尊重した教科書採択を求めている。

 少なくとも指導要領は「事実を捏造してでも愛国心を育てろ」などとはいっていません。


■【衆院選】立憲民主、50人超擁立へ 幹事長に福山*2参院議員
http://www.sankei.com/politics/news/171006/plt1710060009-n1.html
 いっそのこと、辻元清美*3幹事長にでもすれば「話題性とそれなりの能力を持った幹事長」でいいのではないかと思いますが。
 能力識見はひとまずおくとしても福山某氏は今ひとつ地味というか知名度が落ちますのでね。


■【衆院選希望の党で出馬の中山成彬*4文科相安倍晋三首相がいい」
http://www.sankei.com/politics/news/171006/plt1710060114-n1.html
 小池が「政権交代選挙」をアピールしてるのにこう公言する神経は常軌を逸してますね。まあ、中山なんぞ候補にする小池*5も気が狂っていますが。


■世界体操、白井健三*6が個人総合銅メダル
http://www.sankei.com/sports/news/171006/spo1710060020-n1.html
 もちろん銅メダルだって充分スバラシイですが、白井には失礼ながら、やはり「怪我で棄権した内村*7が健在だったら」という思いはどうしても感じます。


■「産経がいると話しづらい」「テロリストと同じ*8」記者はこうして東京新聞・望月*9記者の講演会取材を拒否された(新潟支局 太田泰)
http://www.sankei.com/premium/news/171006/prm1710060006-n1.html
 公人(政治家、官僚など)ならともかく私人にメディア取材を受ける義務は何一つないんですが。
 そもそも産経はデマ記事常習でまともに望月講演会を報じる気があるかどうか疑わしいですからねえ。
 取材拒否を積極的に支持する気はないですが、産経が非難するほどの不当行為でもないでしょう。
 そもそも常に取材を受けてもらえると思う方がおかしい。

弊社の何が恐ろしいか、理解しかねた

 産経の記事でウヨが街宣車で脅しをかけたり、酷い場合には「刀剣友の会事件」「加藤紘一*10邸放火事件」のようながちの右翼テロすら過去に何度もあったのに、そしてその場合に産経が責任とったことは過去に一度もないのに良くもふざけたことが言えたもんです。常人にとって産経記者なんて「右翼構成員」と大して変わらないでしょう。

「あんたらがやっていることはテロリストと同じだ!」

 まあ産経のデマ記事で右翼が暴走してることを考えれば産経はそう言われても仕方がないでしょう。


■【竹島を考える講座】韓国は不法占拠をどう正当化させていったか 日韓が交換した口上書を読み解く
http://www.sankei.com/west/news/171226/wst1712260003-n1.html
 産経は「日本の主張に問題はない」というのですがはっきりいって大嘘です。
 日本の主張の何が問題か。池内敏氏*11なども指摘していることですが、それは「竹島が何故1905年(明治38年)になるまで正式に島根県編入されなかったのか」ということです。
 時期を考えれば「1905年以前に編入主張すれば当時の韓国政府から『うちの領土だ』と反発され、中露も韓国を応援する恐れがあるが、1905年なら日露戦争勝利もあって、日本の韓国植民地化はほぼ既定コースなので韓国政府や中露の反発はないと見切ったのではないか(韓国側主張)」という主張にはそれなりの正当性があります。
 「1905年以前から日本は竹島の存在を認識していたし、竹島が日本領だった」といえば言うほど「何故島根県編入が遅れたのか。何故明治維新から30年以上も経っているのか」というツッコミを招きます。
 そして俺の知る限りそうしたツッコミに「日本領論者」からまともな反論があったことはおよそありません。この記事にも何ら反論はありません。
 また敢えて言えば「相手が実効支配してる」のに「道理の上ではー」といってもあまり意味はありません。まあ実際には既に指摘したように「1905年編入の謎」がある以上「韓国主張に道理がない」といえるか疑問ですが。
 ましてや「慰安婦は公娼」なんてデマ飛ばす産経が「道理がー」といっても全然説得力はない。

 戦後、サンフランシスコ平和条約の起草の過程においても韓国は日本による竹島の放棄を求めましたが、米国はこの要請を拒否しています。こうした経緯があったにもかかわらず、戦後、韓国は不法な李承晩ラインを一方的に設定し、力をもって不法占拠を開始したのです。

 単に米国は日本ともめたくなかっただけです。一方で韓国とももめたくなかった米国は日本が主張する「日本領」という主張も支持しませんでした。従って李ラインの設定についても「支持もしないが批判もしない」立場の米国でした。
 悪い言葉ですが「棚上げにして逃げた」わけです。


■【ノーベル賞】「大吉報だ」イシグロ作品*12の邦訳独占出版の早川書房社長 書店から注文殺到
http://www.sankei.com/life/news/171006/lif1710060005-n1.html
 「英国ブッカー賞受賞」で国際的、英国的には有名だとしても「日本的には無名(よほどの文学通でないと知らない)」の作家がノーベル文学賞ですからねえ。早川書房も当分は笑いが止まらないでしょう。

【追記】
■【ノーベル賞】ドラマ版「わたしを離さないで」、スカパーが再放送を急遽決定
http://www.sankei.com/entertainments/news/171006/ent1710060018-n1.html
 コメ欄でも触れましたが過去に「日本風に翻案した上で」、綾瀬はるか主演でTBSでドラマ化したことがあるそうです。
 無名というのは少し言い過ぎた気がします。

*1:第一次安倍、福田内閣沖縄・北方等担当相、第二次、第三次安倍内閣外相を経て自民党政調会長(第二次安倍総裁時代)

*2:鳩山内閣外務副大臣菅内閣官房副長官民主党政調会長(海江田代表時代)などを経て立憲民主党幹事長

*3:社民党政審会長、国対委員長鳩山内閣国交副大臣菅内閣首相補佐官(災害ボランティア担当)、民主党政調会長代理、役員室長、民進党幹事長代理など歴任

*4:小泉内閣文科相麻生内閣国交相を歴任

*5:小泉内閣環境相、第一次安倍内閣防衛相、自民党総務会長(谷垣総裁時代)を経て都知事

*6:2016年リオ五輪跳馬銅メダル、世界体操ゆか金メダル(2013年アントウェルペン、2015年グラスゴー)など

*7:2012年ロンドン五輪、2016年リオ五輪個人総合金メダル。世界体操個人総合金メダル(2009年ロンドン、2010年ロッテルダム、2011年東京、2013年アントワープ、2014年南寧、2015年グラスゴー)など

*8:まあ産経の酷い記事は「右翼テロを助長したいのか」と言いたくなる代物ですからね。

*9:著書『武器輸出と日本企業』(2016年、角川新書)、『新聞記者』(2017年、角川新書)

*10:中曽根内閣防衛庁長官、宮沢内閣官房長官自民党政調会長(河野総裁時代)、幹事長(橋本総裁時代)など歴任

*11:著書『竹島問題とは何か』(2012年、名古屋大学出版会)、『竹島:もうひとつの日韓関係史』(2016年、中公新書

*12:遠い山なみの光』、『日の名残り』(2001年、ハヤカワepi文庫)、『浮世の画家』、『わたしたちが孤児だったころ』(2006年、ハヤカワepi文庫)、『充たされざる者』(2007年、ハヤカワepi文庫)、『わたしを離さないで』(2008年、ハヤカワepi文庫)、『夜想曲集:音楽と夕暮れをめぐる五つの物語』(2011年、ハヤカワepi文庫)、『忘れられた巨人』(2015年、早川書房