今日の産経ニュース&しんぶん赤旗(10/22分)(追記・訂正あり)

赤旗『消費税、経済改革、北朝鮮野党共闘、BSフジ「プライムニュース」、志位委員長、縦横に語る』
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik17/2017-10-22/2017102201_01_0.html

「(消費税率を)下げることは考えないのか」(反町氏)との質問に、「いまの焦点は上げるか上げないか。ただ、先々の見通しとして私たちは、負担能力に応じた負担=累進課税への税の組み替えをやり、消費税を軽減する。最終的には消費税を廃止して、かつての(物品税の)ような個別の間接税にしていく展望をもっています」とのべました。

 まあ、「最低限、10%増税中止なら他党も飲むだろう。昔の税率(3%または5%)に下げるとか言うと色々ともめるから妥協する」つう話ですよね。よく「共産党は理想主義過ぎる」なんて誤解がありますがそんな事はないと改めて言いたい。
 しかし自民支持つう輩は「消費税増税」をどう考えてるんですかね。景気に悪影響与える危険性大なのに。

民進党の崩壊がおこったもとで、いま新しい野党3党(共産党立憲民主党社民党)でたたかっていますが、今度の選挙でこの3党で政権をとるというのは条件がありません
・今回は、野党3党として、政策協定まで結ぶ余裕がなかったんですけども、(3党はそれぞれが)「市民連合*1」のみなさんと7項目の合意をしているんです。第1項目は、安倍政治の下での憲法9条改定は認めない。二つ目は、憲法違反の安保法制、秘密法、共謀罪は白紙撤回する。三つ目は、福島原発事故の検証のないもとでの再稼働は認めない*2などなどです。
 ただ、もっとこの内容を発展させていくために、野党陣営としてもっと努力が必要だと(思います)。政策協議をやって、どこで一致するのか、一致しない点はどう処理するのかという点をつめないといけない。新しい国会が構成されましたら、ぜひやっていきたいと思っています。

 まあこういう辺りも共産らしい「現実主義」ではあるでしょう。
 「立憲民主、社民、共産では政権交代までは無理だ」「ただだからと言って共闘しないのもよろしくない」「可能な面で共闘する」「時間も少ないし、政権交代の可能性もないから今回はある程度の合意でいい」と。
 こうした共産の現実主義をどう伝えていくか、「理想主義過ぎる」つう誤解をどうといていくかも一つの課題ではあるでしょう。まあ「俺の願望込みですが」ずーっと惰性で自民支持するような輩はともかく、安倍批判派、野党共闘支持派にはかなりの程度、浸透してるんじゃないかと思いますが。


【ここから産経です】
■【中国共産党大会】中国、愛国教育を強化 共産党独裁に疑問抱かぬ教育推進か
http://www.sankei.com/world/news/171022/wor1710220021-n1.html

 今年の歴史教科書改定では、抗日戦争の起点を従来の1937年の盧溝橋事件から31年の柳条湖事件に変更した。期間を8年から14年に延ばしたことで、長期にわたって共産党が抗日戦争に関わったと強調し、党の権威を高める狙いだ。

朝日新聞『抗日戦争の期間、8年から14年に変更 中国の狙いは?』
http://www.asahi.com/articles/ASK6F575LK6FUHBI01J.html
という「今回の産経と同レベル」のアホ記事が朝日に出たときに「前も書きましたが」、「道徳教育強化」とか他の件はともかく「党の権威」と関係あるんですかね、それ。
 むしろ中台関係改善的な「国共合作成立前の国民党の戦いも重要です(だから中国国民党の皆さん、我々中国共産党と仲良くしましょう)」つう要素があるんじゃないか。
 あるいは後で触れますけど「日本では15年戦争が一般的なんで8年戦争とか言うても日本の学者と話が通じないんですわ(中国の歴史家)→そうなんか、じゃあ15年戦争にしようやないか(習主席)」つう話じゃないのか。
 まあ、日本では

・江口圭一『十五年戦争の開幕』(1988年、小学館)、『新版 十五年戦争小史』(1991年、青木書店)、『十五年戦争研究史論』(2001年、校倉書房
大杉一雄『日中十五年戦争史』(1996年、中公新書)
・岡部牧夫『十五年戦争史論』(1999年、青木書店)
藤原彰昭和天皇十五年戦争』(1991年、青木書店)

など「15年戦争」がむしろ一般的なので「え、中国ってそうじゃないの」感ですねえ。当然、朝日や産経が「党の権威ガー」といっても俺なんか「はあ?」ですね。
 盧溝橋事件からカウントした「8年戦争」なんて本は日本では見たことがありません。
 もちろん江口氏らは「中国共産党の権威を高めるため」に15年戦争と言ってるわけじゃない。つうか本当に15年戦争の方が権威高まるなら、毛沢東時代に既に「15年戦争」でしょうよ。何で建国から60年も経った今頃になって、「毛沢東トウ小平江沢民胡錦濤習近平」と何人も最高指導者がかわってから「15年戦争」になるのか。何でその程度の常識も朝日や産経にはないのか。アンチ中国こじらせるとそこまで馬鹿な事を言うのか。
 まあ、「日中戦争の始まりである満州事変(柳条湖事件)及び満州国建国(1931年)」と「日中戦争が全面戦争化した盧溝橋事件及び第2次国共合作(1937年)」とどっちを重視するかつう事ですので、どっちが正しいとか間違ってるとか一概には言えない。価値観の違いです。
 日本では「満州事変」を重視する傾向が強いわけです。
 いずれにせよ「党の権威」つうなら期間延ばすより「国共合作の素晴らしさ」強調で「従来の8年(つまり第2次国共合作からカウント)」の方が「権威強調」になるんじゃないんですかね。


■【主張】日産と神鋼の不正 安全の基本損ねる背信
http://www.sankei.com/column/news/171022/clm1710220003-n1.html
 日産や神戸製鋼の不正は批判されて当然ですがデマ記事常習の産経が良くもこんなことが言えたもんです。
 そしてまあ「産経のデマ記事」「安倍の加計森友疑惑」がこれらの企業不正に直結しているわけでは勿論ありませんが、「どんな理由でアレ、重大な不正を容認すればそれは不正しても構わないという空気を社会に産み出し不正を蔓延させる危険がある」とは言えるでしょう。
 そういう意味でも「産経のデマ記事」「安倍の加計森友疑惑」なんて容認できるモンではありません。


■【産経抄】国政に緊張感を取り戻す 全ては手元の一票から始まる 10月22日
http://www.sankei.com/column/news/171022/clm1710220005-n1.html
 選挙予想では「与党に緊張感」どころか「与党が頭に乗って」、小生のような与党批判者が「日本はどうなるのか」という「別の意味の緊張感」と絶望感を抱きそうですが、「やまない雨はない」「明けない夜はない」と思って、まあめげずに頑張るしかないでしょう。その際には「赤旗記事(http://www.jcp.or.jp/akahata/)」「志位氏のツイート(https://twitter.com/shiikazuo)」などで自分を奮い立たせることにしましょう。
 もちろん産経も「事前予想」から、調子こいて、気楽にこんなこと書いてるわけで、与党大敗予測なら「安倍政権を守れ」の大合唱でしょう。

【追記】
今見たらタイトルが
■【産経抄】時勢に鈍い政党の姿が目についた 全ては手元の一票から 10月22日
とタイトルが変わっていました。
 「時勢に鈍い」とはどうも「北朝鮮の脅威があるのに護憲とは馬鹿げてる」つうことらしいですが、元のタイトルをわざわざ変えてまで「本文だけでなく」タイトルでも野党罵倒がしたいらしい産経です。


■【新聞に喝!】「国難」は安倍晋三首相が煽っていると朝日新聞の主張、まことに奇怪千万だ 元東京大学史料編纂所教授・酒井信彦
http://www.sankei.com/column/news/171022/clm1710220009-n1.html
 このタイトルだと「内容の是非はともかく」、「朝日非難が延々と続く」と誰でも思うでしょう。ところが朝日非難は

9月30日、朝日社説。中国や北朝鮮の軍事的脅威がこれだけ明白であるのに、国家意識・民族意識を欠落させ、「国難」は安倍晋三首相(63)が煽(あお)っていると主張するのである。まことに奇怪千万と言わざるを得ない。

と最後に突然登場するだけです。
 この最後の朝日非難文章の前に何が書かれてるかというと

・9月9日、日本学生対校選手権で、桐生祥秀選手(21)が100メートル決勝でついに10秒の壁を破って9秒98の新記録を出した。新聞各紙は翌10日の朝刊1面でこれを報じている。
(中略)
 それら多くの記事で特に私の注意を引いたのは、桐生選手が4年前の高校時代に日本歴代2位(当時)の10秒01をマークした後、ずっと続いた精神的苦労を述懐している部分だ。
 例えば産経2面に掲載された「桐生 重圧に勝つ」の記事。「応援してもらえる喜びと、無意識のうちに身の回りに充満する期待という名の重圧。常人なら心身のバランスを崩していてもおかしくなかった」と説明している。
 ただし、桐生選手への期待が膨れ上がったのは、新聞などメディアの果たした役割が極めて大きかったのだろう。桐生選手はその重圧を克服したが、それは必要な重圧だったのか。・
 私がそんな感想を抱くのは、ゴルフの石川遼選手(26)を想起するからである。15歳のとき、日本男子ツアー史上最年少で優勝を果たすなど、若くして好成績を収めて将来を大いに期待されたが、現在は伸び悩んでいるようである。
 同じゴルフでも松山英樹選手(25)は石川選手と同世代だが、彼ほど騒がれることなく着実に成長して、世界のトップ選手となっている。つまり、メディアは有望選手が現れたときは、あまり騒ぎ立てず落ち着いて見守る姿勢も必要ではないだろうか。

という内容が延々書かれています。
 明らかにタイトルと内容が大幅にずれています。変な話です。そしてこの分量の差から考えて最後の朝日批判は本当は酒井にとって「どうでもいい内容」なんじゃないですかね。
 なお、中国や北朝鮮が日本にとって軍事的脅威かと言ったらどう考えても脅威じゃないでしょう。
 日本相手に戦争やってメリットがあるかと言ったら両国共にないからです。特に北朝鮮なんて軍事小国ですから、下手したら自衛隊在日米軍の反撃で滅亡しかねない。北朝鮮の通常兵器は率直に言ってポンコツでしょう。だからこそ「ミサイルという飛び道具」「核という大量破壊兵器」に力を入れるわけです。
 ただこれらの兵器は「手加減できるもんではなく破壊力がでかい」ので、うかつに北朝鮮側から使用できるもんじゃない。あくまでも「北朝鮮に米国や韓国、日本が攻めてくるなら反撃する」つう牽制用でしかありません。
 せいぜいありうるとしたら中国軍と自衛隊尖閣での偶発的衝突か。まあそれもないでしょうし、仮にあっても「偶発的衝突」でしょう。
 本格的バトルに突入していくほど日中両国とも無謀ではないでしょうし、早急に外交解決が図られるでしょう。米国やロシア、韓国といった周辺諸国EU諸国などもその方向で働きかけるに決まってる。
 大体「日中軍事衝突」なんて考えたら「日本企業の中国進出」だの「中国人訪日観光客の受入」だの成り立ちません。

*1:『安保法制の廃止と立憲主義の回復を求める市民連合』の略称(http://shiminrengo.com/)。『戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会』(http://sogakari.com/)、『安全保障関連法に反対する学者の会』(http://anti-security-related-bill.jp/)、『安保関連法に反対するママの会』(http://mothers-no-war.com/)、『立憲デモクラシーの会』(http://constitutionaldemocracyjapan.tumblr.com/)の連合組織。

*2:ちなみに他の項目は「4)森友加計疑惑、南スーダンPKO日報問題の追及」「5)保育、教育、雇用に関する施策を飛躍的に拡充すること」「6)雇用の不安定化と過密労働を促す『働き方改革』に反対し、生活を底上げする経済、社会保障政策を確立すること」「7)LGBT差別解消施策をはじめ、女性に対する雇用差別や賃金格差を撤廃し、選択的夫婦別姓や議員男女同数化を実現すること」