今日の朝鮮・韓国ニュース(2019年6月25日分)

日韓首脳会談は「開かれない」 韓国高官表明、未練にじませ「われわれは準備できているが…」 - 産経ニュース
 産経も本当は分かってるでしょうが、文政権に未練はないでしょうね。
 「いやー、安倍政権が首脳会談したいというならいつでもウエルカムですよ。でもそういう要望がなかったから」というのは、未練ではなく「首脳会談が出来ないのは我々、文政権側のせいではなく安倍政権のせいだ」という「言い訳」です。
 それにしても産経は「文政権、日韓首脳会談不開催について『日本から希望がなかった』と責任転嫁(責任逃れ)」などというタイトルでもつけるかと思いましたが、「未練」ですか。


北朝鮮の処刑・粛清説になぜ誤報が多いのか | 韓国・北朝鮮 | 東洋経済オンライン | 経済ニュースの新基準
 まあリンク先の記事読めば分かりますが理由は以下の通りです。
1)北朝鮮が情報公開したがらない
2)開城工業団地の閉鎖などで北朝鮮と韓国の間の情報パイプが以前より細くなった
3)朝鮮日報などのウヨメディアが平気で飛ばし記事を書く(産経の飛ばし記事に愛読者が甘いように、朝鮮日報飛ばし記事に愛読者は甘い)
 1)は北朝鮮側の問題ですが、2)、3)は韓国側の問題ですので改善は可能です。まあ、2)の改善というと「南北交流拡大」なのでウヨは反発するでしょうが。
 そして3)も「北朝鮮記事では、産経の飛ばし記事といい勝負」の韓国ウヨメディアが自らの態度を改めることはあまり期待出来そうにない。
 まあ、「ハンギョレ」などのウヨ批判メディアの奮闘に期待するしかないでしょう。


【産経抄】6月25日 - 産経ニュース

 6年前、韓国の高校生を対象にした調査では、なんと約7割の生徒がこの戦争を北侵だと回答していた。

 一寸信じられない回答結果ですね。「産経のデマ」でないとしたら、「7割の解答のほとんどは、北朝鮮が侵攻するのが北侵だと勘違いしていた(つまり歴史的事実認識としては全く間違ってない)」つう落ちじゃないんですかねえ(まあ、それも「問題ではある」でしょうが)。
 もちろん北侵という場合、そうではなく「南から北に侵攻した(つまり韓国が侵攻した)」つう話の訳ですが。
 あるいは「時代が違うとは言え、今のおんぼろな北朝鮮が韓国に侵攻したなんて信じられない」、つまり「日本が70年前、米国に戦争を仕掛けたなんて信じられない」的な話か。まあ「北朝鮮シンパ」云々つう話でないことだけは確かでしょう。
 ちなみに「北侵」から話が脱線しますが戦前日本で「ソ連相手に戦争を主張した論」を俗に「北進論」、「石油などを目当てにインドネシアなど東南アジアへの侵攻を主張した論」を俗に「南進論」といいます。日本は南進論を勿論採用し、太平洋戦争が勃発したわけです。
 我々太平洋戦争というと「真珠湾攻撃で米国と戦争」と思いがちですが、あれは「緒戦で米国の軍事力に壊滅的打撃を与えて戦争を有利にすること」が目的であって、戦争の本筋は「米国領フィリピン、英国領マレーシア、オランダ領インドネシアなど東南アジア」を日本の植民地化することです。
 そして「英国領マレーシア、オランダ領インドネシア」を奪い取るため、日本は米国だけでなく英国やオランダとも戦争したわけです。
 「南進」でググる

【著者名のあいうえお順】
・後藤乾一『昭和期日本とインドネシア:1930年代「南進」の論理・「日本観」の系譜』(1986年、勁草書房)、『近代日本と東南アジア:南進の「衝撃」と「遺産」』(1995年、岩波書店)、『東南アジアから見た近現代日本:「南進」・占領・脱植民地化をめぐる歴史認識』(2012年、岩波書店)、『近代日本の「南進」と沖縄』(2015年、岩波現代全書)
矢野暢『「南進」の系譜:日本の南洋史観』(1975年、中公新書
・山本文史『日英開戦への道:イギリスのシンガポール戦略と日本の南進策の真実』(2016年、中公叢書)

なんて本がヒットします。

 今や高校生どころか、大統領の歴史認識さえあやしくなってきた。今月6日、朝鮮戦争で戦死した兵士ら*1を追悼する「顕忠日(ヒョンチュンイル)」で、文在寅ムン・ジェイン)大統領が行った演説が波紋を広げている。「韓国軍のルーツ」としてたたえた金元鳳(キム・ウォンボン)なる人物は、なんと北朝鮮の英雄だった。抗日運動のリーダーだったところが気に入っているらしい。ただし、金元鳳は北朝鮮の政権樹立に参加し、朝鮮戦争では勲功があったとして、金日成から最高位の勲章まで受けているのだ。北朝鮮への融和姿勢は今に始まったことではないが、さすがに度が過ぎると世論の反発を招いている。

 ウィキペディア「金元鳳」を見れば分かりますが彼は「大韓民国臨時政府の光復軍副司令官、軍務部長(国防相)」なので「韓国軍のルーツの一つ」つうのはウソではありません。
 まあ、「陳独秀中国共産党創立時の総書記)、毛沢東中国共産党主席)は中国共産党のルーツの一つ」「林彪(国防相党中央軍事委員会第一副主席など歴任)は中国軍のルーツの一つ」「徳田球一日本共産党書記長)は戦後日本共産党のルーツの一つ」「清水幾太郎は60年安保闘争のリーダーの一人」とかと大して変わらないでしょう。

・金元鳳は戦後、北朝鮮国家検閲相、労働相などを歴任し、韓国側から批判された
陳独秀は一時、トロツキーを支持し、毛沢東共産党を「スターリン主義」と呼んで非難したため今でも中国共産党での評価が低いらしい
毛沢東は一応建国の父として評価されてるが、文革についてはさすがに中国でも批判されている
林彪林彪事件をおこし、中国共産党から永久除名された
・徳田は、彼の死後、対立する宮本顕治氏が党の実権を握った後は日本共産党内での評価がかなり低くなる
・清水は後に核武装論を唱えるほど極右化した

という「その後の政治活動、及びそれに対する評価」とはまた別の話です。
 もちろん文大統領の発言は「単なる事実の指摘」ではなく「南北融和を進めよう」という思惑があるからこそウヨは反発するわけですが。

 こんな大統領の下で、軍の規律が緩むのも当然だろう。今月15日には、北朝鮮の木造船が韓国東部の港に接岸し乗組員が上陸している。

 それ、「落ち度だとしても*2」、別に文大統領のせいじゃないでしょうに。
 まあ「北朝鮮犯行説を否定すると、これからする話がややこしくなるので、『天安沈没事件北朝鮮犯行説』を前提にしての話*3」ですが、李明博政権下での天安沈没事件と違って、犠牲者が出たわけでもないですし、「気の緩み」云々と批判するなら、韓国国内に停泊している軍艦を軍事攻撃で沈没させられ、犠牲者が出た天安事件の方がよほど「気の緩み」でしょう。
 実際、李大統領(当時)は「このような事件を防げず申し訳ない」と平身低頭だったわけです。

 韓国は外交でも八方ふさがりである。

 いやむしろ安倍の方が「プーチンから島を返さないと言われるわ、イラン訪問しても何の成果もないわ」で八方塞がりだと思いますが。
 産経の言う「韓国が、米国と中国のファーウェイ対立に巻き込まれて」云々は「日本やEU諸国も同じ」ですし。
 「北朝鮮核問題の解決がなかなか進展しない」つうのは6カ国協議参加国(米日韓中露)全てにとって問題であって「韓国が八方塞がり」といって済む問題じゃないし。

*1:「ら」には「ベトナム戦争での戦死」など自衛戦争とは言えない物も入っているため「顕忠(忠義を顕彰する)」という施設名もあって韓国内の批判派からは「韓国の靖国」とも呼ばれる施設です。

*2:軍艦でもない民間の木造船が上陸するのがそれほどの落ち度だろうかと個人的には思いますが。

*3:北朝鮮側は今に至るも犯行を否定しています。