今日の産経ニュース(4/10分)ほか(追記・修正あり)

■五十嵐仁*1の転成仁語『森友・日報隠蔽疑惑についての『日刊ゲンダイ』に掲載されたコメントと若干の補足』
http://igajin.blog.so-net.ne.jp/2018-04-10

 『日刊ゲンダイ』には、「森友事件に新展開」「特捜部の本丸は〝政界汚職〟か」「一部が消えた小学校建設の融資20億円」という記事も出ていました。そこには、こう書かれています。
 「当時は20億円融資の仲介者として、大臣経験者の子息A氏の名前も取りざたされた。かつてその都市銀行に勤務していたA氏が、森友の小学校建設が大きく動いたターニングポイントとなった日に、安倍首相と大阪で会食していたからだ。」
(中略)
 このA氏というのは(ボーガス注:マスコミ報道によれば)故・冬柴鉄三*2国土交通相の次男である冬柴大氏のことで、「会食」したのは冬柴氏が経営する大阪市北区の海鮮料理店「かき鐡」でした。この冬柴氏は元りそな銀行支店次長で、彼が勤務していた「都市銀行」というのはりそな銀行のことです。
 この時の会食には森友事件の影の司令部と目されている今井尚哉*3主席秘書官も同席していました。その後、森友学園に建設費として21億円もの巨額融資を行ったのが、りそな銀行*4だったというわけです。
(中略)
 そのお金の一部が政界に回ったのではないかという疑惑を大阪地検特捜部は持っており、そのための捜査を進めているというのが先に紹介した『日刊ゲンダイ』の記事の内容でした。
 果たして、この問題はどのような展開を見せるのでしょうか。

 もはや疑惑は底なし沼といっていいでしょう。しかしこの疑惑で冬柴氏の親族の名前が出てくるとはねえ。公明党もこの件で単に腐れ縁で安倍をかばってるのではなく「ズブズブの関係ではないのか」という疑惑が出てきたわけです。


【ここから産経です】
■【陸自イラク日報問題】大野敬太郎防衛政務官、質問した野党議員に「勘違いされないように」
http://www.sankei.com/politics/news/180410/plt1804100051-n1.html

「なにとぞ勘違いをされないようにお願いしたい」
 10日の衆院安全保障委員会でこう発言したのは、大野敬太郎防衛政務官だ。
 質疑に立った希望の党後藤祐一氏は、陸上自衛隊イラク派遣日報問題をめぐり、小野寺五典防衛相が立ち上げた調査チームの責任者に大野氏を起用したことを疑問視した。
 理由は、陸自イラク派遣時の防衛庁長官が大野氏の父、功統(よしのり)氏*5だったため。

 「李下に冠を正さず」という言葉は安倍政権には通用しないようです。
 「父親と息子は別人格だ」と強弁するくらいなら別の人間を調査チーム責任者にすればいいでしょうに。


安倍晋三首相「女性も安全保障政策の重要な一翼」 女性活躍のシンポジウムで
http://www.sankei.com/politics/news/180410/plt1804100050-n1.html
 この時期にシンポ出席とは、虚勢を張ってるのか、脳天気なのか知りませんが、さすが安倍と言うべきでしょうか?

女性も安全保障政策の重要な一翼

 「安全保障政策の重要な一翼」を担っていた「女性」元防衛相・稲田*6の日報問題があれほど騒がれてる今「自虐ギャグ?」と聞きたくなります。


■【三重「正論」懇話会】皇室存続へ「旧宮家復活こそ歴史にかなう」 八木秀次*7・麗澤大教授
http://www.sankei.com/west/news/180410/wst1804100093-n1.html
 なぜそこまでして女性天皇を否定したがるのか、わけがわかりません。


■自民・二階俊博*8幹事長が不快感「うんざりだ」相次ぐ財務省の文書改竄、防衛省日報問題に
http://www.sankei.com/politics/news/180410/plt1804100026-n1.html
 だったらこれらの問題で二階氏ら自民党はまともな態度をとれよと言いたくなるのは俺だけではないでしょう。


■【陸自イラク日報問題】防衛省またも日報発見 チャンス何度も…低い公文書管理意識
http://www.sankei.com/politics/news/180410/plt1804100001-n1.html
 安倍政権の命令による故意の隠蔽でしょうに
1)防衛官僚が勝手にやった
2)故意ではなく公文書管理意識が低いから、散逸してしまっただけ、過失に過ぎない
ということにしたいようです。まあ、仮に「故意か過失か不明」「政府の命令があったかどうか不明」という立場に立ったとしても今の時点で「政府の命令はなく多分過失」と言い切ってしまう産経は明らかに異常です。


■【加計学園問題】加計学園問題で愛媛県知事、「備忘録」の存在認める 獣医学部新設は「適正」
http://www.sankei.com/politics/news/180410/plt1804100047-n1.html
 おいおいですね。部外者である県知事に、認可が適正かどうかなど、わかるわけはないでしょう。


■【加計学園問題】愛媛県知事、加計文書は備忘録として認める 秘書官「首相案件」発言か
http://www.sankei.com/west/news/180410/wst1804100076-n1.html
 国側が「首相案件」といわない限り、愛媛県職員が「首相案件」なんて備忘録をつくるわけもない。どんどんぼろが出ていますね。
 当然ながら野党としては「首相案件」と発言したという柳瀬首相秘書官(当時)と、備忘録を作成した(あるいは秘書官の応対をした)県職員の証人喚問を求めることになるでしょう。


■【加計学園問題】元首相秘書官の喚問要求へ 加計文書めぐり6野党が確認
http://www.sankei.com/politics/news/180410/plt1804100029-n1.html

 野党6党は10日、国会内で国対委員長会談を開き、加計学園獣医学部新設計画をめぐり、当時の首相秘書官だった柳瀬唯夫経済産業審議官が愛媛県の担当者に「本件は、首相案件」と述べたと記した文書が存在するとの一部報道に関し、柳瀬氏らの証人喚問を求める方針で一致した。

 どんどんこうした情報が出ることによって早く安倍政権に終了してもらいたいもんです。


■「こんな人」発言は「明らかに選挙妨害」だったから 安倍晋三首相が説明
http://www.sankei.com/politics/news/180410/plt1804100004-n1.html
 何が選挙妨害なんでしょうか。面と向かって「辞めろ」といわれたことにマジギレして暴言を吐いたあげく、それをその後も正当化するとはどうしようもない男です。
 ちなみにこの安倍発言を引き出したのが野党議員ではなく自民党議員というのには絶句ですね。
 つまり野党の追及に逆ギレして放言したのではなく、安倍自ら「言い訳がしたいがため」に自民党議員に質問させた「出来レース質問」のわけです。


前川喜平・前文科次官の特定教科書批判問題「採択直ちに阻害せず」と林芳正*9文科相
http://www.sankei.com/life/news/180410/lif1804100019-n1.html
 そりゃ今の前川氏は一民間人に過ぎませんからねえ。林氏もリベラルではないにせよ、産経のような極右ではないのだから「採択に影響した」なんていうわけもないでしょう。
 

■前文科次官の前川氏、特定教科書を批判 「異様」「最悪の部類」
http://www.sankei.com/life/news/180410/lif1804100001-n1.html
 次官時代ならともかく無役の今、何の問題もないでしょうに。しかも彼は根拠レスで批判してるわけでもない。

 前川氏が批判しているのは、文科省の検定に合格した8社の教科書のうち名古屋、さいたま、浜松の各市など多数の教育委員会が採択した教育出版の本。礼儀正しいあいさつに関する記述を象徴的に批判している。
 この記述は、「おはようございます」と組み合わせる形で(1)言いながらお辞儀(2)言った後でお辞儀(3)お辞儀のあとで言う−の3パターンを示し、次ページで(2)を「れいぎ正しい」としている。(2)は「先言後礼」と呼ばれ、マナー講習などで一般的に扱われる。

 「道徳とはマナー講習ではない」「(2)が礼儀正しいとは一つの価値観に過ぎない。お辞儀の仕方という程度の話とはいえ特定の価値観を子どもに押しつけるのはいかがなものか(マナー講習でそうした考えが普及してるようだが)」「検定合格教科書とはいえあまり適切なものとは思わない」つう前川氏の批判は全くその通りでしょう。
 しかしこんなに産経が大騒ぎとはやはり「教育出版=つくる会、産経系列」なんでしょうか?。ググったらこの教育出版・道徳教科書はあの「安倍ボスブレー写真」を掲載したところで以前から批判されていたようです(例えば■産経『「教育出版」小学校道徳教科書 安倍晋三首相の写真掲載を問題視 特定団体? 不採択要請相次ぐ』(https://www.sankei.com/life/news/170908/lif1709080005-n1.html)参照)。
 なお、「安倍ボブスレー写真」のような「政治的にデリケートな話」を避けたあたり、前川氏も「元次官という立場」にそれなりに配慮したのでしょう。
 しかし「教育出版=つくる会、産経系列」として育鵬社や扶桑社では悪名高いので別の出版社から出してみましたということ?。ただ「教育出版の教科書の何が悪いんだ!」とこんなにむきになってはその偽装行為もモロバレですが。そしてその俺の「邪推(?)」が正しければおよそ教育からかけ離れた詐欺的行為です。

 省内では「在職中に教科化を反対せず、辞任後に言う*10のはやめてほしい」などと困惑が広がっている。

 まあ現役官僚は「そう発言することを希望する安倍の手前」、そう言わざるを得ないでしょうが、実際どうだか。
 「口には出せないが前川氏に同感だ、教科化は適切じゃない」とか「俺は前川発言には賛同しないが、次官辞めた人間が何言おうと表現の自由だろうに」とかいろいろじゃないですかね。
 大体「政府方針に反した行為」を在任中にした田母神(アパ論文での戦前美化)や一色(尖閣ビデオを勝手に公開)を褒め称えた産経が「官僚を辞めた人間の発言」に良くもこんなことがいえたもんです。

 産経新聞は前川氏に代理人弁護士を通じ取材を申し込んだが、回答はなかった。

 まあ回答してもいいんですが、馬鹿馬鹿しくて回答する気にならなかったんでしょう。産経に回答したところで「前川氏の発言にも一理ある」なんてことには絶対にならないし、回答しなくても前川氏の講演内容を問題だと思うのは産経の同類ウヨだけでしょう。


■【正論】前川喜平氏は「教育の中立性」侵すな 教育研究者・藤岡信勝*11
http://www.sankei.com/column/news/180413/clm1804130004-n1.html
 おいおいですね。現役官僚時代の前川氏ならともかく退官した彼の言動が「教育の中立性」を犯すわけがないし、退官した人間でも「中立性犯す」のならそれこそ現役文科官僚が「前川講演への問い合わせ」などやるのはそれこそ「中立性の侵害」でしょう。


八木秀次氏、前川氏の発言に「教育現場に混乱」
http://www.sankei.com/life/news/180410/lif1804100002-n1.html
 教育専門家でも何でもない八木なんか持ち出してる時点で呆れますね。しかも「教育現場に混乱」には何の具体性もない。かつ、もしこの教育出版・道徳教科書が俺が疑うように「つくる会、産経系列」なら八木は「つくる会側の当事者(元つくる会会長、現在、日本教育再生機構理事長)」ですから「第三者面して登場する」のは詐欺もいいところです。

*1:著書『一目でわかる小選挙区比例代表並立制』(1993年、労働旬報社)、『保守政治リストラ戦略』(1995年、新日本出版社)、『徹底検証 政治改革神話』(1997年、労働旬報社)、『政党政治労働組合運動』(1998年、御茶の水書房)、『戦後政治の実像:舞台裏で何が決められたのか』(2003年、小学館)、『この目で見てきた世界のレイバー・アーカイヴス』(2004年、法律文化社)、『活憲』(2005年、山吹書店)、『「戦後革新勢力」の源流:占領前期政治・社会運動史論1945〜1948』(編著、2007年、大月書店)、『労働政策』(2008年、日本経済評論社)、『労働再規制』(2008年、ちくま新書)、『「戦後革新勢力」の奔流:占領後期政治・社会運動史論1948〜1950』(編著、2011年、大月書店)、『テレビはなぜおかしくなったのか』(共著、2013年、高文研)、『日本の雇用が危ない:安倍政権「労働規制緩和」批判』(共著、2014年、旬報社)、『対決 安倍政権:暴走阻止のために』(2015年、学習の友社)、『活路は共闘にあり:社会運動の力と「勝利の方程式」』(2017年、学習の友社)、『打倒 安倍政権:9条改憲阻止のために』(2018年、学習の友社)など

*2:公明党幹事長、第1次安倍、福田内閣国交相など歴任

*3:資源エネルギー庁次長など歴任

*4:森友の経営がやばい今「背任融資で逮捕される可能性」もあるでしょうね。

*5:小泉内閣防衛庁長官

*6:第二次安倍内閣行革相、自民党政調会長(第二次安倍総裁時代)、第三次安倍内閣防衛相など歴任

*7:『精撰尋常小学修身書:明治・大正・昭和…親子で読みたい』(2002年、小学館文庫)、『「女性天皇容認論」を排す』(2004年、清流出版)、『本当に女帝を認めてもいいのか』(2005年、洋泉社新書y)、『「女系天皇論」の大罪』(共著、2006年、PHP研究所)などトンデモウヨ著書多数

*8:小渕、森内閣運輸相、小泉、福田、麻生内閣経産相自民党総務会長(第二次安倍総裁時代)などを経て自民党幹事長

*9:福田内閣防衛相、麻生内閣経済財政担当相、第二次、第三次安倍内閣農水相などを経て第四次安倍内閣文科相

*10:安倍相手にそんなことを言っても左遷されるだけですからねえ。保身を考えればいえないでしょう。一方「次官を辞めて保身を考える必要がなくなった今」はかなり本心を吐露してるわけです。まあ、それでも一定の配慮はしてるでしょうが。

*11:著書『「自虐史観」の病理』(2000年、文春文庫)、『教科書採択の真相:かくして歴史は歪められる』(2005年、PHP新書)など