今日の産経ニュース(4/11分)(追記・修正あり)

■「加計ありきの動き決定的証拠」愛媛県文書に前川氏*1コメント
http://www.sankei.com/west/news/180411/wst1804110008-n1.html

「『29年1月20日に初めて加計学園獣医学部設置の意思を知った』などの首相の国会答弁は虚偽と考えざるを得ない」と指摘した。

 まあ今回の備忘録がなくても、「前川氏にコメントを求めるまでもなく」常識で考えて嘘ですが。問題は加計の学部設置意欲について知っているかどうかではなく、安倍が不当な政治介入したどうかなのに、よくもまあこんな信用性ゼロの嘘がつけるもんです。


■【歴史戦・第20部 孔子学院(2)】欧州の沿線国で関連行事急増 一帯一路に「奉仕」求められ
http://www.sankei.com/world/news/180412/wor1804120009-n1.html

 セルビアでは中国語を勉強する小学生や大学生ら約100人による「『一帯一路』・私と中国語の物語」作文コンクールがあった。
 なかでもマケドニアの聖シリル・メソディウス大学孔子学院は、2月に講演会「マケドニアの『一帯一路』構想と16+1協力における関係と発展」を開き、10月にも「中国−中東欧フォーラム 『一帯一路』構想における人的資本の作用」を開催した。ポーランドでも2回、クラクフ大学孔子学院で一帯一路に関する行事が開かれた。
 3カ国は「一帯一路」構想の「沿線国」。中国は旧ソ連崩壊後、疎遠になっていた中東欧諸国との経済関係を強化するため「16プラス1協力」の枠組みで、2012年から毎年首脳会議を開いている。
 ボスニア・ヘルツェゴビナでは18年1月にバニャルカ大学で2つ目の孔子学院が設置されており、中国がこの地域を重視していることは明らかだ。
(中略)
「私の地元に学院ができてうれしい。学院は両国民の交流と理解の促進に貢献できる」
 2016年8月末、開設式に出席した地元選出の独首相、アンゲラ・メルケルは挨拶で歓迎の意を示すとともに、こうも述べた。
 「学院は中国の伝統医学を紹介する点でも重要だ」

 ということで産経らウヨがどんなに悪口してもこうした状況は変わらないでしょう。


■【歴史戦・第20部 孔子学院(1)】「文化スパイ機関」発言で解任 「中国」を発信 日本には14私大 管轄あいまい「あまりに無防備」
http://www.sankei.com/premium/news/180411/prm1804110009-n1.html

 22年に大阪産業大の当時の事務局長が組合との団体交渉で孔子学院について「(中国の)文化スパイ機関」と発言し、職を辞す事態となった。
 元事務局長は産経新聞の取材に「インフォーマルな組合の話し合い*2の時に、孔子学院に関してインターネットなどで流布されていたこと*3を話したら騒がれた」と語った。役職だけでなく、大学まで追われる*4ことになったため、元事務局長は大学側を提訴、裁判は和解となった。元事務局長は「(当時)言った通りのことにはなっている」と語った。
 大阪産業大は元事務局長の解任の理由について「(他にもいろいろあったと思う」とだけ語り、詳細は明かさなかった。

 どんな和解をしたのか、事務局長の発言が事実と認定されたのか、事務局長は復職できたのか、などについて書かないあたり産経らしいでたらめさですね。まあ、書かないというあたり「事務局長敗訴」といっていい和解内容だったのでしょうが。
 なお、「(中国の)文化スパイ機関」などという暴言を吐いたのが事実ならば、事務局長更迭などの処分は当然でしょう。
 しかし「(当時)言った通りのことにはなっている」て未だに発言するとは相当非常識な人間のようですね。
 「(他にもいろいろあったと思う」というのが事実かどうか知りませんが、こういう暴言を吐く人間なら他にも外国人差別暴言、組合への誹謗中傷など問題行為があったとしてもおかしくないでしょう。まあ、「詳細は明かさなかった」のは明かしたところで大学の恥にしかならないからでしょう。
 「何でそんな奴が事務局長だったの?」という話になる。産経が印象操作したいような話(不当な更迭)ではないでしょう。
 まあ「大学の恥をさらすこと」になっても元事務局長や「彼を利用して孔子学院を誹謗する産経」に反論する方が「大学としてのあるべき姿」でしょうが、大学当局に強要するわけにもいきません。

 日本にある孔子学院はどのような活動をしているのか。学院関係者は「学生や地域住民を対象に中国語教室を中心としたカルチャースクールのようなもの」と口をそろえて説明する。
 中国語のほか太極拳、書道、ギョーザやちまきといった中国の家庭料理などを教えている。
 昨年1年間をみても、春節を記念した「針灸特別講座」(神戸東洋医療学院孔子課堂)、「日中キッズふれあいコーナー」(福山大学孔子学院)、「全日本青少年中国語カラオケコンテスト」(桜美林大学孔子学院が上海外国語大学で主催)などのイベントが開催された。

 まあ、そういうことですね。産経の言うような「スパイガー」なんて非常識です。

 日本国内では18歳人口が減少して大学進学者が減っていく「2018年問題」に直面している。中国からの学生派遣や資金提供は大学にとって運営上プラスになっている面もある。孔子学院を設置したある大学の担当者も「一番のメリットは、中国の学生の受け入れだ」ともらす。

 でそれが何か問題なのか。

日本の孔子学院は現在のところ閉鎖の動きはないが、過去には平成26年に福山銀河孔子学堂(広島)が閉鎖した。運営していた銀河学院(同)の関係者は「ニーズがなく、希望者が少なかった。中国からの補助も出ていたが、わずかなもので、ほとんどこちらの持ち出しだった」と語る。

 産経が騒ぎ立てるような反中国的理由での閉鎖ではないわけです。

中国の文化を普及し、相互理解を深めることを目的としている孔子学院だが、中国公船や航空機は尖閣諸島沖縄県石垣市)周辺の接続水域や、防空識別圏への侵入を繰り返している。

 孔子学院と何の関係があるのか、つう話です。むしろ「そういう対立があるからこそ、一方で民間交流(孔子学院に限らない)が必要だ」ともいえる。

 日本ではどの省庁が「孔子学院」を管轄しているのか。文科省国際企画室によると、孔子学院は大学間での取り組みであり、設置や認可の届け出は必要ではないという。
 文科省で所管する部署を問い合わせたが、電話をたらい回しされるだけだった。文科省だけでなく外務省にも問い合わせたが、所管部署はなかった。

 そもそも孔子学院に限らず「孔子学院的なもの」は全てそうなんでしょう。それで不都合が今のところはないと。

 中国当局は普及を急ぐため、時間がかかる政府間協定ではなく、自由裁量で開設できる「大学間協力」という方式を採用している。

 中国に限らず、他の国だって政府間協定にすることに「手間がかかるだけで大してメリットがない」なら「大学間協定」にするでしょう。

ある公安関係者は「多くの国が孔子学院に対する懸念を共有しているが、効果的な対策を取れていないのが現状だ」ともらす。

 正体不明の公安関係者が根拠もあげずにこんなことを言っても何の説得力もありません。

*1:文科省大臣官房長、初等中等教育局長、文科審議官(文教担当)などを経て文科事務次官

*2:インフォーマルだろうとそんな暴言を吐けば、問題にされて当然です。そもそも労働組合と大学執行部は「利害が対立する立場」であってお友達ではありません。失言すれば攻撃材料にされることぐらい何で解らないのか。

*3:そもそも組合交渉の場で何でそんなことを話す必要があるのか。かつ「そうしたネット情報を紹介した上で批判した」のならともかく「肯定的態度を示した」から「中国への差別、偏見」と批判されたんでしょうに。

*4:懲戒解雇と言うことなんですかね?。それとも「マルコポーロ廃刊事件の花田」のように閑職に飛ばされて我慢できなくて自分から辞めたのか。