今日の産経ニュース&しんぶん赤旗(10/4分)(追記・修正あり)

赤旗『新閣僚ら早速暴言、戦前の教育勅語「今も使える」、敵基地攻撃能力の保有を主張、それもそのはず ズラリ「靖国」派』
https://www.jcp.or.jp/akahata/aik18/2018-10-04/2018100401_01_1.html

 2日深夜の記者会見で教育勅語について問われた柴山氏は「いまの道徳教育に使うことができる分野というのは十分にあるという意味では普遍性を持っている」と述べました。
 戦前の道徳教育「修身」では、教育勅語に基づき“天皇のために命をささげよ”と教え、子どもたちを侵略戦争に駆り立てました。そのため戦後の日本国憲法のもとで、衆参両院が同勅語の排除と失効をそれぞれ決議しました。その勅語を道徳教育で「使うことができる」との認識を現職の文科相が表明したのは極めて重大です。
 一方、(ボーガス注:自民党総裁特別補佐に就任した)稲田氏*1は2日、東京都内で開かれたシンポジウムで「北朝鮮は実は非核化の意思はないんじゃないか」と述べ、「ミサイル防衛で1発目のミサイルを撃ち落とし、2発目(が撃たれる)までに敵基地を反撃する能力を持っていない状況でいいのか」と主張したと報じられました。朝鮮半島の平和の激動の流れに全く逆行する発言です。
 自民党の閣僚や役員らはこれまでも、時代錯誤で好戦的な暴言や改憲の主張を繰り返してきました。今回、自民党憲法改正推進本部長に就任した下村博文氏は文科相当時の14年4月8日、「教育勅語の中身そのものは、まっとうなことが書かれている」と発言していました。

 やはり非常識極まりない「日本会議内閣」のわけです。


赤旗『沖縄・豊見城市長選 激励会開く、玉城県政支える山川予定候補を』
https://www.jcp.or.jp/akahata/aik18/2018-10-04/2018100404_01_1.html
 「3期目を目指す現職に挑む」わけですから、県知事選で勝ったからこちらでも勝てると言うほど、もちろん話は単純ではないでしょう。しかし、やはりここで勝利して、玉城県知事を支える力を大きくしたいもんです。


【ここから産経です】
菅義偉長官「辺野古が唯一の解決策」 玉城デニー知事の「移設阻止」に反論
https://www.sankei.com/politics/news/181004/plt1810040028-n1.html
 翁長*2知事時代もそうでしたが「お前の言うことは聞かない、俺の言うことは聞け」なんて安倍一味の態度はおよそまともな政治ではありません。
 こんな居丈高な態度はせいぜい国内でしか通用せず、海外では「慰安婦銅像を建てられる」など全く通用しないわけです。


■【阿比留瑠比*3の極言御免】柴山*4発言、どこが「バカ」か
https://www.sankei.com/premium/news/181004/prm1810040009-n1.html
 文科相になった男(柴山)が教育勅語なんか褒めればバカ扱いされるのは当たり前の話。阿比留が本気で「教育勅語を褒めて悪くない」と思ってるのか、安倍政権のやることは何でも詭弁で正当化するのか知りませんがお粗末な男です。
 それはともかく、馳*5文科相や林*6文科相はさすがにここまで酷くなかったんじゃないか。

 現在は安倍政権を激しく批判している前川喜平*7元文科事務次官も、初等中等教育局長当時の26年4月の参院文教科学委員会でこう答弁している。
 「教育勅語の中には今日でも通用するような内容も含まれており、これらの点に着目して活用することは考えられる*8

 そりゃ当時は安倍政権で、前川氏は「最高ポスト・事務次官を目指すエリート官僚(天下り問題で次官を引責辞任したがその後、実際に次官になった)」ですからねえ。なお、このとき、前川氏がついていた初等中等教育局長というのは全員が全員、事務次官になれるわけじゃありませんが、「銭谷真美氏*9」「山中伸一氏*10」など事務次官になった人間もいる出世ポストです(ウィキペ「初等中等教育局」など参照)。
 どう見ても本心じゃないでしょう。「面従腹背(前川氏の著書名)」に決まってる。ここで安倍批判なんかしたら次官ポストの眼はなくなります。
 佐川元理財局長が保身から虚偽答弁したのと何ら変わりません。違いがあるとしたら、佐川が未だに保身を続けてるのに対し、退官を契機に「加計告発」「朝鮮学校無償化除外批判」などの「安倍批判を始めた」前川氏はそうでないということですね。
 これについては

https://lite-ra.com/2018/10/post-4293_5.html
 前川氏自身が昨年、ある講演会のなかで「加計学園問題よりも私が抵抗できなかったもっと大きな問題は、教育の右傾化といいますか国家主義化の動きを十分に止められていない。こっちのほうがもっと大きい責任を感じているんです」と告白したうえで、一例として“教育勅語答弁”をこう回想している。
「たとえば、こういうことがありました。教育勅語について、明日の委員会で質問がある。どういう質問かというと『教育勅語は学校の教材として使うべきだと思うがいかがか』と。それを(ボーガス注:初等中等教育)局長に訊くというので──私がその局長なんですけど──私の答弁は従来の文部科学省のラインで、教育勅語は戦後、排除・無効確認の決議が行われていて、これを教育の理念として使うことはできません、と。そして、学校の教材として使うことについても適切ではないと(いう答弁を予定していた)。こういう答弁で(文科省は)ずっときているわけです、70年間」
 ところが、委員会当日の朝、直前の大臣へのレクの際、前川氏は下村文科相から直接、教材としての使用を認めるよう書き直しを命じられたという。
「委員会がある日は朝、大臣と一緒に、こういう質問がありますからこういう答弁にしましょうという“答弁レク”っていうのをするんですね。その朝の答弁のレクのときに大臣がですね──普通は大臣の答弁だけ説明するんですが──この質問についてだけは局長答弁も見せろと言われて。『こうなってます』と見せたら『これじゃダメだ』と言われたわけです。答弁の最後に『教育勅語のなかにも普遍的に通用することが書いてあるので、この点に着目して学校の教材として使用することは差し支えない』と書き直せと言われたんです」

というリテラの記事を紹介しておきます。
 何も「立場上、上の批判ができない下が心にもないことを言う」なんてのは古今東西いくらでもある話です。
 たとえば文革全盛期に毛沢東批判ができたか。そんなん「一部の勇敢な人間しかしない」わけです。
 前川氏の答弁もそれと同じです。
 こんなことは柴山が正しいなんて話に何ら使えない。

https://www.huffingtonpost.jp/2017/07/18/jie-yu_n_17513456.html
 劉暁波*11の告別式は15日午前に営まれた。遺体は火葬後に海に散骨された。
 同日午後、瀋陽*12当局は劉氏の実兄である劉暁光氏(68)とともに記者会見し、散骨は「地元の風習」であり、かつ遺族の意向に沿ったものだと発表した。会見には、散骨に反対したと伝えられていた妻の劉霞氏(56)は「体調不良」とされ、会見に姿を見せなかった。
 劉暁光氏は会見の中で、中国当局の対応を「人道的な対応をしてくれた中国共産党と政府に感謝する。治療から散骨まで、親族の願いに完璧に沿っていた」と賞賛した。
 さらに劉暁光氏は、「世界トップクラスの専門医まで呼び、社会主義の優越性を示した。これは中国でなければ実現できないことだ」と、中国政府を褒めちぎった。

という事実を理由に「劉暁波の兄貴は、中国共産党に感謝している。だから『投獄はともかく』、がん治療も死後の海への散骨も、中国政府による劉の扱いに何ら問題なかったんや。劉の妻は抗議してる?。関係ないがな、そんなん」というくらい、阿比留の主張は無茶苦茶です(まあ例はこの件でなくても何でもいいですが)。
 劉の兄貴に中国政府批判なんかできるのか。まあ無理でしょうね。「処罰など報復を覚悟して批判する」つう人は普通いない。
 「繰り返しますが」前川氏の答弁もそれと同じです。
 それにしても前も批判しましたが

 中国の人権活動家で7月13日に死去した劉暁波氏の実兄が15日、葬儀後の記者会見で中国当局を賛美したことをめぐり、劉氏の友人でアメリカに亡命した作家の余傑氏*13が自身のFacebookページで「この上ない恥知らずだ」と、強い言葉で批判した。

てのはねえ。「中国政府による劉の扱いはそんな風に正当化できない」と批判するのはもちろんかまいませんが兄の立場を無視して悪口雑言てのは非常識でしょう。大体、中国の抑圧に耐えきれず、米国に亡命したふぬけ野郎が安全地帯から何を抜かしてるのか。
 「そういうバカなこと言ってるようだからお前ら、自称中国民主活動家は本当にだめなんや。世の中、ほとんどの人間は劉の兄貴と同じやで」「そういうこと抜かすのなら劉暁波みたいに中国にとどまって、ムショ入りを覚悟してやれや」「つうか、劉暁波を利用した売名行為、ご苦労様です(苦笑)」と思います。
 まあ柴山が正しいと言いたいならそれこそ「安倍政権に批判的な立場の人間」「教育学の専門家」でも阿比留は持ってくるべきでしょうが当然ながらもってこれないわけです。
 なお、「初入閣が多い割には話題性なし」「在庫一掃内閣やお友達内閣などと呼ばれてること」もあってか、どうも「いわゆる、ご祝儀相場効果」はほとんどなかったようです。マスコミ各社の世論調査では支持率は「増加どころか」横ばいや微減もあった模様です。まあそれでも40%台ですのでげんなりしますが、ご祝儀効果がなかったことは安倍批判派にとって悪いことではないでしょう。 

*1:第二次安倍内閣行革相、自民党政調会長(第二次安倍総裁時代)、第三次安倍内閣防衛相を歴任

*2:那覇市議、沖縄県議、那覇市長を経て沖縄県知事。著書『戦う民意』(2015年、KADOKAWA

*3:著書『政権交代の悪夢』(2011年、新潮新書)、『破壊外交:民主党政権の3年間で日本は何を失ったか』(2012年、産経新聞出版)、『総理、あなたこそ復興の障害です:菅直人政権の「大罪」』(2014年、PHP研究所)、『偏向ざんまい:GHQの魔法が解けない人たち』(2016年、産経新聞出版)、『だから安倍晋三政権は強い』(2018年、産経新聞出版)、『安倍晋三の闘い』(2018年、ワック文庫)など

*4:第2次安倍内閣総務副大臣、第三次安倍内閣首相補佐官を経て現在、第四次安倍内閣文科相

*5:小泉内閣文科大臣政務官副大臣、第三次安倍内閣文科相を歴任

*6:福田内閣防衛相、麻生内閣経済財政担当相、第二次、第三次安倍内閣農水相、第四次安倍内閣文科相を歴任

*7:文科省大臣官房長、初等中等教育局長、文部科学審議官(文教担当)、文部科学事務次官を歴任。著書『これからの日本、これからの教育』(共著、2017年、ちくま新書)、『面従腹背』(2018年、毎日新聞出版)、『前川喜平「官」を語る』(2018年、宝島社)、『前川喜平 教育のなかのマイノリティを語る:高校中退・夜間中学・外国につながる子ども・LGBT・沖縄の歴史教育』(2018年、明石書店)、『前川喜平が語る、考える。:学ぶことと育つこと、在日とアイデンティティー、あなたと私。』(2018年、本の泉社)

*8:とはいえ「問題点は何一つない」「積極的に使いたい」とはさすがに言ってない点に注意しましょう。「内心ではこうした答弁はしたくない前川氏はもちろん」さすがに安倍や下村も教育勅語に対する批判をガン無視はできない。たとえて言えば「確かにこのテレビは壊れてるんだよ。俺も故障してないとは言わないけどさ、買い換えなくても修理すれば使えるんじゃないかと思うんだよ。いや修理して使えるとか修理して使いたいとは言ってないよ」的な完全に腰の引けた物言いです。

*9:文化庁次長、文科省生涯学習政策局長、初等中等教育局長、文科事務次官を歴任。現在は、東京国立博物館館長、日本博物館協会会長。

*10:文科省スポーツ・青少年局長、大臣官房長、初等中等教育局長、文部科学審議官(文教担当)、文部科学事務次官を歴任。文科省退官後、駐ブルガリア大使に就任するが、後に天下り問題を理由に大使を辞任。現在はドワンゴ取締役、角川ドワンゴ学園理事長。

*11:2010年ノーベル平和賞受賞者。著書『現代中国知識人批判』(1992年、徳間書店)、『天安門事件から「08憲章」へ:中国民主化のための闘いと希望』(2009年、藤原書店)、『「私には敵はいない」の思想』(2011年、藤原書店)、『最後の審判を生き延びて 劉暁波文集』(2011年、岩波書店

*12:遼寧省省都

*13:著書『劉暁波伝』(2018年、集広舎)