今日の中国ニュース(2019年6月1分)

■野原のツイート

野原燐がリツイート
・ 遠藤乾*1
‏ 今になって改めて問われている6/4天安門事件後の日本の融和的対中外交。
問われる日本の「天安門後」外交=学生弾圧に涙した現場-欧米と一線、対中関係改善時事通信社
・日本政府はその後、対中制裁を強化した欧米諸国とは一線を画し、「中国を孤立させない」と真っ先にODAを再開させ、関係改善を進めた。その外交は今も問われている。
・事件から1カ月後の7月、仏アルシュで先進7カ国(G7)首脳会議(サミット)が開かれた。焦点は中国問題。当時外務審議官(経済担当)だった故国広道彦の回顧録によると、国広は事前会合で対中制裁強化で足並みをそろえる他国に「われわれは歴史的に中国を孤立させたら排他的になることを知っている」と訴えた。スコウクロフト*2米大統領補佐官は国広に「日本は天安門事件の再発を憂慮していないのか」と批判したという。
・89年12月、日本の対中姿勢を非難したスコウクロフトが実は同年7月初めに極秘訪中し、トウ小平と会談していたことが判明した。外務省では、米の「二枚舌」外交に怒り心頭だったが、栗山*3は「日本は早く円借款の凍結解除をしたい思惑があったのである意味渡りに船で、今度は日本が米側を利用した」と実情を明かした。
 92年には中国側の求めに応じて天皇訪中が実現した。
・しかし当時の中国外交を統括した(ボーガス注:外相の)銭其シンが後に回顧録で、西側諸国による対中制裁を打破する上で天皇訪中を利用したことを認め、当時の外務省幹部は中国に裏切られた思い*4を強くした。
・日本の柔軟な対応を「突破口」に国際社会に復帰した中国は急速な経済発展を続けたが、「経済成長すれば民主化に向かう」との世界の期待*5は外れ、既存の世界秩序*6に挑戦する「強国」となった。天安門事件後、中国を手助けした日本外交は評価の分かれる所だ。

 吹き出しました。実際には「制裁解除時期が日本より遅れただけ」で欧米だって「中国ビジネス重視の立場」から対中国制裁を解除したがっていたのですが(つうかそのことは問われる日本の「天安門後」外交=学生弾圧に涙した現場-欧米と一線、対中関係改善に書いてあるのですが遠藤や野原は記事をまともに読んでないんじゃないか)。日本が「一番早く解除したこと」は欧米にとってありがたかったでしょうが、仮に日本が解除せずとも欧米はいずれ解除したでしょう。
 しかし野原の「非常識な反中国、反北朝鮮ぶり」には今更ながら呆れます。時事通信の「反中国」あほ記事にも心底呆れます。


岩屋防衛相、年内訪中へ 中国国防相と連携強化で一致 - 産経ニュース

岩屋毅防衛相は1日、訪問先のシンガポールで中国の魏鳳和・国務委員兼国防相と会談し、年内に岩屋氏が訪中することで合意した。
・岩屋氏と魏氏は、4月の海上自衛隊艦艇による中国山東省青島への寄港を踏まえ、中国海軍艦艇の訪日に向けて調整を進めることで合意。昨年6月に始まった相互通報体制「海空連絡メカニズム」に基づく、防衛当局間のホットラインの早期開設に向けた調整を加速することでも一致した。
・両氏は北朝鮮情勢についても意見交換し、朝鮮半島の非核化に向けて連携を進めることを確認した。

 ウヨ連中がいつものように「岩屋防衛相が安倍首相を無視して、勝手にやってることだ」「我々は岩屋の中国への屈服を許さない」とか言い出すんですかね。
 ちなみに中国ではありませんが韓国関係での「産経抄」と「島田洋一の岩屋非難ツイート」。

【産経抄】6月2日 - 産経ニュース
 岩屋毅防衛相の発言が気にかかる。
▼「ぜひ、お目にかかりたい」と低姿勢で意欲を示し、アジア安全保障会議シンガポール)で韓国の鄭景斗国防相と非公式に会談した。向こうはレーダー照射を「事実無根」と何一つ変わっていない。まともに話し合うなど、冗談にもほどがある*7

島田洋一
 うれしげに「お目にはかかれると思います」はないだろう。この人物はどういう表情でどういう言葉遣いをすべきかという政治家としての基本も分かっていないようだ。明確な不適材不適所。
日韓防衛相が接触 レーダー照射問題後初 - FNN.jpプライムオンライン
 岩屋防衛相は、「あしたお会いできるといいですねというお話をしました。(会談は調整中?)そうですね、お目にはかかれると思います」と述べた。
 アジア安全保障会議に出席するため、シンガポールを訪問中の岩屋防衛相は、基調講演の会場で、韓国の鄭景斗(チョン・ギョンドゥ)国防相に話しかけられ、短い会話を交わした。
 2018年12月に起きた韓国海軍の艦艇による自衛隊機への火器管制レーダー照射問題以降、日韓の防衛相が直接接触するのは初めて。
 岩屋防衛相は、鄭国防相に「あす、お会いできるといい」と伝えていて、6月1日、正式に面会するか、日韓双方が調整を進めている。

島田洋一
 何の見識もない(北に宥和的な日朝議連の、早くからの幹部*8だった)人物を防衛相に起用したこの人事は、政権の傷であり続けるだろう。
岩屋防衛相 会談調整難航も「韓国にもぜひお目にかかりたい」 アジア安保会議出席へ - 産経ニュース
 岩屋氏は日韓防衛相会談にも意欲を示しているが、昨年12月の自衛隊機への火器管制レーダー照射問題をめぐり調整は難航しており、非公式の協議や立ち話程度の接触にとどまる見通し。岩屋氏は「韓国にもぜひ、お目にかかりたい」と語った。

 まあ岩屋氏の対応はどう見ても「安倍の指示ないし了承」でしょうに、いつものように「岩屋ガー、総理を無視して韓国にこびたー、岩屋なんか更迭しろー」だそうです。


「私は中国が好きだ」ドゥテルテ大統領、親中派アピール:朝日新聞デジタル

 フィリピンのドゥテルテ大統領は31日、東京都内で開かれたシンポジウムで講演し、南シナ海で領有権を争う中国について「私は中国が好きだ」と話し、親密な関係ぶりをアピールした。

 ということで領土紛争があるとはいえ、フィリピンも基本的には親中国のわけです。産経などウヨがいうような反中国では全くない。


■一帯一路関係ニュース

モンゴル国会議長 対中債務のわな「問題ではない」 :日本経済新聞
 モンゴルのゴンボジャヴ・ザンダンシャタル国民大会議(国会)議長は30日、都内で開いた第25回国際交流会議「アジアの未来」(日本経済新聞社主催)で講演した。巨額債務の返済に行き詰まり中国から経済支配を受ける「債務のわな」が国際的な関心を呼んでいることを巡り、モンゴルの場合「対中債務は対外債務全体の10%以下で問題はない」と強調した。
 中国が提唱する広域経済圏構想「一帯一路」との連携については「中国の資源をモンゴル経由でロシアに運ぶなど大きな役割を果たせる」と述べ、一帯一路の関連事業への参画には意欲を示した。

ラオス首相、一帯一路「相互理解進む」 アジアの未来 :日本経済新聞
 ラオスのトンルン・シスリット首相は31日、第25回国際交流会議「アジアの未来」(日本経済新聞社主催)で講演した。親密な関係にある中国が進める広域経済圏構想「一帯一路」に言及し、「各国の相互理解が進んでいる」と述べた。
ラオスコーヒー沸騰中
 東南アジアで唯一の内陸国ラオスは、数百~2千メートルの山々に囲まれた高地を生かし輸出品としてコーヒー栽培に注力している。
 ラオス政府にとってもコーヒーは貴重な輸出品だ。年間の輸出額45億ドル(約5千億円)の過半を占めるのは水力発電でつくる電気と銅などの鉱物だが、ラオスでは人口の7割が農業に従事しており、農産物の輸出額は全体の1割を占める。コーヒーは1億ドル(110億円)を稼ぐ輸出品として中国や日本、東南アジアに輸出される。国際連合食糧農業機関によると、17年のラオスのコーヒー生産量は15万トンで世界で12番目に多い。アジアではベトナムインドネシア、インドに次ぐ。
 政府は病気に強いコーヒーの品種開発などを進めるなど、コーヒー産業を後押ししており、25年までに28万トンと生産量を倍増させていく方針だ。

ミャンマー国家顧問府相、一帯一路「農村開発に寄与」 :日本経済新聞
 ミャンマーのチョー・ティン・スエ国家顧問府相は31日、都内で日本経済新聞のインタビューに応じた。中国の広域経済圏構想「一帯一路」の一環で進める中国・ミャンマー経済回廊について「道路や鉄道などの整備は、農村の開発や雇用創出に役立つ」と述べ、中国の資金力を地方の開発に活用する考えを強調した。
 この経済回廊は2017年、アウン・サン・スー・チー国家顧問と習近平(シー・ジンピン)国家主席の首脳会談で合意した。中国国境に近いムセと第2の都市であるマンダレーを結ぶ高速鉄道や高速道路の整備が柱だ。
 チョー・ティン・スエ氏は「現時点では基本的な考え方で合意した段階」と前置きしたうえで、早期に成果が見込める事業が「多数ある」と述べた。
 ロヒンギャの人々が長年迫害されてきた問題については「政権発足の直後から解決に取り組んでいる」と主張した。一方で国連人権理事会の調査団がミャンマー国軍への制裁強化を求めたことについては「調査団の報告書は一方的で、明白な証拠も示されていない」と批判した。

 ミャンマー記事後半のロヒンギャ云々の部分は今後国際社会の批判をあびることになるでしょうね。いずれにせよモンゴルもラオスミャンマーも基本的には一帯一路大歓迎の訳です。

*1:著書『欧州複合危機:苦悶するEU、揺れる世界』(2016年、中公新書)など

*2:フォード、ブッシュ父政権で安保担当大統領補佐官

*3:外務省条約局長、北米局長、駐マレーシア大使、外務事務次官、駐米大使、宮内庁参与など歴任

*4:「はあ?」ですね。裏切るも何もそんな思惑があることは誰だって分かることです。

*5:そんな期待はそもそも最初から誰もしてないでしょう。単に「中国ビジネスでもうけたい」から経済成長を支援しただけです。

*6:AIIBや一帯一路のことでしょうが「アレ」と「民主化」と何の関係があるのか。「民主化すればAIIBや一帯一路はなかった」とか「民主化すればAIIBなどが、よりよい物になった」とか言うのか。

*7:むしろ「絶対に話し合わないなどと放言する産経の主張」は「冗談にもほどがある」話です。隣国とそこまで敵対してどうするのか。

*8:こうした島田の主張が事実かどうかはググった限りでは分かりませんでした。まあ普通に考えてそういう人間を安倍が閣僚にはしない、つまり「島田の事実誤認」でないかと思いますが。