■【自民党総裁選】石破茂元幹事長「ポスト安倍」に望み 254票獲得に「これ以上ない力を頂いた」
https://www.sankei.com/politics/news/180920/plt1809200106-n2.html
■【自民党総裁選】党員票は安倍晋三首相が37都道府県で勝利 石破茂元幹事長は10県
https://www.sankei.com/politics/news/180920/plt1809200107-n1.html
選挙前、首相陣営の幹部は「石破氏が200票を下回れば『ポスト安倍』の芽を完全につぶすことができる」と語っていた。票を上積みしたことで首相も石破氏側を人事で無視しにくい環境となった。
石破氏は選挙戦で森友・加計学園問題などを念頭に安倍政権の政治姿勢を批判し、石破陣営はこれが党員票の支持拡大につながったとも分析している。さらに若手議員に影響力のある小泉進次郎筆頭副幹事長も石破氏に投票した。
「安倍応援団」産経ですら「石破を干すことがやりづらくなった」と書いているのが興味深い。
また、「石破陣営の分析」と言い訳しながらも事実上「モリカケ批判が安倍に打撃となっていること」を認めているのも興味深い。
そして「国会議員票(細田派、麻生派、二階派、岸田派、石原派)を安倍が大部分固めたこと」を考えれば「10県で石破勝利」というのはやはり石破にとって大きいでしょう。
しかもトータルの党員票数では「安倍55%、石破45%」と拮抗しています。
安倍も「自分の立場は盤石でない」と改めて自覚したでしょうし、石原、岸田なども安倍に屈し出馬を諦めた自分らと違い、「石破が株を上げたこと」に歯がゆい思いがあるでしょう。
なお、投票したと言っても小泉JRの「石破支持表明」は最終盤ですからね。
腰が引けていますが、それにしても「安倍べったりではむしろ将来が危ない」と判断したのでしょう。まあ小泉JRの「安倍への造反(?)」の場合「元首相の息子」で「四世政治家」なので安倍としても「刺客候補」で潰しにくいというのもありますが。
■【自民党総裁選】首相選対・甘利明氏「うじうじ言っていたら価値が下がる」 石破派・斎藤健農水相への“圧力”発言めぐり
https://www.sankei.com/politics/news/180918/plt1809180003-n1.html
脅しを暴露されたことがよほど不快だったんでしょうねえ。
しかしこんなことをいうとは脅した人間の一人は甘利でしょうか。
「脅してなどない、斎藤君は勘違いしてるか、嘘をついてる」とも「辞表提出を求めて何が悪い。当然の行為だ」とも甘利が言えない点が滑稽です。
つうかまともな人間にとっては誰が見ても「うじうじいって価値を下げてる」のは「この問題の当事者ではないはず*1なのに余計な口出ししてる甘利」の方でしょう。こんなんは「まともに反論できない限り」、むしろ「沈黙が金」でしょう。
つうかUR疑惑で大臣を引責辞任したはずの男が何様のつもりなのか。
しかし
ですか。いくら過去に安倍が「経産相(第一次安倍内閣)や政調会長(第二次安倍総裁時代)、経済財政担当相(第二次、第三次安倍内閣)」で重用してた「お気に入り、側近の一人」とはいえ、普通、あんな不祥事でやめた人間をそんなもんにはしないんですが安倍も全く非常識な男です。
「世論や野党、マスコミの批判が怖いから、大臣や党三役などにはできないが、なんとかあいつを重用したい」つうことでしょう。
■【自民党総裁選】態度未定の橋本岳氏、石破茂氏への投票をブログで表明
https://www.sankei.com/politics/news/180918/plt1809180004-n1.html
石破が有利とは言いがたいこの時点で支持表明する理由が気になるところです。
「安倍なんてモリカケ疑惑のろくでもない人間をいくら何でも支持できない。短期的には勝利した安倍に干されるかもしれないが、長期的には石破支持した方が党にとっても自分にとってもメリットになる」という判断なのか。
はたまた「後援会の有力支持者」「自民党において世話になってる親しい政治家(例:石破支持だという竹下派会長・竹下自民党総務会長)」などが石破支持だからか。
■【自民党総裁選】安倍晋三首相「角福戦争のころは、こんなものじゃない」 斎藤健農水相への“辞表要求”は「脅しではない」
https://www.sankei.com/politics/news/180917/plt1809170015-n1.html
明らかな恫喝を「(事実だとしても)脅しじゃない」「角福戦争のころは、こんなものじゃない」とよりによって「テレビの石破との討論番組」で石破やニュースキャスターを前にしていったというのなら正気じゃないですね。角福も「少なくともお前のように俺たちがそういう事件について公然と居直ったことはねえぞ」というんじゃないか。
「自民党員という仲間ですらこんな脅しをするなら野党など政敵相手には何するかわからない」と世間にアピールしてるようなもんです。
普通なら「事実なら問題だと思うが真偽がわからないのでなんとも言えない」「少なくとも私はそんなことを支持しない」というべきでしょうが、まあ、たぶん、安倍がやらせたことだから、そうはいえないのでしょう。
こんな記事を書くことが安倍にとってメリットになると思ってるらしい産経も正気じゃない。
■【産経・FNN合同世論調査】質問と回答(9月分) 安倍内閣を支持するか 支持する49・3% 支持しない41・8%
https://www.sankei.com/politics/news/180917/plt1809170010-n1.html
げんなりですね。なんで「モリカケ疑惑総理」の支持率が上がって、かつ不支持率より多いのか。
あるいは例のプーチン発言&「野党の安倍対ロ外交批判」直後なのに何で支持率が上がって、かつ不支持率より多いのか。あのプーチン発言はどう見ても安倍対ロ外交の失敗の証明でしかないでしょうに。
「マスコミが安倍の恫喝におびえてろくに政府批判しないこと」を割り引いても日本人であることが心底嫌になり、絶望的な気持ちになります。
《首相の人柄》
評価する51.6(49.0) 評価しない41.5(43.7) 他6.9(7.3)
《景気・経済対策》
評価する39.6(43.3) 評価しない50.1(48.4) 他10.3(8.3)
調査結果が予想外すぎてずっこけました。なんでモリカケ疑惑男の「人柄なんか信用できるのか。」
経済対策の評価が4割止まりつうのも意外です。安倍の宣伝文句はアベノミクスのはずなのですが?
そして「アベノミクスを評価しない」のに「人柄を評価する」つうのもすごく変な話です。
安倍は「アベノミクスは成功してる」と未だに強弁してるわけですから。「アベノミクスを4割しか評価しない」のに「人柄評価5割」てどういうことでしょうか?。
アベノミクスを成功したと評価しないのなら、評価しない人間にとって安倍は「馬鹿か嘘つき」でしかないのですが?。
明らかに論理的に矛盾していますが、まあ「論理的に物事が考えられない馬鹿の集まり=日本人」てことでしょうか?
「安倍>石破」にはがっくりきますが、重要なのは自民支持層では「6〜7割安倍支持」「3〜4割石破支持」つうことでしょう。つまり自民支持層で「2〜3割程度」のハンデがついてもここまで巻き返すというのは「自民支持層以外(野党支持層プラス無党派層)」においていかに安倍不支持が強いかということです。将来的なことを考えたら「自民支持層以外の不支持がここまでひどい男」を担ぎ続けるのは自民にとって明らかにリスキーです。
そもそも自民支持層の安倍支持とて、おそらくは「うちの選挙区の議員先生が細田派所属で派閥の支持で安倍支持してるから」、「だから議員先生が石破支持するなら、ワシらも石破支持する」程度の弱い支持でしかないでしょう。「石破が総裁になったら、自民支持層が大幅に離反する」つうほどの安倍支持では明らかにない。
そりゃモリカケ総理の人柄を信用する%が石破より多かったらその方が異常です。むしろこれでも安倍の%が高いくらいです。
このほかの政策関係でも「安倍>石破」が多いですが、これは単に「石破が役職から干されてるため、首相の安倍と違い、政策をアピールしがたいから」つうだけの話に過ぎないでしょう。
これが「外相、政調会長の岸田」だったら話は違ったかもしれません。
安倍と石破の主張する政策を詳細に分析して回答できるほど今の多くの日本人はお利口ではありません。安倍が「私にはこういう実績がある」といえば考えなしに鵜呑みにする馬鹿が今の多くの日本人でしょう。全く困ったもんです。
《社会保障政策でより期待できるのは》
安倍晋三氏35.7 石破茂氏43.7 他20.6
《地方の活性化策でより期待できるのは》
安倍晋三氏29.3 石破茂氏57.0 他13.7
ほとんどの質問では政策関係は「安倍>石破」なのでこれは意外な結果です。つまりは安倍の社会保障政策、地方活性化で「国民の利益になってない」という不満が(おそらく野党支持層、無党派層が中心でしょうが)そうとうたまってるということでしょう。
安倍首相が自民党の憲法改正案を秋の臨時国会に提出できるよう目指す意向を示したことに賛成か
賛成38.8 反対51.1 他10.1
賛成38.8%は決して低い数字ではないし、安倍支持率も不支持率を若干上回ってることを考えれば油断はもちろん禁物ですが、それにしても安倍改憲への警戒や不信は相当高いわけです。
《2人が提唱する憲法改正項目で何がもっとも優先順位が高いと思うか》
9条の改正26.9 緊急事態条項の創設47.0
参院選の合区解消19.1 他7.0
・石破氏が提唱する「防災省」の設置に賛成か
賛成63.9 反対25.4 他10.7
緊急事態条項の創設など優先順位は高いとは全く思いませんがそれはさておき。「防災省設置に賛成の高さ」や「改憲回答の低さ」とセットで考えればここで回答者が想定している緊急事態とはもっぱら「地震や水害などの災害」でしょう。そうした災害には緊急事態条項など必要ないこと、むしろ緊急事態条項は民主主義を阻害する危険性のあることを強く訴えていくことが今後必要でしょう。
【問】政府は来年10月に消費税率を8%から10%に引き上げる予定で、安倍首相は増収分の一部を子育て支援や教育無償化の財源に充てる方針だ。消費税に関して考えの近いものは
子育て支援や教育無償化に充てるのなら予定通り引き上げるべきだ29.4
予定通り引き上げるべきだが、財政再建に重点を置くべきだ21.4
予定通り引き上げるべきだが、ほかの施策の財源にすべきだ12.0
引き上げは延期すべきだ13.3 引き上げには反対だ22.5 他1.4
質問自体がひどいですね。「引き上げるべきが3つも選択肢がある」のに「延期が1つ」「反対が1つ」というのはどう見ても「引き上げるべき」に回答を誘導しています。これでは「賛成が多いから」といっても「その数値を信用できるか」は甚だ疑問です。
たとえば死刑賛成、反対を聞く際に産経は
・えん罪の恐れがあるから反対
・国際的に廃止の流れだから反対
・大逆事件、光州事件(後に無期に減刑された上、米国亡命が認められるが金大中にいったんは死刑判決)のような政治弾圧に使われる恐れがあるから反対
・死刑は反人道的だから反対
・むしろ終身刑で死ぬまで刑務所に入れた方が償いになると思うから反対
・死刑には統計データ上「無期刑と比べて目立った犯罪抑止効果がない」から反対
・賛成
なんて「反対の選択肢が賛成より多い」選択肢で聞くのか。聞かないでしょうねえ。
むしろ逆に
・国民世論で賛成が多いから賛成
・遺族感情を癒やすために賛成
・凶悪犯罪は死を持って償うべきだと思うから賛成
・反対
とやたら死刑賛成の選択を増やしそう(苦笑)。
もちろんこんな選択肢で死刑の是非について聞くことも適切な行為ではありません。
まともな調査を目指すのならまずは「引き上げるべき」「延期」「反対」の3つで聞いた後に、「なぜそう思うのか、引き上げ支持(あるいは延期や反対)の理由を以下から回答ください」「子育て支援や教育無償化に充てるのならよいと思うから(以下略)」と聞くべきであってこういう選択肢で聞くべきではありません。
もしそうした「統計知識がない」なら産経は「統計調査をする能力、資格のない馬鹿」だし、そうした知識がありながら「賛成回答を増やしたいがために、故意にこう質問してる」のなら「詐欺的行為」という意味で産経には統計調査をする資格がありません。つうかこんな選択肢で聞いてることを堂々とばらすとは馬鹿というべきか恥知らずというべきか。
まあ産経の場合こうした調査云々以前にデマ記事常習という点で誠実さはかけらもありませんが。
《領土交渉打開のため、北方領土での海産物の養殖や温室野菜栽培など5項目の共同経済活動の実現に向けた行程表をまとめたことを評価するか》
評価する56.1 評価しない33.1 他10.8
《プーチン大統領が「年末までの前提条件なしの平和条約締結」を提案したことに対し、北方四島の帰属を解決した後に平和条約を結ぶことを原則とする日本政府はどうすべきか》
従来の原則を守るべきだ81.0
プーチン氏の提案に応じるべきだ12.7 他6.3
プーチン発言が出て、かつ「あの発言に応じるべきでない81%*2」でも「安倍の対ロ外交を評価する56%」て何なんでしょうか?。わけがわかりません。
「別に島がかえってこなくても、ロシアで金儲けすることは大事だよ」つう話なのか。
しかし、そうであるならばなんで「プーチン提案に応じない」が81%なのか。本当に訳がわかりません。
■【産経・FNN合同世論調査】自民支持者で次期総裁、安倍晋三首相71・4%、石破茂・元幹事長23・9%
https://www.sankei.com/politics/news/180917/plt1809170008-n1.html
唖然呆然ですね。
別に石破が好きなわけではありませんが、「モリカケの安倍」よりはましでしょう。
積極的な安倍支持というよりは「うちの選挙区の代議士先生が二階派所属で安倍支持だから」程度の支持理由でしょうが全くひどいもんです。
■【正論10月号】安倍首相のスピーチライター怒りの告白 モリカケ批判に堪忍袋の緒が切れた 内閣官房参与・谷口智彦
https://www.sankei.com/premium/news/180916/prm1809160003-n1.html
谷口『安倍晋三の真実』(2018年、悟空出版)なる提灯本の宣伝のようです。産経記事のタイトルだけであきれ果てたので正直本文はきちんと読んでいません。いくら何でも安倍のスピーチライターでもモリカケで安倍擁護しようとはまともな人間なら思わないでしょう。何せ石破が批判してることで分かつようにあれは「政治の私物化」というウォーターゲート並みの不祥事で、もはや「右だの左だの」いう話では全くありません。
「良識云々」以前に安倍政権が終わったときのことを考えたらそんなことは恐ろしくて常人にはできるもんではありません。
そのときに「安倍に政治力がある保証」も「安倍はなんとか逃げ切れても安倍の使い走りたちがペナルティを受けない保証」もない。まともな人間なら「モリカケでの安倍擁護」なんてそこまでの無茶はしない。
それにしてもスピーチライターって「俺はスピーチライターだ!」と堂々と公言するような存在ではなく「裏方」だと思っていたのですがねえ。
なお、「こいつ何者?」と思ったのでググったら「日経BPの元記者」だそうです。ふーん?。よりによって安倍のスピーチライターにならなくてもいいのに。つうかその程度の人間なんですかね?
ウィキペ「谷口智彦」の略歴「2008年:JR東海常勤顧問」は
1)2008年は安倍政権
2)このとき、安倍は教育再生会議委員にJR東海の葛西を選び、葛西との関係を表面化
を知ってれば「安倍のつながりでJRに入ったか」、はたまた「このときに葛西とコネを作り、後々安倍の子分となった」かともかく「ああ、そういう人なのね」感がひしひしと。
しかしこの谷口氏の存在、スピーチライターになれなかった阿比留なんぞにとっては「嫉妬の対象」でしょうね。
それにしても過去にも
・楠田實
元産経新聞政治部記者。産経退社後、一時佐藤栄作首相の秘書官を務めた。
・磯村尚徳
NHKキャスター。都知事選に自民党候補で出馬(ただし落選)。
など政治との関係のある記者はいますがそうした連中と比べてもこの谷口氏はレベルが低すぎでしょう。