今日の産経ニュースほか(2019年3月27日分)

海保と海自は共用性を確保すべきだ 太田文雄(元防衛庁情報本部長)
 なぜ「海の警察」海保を海自化したがるのか訳が分かりません。軍隊と警察はきちんと区分すべきでしょう。


求心力の低下が露呈したEU 冨山泰(国際問題研究者)

 欧州連合EU)とその主要加盟国が中国の影響力拡大への警戒を強める中で、有力加盟国の一つであるイタリアが中国台頭の象徴である「一帯一路」構想への参加を正式に決めたことは、EUの求心力低下を世界に印象付けた。

 言ってる意味がさっぱり分かりません。EU組織として「一帯一路への不参加」を決めたわけでもないのに。


天皇陛下即位30年祭典にユーミン、ゆず 北野武さんが祝辞 - 産経ニュース

 超党派の「天皇陛下御即位三十年奉祝国会議員連盟

 超党派と言ったところで「安倍が祝辞を述べる」つう時点でその右翼的性格はモロバレですがそれはさておき。

 祭典は財界を中心とする民間団体と議連が東京・隼町の国立劇場で共催する。参加者は国会議員や財界関係者ら約1800人を予定している。両陛下をはじめとする皇族方は臨席されない。

 「明治150年(参加者300人)てこの式典と比べてもしょぼいヤン」「また皇族は臨席しないのか、なんで?」ですね。皇族も「こんな右翼集会に参加したら後々差し障りがある」と思ってるのか。はたまた安倍が「右翼的にやりたくて」皇族をあえて呼ばないのか。

 歌手のMISIAさんや松任谷由実さん、フォークデュオ「ゆず」が祝賀コンサートを行い、天皇、皇后両陛下の詠まれたお歌に音楽プロデューサーの松任谷正隆さんが作曲した奉祝曲も演奏される。
 祭典は宮城県出身クラリネット奏者、伊藤圭さんらの演奏で始まり、続く式典では、安倍晋三首相や映画監督の北野武さん、ノーベル医学生理学賞受賞者の山中伸弥京都大教授らが祝辞を述べる。

 まあこういう右翼式典に参加する人間は俺的に評価できないですね。
 しかし「映画監督の北野武さん」ねえ。俺的には「お笑い芸人でたけし軍団ボスのビートたけしさん」「俳優(?)のビートたけしさん」「講談社フライデー編集部襲撃犯(元犯罪者)のビートたけしさん」なんですが。
 なお、たけしの言動は「典型的な右翼芸人」ですし、ゆずもゆず「ガイコクジンノトモダチ」はやっぱり「愛国心扇動ソング」だ! 中立を装うもネトウヨ的被害妄想と靖国美化|LITERA/リテラなどという右翼シンガーなので意外性は皆無ですが、他のメンツ(ユーミン夫婦、山中氏)はやや意外です。


【正論】原点に戻り露と平和条約交渉を 新潟県立大学教授・袴田茂樹 - 産経ニュース

 わが国には「2島プラスα」で日露首脳が実質的に合意したとの一部報道もあるが、眉唾だし交渉「進展」を装う情報操作ではないか。「2島プラスα」とは、歯舞、色丹で国境線引きをし、国後、択捉は露領と認めて*1経済協力などを進めるというものだ。露の不法占拠を批判し続け、数十年後に北方領土のわずか7%、歯舞、色丹だけで譲歩し妥協したとなると、わが国は他国の主権侵害*2を批判する権利を失う。さらに、竹島尖閣問題で韓国、中国は一挙に勢いづき、尖閣問題が将来「琉球列島問題」に発展しないという保証は全くなくなる。

 産経文化人とはいえまさか袴田が

 歯舞、色丹だけで譲歩し妥協したとなると、尖閣問題で中国は一挙に勢いづき、尖閣問題が将来「琉球列島問題」に発展しないという保証は全くなくなる。

つまり「中国は尖閣だけでなく沖縄本島の支配を狙ってる」とデマ飛ばす「荒木和博や島田洋一並みのクズ」だとは思ってもみませんでした。まだまだ俺の袴田評価も甘かったようです。
 つうかなんで北方領土問題の話でそんなデマ飛ばす必要があるのか。産経から「頼みますよ、袴田さん、中国は沖縄狙ってると書いて下さい」とごり押しがあったのか、袴田から「こびへつらってる」のかしりませんがあまりにも無様です。


殺人罪で実刑判決の講談社元次長に保釈決定 極めて異例、検察は高裁に抗告 - 産経ニュース
 「産経と検察は何馬鹿なこと言ってるんだ?」ですね。身柄拘束とは少なくとも建前では「自殺」「証拠隠滅」「逃亡」などの恐れが「身柄拘束しないと回避できない」と評価されたときにするものであって当然に身柄拘束が認められるもんではない。
 「一審は有罪」といったところで、二審で逆転無罪の可能性があるし、被告人は無実を主張しています。


【主張】小学教科書の検定 領土明記を授業に生かせ - 産経ニュース
 産経のようなウヨが教育を「国家の方針を子どもにたたき込む場」という全体主義的理解をしてることがよく分かる文章です。これで「中国の愛国教育ガー」などというのだから「どの面下げて」と思います。


複数の元号案を29日提示 皇太子さまに安倍首相 - 産経ニュース
 「これに決めました」つう事後報告ならともかく「複数の提示」を何のためにするのか。「皇太子の意見で決める」つうならそれこそ「天皇、皇族の政治介入禁止」という憲法原則に反するでしょう。一方「皇太子の意見が決定に影響しない」なら複数案見せる必要がない。
 まあウヨ連中の「皇太子の意見を事前に聞くべきだ」つう主張におもねってるんでしょうけど。


迫る時効、母ら情報求める 埼玉、小4死亡ひき逃げ - 産経ニュース
 残念ながら時効は成立するでしょうね。正直、初動捜査で証拠が得られないのでは、「犯人が自首」でもしない限り事件の解明はありそうにない。


天皇、皇后両陛下の奈良ご来県に2万1千人が奉迎の歓声 - 産経ニュース
 神武天皇陵なんか完全なフィクションですが、立場上、訪問しないわけにも行かないのでしょう。それにしても「政府の動員」もあるでしょうし「政府発表だから水増しもある」でしょうが、平日に2万人ですか(びっくり)。


【正論】憲法学者は象徴天皇の概念正せ 駒沢大学名誉教授・西修 - 産経ニュース

 東京大学法学部教授として、戦後憲法学に大きな影響を与えた宮澤俊義氏は、その著『全訂日本国憲法』(芦部信喜補訂、日本評論社)において、「法律または憲法で、一定の図案の旗をもって国を象徴する旗(国旗)と定める場合[と同様]、憲法天皇をもって国の象徴と定めたのである」と論述し、天皇の象徴性を国旗になぞらえて説明している。
 また憲法が、天皇は国事行為を行うに際して内閣の「助言と承認」を必要とすることを規定していることに関し、「ただ内閣の指示にしたがって機械的に『めくら判*3』をおすだけのロボット的存在にすることを意味する」との解釈を示している。
 宮澤教授の跡を継ぎ、同学部で憲法の講座を担当した芦部信喜*4の最新刊『憲法 第七版』(高橋和之*5補訂、岩波書店)は、明治憲法との比較に言及しつつ「象徴天皇制の主眼は、天皇が国の象徴たる役割をもつことを強調することにあるというよりも、むしろ、天皇が国の象徴たる役割以外の役割をもたないことを強調することにあると考えなければならない」と記述し、天皇の象徴性を消極的に捉えることに力点をおいている。
 この書は、公務員試験や司法試験のためのバイブルとされている。同書は400ページを超えるが「天皇象徴の意味」については、わずか10行しか割いていない。
 こうして、憲法学の主流は象徴の積極的な意味を問おうとせず、形式的、儀礼的な存在に押し込めてきた。
 天皇は一人の人間として、当然に生命があり、人格があり、感情がある。しかしながら多くの憲法解説書は、それらを捨象して、いわば非人格的な物的存在として、天皇の象徴性を説明してきていると言って過言ではない。

「助言と承認」を言葉通り捉えれば
1)天皇「俺ホニャララしたいんだけどどう思う」と内閣に助言を求める
2)天皇「俺ホニャララしたいんだけどやってもいいかな」と内閣に承認を求める
つう事になりますがそのように解釈すると「天皇は政治的権限を持たない」つう条文と矛盾するわけです。
 結局「助言と承認とはいわゆる言葉の綾であって、実際には内閣が決めた方針をそのままやるのが天皇。例えば衆院の解散は天皇が『解散したい』といってできるもんでもないし、『解散はおかしい』として内閣の方針を拒否できるもんでもない。あるいは『こんな違憲の法律、政令の公布に御名なんかサインできない』と拒否できない」というのが宮沢や芦部のような通説の訳です。
 それで何の問題もない。どこの世界に天皇の政治介入を望む人間がいるのか。昭和天皇(戦前は国家元首)ならともかく、現天皇や次の天皇はそんなことしたいとも思わないでしょう。もちろん「政治的な意味では天皇はロボットですよ」つうのは「天皇なんてたかがロボットだ」と馬鹿にしてるわけではない。政治介入さえしなければ相撲観戦しようが何しようが基本的には自由であって問題ないわけです。

 天皇の国事行為として、憲法改正、法律、政令、条約の公布、衆議院の解散、外国の大使・公使の接受などが定められている(憲法7条)。人工知能(AI)時代の今日、法令の公布や解散詔書などへの御名御璽をロボットに代行させることはできるかもしれない。天皇陛下は一つ一つの法令に目を通され、みずから毛筆で心を込めて署名される。このようなことがロボットにできるはずはない。まして外国の大使・公使の接受や外国から招いた国賓との会見などは、ロボットにできるわけがないではないか。

 問題は「毛筆で心を込めてる」「陛下と会った外国首脳が感動されてた」とかそういうことじゃないんですが。例えば天皇が「何だ、この特定秘密保護法ってのは。こんな違憲立法にサインなんか出来るか!」といったら*6「米国大統領の拒否権発動」のような効果が生じて、法律が無効になるのかつう話です。あるいは「俺、トランプとは会いたくない*7。あいつの政治的見解に賛同できないから」などと言ったら外国首脳との会見が拒否できるのかつう話です。そういう政治権限は天皇にはない。そう言う意味では「ロボット」のわけです。
 まあこういうことを言う産経や西*8天皇の権威権限を高めて政治利用したいのだ、つう事は想像がつきます。

*1:少なくとも「安倍の建前」では「二島返還」は先行返還なので「国後、択捉は棚上げではあってもロシア領と認めたわけではありません」。とはいえ現実問題「二島で手を打つ」というのも一つの価値観として俺個人は「ゼロよりはマシ」だから「一つの選択として十分ありだ」と思いますが。ただし、今のプーチンは確かに二島限定でも島を返すかどうかは怪しいです。

*2:具体的に何を想定してるんでしょうか?

*3:最近は「差別用語」としてあまり使われない言葉です。

*4:著書『憲法判例を読む』(1987年、岩波セミナーブックス)、『人権と憲法訴訟』(1994年、有斐閣)、 『人権と議会政』(1996年、有斐閣)、『宗教・人権・憲法学』(1999年、有斐閣)など

*5:著書『憲法判断の方法』(1995年、有斐閣)、『現代立憲主義の制度構想』(2006年、有斐閣)、『立憲主義日本国憲法(第4版)』(2017年、有斐閣)、『体系 憲法訴訟』(2017年、岩波書店)など

*6:まあ言いませんけど。

*7:まあ、たぶん言いませんけど。

*8:著書『日本国憲法を考える』(1999年、文春新書)、『日本国憲法はこうして生まれた』(2000年、中公文庫)、『憲法改正の論点』(2013年、文春新書) など